“どっちが勝つかなあ……?”
昨日の東京ドーム周辺はイベントが色々盛り沢山で、
ジャニーズ系のコンサートとか有馬記念だとか、
後楽園ホールの向かいのビルでは家具フェアもやってたもんで大混雑。
その中での後楽園ホールでのボクシングは今年最後で、
2018年度の全日本新人王決定戦の全12試合で、
双方が既に4勝以上の場合には5回戦でそれ以外の場合は4回戦ってことで、
今回は西軍の試合は一つも見てないもんで勝敗予想もしてないんだわ。
帝拳ジムの長野マネと嬉しい業務連絡を交わして始まり始まり……。
① 柴沼智樹君(KG大和)vs竹田宙君(S&K)……Mm 4R
8勝(2KO)3敗(1KO)のサウスポー、32歳・神奈川県と、
3勝1敗(1KO)のサウスポー、18歳・熊本県。
柴沼君は既にA級の戦績を残してて相手より14歳も年上なんだよね。
<1R>
最初のプレスは柴沼君の方で、終盤まで圧倒的な手数差で中々いい感じ。
竹田君は上体の動きは良かったんだけど先手を取り切れないままで、
何だか攻めあぐんでるようでもあって、
柴沼君の前詰めの激しさに困り気味のようだったんだわ。
<2R>
これと言った得意技の無い同士の場合だと、
より極端な戦い方をした方が優位に立つもので、
柴沼君の頭突っ込み作戦に竹田君が嫌気を差しそうだったんだけど、
中盤過ぎからのガッチャガチャの絡み合いの中で息を吹き返してたんだわ。
<3R>
竹田君の踏ん張り返しが目立ってきて手数負けも克服しつつあったんだけど、
お互いファーストコンタクトで当たるか当たらないかだけになってきて、
それが実らないと有効打が見極めにくくなってきたんだよね。
<4R >
殆ど目覚ましいヒッティングは無かったんだけど、
まず飛ばして行ったのは竹田君の方で、柴沼君が若干出遅れ気味。
ただ最初の1分間での有効打は柴沼君が2発で竹田君は1発って感じで、
竹田君は全くボディブローを打たないままの偏りの強いパフォーマンスで、
残り1分からは柴沼君のペースになるかって見てたんだけど、
竹田君も手を緩めることなく頑張り通しての終了ゴング。
ってことで自分は38ー38で優勢点は竹田君だったんだけど結局、
39ー37、39ー38、37−39っていう2−1で竹田君の勝ち。
この日は二人ほど地方ジャッジが加わってたから公平でもあったんだけど、
それだけバラけるかって事もこの後あったんだよね。
② 亀山大輝君(ワタナベ)vs見村徹弥君(千里馬神戸)
………LF 5R
6勝(2KO)2敗1分のサウスポー、22歳・静岡県と、
6勝0敗の22歳・兵庫県。
<1R>
前の試合よりは余程ボクシングらしくなってきて、
まずは前の手の使い方の巧さで亀山君が圧倒して、
4〜5㎝ほどデカイ相手にジャブとフックをヒットヒットで、
早くも見村君の左顔面が赤くなっていったんだわ。
見村君はジャブからしっかり組み立てるボクサーではなくて、
リーチがある割にはショートレンジで打ち合いたがってたんだよね。
<2R>
見村君が中々自分から行けず相手にきっかけを求め過ぎだった中、
亀山君がかき分けて行く逞しさを発揮してガンガンのガンガン。
その亀山君、多少振りが大き過ぎるきらいはあったんだけど、
返しのショットにまで配慮出来ててまあまあ冷静に戦えてたんだわ。
見村君の方はたまにカウンター気味に応戦してはいたんだけど、
当たりそのものが軽かったしフォローまで打ち切れず明らかな手数負け。
<3R>
亀山君は1発貰うと直ぐに反撃して帳消しに行ってたんだけど、
それでもやっぱり振りが大きいままだったし、
見村君の方も狙い過ぎで手数不足のままだったんだわ。
見村君もやっとのこと見栄えのいいショットを打ち重ねてたんだけど、
