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2019年1月

2019年1月29日 (火)

日記 (1/ 29)

 

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“ピアノの森”

 

第2シリーズが昨日から始まって、勿論録画見なんだけどね………。

 

 

 

 

大坂なおみの全豪オープン決勝はリアルタイムで見てたんだけど、

第1セットを勝って第2セットも40−0と追い込んで、

そのままストレート勝ちしそうだったところから相手の反撃を喰らって、

呆気なくチャンピオンシップポイントを失って、

そのセットも取られてしまって1−1となった過程が余りにも脆くて、

気持ちが保てなくてヒステリックになったそれは以前の彼女のようで、

こりゃヤバイなあって感じだったんだけど、

そこからの彼女の立て直しは実に実に立派だったんだわ。

 

 

 

 

パッキャオとブローナーの試合はやっぱりブローナーが詰まらなくて、

最終ラウンド近くになってもまるでポイントリードしてるかのようで、

最後の最後までまるで空き巣狙いのようなパフォーマンスを続けてたし、

パッキャオの動きも往時の面影はなく、

年齢の割に頑張ってるって感じしかしなくて、

あの溌剌とした胸がわくわくするような彼とは程遠かったんだよね。

 

 

盛りを過ぎたボクサーを見るのも辛いけど、

全盛期を過ぎたミュージシャンの演奏を聴くのも実にシンドイんだよね。

 

数年前に見たリッチー・ブラックモアは既に指の自由を欠いてて、

ディープ・パープルとかレインボーでの彼とはまるで別人で、

それはもう見るに耐えられないほどだったんだよね。

 

エリック・クラプトンはそれほど劣化してるとは思わないけど、

最後の日本公演だって言ってから何度目かの4月に来日で、

今年74歳になる割には優れたレベルをキープしてるんだけど、

それでも最高のパフォーマンスを見せた2001年からは18年も経ってるし、

そろそろ人前に立つのは止めた方がいいと思うのはパッキャオと同じで、

どの分野でも引き際っていうのは大事だよなあって思うんだよね。

 

 

 

 

長いこと日本で一番長い小説は“大菩薩峠”だと自分は思ってたんだけど、

栗本薫って作家の“グイン・サーガ”なんだってね、知らなかったなあ………。

 

この小説は読んだことがないんだけど、世界で一番長い小説、

プルーストの“失われた時を求めて”は中学生時代に読んだことがあって、

ただ意地で挑戦するって気持ちだけだったもんで、

どんな内容だったか全く覚えていないんだわ。

 

 

 

 

最近、海外で試合をするボクサーが多くなって、

それは何らかのタイトルを狙ってのことも勿論多いんだけど、

韓国とかタイとかで何気に試合をするって感じも目立ってきて、

ボクサー達はファイトマネーがキャッシュ払いだから、

チケットを売る必要も無くて気楽なのかも知れないんだけど、

ボクサー数が激減してるもんで国内で試合を組むことが難しくなって、

仕方無くっていうケースも多いんじゃないのかなあ………。

 

 

 

 

【村木田渾身競馬】

1月は合計39レースに参加したんだけど結局全外れで、

狙い目からするとそんなに簡単に当たることはないんだけど、

毎年自分の競馬は寒い時期や夏場に弱いっていうジンクスもあるんだよね。

 

 

2019年1月26日 (土)

後楽園ホール・1月25日

 

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毎年この時期、ドームシティはイルミネーションで飾られてるんだわ。

 

 

 

 

昨日のホールは自己都合で第4試合からの入場ってことでふと見ると、

普段こういう興行には来るはずがない帝拳ジムの長野マネがおられて、

ご挨拶に伺った流れで最後まで二人並んでの観戦だったんだけど、

スパーリングに来てたボクサー二人の応援ってことだったんだわ。

 

長野さんは業界のことを色々沢山ご存知だし、

自分の勝手な発言も受け容れてくれるし、

あれやこれや教えて貰いながらの観戦だったんだけど、

昨日は大場政夫さんの47年目の命日ってことで墓参後のホール入りで、

全くホントにそういう意味でも凄い人なんだわ。        

 

 

 

 

④ 森田陽君(M・T)vs小林和輝君(角海老)……SL 6R

6勝(2KO)6敗(4KO)のサウスポー、27歳・神奈川県と、

6勝(2KO)9敗(3KO)の28歳・埼玉県。

 

<1R>

戦績的には今一の二人は実に全く大まかで、

いきなり空回りの連続だったんだけど1分16秒、

ゴチャゴチャってなって共にもつれ合って倒れ込んだ寸前に、

森田君の右フックがヒットしてたってことで小林君のダウン。

 

リスタートした小林君の左目上は大きくヒットカットされてしまってて、

いきなり大きなハンデを背負ってしまったんだわ。

 

<2R>

森田君も巧くはないんだけどとにかく元気元気で、

小林君はいい場面を作りきれないままほぼ一方的になってしまったなあ。

 

<3R>

モアーッと前詰めするところに小林君、

森田君にトントン突かれて右目上も傷み始めたんだわ。

 

それでも小林君もめげないままの頑張り頑張りで勝負を諦めてなかったね。

 

<4R>

小林君は顔面を腫れと出血で赤くしながらもそれでも前へ前へで、

森田君に自由に打たせない最低限の踏ん張りを見せてたんだけど、

ポイントバックするまでには至ってなかったんだよね。

 

<5〜6R>

小林君の諦めない必死の前詰め手数で徐々に森田君の左顔面も腫れてきて、

テクニックは感じられない同士ではあったんだけど、

お互いの必死感は戦いとして人に見せる水準には十分達してたんだよね。

 

 

ただポイント的にはどうにもならないほどの大差が付いてしまってて、

自分は59ー54だったんだけど結局、

59ー54、59ー55、58ー56ってことでやっぱり森田君の3−0勝ちだったね。

 

 

 

 

⑤ 佐藤和憲君(新日本大宮)vs中川兼玄君(三迫)……SF 6R

4勝(3KO)5敗(1KO)の31歳・北海道と、

5勝(3KO)6敗(2KO)の23歳・大阪府。

 

<1R>

1個負け越し同士のイーブン狙いの真剣勝負だったんだけど、

初っ端の勢いは佐藤君の方が勝ってて、

突っ込みながらのワンツーがいい感じでヒットしてたんだわ。

 

若干立ち遅れた感じの中川君はタイミングの合っていないカウンター主体で、

外したところに佐藤君の3発目4発目を貰うことが多かったんだわ。

 

<2R>

またしても佐藤君のガムシャラ系の手数から始まって、

中川君としてはもう少し距離の遠いところからの攻め始めが要るところで、

ってことを本人も自覚し始めたようで、中間距離からのショットが出始めて、

1分13秒に右ストレートが直撃した途端、佐藤君が即の鼻血だったんだわ。

 

戦い方の方向性を確認できたような中川君が間髪を入れない追撃で、

鋭く右ストレートボディを打ち込んで佐藤君を南ロープに飛ばして、

大きく口を開いたところにワンツーを重ね打って、

最後はまたもやの右ストレートを今度は顔面に直撃ヒットさせて、

佐藤君は大きく激しく青コーナーポストに殴り飛ばされてしまったんだわ。

 

顔を歪めて苦しそうに座り込んでしまった佐藤君を見たレフェリーが、

1分16秒での即のストップエンドだったんだわ。

 

自らの距離を取り戻した以降の中川君の一気の形勢逆転は見応えあったね。

 

 

 

 

⑥ 根本裕也君(土浦)vs鈴木基伸君(角海老)……69kg 6R

5勝(1KO)7敗(4KO)1分の32歳・茨城県と、

4勝(1KO)6敗(2KO)2分の34歳・滋賀県。

 

またもや負け越し同士の対戦ってことで………。

 

<1R>

一回りデカイ根本君のジャブの届きが良くて、

パンチのスピードは鈴木君の方が早いんだけど、

届かないワンツーに終始してたんだわ。

 

お互いにモッサリした感じが抜けないんだけど、

鈴木君の反応の悪さの方が目立ってたんだわ。

 

<2R>

試合の流れが決まってしまったような感じで、

手を出さないままに下がることが多くなった鈴木君が残り35秒、

根本君が追い込んで来たところに右ストレートを激しくカウンターヒット。

 

それはもう滅多に見られないほどのタイミングの当たりで、

まともに貰ってしまった根本君が東ロープ前で1発ダウンしてしまったんだわ。

 

何とかリスタートはしたんだけど根本君、

左目上を1発ヒットカットしてしまって顔面を血に染めてしまってたんだわ。

 

<3R>

中根君の止血がままならないままの開始ゴングだったんだけど、

レフェリーが即中断させてのドクターチェックが入って、

そのままのストップエンドで開始3秒で鈴木君のTKO勝ちだったんだよね。

 

 

中根君は行けると思ったところで慢心というか明らかに油断があって、

攻撃に夢中になる余りディフェンスを置き去りにしてしまってたんだわ。

 

 

 

 

⑦ レスター・アブタンvs多田雅君(TI山形)……F 8R

13勝(7KO)9敗(2KO)3分の国内13位の27歳・フィリピンと、

12勝(7KO)5敗(1KO)3分のランク9位、29歳・山形県。

 

この日の試合パンフとボクモバ の戦績には幾つか違いがあって、

どっちが正しいか不明だったもんで取り敢えずはボクモバの記載に従うね。

 

<1R>

まずはアブタンのプレスから始まったんだけど、

とにかく彼は仕掛けがデカ過ぎるやたらのフッカーで、

全力の右ショットに全てを賭けてるみたいだったんだわ。

 

多田さんはひたすら冷静に見極めながら細かく鋭く合間隙間を狙ってたね。

 

<2R>

絶対下がらないアブタンは相変わらずフック系オンリーの中、

多田さんは小気味のいいショート連打でポイントを重ねていったんだけど、

残り30秒からの激打ち合いには男気満々で臨んでいって、

自らの被弾に構うことなくアブタンの右目上をヒットカットさせてたんだわ。

 

<3R>

1分15秒からまたもやのショート合戦が始まって、

アブタンの顔面の腫れが更に目立ってきたんだけど勢いだけは落ちなくて、

まだまだまだまだって感じで腕を振りまくってたんだけど、

残り30秒になる頃には若干下半身の安定感を欠くようになってきたんだわ。

 

<4R>

流れが大きく多田さんに傾いたのかって思ってたらアブタンが立て直して、

再度頑張り直しての激闘が続いて、多田さんも薄っすら鼻血だったんだけど、

何分にもアブタンはちゃんとしたジャブが打てない分戦い方に限界があって、

このラウンドは多田さんの返しの左フックのヒットが目立ってたんだわ。

 

<5R〜7R>

形勢と流れには殆ど変化がないままで、

アブタンは相変わらず脱臼してしまいそうなほどの大空万振りが多くて、

その粗雑さに呆れてしまうほどだったんだけど、

それでも全く勝負を諦めるような素振りを見せないままで、

多田さんとしても仕留め切れそうに無いような感じになってきたんだわ。

 

それでも多田さんは決して雑に適当にあしらってるって感じではなくて、

動きに一分の緩みを見せることなくキッチリしたボクシングだったんだわ。

 

<8R>

アブタンのめげない頑張りは特筆モノだったんだけど、

多田さんも全く劣化のない動きをキープしてて、

最後の最後まできちんとした丁寧なパフォーマンスを見せてたんだよね。

 

