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2019年2月 3日 (日)

後楽園ホール・2月2日

 

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“ヴィタントニオ”

 

先月ゲットした湯沸かしポットで、

最初は新発売のティファールの温度調節機能付きを買う予定だったんだけど、

注ぎ口の形状が今一だったし、こっちの方が握り手が木製でしっくりしてて、

2倍ほどの価格だったんだけど、とっても使い勝手がいいんだわ。

 

コーヒーには100℃では無くて92℃くらいがいいって言われてるんだけど、

何度か確かめたところでは深い焙煎のコーヒーではそれほど差が無くて、

焙煎が浅いモノやブルーマウンテン系の豆だと違いがでるみたいなんだよね。

 

 

 

 

昨日は7試合が組まれてて、その内の4試合の相手が外国人で、

そういう場合だと入場者数が余り伸びないものなんだけど、

有望新人のデビュー戦が2試合あったし、日本タイトル戦もあったし、

尾川堅一さんの1年振りの復帰戦もあったってことで、

結構な入りでバルコニーも殆ど隙間がなかったんだよね。

 

帝拳ジムの長野マネにご挨拶して始まり始まり………。

 

 

 

 

① 牛島隆吾君(八王子中屋)vs小笠原梢太君(REBOOT)

                   ………Fe 4R

2勝(1KO)0敗の17歳・東京都と、3勝(2KO)1敗の23歳・岩手県。

 

<1R>

現役高校生の牛島君の方がフレーム的にもリーチも優位だったんだけど、

プレスを掛けてたのはその牛島君の方で遠目からの仕掛けも早かったんだわ。

 

小笠原君としては自分の距離にする工夫が要るところだったんだけど、

詰め寄るきっかけと打ち込むタイミングを見出しかねてて、

とってもやりにくそうにしてたんだわ。

 

<2R>

牛島君はこのままでいいと思うんだけど、

小笠原君としてはもう少しかき回したいところだったんだけど開始50秒、

鋭いワンツーを放ったのは牛島君の方で右はアッパー気味にヒットして、

小笠原君にはとっても厳しい展開になっていったんだわ。

 

流れが固まってしまったかと思われた1分25秒、

リング中央でもつれ合ったその瞬間に、多分左フックだったと思うんだけど、

小笠原君のショートブローが激しくヒットして、

何とナントなんと牛島君がダウンしてしまったんだわ。

 

リスタートした牛島君は明らかにダメージを引きずったままで、

ここぞの勢いの小笠原君に一気に追い込まれてしまった残り1分8秒、

西ロープに詰められたところでまたもやの左フックを貰って一瞬、

大きく膝カックンしてしまって最早これまでか状態になってしまったんだわ。

 

何とか何とかってここを凌いだんだけど牛島君、危険な状況には変わりなく、

一方の小笠原君はますますいきり立っての猛烈追撃を見せてた残り11秒、

小笠原君が仕留めに行ったその一瞬の間を突いて牛島君が、

窮地に追い込まれてた牛島君がタイミング良く右ストレートをヒット、

正しくカウンターのタイミングで直撃された小笠原君が衝撃のダウン。

 

ひっくり返った小笠原君も何とか四つん這いになって体を起こしたんだけど、

その表情は「ここは何処? 私は誰?」って感じだったもんで、

レフェリーも見かねてのストップエンドで2分56秒、

大逆転系で牛島君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

何度も書いてきたけど、行けると思ったその瞬間こそに危険が潜んでる訳で、

小笠原君は窮鼠が猫を噛むこともあるってことを忘れてしまってた訳で、

あれだけ追い込まれてた場面からの牛島君を讃えるべきでもあったんだよね。

 

 

 

 

② 吉野健二君(帝拳)vs伊藤大賀君(具志堅)…… M 4R

デビュー戦の18歳・福岡県と、1勝0敗の22歳・沖縄県。

 

デカイだけじゃなくてキッチリした体をした威風堂々の二人だったんだけど、

特に吉野君はとても18歳には見えななくてまるで野武士のようだったんだわ。

 