直後の1分3秒、亀山君の左ストレートがその上を行く当たりで、
その後も巧いこと波状攻撃に繋げて実に印象的だったなあ。
<4R>
見村君としては体格を利して遠目から積極的に攻めればいいと思うんだけど、
いつまで経っても中途半端なままで、とにかくジャブが少な過ぎだよね。
1分半前後の打ち合いは又しても亀山君が制して、
見村君も残り1分から積極的に打ち掛かって行ってたんだけど、
それ以上に貰ってしまうことが多かったんだわ。
<5R>
ポイント的にはかなり劣勢だったのは知ってたと思うんだけど見村君、
思い返してみれば1Rから殆ど戦い方が変わってなくて、
このままでいい筈が無いのに全く同じ様な調子のままで、
このラウンドも最初に飛ばして行ったのは亀山君の方だったんだわ。
1分過ぎからは少し頑張ったけど1分半からは相手の逆襲に遭ってしまって、
全勝ではあるけどKO勝ちの無い見村君としては今更劇的逆転は難しそうで、
やっぱりこの日の見村君は明らかに戦い方をミスしてしまってたんだわ。
残り30秒からの踏ん張り合いも中途半端なままの終了ゴングで、
自分は49−46だったんだけど結局、50ー45、48−47×2ってことで、
勿論亀山君の3−0勝ちだったんだけどフルマークまでは無かったと思うね。
③ 荒川竜平君(中野サイトウ)vs湊義生君(加古川)
………F 5R
6勝(3KO)2敗(2KO)のサウスポー、29歳・宮崎県と、
7勝(2KO)1敗の21歳・兵庫県。
荒川君は東軍の技能賞ボクサー。
<1R>
お互いにいい感じで始まった開始いきなりの16秒、
もつれ合った中で荒川君の右フックが出会い頭に直撃して湊君がダウン。
リスタートした湊君は早くも顔面を赤くしてたけど致命的ではなくて、
立て直して反撃に向かってたんだけど、
これしか技が無いのかってほど右ストレート一本槍で、
これなら荒川君の楽勝じゃ無いかってこの時は思ってたんだよね。
<2R>
湊君は右ストレートを打つと返しをフォローすることなく直ぐ引くもんで、
荒川君としては後半歩の踏み込みが要るところだったんだけど不十分なままで、
そのうち何だか手数も落ちてきた残り10秒、
湊君の右フックが綺麗にヒットして一瞬荒川君の腰が大きく落ち込んだんだわ。
この日の荒川君は何だか踏ん切りが悪くて、
いつもより動き全体にスムースさを欠いてる感じだったんだよね。
<3R>
相変わらず湊君の攻め込みは右一本のシンプルの極みだったもんで、
荒川君としてはその打ち終わりに合わせられそうだったんだけど、
前の回に一発貰ってからはやっぱり動きがぎこちなくなってきて、
ここにきて湊君の動きの方が却ってこなれてきたんだわ。
って見てた1分24秒、荒川君の左と湊君の右が交差系の相打ちで、
直撃度の大きかった荒川君が弾かれる様にダウンしてしまったんだわ。
何とかリスタートはしたんだけど荒川君は明らかに効かされたままで、
一気攻めの湊君にワンツーを打ち込まれてオットットットって、
北西ポストまで下がらされたところに更に右ストレートを追い打ちされて、
大きく倒れ込んでの失神系ダウンを喰らってしまったんだわ。
倒れ方が余りに激しかったもんでレフェリーも即のストップエンドで、
1分44秒、湊君の逆転系のTKO勝ちだったんだわ。
湊君はとっても分かり易い戦い方をする右一本ボクサーだったから、
荒川君が余裕勝ちするんじゃ無いかって思ってたんだけど、
2Rの最後に一発貰ってからは立場が全く入れ替わってしまってたんだよね。
④ 若木忍君(畠山)vs大橋哲朗君(真正)……SF 4R
3勝(2KO)1敗1分の32歳・北海道と、
5勝(1KO)0敗1分のサウスポー、21歳・兵庫県。
大橋君は西軍の技能賞ボクサーで、若木君より12歳も若かったし、