自分は彼を新人王時代から見てるんだけど、

30歳を間近にして随分大人のボクシングをするようになったんだよね。

 

多田さんの圧勝が見えてたもんで自分はスコアを付けなかったんだけど結局、

78ー74、78ー75、78ー76ってことで多田さんの3−0勝ちだったんだけど、

78ー76っていうのは安易なイーブンラウンドが多過ぎだと思ったなあ。

 

 

多田さんの在籍してるジムは山形県なんだけど、

その山形にはプロジムが二つしか無いし、

隣接する宮城県と福島県、新潟県には其々1ヶ所しかなくて、

秋田県には1つもプロジムが無いっていう状況なんだよね。

 

そんな環境の中では強い相手とのスパーもままならない筈で、

そんな環境の中でのランク9位っていうのはホントにエライんだわ。

 

 

 

 

⑧ 高橋竜也さん(土浦)vs相川学己さん(三迫)……54kg 8R

29勝(21KO)8敗(1KO)5分のランク10位、29歳・茨城県と、

9勝(3KO)6敗(2KO)1分のランク12位、25歳・東京都。

 

正直高橋さんは頂点を過ぎてる感が強いし、

一方の相川さんは以前と比べると格段の向上を見せつつあるもんでね………。

 

<1R>

若干上背のある相手に相川さんは全く気遅れすることなくのジャブジャブで、

そこからのワンツーとか右ストレートボディで気持ち良く先攻したんだわ。

 

高橋さんの方も届きのいい右ストレートを何発か放ってたんだけど、

動きのキビキビさと手数的には相川さんの方が明らかに上回ってたんだわ。

 

<2R>

高橋さんも左ボディ、右フックを幾つか当て込んではいたんだけど、

相川さんの自信を持った攻撃の方が相対としては見栄えが良くて、

リーチ優位な高橋さんがいつものように勿体無い距離を強いられてたんだわ。

 

<3R>

中間距離で仕掛け切れずいつの間にか、

顔面を赤くしてたのは高橋さんだったんだけど、

相川さんの方も顎が上がり気味のままが目立ってきて、

見栄えの良く無い被弾を増やすようになってきて薄っすら鼻血で、

最後残り5秒からの反撃には見応えがあったんだけどね………。

 

<4R>

高橋さんは以前から近いところでやりたがり過ぎる傾向が強いんだけど、

今ではそれが固まってしまったもんだから修正しようもなくて、

その方が戦いやすいってことならば仕方ないんだけどね。

 

相川さんに少しばかりの緩みが見えてきて、

キリッとしたところが失われるにつれ高橋さんがそこに付け込んできて、

その辺りが高橋さんの高橋さんたる所以の頑張りポイントなんだよね。

 

ってことで試合半分を終えたところでの自分のスコアは38ー38のイーブン。

 

<5R>

開始30秒までは相川さんの細かいヒットヒットが目覚ましくて、

その後カウンター気味の右ストレートを打ち込んで残り1分15秒、

高橋さんが左目上をヒットカットされてしまってドクターチェック。

 

高橋さんといえば目の上をカットしやすいことで名が知れてて、

それは本望信人さんを彷彿をさせるほどで、

そういうハンデを負った状態から頑張り直すのも本望さんに通じてるんだわ。

 

ってことでリスタート後の飛ばして行ったのは高橋さんの方で、

試合を止められないように、相手に付け込まれないようにって感じだったなあ。

 

<6R>

ただ、高橋さんも消耗も無視出来ないようになってきたみたいで、

攻撃と守りの区切りというか切り替えがとっても分かりやすくなって、

相川さんとしてはこの辺の相手の見極めが大事になってきたんだわ。

 

微妙なスコアを思いやってか高橋さんが前半を飛ばしたんだけど、

大きな効果を上げ切れないままの行ったり来たりで、

残り1分を過ぎると明らかに手数が落ちてしまったんだわ。

 

相川さんの方も頑張ってる割りには刺激的なショットに恵まれず、

相変わらず顎を引き切れないままでの被弾は印象が良くなかったんだよね。

 

<7R>

更にスコアが混沌としてきた中、高橋さんの目の上の傷みが気になってきて、

接近戦だとパンチ以外で傷の悪化を招きそうだったんだけど、

高橋さんは益々密着戦を挑んでるようで、

中間距離から綺麗に当て込んでたのは却って相川さんの方だったんだわ。

 

<8R>

貴志会長からの「勝負だよ! 強気だよ!」の声を背に受けて、

相川さんが最後の踏ん張りに挑んで行ったんだけど、

高橋さんにとっても思いは同じだったみたいで、

いきなりガツゴツの揉み合いから始まった最終ラウンド。

 

これで最後だと思うと力は出せるんだけど二人共、

スコアが微妙なこともあってか気持ちが逸る余り正確なショットに繋がらず、

最初の2分間では優劣の決着を付けられず、

そのまま残り1分、ラスト30秒に突入していって、

高橋さんの手数踏ん張りもそこそこだったんだけど、

相川さんのヒッティングの方が印象的なままの試合終了ゴング。

 

 

ってことで自分は77ー75で相川さんだったんだけど結局、

78ー76、77−76、76ー77ってことで高橋さんの2−1勝ちだったんだわ。

 

 

周囲の第3者からも判定に首を傾げる発言が幾つか届いてきたんだけど、

どこかの1ラウンド分の評価の行ったり来たりが結果を左右したってことで、

暴動が起こるほどのことでは無かったんだよね。

 

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 相川学己さん

② 多田雅さん

③ 中川兼玄君

 

 

2019年1月24日 (木)

日記 (1/ 24)

 

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“宇宙戦艦ヤマト 2199”

 

今テレビアニメで録画取りして見てるのはこの“宇宙戦艦ヤマト2199”と、

“機動戦士ガンダム THE ORIGIN” それに、

“つり球” “ぬらりひょんの孫” “ワールド・トリガー” なんだけど、

殆どが平日毎日2本放映なもんで見るのも結構大変なんだよね。

 

“ヤマト”と“ガンダム”は奥さんは見なくて、

「戦争ばかりして、全く男っていうのは……。」って言うんだけど、

残りの三つも何らかの戦いが絡んでるんだけどね………。

 

 

 

 

相変わらず世の中はかしましいというか、

人々が前向きになって元気な気持ちに統一されるってことが無くて、

其々は自らの安全を維持しつつ自らの利益を増やすことに奔走してて、

相手方の立場に配慮するっていう精神的余裕さえ失いつつあるように思えて、

その時その時に共有できる部分だけの付き合いを続けながら、

結果的にはより強大な烏合の衆を目指してるような感じがするんだよね。

 

 

ネアンデルタール人やホモ・サピエンスの時代から人類は、

水と食料と安住の地を求めて彷徨いながら争いも欠かさなくて、

それは野生動物を含めて生きとし生けるもの全ての性(さが)であって、

同種や異種との戦いの歴史こそが生き物の存在意義とでも言えそうなんだわ。

 

民主主義と共産主義、ユダヤとイスラム、白人と有色人種の戦いと葛藤は、

ヤマトとデスラー、連邦とジオン、ボーダーとネイバーのそれとも通じてて、

人類っていうのは永遠に混迷と争いを繰り返すものらしいんだよね。

 

正義とか誠実といった概念も其々が所属する国家や宗教、

団体によって異なるのが普通で、それらの生存の欲求と主義の違いこそが、

まとまりの悪さを生んで争いごとに発展する要因なんだよね。

 

 

 

今のボクシング業界のまとまりの悪さもそういうのと変わるところが無くて、

更にこの変革の時代に体質的には50年前と変わってないことも多くて、

自分にはまだまだ黎明期としか思えない点が多いんだわ。

 

プロボクシング協会やコミッションの権威と権限、

ジムとボクサーとの間の権利と義務などがいまだに混沌としてて、

其々の正義や誠意が相反することも多くて、

あるべき姿と着地点を模索しつつまた新しい1年を迎えてるんだわ。

 

 

2019年1月20日 (日)

後楽園ホール・1月19日

 

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“つり球”

 

ストーリー的には他愛ないというか荒唐無稽のファンタジーで、

キャラクターの表情の描き方もシンプルでペラッとしてるんだけど、

背景や家の中の小物に至るまでそれ以外の全ての描き方が秀逸で、

繊細なタッチの中の独特の色使いに惚れ惚れしてしまうんだよね。

 

 

 

昨日は随分客入りが良かったんだけど、

それでも12日の方が多かったなあって瀬端さんが言ってたね。

 

 

 

 

① 坂口翔平君(協栄)vsインパクト拓睦君(18古河)……SB 4R

1勝(1KO)2敗(1KO)1分の27歳・長崎県と、

1勝(1KO)1敗(1KO)の18歳・茨城県。

 

拓睦君にはどういう訳か渕上誠さんがセコンドに付いてたんだわ。

 

<1R>

最初のプレスは拓睦君だったんだけど、

9歳年上の坂口君も対応が上手で右も左も細かく打ち分けてたんだわ。

 

拓睦君は詰めてからの打ち出しで遅れを取ってしまってたし、

フォローパンチも打ち切れないまま早くも顔面を赤くしてたんだわ。

 

<2R>

拓睦君も多少手数をアップさせていったんだけど、

いい当たりはボディブローに限られてて、

坂口君の方が圧倒的に綺麗に打ち込んでて、

とにかく拓睦君は打たれ方の形が悪過ぎだったなあ。

 

<3R>

やっぱりジャブやフォローを含めて左手の使い方が巧いのは坂口君の方で、

拓睦君はポジショニングとか頭の位置が真っ正直過ぎて、

そこそこ踏ん張ってはいたんだけど思いが遂げられないままだったなあ。

 

<4R>

二人共それほどヘロヘロにはならずスタミナは十分だったんだけど、

拓睦君は攻め手を封じ込められて展開を動かし切れないまま終了ゴング。

 

 

ってことで自分は40ー36だったんだけど結局、

ジャッジ3人も同じ見解だったみたいで40ー36×3で坂口君の圧倒3−0勝ち。

 

 

 

いきなりすぐ隣に座ってきたのが中国人女性二人組みで、

金は持ってそうだけど如何にも下品そうなオッさんに案内されてたんだけど、

その中国女達は誰かの応援でもなくやたら煩く喋りまくって、

まるで同伴出勤の時間合わせみたいだったんだけどとにかく煩くて、

ふと見やったら全く違う後ろの方の席のチケットを持ってたもんで、

「あんたら何処に座っとんの?」とか、

「Not Your Seats、Go Away!」とかどやそうかとも思ったんだけど、

新年早々どうかと思ったもんで渋々の席移動だったんだわさ。

 

 

 

 

② 阪本大樹君(花形)vs渡部浩人君(JBS)……60kg 4R

1勝(1KO)0敗の19歳・東京都と、1勝(1KO)0敗の22歳・東京都。

 

<1R>

とっても戦闘的な二人がいきなりのガンガンで、

やたら詰めてたのは渡部君だったんだけど、当たりの強さは阪本君の方で、

渡部君は近い所でやりたがり過ぎてたんだわ。

 

<2R>

渡部君が更に詰め詰めゴリゴリ度を上げていくにつれ、

1分過ぎから形勢が大きく変わっていって、

阪本君は勢いが落ちていくと共に何だかハアーハアーして来たんだわ。

 