<1R>

最初にジャブで仕掛けて行ったのは野武士風の吉野君の方で、

中々のプレスも見せてたんだよね。

 

伊藤君の方も気後れすることなく冷静な対処が出来てて、

狭いところでも素早い回転で打てるタイプで1分3秒、

ハードヒットでは無かったんだけどワンツースリーが印象的だったんだわ。

 

お互いに戦意を剥き出しにしてたもんで、

一旦打ち合いになった時の迫力は生半可じゃ無かったんだわ。

 

<2R>

お互い顔面狙いに奔走する余り上下の打ち分けっていう点は疎かだったけど、

デカイ割には上体の動きはかなり柔軟で的になることを回避してたんだわ。

 

途中のバッティングで吉野君が眉間をカットしてたんだけど、

その吉野君の残り1分2秒での右ボディからの左フックが見栄え良かったなあ。

 

<3R>

大きく狙い過ぎるようになって吉野君のジャブが減ってきたんだけど、

1分過ぎの打ち合いの際の返しの左フックがグッドグッドだったんだわ。

 

伊藤君の方も残り1分からボディ攻撃が目覚ましくて、

右を2発、左を1発力強く打ち込んでたんだよね。

 

<4R>

二人共、もう少し小さいストロークで鋭く打てるといいんだけど、

互いに体を寄せ合っての密着戦では大きな効果を上げられないままで、

どっちもどっちのまま試合終了ゴング。

 

 

ってことで、自分は38ー38だったんだけど結局、

40−37、39ー38×2ってことで伊藤君の3−0勝ちだったんだけど、

成る程ねえ、あれで伊藤君のフルマーク勝ちもあるんだって思ったね。

 

 

 

 

③ 李健太君(帝拳)vs何チャラ・ナムコー……SL 4R

デビュー戦のサウスポー、22歳・大阪府と、

1勝(1KO)1敗の国内8位、20歳・タイ。

 

この試合が始まる少し前に三迫ジムの中川兼玄君が寄ってくれて、

フワフワのベージュのプルオーバーがまるで羊のようだったんだけど、

李君の応援ってことだったんだわ。

 

その李君は“リ・ゴンテ”ってコールされたんだけど、

アマ102勝10敗ってことで62連勝の記録も持ってるんだってね。

 

<1R>

そんなアマ戦績の強者に何チャラ・ナムコーは一見如何にもひ弱そうで、

オカマかプロテストを受ける前の練習生のようで見てられなかったんだよね。

 

開始ゴングが鳴って20秒もすると試合になりそうに無いのがハッキリして、

李君は実戦慣れをする為だけに時間を使ってるかのようだったんだわ。

 

だから敢えて最初っから倒しに行かないだけで、

2Rまではやるのかなあって感じだったんだけど、

もうこれ以上チンタラやってられないって様子だった終了ゴング寸前、

ドッコン1発左ストレートをブチ込んでジ・エンド。

 

何チャラ・ナムコーは最初からそういう風に倒れようって決めてたみたいで、

まるで一本棒のようになって、日本人は中々ああいう風には倒れないんだけど、

例のもうとっても続行は無理ですタイ式ダウンでそのままカウントアウト。

 

それにしても2戦1勝1敗でランカーになれるのかタイでは………。

 

 

 

 

④ 中野幹士君(帝拳)vsエカラック・何チャラ……Fe 6R

1勝(1KO)0敗のサウスポー、23歳・広島県と、

1勝1敗の国内8位、27歳・タイ。

 

前の試合のようなのを2試合続けて見るのはとってもシンドイもんで、

最初っから離席してたんだけど、又々2戦1勝1敗のランカーで案の定、

同じような1R決着だったんだよね。

 

 

 

 

ここまで4試合を終えて1時間弱しか経ってないスムース進行ってことで……。

 

途中で富岡哲也君の親父さんが話しかけて来てくれて、

近々プロテストを受ける予定の三男浩介君の話なんかしたんだわ。

 

 

 

 