身長も4〜5㎝ほど上回ってたんだわ。
<1R>
最初の攻め込みはやっぱり若木君のガンガン前詰めだったんだけど、
大橋君は事前に十分研究してたみたいで全く慌てることのない対応で、
とっても丁寧なジャブから試合を組み立ててたんだわ。
若木君としては何とか取り付いて左右フックに繋げたくて、
中盤にかけては右ストレートも数発ヒットさせてはいたんだけど、
大橋君のパフォーマンスの見栄えの方が圧倒的だったんだわ。
ただ、その大橋君も腫れ易そうな顔面をしてたんだよね。
<2R>
それならってことで若木君が益々の突貫だったんだけど、
大橋君は1分20秒からの左ストレート3発で完全に感じを掴んだようで、
詰め切れないままの若木君が焦るような苛立つようなまま鼻血。
大橋君は相手が良く見えてるようだったし、
体全体の動きのバランスが抜群で大きな可能性を秘めたボクサーで、
若木君にはどうにもならない感じが漂い始めたんだわ。
<3R>
更にって感じで若木君が詰めて行ったんだけど、
大橋君の距離感が思うようにさせなくて、
空回りを続けてた若木君に徐々に疲労の色が濃くなってきて、
大橋君は余裕の右ダブルフックなんか繰り出すようになってきたんだわ。
大橋君は終始細く正確なヒットを積み重ねて、
若木君は倒れそうなほど追い込まれてしまっての10:8.5。
<4R>
気持ちを強く保ちつつ前に出て先攻したんだけど若木君、
ここに来ての二人の間の技量の差は如何にも埋め難くて、
体力を削られて来た若木君は休み休みにしか打てなくなって来て、
倒されないでいるのが精一杯って感じになってしまったんだわ。
残り30秒からは止められそうなほど一方的なままで終了ゴング。
ってことで自分は40ー36の若木君のいいところ無しだったんだけど結局、
そういう見解はジャッジ3人共が同じだったみたいで、
40−36×3ってことで大橋君のパーフェクト3−0勝ちだったんだよね。
⑤ 石川春樹君(RK蒲田)vs藤川祐誠君(S&K)……B 4R
6勝(5KO)0敗の19歳・東京都と、
3勝(1KO)1敗のサウスポー、21歳・熊本県。
誰が相手でも石川君が圧勝するって思ってたんだけどね……。
<1R>
藤川君の方が7〜8㎝ほど身長が高かったんだけど、
顎が弱そうだなあっていう印象の始まり始まりで、
まずは石川君がプレスを効かせていったんだけど、
藤川君の方も中々スピード感があったんだわ。
一旦攻勢に出た時の石川君の迫力は生半可じゃないんだけど、
それほどの打撃戦が無かった中の1分6秒、
藤川君の左ストレートが中ヒットでまずは手堅くポイントゲットかなあ。
<2R>
まだまだ距離の違いを克服出来てなかった石川君だったんだけど、
残り41秒に相手の右フックを貰ってしまった後の残り20秒から、
嵩にかかった攻め返しでポイントバックだね。
<3R>
接近ボディ合戦から始まったんだけど、
リーチの長い藤川君の方が肘の畳み方が巧くて、
遠い所だけじゃないのを見せ付けてたんだわ。
石川君は力づくが空回りするにつれ長い時間攻め続けられなくなって、
手数も有効打も相手に劣るようになって来たんだわ。
<4R>
倒さないと負ける石川君だったんだけど、
自らのボクシングを貫きながら敢えて倒しに行ってるのは藤川君の方で、
石川君はボディを打たれるのが辛そうになって来て、
残り1分からも藤川君の奮闘の方が目立ってたんだよね。
それでも石川君も最後の意地で残り25秒には激しく右フックを当て込んで、
その一発でかなり藤川君を弱らせたんだけど、
残念ながら既に遅きに失したままの終了ゴング。
ってことで自分は39ー37で藤川君だったんだけど結局、
39−37×2、38−38ってことで藤川君の2−0勝ちだったんだわ。