<3R>

阪本君は特にボディブローを嫌がってるみたいで、

最初の1分間は渡部君の手数が優勢だったんだけど、

阪本君も正確な当て込みに活路を求めつつの巻き返しで、

後半は腕振りが鈍って来てはいたんだけど辛うじてヒットポイントをゲット。

 

<4R>

今度は渡部君の頑張り立て直しから始まったんだけど、

1分過ぎからは阪本君が下がりながらも挽回のヒットヒットで、

渡部君はヒッティングとバッティングで左顔面を赤く腫らせてたんだわ。

 

ポイント的には微妙なやり取りが続いたんだけど、

当たりの正確さで阪本君優勢のまま終了ゴング。

 

 

ってことで自分は39ー37で阪本君だったんだけど結局、

38ー38×3ってことで全くの0ー0イーブンだったんだよね。

 

 

 

 

③ 山中崇平君(Reason押上)vs服部達人君(伴流)……SB 4R

デビュー戦の27歳・滋賀県と、

3勝(1KO)1敗1分のサウスポー、35歳・東京都。

 

試合前に団会長に聞いたら服部君は10年振り以上の試合ってことで、

ちょっとばかりウエスト周りの緩みが目立ってたんだよね。

 

<1R>

山中君のパフォーマンスはデビュー戦としてはまあまあ出来が良くて、

服部君は下がらされてロープに詰まるとやたら右ガードが下がるんだわ。

 

山中君はその服部君に対して器用な追い打ちが印象的だったんだよね。

 

<2R>

1分13秒、山中君の右ストレートで服部君が左目上をヒットカット。

 

残り45秒にも同じような右を追い打って山中君が大きくポイントリード。

 

久し振りで試合勘を取り戻せない感じの服部君が追い込まれる一方で、

何となく勝負が付いてしまったような感じになってしまったんだわ。

 

<3R>

挽回目指して服部君が大きく振り出していったんだけどちょっと雑過ぎで、

山中君としては余裕を持ち過ぎさえしなければ大丈夫そうだったんだわ。

 

ところがところが残り1分のリングほぼ中央での山中君、

服部君に左アッパーを打ち込まれてから若干リズムを壊してしまって、

残り42秒、距離が詰まった瞬間に服部君の左ショートをカウンターで被弾、

アララーッて感じで山中君がダウンしてしまったんだわ。

 

何とかリスタートして残り10秒ほどを何とか凌いだんだけど山中君、

体の動きもパンチも流れてて危なかったんだよね。

 

<4R>

山中君のダメージが気になるイーブンで迎えた最終ラウンド、

ダウンゲットで生き返った感じで始めてたのは服部君で、

力は込め切れてなかったんだけどいいタイミングのショートブローがグッドで、

このまま押し切って逆転系の勝ちをもぎ取るかと思われた残り30秒、

山中君の渾身の逆襲が実にとっても効果的で、

最後は服部君にロープを背負わせてのこれでもかこれでもかの打ち込みで、

何とか最後の一矢を報いて試合終了ゴング。

 

 

ってことで自分は38−37で山中君だったんだけど結局、

38ー37、37−38、38−38ってことで全くの1−1ドローだったんだわ。

 

一瞬の油断のようなものが勝ちを遠ざけてしまうし、

常にチャンスを窺って頑張り続けるってことも大事なんだよね。

 

 

 

 

④ モハメド・ソリミンvs今川未来君(木更津GB)……8R

4勝(3KO)7敗(2KO)の28歳・インドネシアと、

8勝(2KO)5敗(1KO)のサウスポー、23歳・千葉県。

 

<1R>

予め今川君の勝ちが仕組まれたような試合で真面目に見てなかったんだけど、

一回り小さいソリミンはただの乱暴な殴り屋でしかなくて、

そんならってことで今川君も相手に合わせた力づくの大まかなボクシングで、

出会い頭の当たったモン勝ち系になってしまったもんで休憩タイムゲット。

 

 

ロビーで人と話をしてたら間も無くのストップ終了ゴングが聞こえて来て、

3R3分丁度で勿論今川君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

 

金本祥平君(Gツダ)vs長濱陸さん(具志堅)……W 8R

12勝(4KO)12敗(1KO)1分の30歳・大阪府と、

8勝(4KO)2敗(2KO)1分のランク3位、27歳・沖縄県。

 

この試合から真剣観戦度を上げていったんだけど、

この試合は実に全くダラダラして冗長なだけの退屈な時間だったんだよね。

 

金本さんは残念ながらとっくに盛りを過ぎてて反応系が悪かったし、

攻撃を含めて動きの全てに劣化が見受けられて気持ち的にも遅れを取ってて、

これなら長濱さんの序盤KO勝ちも十分に有り得たんだけど、

実に全く長濱さんの出来の悪さはホントにガッカリもので、

何だか嫌々やらされてるような感じしかしなかったんだよね。

 

長濱さんがそんな調子だったもんで金本さんもやれるかなって感じで、

結局フルラウンドまで進んで、80ー71、79ー73、78−74ってことで、

勿論長濱さんが圧倒3−0勝ちしたんだけど内容的にはボロボロだったなあ。

 

 

途中タレてしまった長濱さんはいとも簡単に相手のワンツーを貰いまくって、

それはもうそんなに当てられるかってほどの情けない被弾の連続で、

相手が非力だから助かってただけだったんだわ。

 

 

それにしても金本さん側のセコンド周辺からのアドバイスは尋常じゃなくて、

4〜5人ほどがああせえこおせえ大声で其々勝手なことを怒鳴りまくってて、

それは如何にもって感じの関西スタイルなんだけど、

ああいうのは彼らの只の憂さ晴らしでしかなくて、

ボクサーには大事なアドバイスが全く聞こえて無かったんだよね。

 

ってことで二人共全くダメなボクシングに終始してたんだわ。

 

 

 

 

⑥ 大嶋剣心さん(帝拳)vs定常育郎さん(T&T)……B 8R

4勝(3KO)1敗1分のランク8位、23歳・青森県と、

9勝(3KO)2敗3分のランク4位、サウスポー、21歳・神奈川県。

 

普段は若干チャラっこい同士のそれでも素晴らしい試合をする同士で、

やっぱりここからがこの日の本番だったんだよね。

 

半年程前かなあ帝拳ジムに行った時のことなんだけど、

大嶋さんが東北弁のアクセントのままで話してきたんだけど、

村田諒太さんが「コイツ、わざとなんですよ。」って言ってたなあ。

 

定常さんの方は編み込んだ髪の毛の何箇所かをリボンで結んで垂れ下げてて、

何だかアフリカの先住民のように飾り立ててたんだわ。        

 

<1R>

大嶋さんが早い左をジャブやフックで色々使い分けて、

定常さんは素早い踏み込みからのワンツーを打ち込んで始まり始まり。

 

細かい体の動きとか派手なパフォーマンスは定常さんだったんだけど、

普段はチャラっこい大嶋さんが相手が入って来る所に巧みに合わせて、

結構早い動きをしてた定常さんに正確に当て込んでたんだわ。

 

相変わらず定常さんの攻め込みは迫力満々だったんだけど、

大嶋さんの冷静な対応も素晴らしくて、

いつの間にか色白の大嶋さんより定常さんの顔面の方が赤くなってたんだわ。

 

<2R>

ジャブを省略した定常さんの踏み込みざまの左ストレートボディや、

大きく振り出した左フックを冷静に見極めた始めた大嶋さんが1分27秒、

相手の打ち終わりに綺麗な右ショートをクリーンヒットさせて、

直撃を喰らった定常さんはリボン頭をバッサバサさせられて見栄え悪くて、

彼もまだまだ動けてはいたんだけど有効打の殆ど全ては大嶋さんで、

このラウンドは大きくポイントをリードして10:8.5程もの差が付いたんだわ。

 

<3R>

定常さんはもう少し攻め手を工夫しないとマズくなってきて、

最初のワンツーを見切られると辛くなるばかりでそれなら、

決めの左ストレートをフェイクに使って、

返しの右フックを新しい武器にしたらどうかって思ったんだよね。

 

定常さんの念願がやっと叶って左ストレートが初めて当たったのは、

この回の1分20秒で、そこから一気にイケイケ度をアップさせていって、

初めてのポイントゲットかと思われた残り6秒、

ショートの打ち合いで激しく攻め立てていったのは大嶋さんの最後の逆襲で、

狭い所を器用に捻じ込見ながら強いショットを連発させてたんだわ。

 

<4R>

大嶋さんの左はジャブと引っ掛け気味のフックが絶妙だったんだけど、

定常さんの左ストレートボディもしつこい狙い撃ちで、

それが見えてれば問題無いんだけど、見えないボディブローほど効く訳で、

その辺が気になり始めたんだよね。

 

このラウンドも最後の最後残り5秒からの大嶋さんの飛ばしは秀逸で、

ポイント的に迷うところだったんだわ。

 

ってことで試合半分を終えたところでの自分のスコアは39−37で大嶋さん。

 

<5R>

髪の毛のリボンが定常さんの目の前を常によぎってて、

あれで邪魔じゃ無いのかって思ったんだけど、

気持ちを強く保ってのプレスプレスだったんだよね。

 

只、定常さんの攻撃は単発のヒッティングに終始してて、

繋ぎのパンチに欠けてた分、大嶋さんのジャブが目立ってたんだわ。

 

<6R>

大嶋さんのジャブが減ると同時に定常さんのタイミングが良くなって、

攻撃のリズムを取り戻したかのように見えた開始58秒、

大嶋さんのアッパー気味の右フックが強烈にヒットして、

そこから大嶋さんが一気に飛ばしていっての明確ポイントゲットだったなあ。

 

定常さんのダメージも気になるところだったんだけど、

大嶋さんの方も打ち疲れてボディブローが効き始めたようだったんだわ。

 

<7R>

それでもポイント的には大嶋さんがかなりリードしてたもんで、

残りの2ラウンドは余り無理をしないのか、

一方の定常さんは逆転を目指して飛ばし返せるのかってところだったんだわ。

 

そういう自分の思惑は大嶋さんに届いてなかったような開始30秒、

相手の仕掛けに大嶋さんも真っ向から挑んでいって、

そりゃまあ激しい打ち合いが始まったんだわ。

 

ちょっとリスクを張り過ぎじゃないかなあって見てたんだけど、

大嶋さんは挑まれた勝負からは逃げないって決めてたみたいで、

お互いに危険なパンチをフルショットで交差させてたんだわ。

 

ここでのやり取りで勝負が決まらなかった1分20秒、

定常さんの左ストレートがまともにヒットして、

大きく息を吹き返してその後も残り1分から、

左ストレートを2発直撃ヒットさせてたんだよね。

 

これほど明確な定常さんラウンドは始めてて、

大嶋さんは口の中を切ったみたいで周囲を赤く血に染めてたんだよね。

 

<8R>

ポイント的に定常さんとしてはダウンゲットが必須だったんだけど、

大嶋さんの方もそれこそ必死のラストラウンドで、

場内も大騒ぎのまま盛り上がる盛り上がるだったんだわ。

 

最後の最後まで動きに劣化が見られなかったのはポイント劣勢の定常さんで、

相手の口内の出血を見て更に自らの血の気も沸き立たせてるようで、

その定常さんの左ストレートと大嶋さんの右ショートカウンターの決め合いで、

序盤は定常さんが優勢に進めてたんだけど、

残り30秒からの大嶋さんの当て勘の良さがラウンドをひっくり返してたんだわ。

 