⑤ ロメル・オリベロスvs江藤光喜さん(具志堅)……52.6kg 8R

8勝(3KO)4敗(3KO)1分の23歳・フィリピンと、

23勝(18KO)4敗(1KO)1分のWBC6位、WBO7位、WBA8位、IBF12位、

30歳・沖縄県。

 

中休みのような試合の三つ目だったんだけど、実に実に酷かったんだわ。

 

南席の遠目から眺めてたんだけど、

江藤さんは1R終了近くに続けざまにダウンを2個ゲットして、

次のラウンドで終わらせると思ったらそこからが延々のダラダラで、

チンタラしてる間に相手のボディブローを嫌がる嫌がるだったんだよね。

 

実はこの日の江藤さんは初っ端から動きが緩慢で、

ショットのキレも全く無かったし、終始休み休みにやってるって感じで、

やっとやっと4Rで終えることが出来たんだけど、

試合後の勝利者インタビューも思わず首を傾げてしまった訳で……。

 

最初は具志堅会長のモノマネでもしてるのかと思ったほどで、

やたら吃るし、同じ単語を4回も繰り返してつっかえてるし、

色んなところにダメージを負ってしまってるような感じだったんだけど、

普段からあんな感じなのかなあ………。

 

 

 

 

⑥ 中谷潤人さん(M・T)vs望月直樹さん(横浜光)

       ………日本 フライ級王座決定戦 10R

17勝(12KO)0敗のランク1位、サウスポー、21歳・三重県と、

15勝(8KO)3敗のランク2位、25歳・神奈川県。

 

<1R>

4〜5㎝ほど上背優位な中谷さんがいつものような素軽い立ち上がりで、

望月さんが入って来ようとするところにジャブジャブで、

開始30秒過ぎからは早くも色んなコンビネーションを見せ始めて、

長いのや短いのを上下に見栄え良く打ち分けてたんだわ。

 

残り1分になると早くも望月さんの顔面が赤くなって来て、

彼には殆ど攻め込むチャンスさえ与えられなくて、

このラウンドは10:8.5ほどもの差が付いてしまったんだわ。

 

とにかく望月さんとしては距離を潰さないと何も始まらない訳で………。

 

<2R>

開始23秒にこの試合初めて望月さんの右ショートフックがヒットして、

それを機に相手の長いショットを外しながらの踏み込みが叶うようになって、

被弾しながらも全くめげない望月さんの歯向いが印象的だったんだわ。

 

<3R>

望月さんも大分落ち着いて来たようで、

勇気を持っての詰め詰めとガチャガチャ作戦が功を奏しつつあって、

中谷さんから大きいのを貰わない距離を維持出来るようになってきたんだわ。

 

ただ残り18秒での中谷さんのショートブローのコンビネーションは秀逸で、

それはアッパーを交えた実に実に美しい連続攻撃で、

望月さんも直後に激しく反撃してたんだけど、

ポイント奪取には今一歩だったなあ。

 

<4R>

そこそこの被弾を続けながらも望月さんの勢いは一向に衰えを見せず、

中谷さんと試合をした相手から以前に聞いたことがあるんだけど、

彼の拳は石のように硬くてガッツンガッツン効くってことで、

そこそこの直撃を受けながらの望月さんの打たれ強さは驚異的だったんだわ。

 

望月さんは相手の嫌がる形に持ち込もうとして必死だったんだけど、

合間合間の被弾は隠し通せて無かったんだよね。

 

<5R>

いつの間にか中谷さんも薄っすら腫れてきたんだけど、

1発打たれると3〜4発打ち返すパターンはキッチリ守ってて、

中々相手にポイントを渡さないままで、

望月さんが若干バランスを崩す場面が目立ってきたんだよね。

 

試合半分が終わったところでの自分のスコアは50ー45で中谷さんだったけど、

発表されたものは50ー45、49ー46ってことでやっぱり中谷さんの3−0。

 

 

 