ここからの7試合に4名の帝拳ボクサーが登場したんだわ。
⑥ 三尾谷昴希君(帝拳)vs英洸貴君(カシミ)……SB 5R
5勝1敗1分のサウスポー、21歳・栃木県と、
5勝(2KO)0敗1分の20歳・石川県。
英君は西日本の技能賞ボクサー。
三尾谷君の試合はその展開が簡単に予想出来るもんで、
遠目から見たり見なかったりだったんだけど、
この日の彼はいつもより足を使わないことが多くて、
特に距離を取るっていう意識も敢えて封印したかのようだったんだわ。
三尾谷君は結構打ち合ってたんだけど二人共、
お互いの噛み合いがとっても悪くなっていって、
3R以降は何だかごく普通のC級戦のようになってしまってたんだわ。
これと言った有効打が見受けられなかった中、
より攻めてる感じを出してる方が勝つって感じだったんだけど、
何となく三尾谷君の方が攻め負けしてるような場面が多かったなあ。
結局、三尾谷君から見て47−48、48ー48×2の0−1ドローってことで、
優勢点が其々に振られたもんで優勝者は英君になったんだけど、
実に優劣を付け難い内容だったってことで、
三尾谷君はいつものような戦い方を選択してれば良かったのにね。
⑦ 峯田光君(帝拳)vs竹本雄利君(クラトキ)……Fe 5R
5勝(3KO)0敗の22歳・鹿児島県と、
4勝(3KO)1敗1分のサウスポー、22歳・大阪府。
二人は東軍と西軍其々のMVPボクサーってことなんだけど、
要するに単に1RKO勝ちしたってことに過ぎないって思ってるんだよね。
<1R>
お互いに倒し屋を自負してるのか腕振りが大袈裟で力感には溢れてたけど、
しなやかさからは程遠かったんだわ。
残り1分5秒、お互いの距離が一気に縮まったその途端、
峯田君が一瞬緩んだようなその瞬間、
竹本君の返しの返しの右ショートフックがヒットして峯田君がダウン。
それほどのダメージには見えなかったんだけど峯田君、
再開後の残り24秒にも青コーナー前で、
今度はクロス気味の左を貰ってしまって再度のダウン。
ここも何とか立ち上がってリスタートしたんだけど峯田君、
竹本君もここぞの一気追撃で危ない危ないのままの西ロープ前、
何とか凌ぎ切れるかと思ってたら最後の最後の残り1秒、
激しく追撃されて思わず右手でロープを握って右膝を着いてしまったんだわ。
すかさずレフェリーが右手を挙げてダウンを宣告したんだけど、
どういう訳か竹本君陣営がこれでTKOエンドだって勘違いしての大騒ぎで、
ルールが分かっていないような感じだったんだわ。
ただ何れにしても峯田君はこれで3回のダウンを喰らってしまった訳で、
いきなり1Rに10:6もの絶望的な大差を付けられてしまったんだよね。
<2R>
1ラウンドで3回も倒した相手に竹本君も当然の畳み掛けで、
峯田君にはいきなり暗雲だったんだけど、彼は想像以上のタフガイで、
そりゃ何の影響も無かったってことは無いんだろうけど、
殆ど動きの劣化を見せないまま開始50秒には却って大きく押し返し始めて、
狙い過ぎだった竹本君を逆に攻め立ていってたんだわ。
全体の反応も戻りつつあって峯田君は腕振りもまだまだ強くて、
大きく挽回挽回だったんだよね。
<3R>
ラウンド半分までの中で目立ってたのはやっぱり峯田君の巻き返しで、
まだまだダウンゲットしない限り勝ちは見えてこないんだけど、
いつの間にか竹本君の左目上が大きく腫れてきてたんだわ。
峯田君は途中でサウスポーチェンジを交えながらの奮闘で、
竹本君も懸命な手数で応じてたんだけど、有効打はやっぱり峯田君だったね。
<4R>
最初の1分間で薄いヒッティングが交換されたんだけど、
峯田君の2発に対して竹本君が4発の巻き返しで、