 

場内大騒ぎのままの試合終了ゴングで自分は78ー74だったんだけど結局、

77ー75×2、77−76ってことでやっぱり大嶋さんの3−0勝ちだったんだわ。

 

 

若干チャラいんだけど気持ちの強い同士の真剣勝負はこの上なくて、

試合後に本木会長とバッタリしたもんで、

「実に面白かったですわ。」って伝えたんだけど、

会長自身はこの試合をどう見てたのかなあ………。

 

 

 

 

⑦ 杉田ダイスケ君(ワタナベ)vs阿部麗也さん(KG大和)

                 ………57.8kg 8R

4勝(3KO)0敗の30歳・東京都と、

18勝(9KO)2敗のランク1位、サウスポー、25歳・福島県。

 

マッチメイク的にはとっても刺激的で、

そこそこ危険度の高い相手に阿部さんもリスクの大きい一戦だったんだけど、

勝負としては阿部さんの圧倒的キャリア勝ちを予想してたんだよね。

 

杉田君の入場曲は“西部警察”、阿部さんはアリスだったかあ………。

 

杉田君のチーフセコンドは今は角海老ジムの筈の石原さんが務めてたね。

 

体がガッチリ太いのはその杉田君なんだけど、

上背は7〜8㎝ほど阿部さんの方が上回ってたんだわ。

 

<1R>

プレスは杉田君だったんだけど体の使い方はまだまだ今一で、

フェイントもこなせないまま真っ正直に対してて、

前の手の使い方の柔らかさと巧さで阿部さんが余裕の距離キープ。

 

一旦距離が詰まったところでの杉田君の凶暴さは軽視できないんだけど、

2発ほど薄く右をかすり当ててただけで、

阿部さんのカウンター気味の数発の左ストレートの方が印象的だったんだわ。

 

<2R>

豪腕と柔軟の対決ってことで試合の図式が決まってきて、

杉田君はとにかく右1発ドッカン狙いが目立ってきて、

当たると強烈なんだけどジャブ無しのいきなりでは中々叶わなくて、

真っ直ぐ立って余り頭を動かさないもんで阿部さんのジャブがヒットヒットで、

早くもこのまま流れを取られそうな感じが漂ってきたんだわ。

 

杉田君は当てる自信がないと打っていかない感じなもんで、

手数的にも明らかに見劣り感がしてきて、

もっと捨てパンチや誘いパンチを使わないと展開が固まりそうだったんだわ。

 

<3R>

相手を見極めつつ阿部さんが徐々に動きを全開にさせていって、

フットワークとかポジショニングの多彩さを披露し始めたんだわ。

 

攻撃にも先攻めとカウンターを混ぜ込んでいって杉田君を翻弄し始めて、

いつの間にか杉田君が鼻血を見舞われてしまったんだわ。

 

残り31秒、阿部さんの右フックを被せ打ったと同時に、

杉田君が足を滑られせてマットに手を着いてしまって、

自分にはダウンに見えたんだけど、ここはスリップ裁定ってことで……。

 

やっぱり5戦目と21戦目だし、これまで戦ってきたメンバーの差が膨大だし、

その上お互いの持ってる引き出しの数の差はそれ以上に途方もなくて、

そもそもの役者の違いを思い知らされるような感じだったんだよね。

 

<4R>

かなり絶望的な状況の中、それでも杉田君はめげることなく懸命懸命で、

止まらない鼻血の中で必死の反攻を試みてたんだけど、

思いが叶わないことに変わりが無くて、阿部さんは益々余裕の動きで、

右フックを放って右へ移動して杉田君の追撃の右ショットを避けると同時に、

自らは必殺系の左フックを打ち込んでたんだわ。

 

結局徐々に杉田君は打ち出しのきっかけを見出しかねるようになって、

手数が落ちるままだった残り2秒、

阿部さんの左ストレートをまともに喰らってしまってオットットットって、

南ロープまで飛ばされてしまったんだわ。

 

 

自分の中ではこれで勝負あったってことで離席したんだけど、

杉田君は兎にも角にも最後の最後まで踏ん張り通したみたいで、

あの後阿部さんが2回ほどダウンゲットしたみたいで結局、

80ー70×2 79ー71ってことで阿部さんの3−0完勝だったんだわ。

 

 

試合の終わり近くに遠くから見てたんだけど、

阿部さんは無理に倒そうとはしてなくてそれは勿論、

杉田君の渾身の右を最後まで警戒してたんだろうけど、

それよりもすぐ近くに大きな試合を控えてるもんで、

拳なんかを傷めないようにって慎重を期してたように見えたんだけどね。

 

 

それにしても杉田君は全てが正直過ぎるボクシングだと言わざるを得なくて、

ポジショニングとか攻め方もそうなんだけど、

構えた右のグローブが寝てる(手の平が水平になってる)ことが多くて、

フック系は狙っていなくてストレート一本狙いだって、

分かってしまうことが多かったんだよね。

 

 

 

 

⑧ 和氣慎吾さん(FLARE)vs中嶋孝文君(T&H)……SB 10R

25勝(17KO)5敗(1KO)2分のWBA、WBC、IBF共に4位、

サウスポー、31歳・岡山県と、

29勝(13KO)11敗(3KO)1分の34歳・青森県。

 

二人は6年ほど前に一度対戦してて、

その時は中嶋君が判定勝ちしてるんだけど、

その頃の和氣さんはまだまだひ弱で繊細な印象が強かったんだけどその後、

二人の立場はかなり入れ替わって来てるんじゃないかなあってことで……。

 

それでも中嶋君としてもここに来て変な負け方は出来ない訳だし、

和氣さんとしても勝ち方が問われる一戦ってことで………。

 

<1R>

基本的なプレスは中嶋君が優勢で開始28秒、

ファーストヒットはその中嶋君の右ストレートだったんだけど、

その後、和氣さんが2発のワンツーで仕返した1分過ぎに一気の追い込みで、

一瞬の和氣さんの踏み込みの鋭さはやっぱり凄かったんだよね。

 

ただお互いに前振りの少ないいきなりの1発系で始めてて、

もう少しデリケートな展開を予想してたんだけどね。

 

それにしても終盤に和氣さんが大きく振り被った左フックは圧巻で、

丁度真後ろから見てたんだけど、実にとっても美しい弧を描いてたんだよね。

 

<2R>

中嶋君はジャブを省略しながらのガチャガチャ戦に持ち込みたがってて、

何とか何とかって食らいついていったんだけど残り1分、

中嶋君の右の打ち出しに合わせた和氣さんの左ショートアッパーがヒットして、

思わず明らかに中嶋君は効いてしまったみたいだったんだわ。

 

<3R>

相変わらずの中嶋君のプレスに対して和氣さんの動きが軽快で、

見極め切った訳ではないんだろうけど相手にクリーンヒットを許さないままで、

近い所でも丁寧に細かく強く打ち分けていたんだよね。

 

<4R〜5R>

中嶋君のあくまで真面目な前詰めに和氣さんも手こずるようになって来て、

いよいよこういうところからの中嶋さんの粘り強さが発揮されそうな感じで、

中々決定打が生まれなかった中での頑張り返しが始まって、

和氣さんの方もこのままズルズルいってしまいそうでもあったんだよね。

 

<6R>

いつの間にか和氣さんの顔面も薄赤くなって来た残り1分4秒、

このまま判定試合になってしまうのかなあって思い始めてたところで、

南ロープに近い所だったんだけど、

中嶋君が益々前掛りになってたところに和氣さんの左アッパーが炸裂して、

その瞬間、中嶋君の体が宙に浮くような感じさえあって、

彼はそのまま大きくバッタンダウンしてしまったんだわ。

 

それはもう終わりじゃないかってほどの直撃度と倒れ方だったんだけど、

中嶋君は必死の立ち上がりで何とか何とか続行のポーズを見せたんだわ。

 

中嶋君のギリギリのリスタートを目の前にした和氣さんは当然の鬼追撃で、

間髪を入れない左右のフックとストレートを続けざまの雨あられで、

最後は左ストレートだったかなあ大きく打ち込んで、

中嶋君を南ロープに崩し飛ばしたところでレフェリーストップエンドで、

2分20秒での壮絶なTKO勝ちだったんだわ。

 

 

ズルズル長引きそうな感じだったのをいきなりの決着で、

判定試合が多かったこの日のファイナルを見事に終えることが出来たんだわ。

 

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 阿部麗也さん

② 和氣慎吾さん

③ 大嶋剣心さん

 

 

 

 

高橋竜平さんの若干突発的に思えた世界挑戦は11RKO負けで、

リナレスの方も1RKO負けってことで何とも………。

 

 

2019年1月18日 (金)

橋………。

 

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“レイジェス”

 

 

 

 

都内の鉄道の駅で“橋”が付く駅を探してみようって突然思い立って、

路線図を眺めてみたらざっと見渡しても20ヶ所もあったんだわ。

 

新橋、水道橋、飯田橋、浅草橋、日本橋、京橋、本所吾妻橋、業平橋、

江戸川橋、面影橋、曙橋、赤羽橋、竹橋、板橋、池尻大橋、参宮橋、

中村橋、代田橋、千歳船橋、中野新橋………。

このうち自分が下車したことのある駅は11ヶ所だったね。

 

 

 

昨日は池袋に行った帰りに有楽町線で4個目、

南北線だと後楽園駅の隣の飯田橋駅から1分の帝拳ジムに寄ったんだわ。

 

アポも取らないままの突然の訪問だったんだけど、

いつものように長野マネが何しに来たの?って感じで迎えてくれて、

2時間ほどを楽しく興味深く過ごすことが出来たんだよね。

 

 

本田会長は18日のリナレスの試合もあってアメリカ出張だったんだけど、

浜田代表とか田中トレ、カルロストレ、大和トレ達と挨拶を交わして、

末吉大さん、永野祐樹さん、辻本純兵さん、

それに村田諒太さん達ともコンチワして、

復帰戦を間近にしてる尾川堅一さんのマスを見せて貰ったんだわ。

 

波田大和君と中野幹士君との計7Rだったんだけど中々興味深くて、

終了後尾川さんにポジショニングのことを色々聞かせて貰ったんだよね。

 

 

 

長野さんはこの業界における女傑というか正しく生き字引なんだけど、

昔の事ばかりでなく最近の他ジムボクサーの試合のことや、

業界の動向に関してもとっても敏感なんだよね。

 

 

色々話を聞かせて頂いてそろそろおいとましようかってところで、

冒頭写真のレイジェスを戴いたんだわ。

 

このグローブは12月30日のトリプル世界戦でのリザーブだったもので、

あの日4人はウィニングを使ってて伊藤雅雪さんはエバーラストだったから、

多分これは伊藤さんの相手だったチュプラコフのリザーブ・グローブで、

いきなりついに憧れのレイジェスの新品をゲットしたんだわ。

 

 

2019年1月17日 (木)

どうしてるかなあ……?