自分の斜め後ろのオッサンがやたら煩くて、

振り返ったら神奈川県のあるジムのマネジャーで、

ソイツは金でライセンスを買った不届き者で、

以前首からライセンスを下げて酒飲みながら試合を見てたもんで、

思いっ切りドヤしたことがあったんだけどやっぱりバカは治らないみたいで、

隣のオヤジと試合を見ないままやたら大声での延々の私語私語私語で、

こっちが悲しくなるほどの馬鹿面をしてるんだけど、

話し相手を探しにホールに来るんじゃないのってことなんだけど、

年寄りの常連にはそういうのが結構多いんだよね。

 

ってことで自分は軽くガンを飛ばしての席移動だったんだよね。

 

<6R>

望月さんとしては今やれることの全部を出してて、

戦い方としてはこれ以上のモノは望むべくも無かったんだけど、

そろそろ足元がバタバタしてきたし最後まで行きそうに無かったんだわ。

 

<7R>

望月さんは体力の回復を図りながらの休み休みではあったんだけど、

気持ちの強さには変わりが無くて、

まだまだ抵抗の手を止めるつもりもないみたいだったんだけど、

残り1分にはマウスピースを飛ばされてたし回転力も鈍ってきてたなあ。

 

<8R>

望月さんの力は尽きつつあったんだけど、

それでも中谷さんのハードヒットにグラリともしないままで、

それ以上貰わない為に懸命に距離を潰していってたんだわ。

 

中谷さんは押し込まれるとフィジカル的に弱いところがあって、

腰が伸びる傾向が目立ってきたんだけど、

ディフェンスはしっかりしたまま大きく被弾することが無いままで、

ラウンド中盤には望月さんの右目上を傷付けてたんだわ。

 

<9R>

このまま最終ラウンドまで行くのかって思われた開始20秒、

中谷さんの小気味のいいショートのコンビネーションがヒットヒットして、

望月さんの頭が大きく跳ね上げられてしまったところで、

レフェリーが割って入ってのストップエンドだったんだわ。

 

 

正式には9R23秒での中谷さんのTKO勝ちだったんだけど、

望月さんの粘り強い諦めないパフォーマンスが光ってたんだけど、

中谷さんも辛抱強く自らのボクシングを貫いたんだよね。

 

 

 

 

⑦ 尾川堅一君(帝拳)vsロルダン・アルデア……132P 10R

22勝(17KO)1敗(1KO)1NCの31歳・愛知県と、

12勝(6KO)6敗(3KO)1分の国内王者、サウスポー、24歳・フィリピン。

 

相手は基本2勝1敗ペースでKO率も33%しかないんだけど、

フィリピンの国内王者ってことでそこそこの期待感を持ってたんだけどね。

 

 

尾川君は1年振りの試合ってことで勘が戻り切れて無かったか、

色々あっての復帰戦で下手を打てないってことか、

終始やたら慎重で動きも硬かったんだよね。

 

この試合は結局フルラウンドまで行って勿論尾川君の大勝3−0で、

99ー92、98ー92、97ー93だったんだけど残念ながら、

試合内容としては今一の残尿感のようなものを感じたんだよね。

 

 

アルデアっていうのは戦績的にはごく普通なんだけど、

実に吹っ切れた左ストレートを打って来るもんで、

尾川君としても安易に対処出来ないっていう気持ちが強かったみたいで、

結局アルデアはシンプルなワンツーボクサー以上の何物でも無かったんだけど、

尾川君の方も右ストレートに頼り過ぎの印象が強くて、

途中で返しの左フックのいいのも見せてたんだけど、

右ストレートボディも中途半端だったし、

スムースな流れを欠いたポキポキ・ボクシングだったんだよね。

 

 

お互いの工夫の無さは試合終盤に入ってもそのままで、

アルデアの戦績も成る程ねって感じだったんだけど、

試合後のインタビューで自分が勝ってたっていうのは見当外れもいいところで、

尾川君としてもリスクを張らないままの十分な判定勝ちにシフトしたみたいで、

こういう結果はさも有りなんって感じだったんだよね。

 

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 中谷潤人さん

② 牛島龍吾君

③ 望月直樹さん

 

 

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