特にジャブジャブからの左ストレートがいい感じだったんだけど、
残り30秒からの峯田君の攻め返しも著しくて、
右ストレートの当たりが全てを超えてたんだわ。
それでも自分のスコアではここまで37ー36で竹本君だったもんで、
峯田君にはまだまだダウンゲットが必要だったんだよね。
<5R>
結局、ガッカリの最終ラウンドになってしまって、
ポイントの計算をどうしてたのかは知らないけど、
微妙だった残り1分から峯田君はごく普通にやってての大ガッカリで、
そりゃ開始30秒までの竹本君の左右フックより、
45秒までの3発のヒッティングの方が明らかに勝ってはいたけど、
その後竹本君がタルクくなるのに合わせてしまってどうするのかってことで、
ダウンゲットが必須だっていうのに我ながら実に悔しかったんだよね。
ってことで自分はギリギリの46ー46だったんだけど結局、
49ー44、47−46×2ってことで竹本君の3−0勝ちだったんだよね。
ってことは3人のジャッジ共がどこかのラウンドをイーブンにしたってことで、
相対的には46ー46の範疇内なんだけど、
49ー44って付けたジャッジは竹本君陣営への肩入れが露骨過ぎだったなあ。
それにしても東軍はここまで1勝5敗1分で、
今まで西軍に負け越したっていう記憶は無いんだけど大丈夫なのか?
⑧ 関島優作君(KG大和)vs太田卓矢君(とよはし)
………SFe 5R
7勝(4KO)1敗の21歳・神奈川県と、
6勝(4KO)1敗(1KO)1分の27歳・愛知県。
太田君は西軍の敢闘賞ボクサーなんだけど、
自分的には関島君が今回の東軍最優秀ボクサーだと思ってるんだよね。
<1R>
太田君は髪の毛をブリーチしてて日焼けサロンにも通ってるみたいだし、
真面目な学生さん風の関島君と比べるとずっと強そうに見えたんだけど、
最初の右の相打ちで打ち勝ってたのは真面目な学生さん風の関島君の方で、
その後も返しのショットもシッカリと打ててまずは余裕のポイントゲット。
太田君は見た目通りの強いプレスを掛けてたんだけど、
入ってくる前に関島君が巧いこと捌き続けてたんだよね。
<2R>
太田君が更に圧力を掛けていったんだけど、
まだまだ関島君が冷静で正確な左右フックを連続ヒットヒット。
二人のジャブのクオリティーにも大差があって、
太田君としては攻め込み方に迷いを感じ始めてるようで、
パワーは感じられるんだけど要するに雑々で、
どこかで一発ドカン系狙いってことなのかなあ……。
<3R>
若干方針を転換したか、太田君が細かいワンツースリーを出して来て、
これまでよりいい感じで始めてたんだけど、
その後の1分半までに関島君に派手に打ち込まれてしまって、
その辺から “来い!来い! 打って来い!” ポーズを見せるようになって、
そういうのは負けてる下手なボクサーがよくやる負け惜しみなんだけど、
自分としては途端に興味が失せてしまったもんでフザケンナ離席。
5Rの最後の方を遠くから見てたんだけど、
とっくに倒し終えてしかるべきだった関島君が何気にテイタラクで、
それは疲れたのか、無理しなくてもポイント充分だって手抜きだったのか、
詳しいことは全く分からなかったんだけど、
何れにしてもその関島君の3−0勝ちで、49ー46×3だってさ。
⑨ 橘ジョージ君(協栄)vs石脇麻生君(石田)……L 5R
6勝(2KO)3敗の23歳・新潟県と、
5勝(3KO)1敗(1KO)の19歳・大阪府。
橘君は東軍の敢闘賞ボクサー。
<1R>
体格的に恵まれてたのは石脇君だったんだけど、
ジャブやフック系の左手の使い方では橘君の方が勝ってたなあ。
石脇君も全体に力強くて一瞬のワンツーも中々鋭かったけどね。
<2R>
開始43秒、橘君の右フックを貰って石脇君がヘロッとなってしまって、