 

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「彼は今頃どうしてるの……?」

 

 

 

内山高志さんとか山中慎介さんっていう巨星を失って、

河野公平さんや亀海喜寛さんも姿を消して、

その他固有の諸事情も色々絡んできてここのところ、

業界が一気に冷え込んで来たような印象を自分は持ってるんだよね。

 

 

だからこそ今、八重樫東さんとか田口良一さん、小國以載さん、木村翔さん、

比嘉大吾さん、ホルヘ・リナレスや尾川堅一さん,

岩佐亮佑さんや和氣慎吾さん、村田諒太さん、粟生隆寛さん達の復権が、

強く望まれるんだよね。

 

あと岡田博喜さんや小原佳太さん、黒田雅之さん、

それに近藤明広さん達の世界挑戦にも希望を持ちたいし、

粉川拓也さんを含めた角海老ジムへの移籍組の活躍も注目なんだわ。

 

ただ、一度なりとも名と効を挙げたボクサーの復帰路線を敷くのは、

周囲が思うほど簡単ではなくて、マッチメイクの妙が全てなんだよね。

 

 

 

そんな中今後の飛躍が大きく期待されるのは中谷潤人さん、竹迫司登さん、

清水聡さん、阿部麗也さん、クドゥラ金子さんや山内涼太さん達なんだよね。

 

 

 

彼らの今年の活躍も楽しみにしてるんだけど、

一方ではもうリングで姿を見ることが出来なくなったボクサーも多くて、

竹迫司登さんに粉砕されてしまった西田光さんは諦め易かったんだけど、

高見良祐さんと長嶺克則さんのケガ引退の件は残念至極の筆頭で二人共、

日本タイトルには十分手が届くようなボクサーだったもんで、

志半分どころか3分の1か4分の1のところでリタイアせざるを得なかった

彼らの心中は如何ばかりかと思ったし、

ジム側の落胆も半端じゃなかっただろうって推測したんだよね。

 

 

彼らの他、最近試合をしてないボクサー達も気になってて、

佐々木洵樹君と白鳥大珠君は他の格闘技へ転身したって聞いてて、

個別に引退を報告してくれたボクサー達のことも納得してるんだけど、

例えば市村蓮司君とか玉木善文君、エロフェロス・ベガ君、小山拓見君、

伊藤和也君、濱田力君、大久保大騎君、石田凌太君、喜久里正平君、

新島聖人君、林和希君、原隆二さん、渡邊義友君、山元浩嗣君、林徹磨君、

石川元希君、長井一君、本間愛登君、ジェームス村重君、

細野悟さん、斉藤幸伸丸さん、濱名潤君、ポンポンタ君、蔦野哲平君、

堀陽太さん、益田健太郎さん達は今どうしてる?ってことで、

最近は他のジムの興行で見掛ける山口隼人君とか、

神津徳臣君とか清田祐三さんや村中優君はあのままなのかってことで……。

 

 

 

衆知の如くプロボクサーの現役寿命は実にとっても短くて、

そのことが他のプロスポーツ界と比較して、

選手会組織を作りにくくしてる最大の要因なんだけど、

例えば5年前、帝拳ジムには36名のプロボクサーが在籍してたんだけど、

その時の名簿の中で今でも現役なのは僅か5名だけだし、

ワタナベジムも59名のうち残ってるには13名だけで、

角海老ジムも55名のうち今でも現役なのは10名だけなんだよね。

 

 

引退したボクサー達の第2第3の人生は如何ばかりかと思う訳で、

トレーナーとしてボクシングに関わり続けてる人もいるにはいるんだけど、

殆どは従来の仕事を本業化したり、新しい仕事に就いてるんだよね。

とにかく、みんな元気にやってるのかってことで………。

 

 

2019年1月13日 (日)

後楽園ホール・1月12日

 

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「あ、明けましておめでとうございます、ます……。」

 

 

 

 

昨日の昼11時頃だったかなあ、

最初は何か白い埃のようなモノがフワフワ舞って来てすぐに、

まるでアニメのワンシーンのように小雪がシャワーのように降って来て、

それが10分ほどで止んでしまって東京の初雪が完了。

 

 

 

 

1月の後楽園ホールは4開催あるんだけど、

そのうちの3回は“DANGAN”ってことで、

入場早々に瀬端さんご夫妻にご挨拶してその後、

40人ほどの人達と「おめでとうございます、今年もよろしくです。」

ってことで、新年1回目のボクシングは結構な埋まり方だったんだわ。

 

 

 

 

① 縄井愁君(ワタナベ)vs初鹿健吾君(八王子中屋)……Mm 4R

0勝1敗の20歳、新潟県と、0勝1敗1分の26歳・東京都。

 

<1R>

初勝利目指し組同士だったんだけど初っ端の勢いは圧倒的に縄井君で、

最初の30秒間で試合の流れが決まってしまいそうだったんだけど、

その後初鹿君が立て直して五分に近いところまで戻したんだけど、

残り1分からは縄井君の再度の攻勢が目立ってたなあ。

 

お互いに中々いい左フックを打ってて、

特に初鹿君は見栄えのいいヒッティングを見せてたんだけど、

縄井君がそれを上回る手数でまずはポイントゲットかなあ。

 

<2R>

またもや縄井君が手数手数でスタートしていって、

二人共、決して巧くはないんだけど気持ちの溢れ方は半端じゃなくて、

このラウンドは残り40秒からの初鹿君の左ショットのヒットが目立ってたね。

 

<3R>

接近手数比べに移行していって、初鹿君もセコンドのアドバイスに反応して、

ラウンド終盤にかけては中々の頑張りを見せてたんだけど、

残り7秒でマウスピースを飛ばされたり見栄え的な遅れを取ってたんだわ。

 

<4R>

最初の30秒間のヒットの正確性で初鹿君が優位に立って、

縄井君も残り1分から手数アップの反攻が目覚ましく、

またもや初鹿君のマウスピースを飛ばしてたんだけど、

ラウンド全体では手数負けはしてたんだけど有効打としては初鹿君だったなあ。

 

 

ってことで自分は38−38だったんだけど結局、

39−37、39−38×2ってことで縄井君の3−0勝ちだったんだわ。

 

 

 

 

② 井上慶一君(東拳)vs今成太希君(三迫)……Fe 4R

1勝(1KO)0敗の36歳・埼玉県と、

1勝(1KO)0敗のサウスポー、21歳・新潟県。

 

井上君は3月が誕生日だからこれがラストファイトになりそうなんだわ。

 

三迫会長が言うには相手より15歳も年下の今成君はパン工場勤務ってことで、

東側バルコニーの横断幕には“闘うパン屋さん”って書いてあったんだわ。

 

<1R>

まずは今成君の強目の左ストレートボディから始まったんだけど、

前の手の捌き方でも今成君の方が優秀で、

井上君は少し仕掛けが雑と言うかとにかく振りがデカ過ぎなんだわ。

 

今成君は気持ち良くスタート出来たみたいで、

その後もタイミングのいいワンツーをヒットヒット。

 

細かく当てられるにつれ井上君は力づくで大きく挽回しようとしてたけど、

中々思いが叶わず空回りすることが多かったなあ。

 

<2R>

そもそも井上君はサウスポーが苦手のようで、

タイミングを掴めないまま打ち終わりを狙われることが多くて、

中々形勢を取り込むことが出来ないままだった残り1分8秒、

南東ポスト近くの南ロープ追い込まれたその瞬間、

今成君の左から返した右フックがまともにヒットして井上君がダウン。

 

それほどの大ダメージには見えなかったんだけど、

それまでかなりまともに貰ってしまうことが多かったせいか、

レフェリーがカウントせずの即のストップエンドで1分55秒、

今成君の手際のいいTKO勝ちだったんだわ。

 

 

今成君は1発当て込むと少し舞い上がり気味に攻め込むことがあって、

その瞬間ガードが疎かになって危ない場面もあったんだけど、

井上君の今一の不手際に助けられてって感じもあったんだけどね。

 

 

 

 

③ 佐々木凌君(青木)vs馬場裕一君(FLARE)……Mm 4R

2勝(1KO)1敗のサウスポー、24歳・秋田県と、

2勝(2KO)3敗の34歳・東京都。

 

<1R>

最初の1分間、二人共殆ど何もなしないままで、

その後もお互いのやる気が全く見えて来ないままで、

4回戦でそれもミニマム級では有り得ない、

まるで世界戦かウェルター級ボクサーの試合の入り方をしてたもんで、

一旦休憩タイムってことで………。

 

 

後で結果を確かめたら39−37、39−38×2ってことで、

佐々木君の3−0勝ちだってさ。

 

 

 

 

④ 義元得拳君(神奈川渥美)vs吉野ムサシ君(八王子中屋)

                   ………52.8kg 4R

5勝(3KO)1敗2分の33歳・神奈川県と、

6勝(2KO)4敗(2KO)の25歳・山梨県。

 

<1R>

一瞬の右の鋭さは義元君だったんだけど、

吉野君は前の手を駆使してそれに対抗してて残り1分13秒、

右のショートをグッドなタイミングでカウンターヒットさせてたんだわ。

 

義元君の方も直後の残り1分に右ストレートを2発当て込んでたんだけど、

元々ガードの緩いところにまたもや右ストレートをカウンターヒットされて、

残り27秒、思わずスットンダウンしてしまったんだわ。

 

そこそこのダメージのように見えたリスタートで、

勿論吉野君も思いっ切り飛ばしていったんだけど、

ここは義元君が何とか凌いでラウンド終了ゴング。

 

<2R>

それほどのダメージを引きずることなく義元君が立て直したんだけど、

ジャブを省略してる分攻撃のパターンが単純だったし、

ショート連打に際しても腕振りが大き過ぎで中々有効ヒットが叶わず、

中盤過ぎには右クロスを1発綺麗に打ち込んではいたんだけど、

大きく流れを引き戻すまでには至らなかったんだよね。

 

<3R>

吉野君には相手が入って来る寸前でのジャブと、

合間合間のボディブローが求められて、

一方の義元君には上下の打ち分けと右ショットの返しが必要だったんだけど、

お互いのせめぎ合いの中で主導権が行ったり来たりで、

感覚的には義元君が流れを戻しつつあるように見えたんだけど、

その義元君の鼻血が目立ってきて、実に微妙なラウンドだったんだわ。

 

<4R>

決して手数負けしてる訳ではないんだけど義元君、

当て勘が良くないのが目立ってきて、

だからもっともっと飛ばす必要があったんだけど、

ペースを上げ切るまでにはいってなかったなあ。

 

<5R>

ポイント的には義元君の更なる頑張りが必要だったんだけど、

一方の吉野君も何だか消耗が浮き出てきて、

足も手も止まり加減になって被弾を増やしつつあったんだわ。

 

<6R>

最後の踏ん張りは吉野君の方が勝ってて、

義元君は爆発出来ないまま明らかな手数落ちでそのまま終了ゴング。

 

 

ってことで自分は58−55で吉野君だったんだけど結局、

58−55、58ー56、57ー56ってことでやっぱり吉野君の3−0勝ちだったね。

 

 

 

 

⑤ 阿知和賢さん(ワタナベ)vs藤本直人君(新日本木村)

                  ………53kg 8R

11勝(4KO)14敗(1KO)5分のランク10位、32歳・神奈川県と、

10勝(5KO)9敗1分の27歳・福岡県。

 

二人は2年ちょっと前に一度対戦してて、

その時は阿知和さんが3−0勝ちしてるんだよね。

 

<1R>

まずは藤本君が気合の入った先攻めで、

詰め寄っての左右フックをガンガン打ち込んでたんだわ。

 

阿知和さんも相手のうち終わりに右ストレートを合わせてたんだけど、

初っ端から力を込めてた藤本君の方が若干優勢だったかなあ。

 

<2R>

開始18秒に阿知和さんが右ロングフックを直撃させて、

いきなり藤本君の左顔面を赤くしてたんだわ。

 

お互いに適度に力を抜くってことが不得意の全て全力系で、

このラウンドも藤本君の手数頑張りが目立ってたんだけど、

有効打ってことになると阿知和さんの方が優勢だったなあ。

 

<3R>

気持ちで負けない、打ち負けないって思っている同士で、

当たりの綺麗さでは阿知和さん、ドサクサの中では藤本君だったなあ。

 

<4R>

やっぱり藤本君は接近左右ボディに大きく活路を求めていって、

外堀から阿知和さんを弱らせることを目指していったんだけど、

もう少し繋ぎの左が必要だったし、

攻め込みの一段落が分かりやすかったなあ。

 

ただ阿知和さんの方も相手のその一段落を攻め切れて無かったけどね。

 

<5R>

近い距離でのやり取りの中で阿知和さんの顔面も赤くなってきたんだけど、

こういう感じになってから彼はしぶとさを発揮するんだよね。

 

ただ、このラウンドは阿知和さんにグッドな打ち込みが無かったもんで、

クリンチ側での藤本君のボディラッシュを評価したんだわ。

 

<6R>

密着戦の中で藤本君が右目尻をバッティングカットしてしまったんだけど、

全くめげること無く頑張る頑張るで、阿知和さんにヘバリが見えてきたなあ。

 

ここまでの自分のスコアは57ー57の丁度イーブン。

 

<7R>

ここからの2ラウンドがまさしく勝負所だったんだけど、

最初の1分間は阿知和さんが制してて、

藤本君もまだまだ腕振りのパワーが落ちて無かったんだけど、

正確なヒッティングに繋がらず阿知和さんが微妙なポイントをゲット。

 

<8R>

阿知和さんも大分消耗してきたかやたら頭から突っ込む場面が増えていって、

正にお互いの死力がぶつかり合ってたんだけど、

藤本君は更にボディブローに力を注いでたんだけど、

顔面へは最後の最後まできちんと当て切れないままだったんだよね。

 

 

ってことで自分は阿知和さんの77ー75だったんだけど結局、

78−74、78−75、77−75ってことで自分とはまるで逆の結果で、

藤本君の3−0勝ちだったんだわ。

 

 

 

 

この後、河野公平さんの引退式があって、

内山高志さんとか田口良一さん、京口紘人さん達も駆け付けてたんだよね。

 

河野さんの試合で 一番印象に残ってるのは2014年の後楽園ホールで、

その試合ではデンカオセーンに8RKO勝ちしてタイトルを取ったんだけど、

勝てないんじゃないかっていう予想を見事に覆して、

隣に座ってた帝拳ジムの本田会長に「ほらな。」って言われたんだよね。

 

河野さんは負けそうも無い相手にコロッと負けてしまったり、

勝つのが難しそうな相手に快勝したり、ちょっと掴み所が無いところがあって、

必ずしもキレッキレのパフォーマーでは無かったんだけど、

実に謙虚な努力型っていう印象を持ってるんだよね。

 

これから先どうされるのかは知らないんだけど、

こういう人がトレーナーに向いてるんじゃ無いかなあ………。

 

 

 

 

⑥ 小野心さん(ワタナベ)vs田中教仁さん(三迫)

      ………日本 ミニマム級タイトル戦 10R

23勝(6KO)9敗(3KO)3分のチャンピオン、サウスポー、36歳・神奈川県と、

17勝(9KO)7敗(1KO)のランク1位、33歳・東京都。

 

ボブ・ディランの“風に吹かれて”で入場した小野さんの勝ちを予想してたのを、

三迫ジムの関係者達が知ってて色々試合前に言われて、

とにかく距離がどうなるかが全てだと思うって答えたんだけどね………。

 

<1R>

基本的なプレスは田中さんだったんだけど、

まずは小野さんが中間距離からのジャブを正確にヒットさせたんだわ。

 

田中さんの踏み込みも絶好調で、何発かの左右フックをかすらせてたね。

 

<2R>

小野さんは快調なジャブを起点としてワンツーも軽くヒットし始めて、

一見流れを掴んだように見えたんだけど、

残り40秒からの田中さんの巻き返しの方が印象的で、

小野さんは距離を潰されたところでの打ち合いに明らかに力負けしてて、

残り6秒では田中さんの右クロスをカウンター気味に貰ってしまって、

北ロープ方向によろめかされてしまったんだわ。

 

<3R>

この日の田中さんは戦い方に何の迷いも見せずのキレッキレで、

先攻めの中にカウンター狙いも複雑に混ぜ込んで相手を混乱させて、

小野さんは警戒感を強めると共に吹っ切れないような戦い方をしてて、

何だか迷いまくってるような印象を感じてた1分24秒、

その打ち終わりに田中さんが右ストレートをタイミング良くヒットさせて、

途端に小野さんがオットットットって感じで尻餅ダウンしてしまったんだわ。

 

それほどの大ダメージでは無かったんだけど、

精神的には随分効いてしまったようでそれ以降、

小野さんの戦い方には更に迷いが上乗せされてしまったようで、

明らかに手数落ちしたままラウンド終了ゴング。

 

<4R>

小野さんが小さくまとまったパフォーマンスに傾く一方、

田中さんは益々の奔放さを発揮し始めて、

飛び込みざまに派手な左アッパーなんかも見せてたんだよね。

 

相手が待ち構えてるように見えたか小野さんの先攻めは中途半端で、

左ストレートを放った後のフォローまでは行き届いてなくて、

田中さんの自信に満ちた腕振りの方が爽快だったんだわ。

 

<5R>

小野さんとしてはどこかで大きく立て直さないといけなかったんだけど、

相変わらず攻め込みの切り口を見出し兼ねてて、

それにつれ攻撃の形が単純化する一方になっていったんだけど、

田中さんの方もカウンターを狙い過ぎる余りか手数落ちが目立ってきて、

フォローパンチ不足も目に付き始めたんだよね。

 

 

試合半分を終えての自分のスコアは49−45で田中さんだったんだけど、

発表された中間スコアも全く同じ49−45×3だったんだわ。

 

<6R>

仕掛け直さないといけないのは圧倒的に小野さんの方で、

田中さんとしては余裕の残り半分だったんだよね。

 

ってことでまずは小野さんが頑張り手数アップだったんだけど、

実はこの日の小野さんは2R頃からどことなくいつもの彼らしくなくて、

気持ちが動きに反映されないままの腕振りの鈍さに首を傾げるばかりで、

ボディブローはかなり頑張ってたんだけど、

その分顔面が空いたところに被弾を増やしていってたんだよなあ。

 

<7R>

中間距離での戦いを捨てたか小野さん、

いきなりゴニョゴニョ揉み合い戦を仕掛けて、

体ごと押し込んでのボディ連打を目指して行ったんだけど、

そういうのは田中さんも嫌いじゃなくてのガツゴツ系で、

結局最後は小野さんの方がクリンチ逃げに追い込まれてたんだわ。

 

挙句小野さんはホールディングで減点を貰ってしまって、

ダウンを喰らったと同じポイント差を付けられてしまったんだよね。

 

 

7Rを終えての自分のスコアを計算してみたら69ー62ってことで、

後3ラウンド分は残してるとは言え小野さんの挽回はとっても無理そうで、

この日の彼には一気に倒し切るほどのパンチが打ててなかったし、

明らかに勝負あったってことで自分はここで離席したんだよね。

 

そしたら直後の8R0分22秒で田中さんのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

三迫会長や久保マネ、鈴木トレと共に、勿論田中さんにも頭を下げて、

自分の見る目の無さをお詫びしたんだけど、

田中さんは最後の右が相手に当たることろまでハッキリ見えたって言ってたし、

体のある部分の動きを改善することで随分違ってきたって言ってたんだよね。

 

 

 

リングサイド席に渡辺会長の奥様が座られてて、

負け試合直後だったもんで軽く会釈して通り過ぎようとしたら、

横にお座りなさいってことで最終試合は並んでの観戦だったんだけど、

自分が小野さんに感じた印象は奥様もほぼ同じだったんだよね………。

 

 

 

 

⑦ 中川麦茶さん(角海老)vs田村亮一さん(JBS)

  ………日本 スーパーバンタム級王座決定戦 10R

24勝(14KO)5敗(1KO)のランク1位、30歳・福島県と、

11勝(6KO)3敗のランク2位、31歳・東京都。

 

試合前に今回ワタナベジムから移ってきた石原トレと挨拶を交わしたんだけど、

これで角海老ジムには10人の常勤トレーナーが揃って実に壮観なんだけど、

で、この試合は誰が担当するのかって見てたら、

田島トレに洪さんと奥村さんが付いてたんだわ。

 

田村さんの特に接近戦での力強さは侮れないけど、

技術的には中川さんが圧倒的なもんで上手に捌くって思ってたんだけどね。

 

<1R>

思ってた通り、田村さんが詰め詰めからの乱暴系で始めた中、

中川さんがカウンター気味にチョンチョン当て込んで応じてたんだけど、

中川さんとしては中途半端に付き合わないことが肝心なんだよね。

 

体を振りながら、あるいはジャブを出しながら田村さんが凶暴な踏み込みで、

中川さんとしてはもっと闘牛士的なパフォーマンスが望まれたんだわ。

 

<2R>

この日の中川さんは前の試合の小野さんと一緒で、

何だかいつもと違う印象が拭えなくて、

フットワークやポジションチェンジで相手をいなし切れなくて、

相手の踏む込みに真っ直ぐ下がり過ぎてたし、

だから腰が浮き気味のままの不十分な体勢を強いられつつ、

威力を込められない手打ちに終始してたんだわ。

 

<3R>

田村さんは自らのボクシングに自信を深めたようで、

確信を持ったゴリゴリボクシングを徹底させていったんだけど、

若干飛ばし過ぎたかラウンド半分を過ぎる頃には目に見えての一段落で、

それまでの中川君のボディブローが効いてきたか何だかグニャグニャしてきて、

いよいよ中川さんの反転攻勢かってこの時は思わせたんだわ。

 

<4R>

田村さんの消耗は殆ど大したことが無く改めての立て直しで、

再度の嫌がらせ系を満開にさせていって、

反対に中川さんが嫌気を差さないか気になったんだよね。

 

田村さんのスタミナは全く問題無いようで、

このラウンドは中休みすることなく最後まで手数を落とさなかったんだわ。

 

<5R>

それにしても田村さんの頑張り手数は圧倒的で、

中川さんが巧く立ち回るのを封じ込んでのヒットヒットで、

相手に1発貰うと更にいきり立って激しく仕返し攻撃をしてたんだわ。

 

ここまでの自分のスコアは48−47で田村さんだったんだけど、

発表された中間スコアは50−45、49−46、48−47ってことで、

やっぱり田村さんの3−0だったんだけど幾ら何でも50−45は極端過ぎで、

そりゃ田村さんがドカドカ打ちまくってはいたけど、

その全部がクリーンヒットしてた訳では無かったんだけどなあ。

 

<6R>

発表されたスコアを聞いて益々元気度を上げていったのは田村さんで、

気力というか気迫が更に半端じゃなくなってきたんだわ。

 