青コーナーへ下がらされていきなり危ない場面到来で勿論、
橘君も一気の追い込みだったんだけど、何とか凌いでの立て直したんだわ。
それでも早くも石脇君の顔面が赤くなって動きにも緩みが見えて来たんだわ。
<3R>
きちんとしたジャブが打てない分、ボディブローが打てない分、
石脇君の苦戦は免れそうになくて、
この回はかなり手数を頑張ってたんだけど正確に当てきれないままで、
橘君の方もそれほど目覚ましくは無かったんだけど、
ポイントを取られるようなことは無かったんだよね。
<4R>
巧く無い石脇君が頑張る頑張るだったんだけど、
残念ながらテクニック不足が思いを遂げさせてくれなくて、
徐々にボディブローを嫌がる素振りの方が分かり易くなってしまったんだわ。
<5R>
どっちが飛ばし切れるかっていう最終ラウンド、
最初の1分間を頑張ったのはやっぱり石脇君の方で、
疲れが見えて来たのは却って橘君の方で残り1分、
石脇君の右アッパーが激しくヒットしてからは橘君がメッキリで、
そこからこの試合石脇君の最初で最後の猛攻が始まって、
残り30秒からも踏ん張り通してたんだけど、
正確に当て切れないまま橘君に逃げられてしまったんだわ。
ってことで自分は48ー47で橘君だったんだけど、
48−47×2、47−48ってことで橘君の2−1勝ちだったんだわ。
石脇君の頑張り手数を評価したジャッジもいたんだけど、
彼のショートフックの多くはオープンブローだったんだけどなあ。
⑩ 遠藤健太君(帝拳)vs岡田翔真君(木下)……SL 4R
2勝(1KO)0敗1分のサウスポー、34歳・大阪府と、
4勝(2KO)0敗の22歳・徳島県。
遠藤君はちょっと変わった経歴のボクサーで、
以前はメキシコでアマボクシングをやってて、
33歳でのデビューってことで何か物語が有りそうなんだよね。
12歳差の負けナシ同士の一戦だったんだわ。
<1R>
開始すぐの23秒、相手の打ち終わりに遠藤君が左ストレートをヒット、
いきなり岡田君がユラッとさせられてたんだけど、
その岡田君はあくまで近いところでやりたいって感じだったなあ。
で、その後も入ろうとするところを続けざまに打ち込まれてしまって、
早くも左目下が薄赤く腫れてきてたんだわ。
更に残り50秒に遠藤君のショートコンビで圧倒されてたんだけど、
セコンドからはもっと中に入れっていうアドバイスしかなくて、
岡田君は入ろうとする度に傷め付けられてたんだわ。
<2R>
やっぱり岡田君は中間距離が全く不得意なようで、
セコンドとしても中に入れとしか言いようが無いみたいだったんだけど、
一旦遠藤君を追い詰めるような場面も作ったんだけど直後の35秒、
巧いこと右に体を入れ替えた遠藤君が渾身の左フックで、
直撃を喰らってしまった岡田君が一発昏倒仰向けダウンしてしまったんだわ。
こりゃ無理だなってレフェリーもすぐにカウント途中ストップしての0分40秒、
遠藤君の実に壮烈なTKO勝ちだったんだわ。
遠藤君は来年は35歳になるんだけど、
どういうキャリアを積むのかも不明なんだけど、
ちょっと追い掛けてみたいボクサーだよね。
この日のボクシングはここまでの9試合のうちKO決着が一つだけで、
多分5時間興行になりそうだったもんで、
周囲からはよく短時間で終えたってそういう褒め言葉が多かったんだわ。
⑪ 辻本純平君(帝拳)vs松井敦史君(薬師寺)……W 5R
3勝(2KO)1敗(1KO)3分の24歳・長崎県と、
4勝(4KO)0敗の35歳、愛知県。
松井君は今回の大会決勝戦の中での最年長なんだけど、
4勝4KOの全てが1R決着なんだってね。
<1R>
辻本君の方が上背とリーチで比較にならないほど優位だったし、