強く打ち込めない体勢を強いられたままの中川さんは相変わらずで、

腰高のままの手打ちでは大きく挽回するのはとっても無理そうだったし、

戦い方を変えるつもりもないようで、

今更チョンチョン連打でポイント稼いでも焼け石に水だと思うんだけど、

新しい切り口を見出せないままだったんだわ。

 

この回久し振りに田村さんが中休みしてたんだけど、

中川さんも一緒になって休んでるようで、自分の中ではこれで万事休す……。

 

 

ってことで自分はここで切り上げて帰宅したんだけど、

電車の中で確かめたスコアは99ー91×2、97−93ってことで、

やっぱり田村さんの圧倒3−0勝ちで中川さんはボロ負けだったんだわ。

 

 

 

セミとメインは共に日本タイトルが懸かった一戦だったんだけど、

其々一方が体調を崩していたのかと思われるような稀に見るテイタラクで、

帰り道はやたら腹が立ったんだわ。

 

緊張感が高まる中、いつもの頑張りを見せた田中さんと田村さんがやっぱり、

エラかったってことで………。

 

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 田中教仁さん

② 田村亮一さん

③ 今成太希君

 

 

2019年1月11日 (金)

1月のボクシング

 

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“生後2日目の目力”

 

勿論いつもこうではないし、そもそもまだ見えてもいないんだけど、

長男の息子がカッと見開いた時の目力は半端じゃ無いんだわ。

 

 

 

 

2019年度のボクシングは明日から始まるんだけど、

4回しかないし、大体が週末に集中してるんだよね。

4回しか無いんだけどメニュー的には充実してて楽しみ楽しみ………。

 

 

 

 

《1月のボクシングスケジュール》

*左側が勝者予想、敬称略。

 

・1月12日(土) ………(後楽園)

小野心vs田中教仁、中川麦茶vs田村亮一、阿知和賢vs藤本直人、

今成太希vs井上慶一。

 

 

・1月18日(金) ………(ニューヨーク)

ホルヘ・リナレスvsパブロ・セサール・カノ、T・J・ドへニーvs高橋竜平。

 

 

・1月19日(土)………(後楽園)

和氣慎吾vs中嶋孝文、阿部麗也vs杉田ダイスケ、大嶋剣心vs定常育郎、

長濱陸vs金本翔平。

 

 

・1月25日(金)………(後楽園)

相川学巳vs高橋竜也、中川兼玄、多田雅。

 

 

・1月26日(土)………(ヒューストン)

井上岳志vsハイメ・ムンギア。

 

 

・1月31日(木)………(後楽園)

大保龍球vs林慶太、徳島空吾vs寺崎和輝、粕谷雄一郎。

(住田愛斗vs田中公士の試合が組まれてたんじゃ無かったっけ? )

 

 

 

 

《1月ボクシングの期待度ベスト10》

*左側が勝者予想、敬称略。

 

① 阿部麗也vs杉田ダイスケ

② 和氣慎吾vs中嶋孝文

③ 小野心vs田中教仁

④ 中川麦茶vs田村亮一

⑤ 相川学巳vs高橋竜也

⑥ 大嶋剣心vs定常育郎

⑦ 阿知和賢vs藤本直人

⑧ 大保龍球vs林慶太

⑨ 長濱陸vs金本翔平

⑩ 今成太希vs井上慶一

 

2019年1月10日 (木)

助け合い……。

 

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“宮根誠司ではなくて………。”

 

 

 

去年の暮れ、池袋駅の近くの喫煙スペースで煙草を吸ってたら、

募金箱を抱えた青年が寄って来て「お幾らでも……。」って言ってきたもんで、

そもそもあんたの団体の事は全く知らないし、

集めた金が何処へどう使われるのか今一信用しかねるからって断ったら、

その青年がやたら熱を込めて議論系で詰め寄って来たもんで、

そういう相手は最も得意なもんで言葉でフルボッコにしてやったんだわ。

(話しながら思い出したのはズーッと以前の高田馬場駅前での一件で、

白装束のオームの連中10人ばかりとやり合ったっけなあ……。)

 

 

 

毎年暮れになると様々な助け合い団体が其々募金集めに奔走してて、

赤十字や放送局系から始まって、社会鍋やら宗教系まで総動員で、

新規のNPOも参入して、ちょっと訳が分からなくなりつつあるんだわ。

 

そもそもそういう連中の中には他人の金に頼るだけ頼って、

陰でネコババしてるのがいるんじゃないかっていう疑いも拭い切れなくて、

全額ではないにしろ自らの報酬を抜き取ってるケースも有りそうだし、

元々心清い発想の下で始めたのなら、

働いて得た自らの報酬を差し出せばいいっていう思いも強いんだよね。

 

東北震災の際にもある悪徳NPO法人が集めた多額の金を私的利用してたし、

以前見かけた駅頭での念仏を唱えながらの托鉢活動は、

実は暴力団が裏で支えてて托鉢僧もかき集めたホームレスだったって、

ネタバレしてしまったからもう見かけることは無くなったんだけど、

ことほど左様に助け合いに協力するのは結構難しいものなんだわ。

 

 

 

実は今回、自分も腹立たしい目に遭わされてしまって、

それが冒頭の写真にあるように福島電力破綻事件なんだわ。

 

電力事業の自由化に伴って契約会社の選択の幅が拡がったと同時に、

自分は東北震災で困窮してる地元企業を応援してやろうと思い立って、

それまでの東京電力から福島電力に契約を切り替えたんだけど、

この福島電力が稀に見るほどのデタラメな会社で、

僅か1年ほどで破綻してしまったんだわ。

 

殆どの公共料金は自動引き落としにしてるんだけど、

この電気代だけは当分コンビニ払いにしてたんだけど、

去年11月頃に福島電力から手紙が届いて、

料金の未払い分があるから支払えって管財人からの連絡で、

よく調べてみたら元々相手側の未請求だったのが判明したし、

2月分を7月に請求してみたり、収納会社が2社あったもんで、

二重請求さえも発見されて、もうデタラメの限りだったんだわ。

 

 

色々差し引きしてもまだ17,000円ほどが未払いだっていうから、

こんな会社とは1日も早く縁を切りたいからすぐ請求書を送れって、

そう伝えてから1ヶ月以上も放置して忘れた頃の昨日やっと請求書が届いて、

20日までに支払えってエライ短気な請求に呆れたんだけど、

20日は日曜日ってことで、そういう期限は普通はあり得なくて、

もう何から何まで破綻してしまうのが当然のような振る舞いなんだわ。

 

その上全く臆面もなく以降は〇〇〇〇経由にしてくれてって、

まるで聞いたこともないような会社を指名して来て、

勿論速攻東京電力に戻したんだよね。

 

 

改めて冒頭の写真を見直してみれば当時の社長、

如何にもいい加減そうな目付きをした面をしてるんだわ。

 

 

2019年1月 9日 (水)

2018年度年間ベストボクシング

 

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“キープ・ミー・ハンギング・オン”

 

“バニラ・ファッジ” 唯一のヒット曲なんだけど、

この後のハードロックの源流になったとも言える曲とバンドで、

引きずるような重々しいリズムに特徴があったんだわ。

 

 

 

 

結局、去年の現場ボクシング観戦は合計82回しかなくて、

その前年までの90回台から減ってしまったんだけど、

それは夏場に裁判沙汰に絡んで業界に嫌気を差しての観戦拒否によるもので、

今思い出してもムカつく事この上ないんだわ。

 

その後ファイトマネーの支払いや移籍に関する問題は、

一応の解決をみつつあるとは言え、

その改革はまだまだごく表層部分に限られていて、

ある意味ではジム間格差は更に拡がり、それが固定化しつつあって、

業界の暗部に巣食う連中はヘドロのように声を身を潜めたままであって、

今や富士山以西のボクシングは自分にとっては無いものに等しくて、

残念ながら首都圏でも観戦拒否の試合が増えるばかりなんだよね。

 

 

そんな中でのベストボクシングって言っても大いに限界がある訳で、

だから以下はあくまでも自分の中だけのことで………。

 

 

 

 

《2018年のベスト25ボクシング》

*左側が勝者、敬称略。

 

① ドニー・ニエテスvs井岡一翔………2−1

② 拳四朗vsミラン・メリンド………7RKO

③ 井上尚弥vsファン・カルロス・パヤノ………1RKO

④ 竹迫司登vs西田光………1RKO

⑤ 伊藤雅雪vsクリストファー・ディアス………3−0

⑥ 比嘉大吾vsモイヤス・フエンテス………1RKO

⑦ 田中恒成vs木村翔………2−0

⑧ 京口紘人vsヘッキー・ブドラー………10RKO

⑨ 清水聡vs上原拓哉………3RKO

⑩ クドゥラ・金子vs有川稔男………3RKO

⑪ 細川バレンタインvsデスティノ・ジャパン………7RKO

⑫ 三代大訓vs正木修也………3−0

⑬ 京口紘人vsチボ・モナベサ………4RKO

⑭ 源大輝vs大橋建典………7RKO

⑮ 木村隼人vs高野誠三………8RKO

⑯ 佐川遼vs松本亮………3RKO

⑰ 久我勇作vs小坂遼………1RKO

⑱ 竹迫司登vs佐々木左之介………2RKO

⑲ 内藤律樹vsジェフリー・アリエンザ………9RKO

⑳ 小浦翼vs冨田大樹………3−0

㉑ 船井龍一vsビクター・オリボ………2RKO

㉒ 平岡アンディvs吉開右京………3RKO

㉓ 齋藤裕太vs菊池永太………2RKO

㉔ 中谷潤人vsジェロニエル・ボレス………1RKO 

㉕ 大保龍斗vs中山祐太………7RKO

 

 

2019年1月 7日 (月)

12月のベストボクシング

 

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“エリック・クラプトン”

 

今年最初に聴いたのはE・クラプトンの2001年の武道館ライブ。

 

“ヤードバーズ” や “クリーム” での彼も勿論いいんだけど、

自分的なベストはやっぱりこの年代で、この渋い風貌も堪らないんだわ。

 

手にしてる黒のストラトキャスターは少し前にチャリティーに出品して、

1億円の値が付いたモノとは違うんだけど、

“ブラッキー” って愛称のそのレプリカは30万円ほどで入手できる訳で、

今年競馬で大儲けしたらゲットしてみようかなあ………。

 

 

 

 

結局、奥さんの弟一家も世田谷の息子のマンションに集合ってことで3日、

生後8日目の自分の孫とのご対面だったんだわ。

 

前日に退院したばかりの息子の嫁さんには色々迷惑をかけてしまって、

ちょっと申し訳なかったんだけど、彼女は料理上手で、

テーブルウェアのセンスも抜群なもんで実に心地良かったんだよね。

 

CGデザイナーと大手アパレルの企画スーパーバイザーとその息子、

プロのドラマーと大手美容室チェーンの役員とその娘のバレリーナ、

それと元ヨガ教師と無職のオッサンの計8名の集まりだったんだけど、

3時間ばかりを実に楽しく過ごすことが出来たんだよね。

 

 

 

 

話変わって12月のボクシングのベストなんだけど、

7現場観戦と1TVボクシングでの範囲内のことで、

タイでの竹中良さんとかベトナムでの古橋岳也さん、

大阪での藤中周作さんと渡部大介君、仁平宗忍君、

それに栗原慶太さん達の試合は見ていないもんで半端は半端なんだけどね。

 

 

《12月度のボクシングベスト20》

*左側が勝者、(  )内は事前期待度ランク、敬称略。

 

① ドニー・ニエテスvs井岡一翔 (2)……2−1

② 京口紘人vsヘッキー・ブドラー (ー)……10RKO

③ 清水聡vs上原拓哉 (16)……3RKO

④ 木村隼人vs高野誠三 (13)……8RKO

⑤ 笈川夏愛vsピチャット・トーンティーブ (ー)……2RKO

⑥ 細川バレンタインvs稲垣孝 (5)……1RKO 

⑦ 吉野修一郎vs小林和優 (20)……3RKO

⑧ 大坪タツヤvs河野洋祐 (17)……2−0

⑨ 丸田陽七太vs溜田剛士 (9)……5RKO

⑩ 岩原慶vs市川大樹 (15)……4RKO

⑪ 今野裕介vsデスティノ・ジャパン (7)……3−0

⑫ 佐川遼vs河村真吾 (8)……8RKO

⑬ 三瓶数馬vs粟田祐之 (18)……7RKO

⑭ 遠藤健太vs岡田翔真 (ー)……2RKO

⑮ 渡部あきのりvs新藤寛之 (4)……1−1

⑯ ジョン・ジェミノvs中澤奨 (ー)……2RKO

⑰ 岡田誠一vs荒木貴裕 (14)……6RKO

⑱ 酒井大成vs濱口大樹 (ー)……3−0

⑲ 小國以載vsアレガ・ユニアン (ー)……4RKO

⑳ 湊義生vs荒川竜平 (ー)……3RKO

 

 

 

 

【村木田渾身競馬】

新年の競馬は5日、6日から始まって、

当然の如く参加した6レースは全ハズレだったんだけど、

騎手達の今年最初の成績チェックには役に立ったんだわ。

 

ルメールもデムーロもいない中での数字なんだけど、

正月休みなんかない中での開催だから大きな変化はあり得なくて、

取り敢えず2日間で6鞍以上騎乗っていう条件なんだけどね。

複勝率ベスト10は以下の通り。

 

①北友(667) ②川田(556) ③武豊(500)  

④内田(500)  ⑤岩田(455)  ⑥戸崎(400)

⑦大野(375)   ⑧マーフィー(364)   ⑨武藤(333)  ⑩国恭(333)

 

 

2019年1月 1日 (火)

大晦日TVボクシングからの新年

 

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“ニエテスの右ショートアッパーと井岡さんのガード”

 

 

 

 

この時期東京の日の出は6時45分くらいなんだけど、

首都高の高架越しに朝日が差し込むのは大体7時頃で、

何となくバルコニーに出て何となく、今年もヨロシクねってことで……。

 

 

以前、上野のホームレスに正月はどんな感じ?って聞いた際、

「別にどうってこともねえなあ……。」って答えが返ってきたんだけど、

自分もこの年齢にもなると新年と言えども特にどうってこともなくて、

今年こそは……とかいったような思いや考えも浮かんで来ず、

ついにホームレスの心境に達しつつあるんだわ。

 

 

 

 

30日のトリプル世界戦に大きくガッカリさせられたまま、

2018年のボクシングが終わるのかと思ってたところ、

昨日31日のテレビ・ボクシングできっちり締めることが出来たんだわ。

 

 

 

 

☆ ヘッキー・ブドラーvs京口紘人さん(ワタナベ)

        ………WBA LF級タイトル戦 12R

32勝(10KO)3敗のスーパーチャンピオン、30歳・南アフリカと、

11勝(8KO)0敗のランク1位、25歳・大阪府。

 

ブドラーは去年5月田口良一さんに3−0勝して、

(田口さんは0ー3負けしたとは言え、僅か1ポイント差の113ー114×3。)

IBFとWBAのベルトをダブルゲットしたんだけど、

今回はIBFベルトを返上してのWBAタイトルだけで理由は不明なんだけど、

IBFの上位挑戦者の方が危険度が高かったのかなあ……。

 

写真を見ると京口さんはいつものオレンジのグローブだったんだけど、

テレビ画面では赤に近い色をしてたね。

ブドラーも同じウィニングだったんだけどこっちは黒。

 

<1R>

初っ端から動きがこなれてたのはブドラーの方だったんだけど、

何だかいきなり全部出しの余裕の無さのようなものを感じたんだけど、

それはまるで田口さんとの試合の時のように、

序盤でポイントを稼ごうとしてるかのようで、

右アッパーとかワンツースリーまでのストレートを見せまくってたんだわ。

 

<2R>

でもやっぱりブドラーのパンチの打ち方は何から何まで変で、

フック系は担ぐようだったし、ストレートはたわむような感じで、

体の動きと同様、何だか全体に無駄が多いように感じたんだよね。

 

ただ、それらが合わさると相手にタイミングを崩させてしまうというか、

パンチの軌道を見極め難くくさせてしまうようでもあったんだわ。

 

<3R>

京口さんがプレスを強めていった開始42秒、

強めの右ストレートを2発ヒットさせてからリズムを掴んでいって、

返しの左フックもとってもいい感じだったなあ。

 

<4R>

警戒を強めたブドラーが1Rのようにガンガン攻めて来なくなって、

いよいよ京口さんが主導権を握るかって思われたんだけど、

相手の手数落ちに合わせたような一旦の休憩タイムのようだったんだわ。

 

ってことで、ここまでの自分のスコアは38ー38。

 

<5R>

京口さんの打ち返しを嫌ってか大きな右フックを打つ際にブドラーが、

目線を切ってしまうことが多くなってきたんだけど、

相変わらず体をグニャグニャさせながら打ち込んでくるもんで、

京口さんも当てにくそうにしてたんだけど、

1発1発の当たりの強さとしては京口さんの方が圧倒的で、

いつの間にかブドラーの右目周辺の赤味が増してきて、

顔面全体の傷み方も比較にならなくなってきたんだわ。

 

特に露骨だったのは京口さんの左ボディを嫌がる様子で、

やたらベルトラインを気にするようになってきたんだよね。

 

<6R>

ブドラーはガチャガチャさせた中で攻めてる感じ、

頑張ってる感を出そうとしてるかのようだったんだけど、

またもやの左ボディとかアッパーでかなり痛めつけられてたんだわ。

 

<7R>

結局、京口さんの左ボディが大きく展開を動かしつつあって、

最初の1分半を優勢に組み立ててた残り1分からの攻勢も印象的で、

この回は手数有効打共に圧倒圧倒だったんだわ。

 

<8R>

ブドラーのピョンピョン・フットワークは今や完全に影を潜めてて、

左ボディを極端に嫌がって右肘が下がるところを狙われて、

それまで時折見せてた派手な右ショットも封じ込まれてしまって、

特に残り30秒での左ボディにはとってもシンドそうにしてたんだわ。

 

8Rを終えての自分のスコアは京口さんの77−75だったんだけど、

試合全体の流れは大きく京口さんに傾いていったんだわ。

 

<9R>

1分10秒、京口さんの左アッパーが強烈に喰い込んだその瞬間、

ブドラーの腰が一瞬砕けてしまって、

それ以降は休みたい休みたいっていうのが露骨になってきて、

やたら鼻血を気にするようにもなってきて集中力が著しく落ちてきて、

今やブドラーはポイントの取れるようなボクシングになってなくて、

足元の安定感も失われつつあって終焉が近いことが見えてきたんだわ。

 

<10R>

京口さんのコンビネーションは益々キレを増していって、

ブドラーは気持ちが萎え体力的にも限界に来てるようだったんだわ。

 

ポイント的にはダウンを喰らわない限り京口さんの勝利が決定的で、

元々一発のパワーが無いブドラーとしては追い込まれる一方だったんだわ。

 

 

京口さんの通算97ー93で終わった10Rだったんだけど、

ブドラー陣営もこれ以上続行しても逆転は無理だって判断したか、

終了時点での妥当棄権ってことで京口さんのTKO勝ち。

 

流れを一気に取り戻したきっかけはやっぱり京口さんの左ボディで、

それを最初っから見せなかったことも大正解で、

相手の手の内を確認してからのギアアップってことでもあったんだよね。

 

 

 

 

☆ ドニー・ニエテスvs井岡一翔さん

     ………WBO SF級王座決定戦 12R

41勝(23KO)1敗5分のランク1位、36歳・フィリピンと、

23勝(13KO)1敗のランク3位、29歳・日本。

 

井岡さんの所属ジムは何処なの?

黒のエバーラスト同士で1敗同士でもあるんだわ。

 

 

井岡さんは2015年にレベコに僅差0−2負けしたんだけど、

ニエテスはどれだけ遡れば敗戦した試合に辿り着けるのかってことで、

15年のキャリアのうちこの14年は負けナシだし、

世界戦18戦で2分してるけど無敗なんだよね。

 

 

井岡さんは大きく見えたんだけど、何だか少し緩んでるように見えて、

動きに迫力は増してたけど少しばかりスピード感を失ってるようで、

一瞬のやり取りの中で終始ニエテスに遅れを取ってるような感じだったなあ。

 

ただ、二人の攻防の一体感からは特別のモノが感じられて、

実にレベルの高いパフォーマンスに最後まで見惚れてしまったんだわ。

 

特に36歳だっていうのにニエテスの動きが落ちなかったのが驚異的で、

勿論井岡さんの方も全く見劣りはしてなかったんだけど、

ニエテスの打ち込みの巧みさとか見せ方の巧さはホント惚れ惚れだったんだよね。

 

 

自分のスコアは115ー113でニエテスだったんだけど結局、

118ー110、116ー112、112−116ってことでニエテスの2−1勝ちで、

それ程の大差じゃないだろうって思ったと同時に、

井岡さんの勝ちっていうのも無いんじゃないかって思ったんだよね。

 

 

井岡さんも最後までクオリティが落ちることは無かったんだけど、

12ラウンドを通して思い返してみれば、

井岡さんは一方では一本調子だったって言わざるを得なくて、

ポイントの行方が読み難かったラウンドが多かった中で、

ペースやリズム、戦法に変化を付け切れないままだったんだよね。

 

それにしてもお互いに最後の最後まで派手に打たれるってことが全く無くて、

だから二人の顔面は殆ど傷みが見られないままで改めて言うけど、

二人のディフェンスの素晴らしさは感動的でさえもあって、

特にニエテスは井岡さんに最後まで左ボディを打たせないままで、

もしかしたらそれで井岡さんは攻撃のリズムを掴みかねたとも言えそうで、

なるほどなあって色々考えさせられてしまったんだよね。

 

 

 

とっても楽しいイヤーエンド・ボクシングを見ることが出来たんだけど、

その後録画見したRIZINのメイウェザーの一戦は、

40年ほど前のカシアス・クレイと猪木との茶番劇を彷彿させて、

極端な条件戦を強いた側の無理解も甚だしいって思ったんだけど、

全く興味のない格闘技と嫌いなメイウェザーを自分にも見させたってことで、

興行主は大成功ってことなんだろうけど、

“サスケ”の方が余程真剣味があったんだよね。

 

 

 

 

これから朝昼兼用で正月料理を食べて、

近所の神社へ形だけの初詣にでも行って、

明日は奥さんの家族が来るかも知れないし、

3日は息子の所へ初孫を見に行って、

4日には週末の競馬予想をして、

新年のボクシングは12日からなんだわ。

 

で、新年明けましておめでとうございますってことで………。

 

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