頭もとっても小さいから松井君からはとっても遠く見える筈で、
案の定、ちょっと攻めかねての手数出仕舞いのまま慎重慎重。
で、プレスを掛けていったのは却って辻本君の方で、
余裕で前の手を届かせてたんだわ。
やり難そうなままの松井君はたまに大きく右ロングフックを放ってたんだけど、
これが彼の得意技なのか他に手段が無かった為の苦肉の策なのか、
まだ分からなかったんだけど、とにかく雑な感じが拭えなかったんだよね。
残り6秒の北西ポスト近く、グンと打ち下ろした辻本君の右ストレート、
そいつが松井君を直撃していきなりのダウンゲット。
<2R>
松井君はどうやって詰めるか、どうやってきっかけを掴むかだったんだけど、
相変わらずいきなりの右か左の一発大振りフックオンリーだったもんで、
辻本君としては注意しなければならないことが最小で済んでて、
後は相手が一発打つと全くフォローも無しに直ぐ引いてしまうから、
打ち返す際の距離感だけを把握することだなって見てたんだよね。
このラウンドは大きなやり取りは無かったんだけど、
開始38秒での辻本君の右ストレートボディが強烈で、
常に引きを考えながら打ってる松井君の右は威力を発揮し得なかったんだわ。
<3R>
松井君は倒さないと勝てない状況になってきたんだけど、
そういう雰囲気は感じられなくて、届かない一発パンチだけに終始してて、
2発目3発目が全く出ないし、先攻めもしないもんで殆ど疲れようがなくて、
何だか却って辻本君の方に打ち疲れの手数不足が目立ってきたんだわ。
まさかそれを狙ってた訳ではないんだろうけど残り55秒、
その直前にも右フックを当ててたんだけど松井君、
再度の右フックをヒットさせてようやくのポイントゲットだったかなあ。
それにしてもこのラウンドの辻本君は終盤も盛り返す気概がないままで……。
<5R>
遅まきながら松井君が更にの前詰めで最後の踏ん張りを見せたんだわ。
ただその松井君も気持ちを強く保ってのガムシャラ一途なだけで、
テクニックというものを殆ど持ち合わせていないもんで空回り空回りで、
半分を過ぎる頃には消耗が目に見えてきてしまったんだよね。
相手が空転するばかりの中、軽い動きで辻本君がワンツーでポイントゲット。
ってことで自分は49ー45だったんだけど結局、
49ー45×3ってことで誰もが納得の辻本君の3−0勝ち。
デビューした頃の辻本君は体格だけ恵まれた鈍臭い感じがしてたんだけど、
最近は大分イメージが変わってきて細かく動けるようになってきたんだよね。
⑫ ワチュク・ナアツ君(マーベラス)vs京原和輝君(櫛間)
………M 4R
3勝(1KO)0敗1分の21歳・東京都と、
3勝(2KO)0敗の21歳・佐賀県。
<1R>
京原君は見た目よりずっとスピードがあって、
先攻めもカウンターも色々狙ってくる結構器用なボクサーで、
ナアツ君としても油断ならなかったんだけど、
残り19秒には左フックを綺麗にヒットさせて可能性を見せてたんだよね。
それでもラウンド総体としては京原君の小ヒットの積み重ねの方が優勢。
<2R>
体の圧力は京原君の方が勝っててショート戦も優勢に進めてたんだけど、
ファーストコンタクト直後にもつれ合ってしまう場面が増えてきて、
京原君がマウスピースを飛ばされてたんだけど、まだまだ京原君だなあ。
<3R>
勝負は一気に激化していくに連れ、京原君が若干緩み始めて、
ナアツ君の軸のシッカリ感が目立ってきての巻き返しで、
ポイント的には残り1分5秒での右フックが決定的だったんだわ。
<5R>
どっちに余力があるのかってほど何だかグダグダ系になっていって、
残り38秒でのナアツ君の返しの左フックが印象深かっただけで、
その他は特に可もなく不可でもないって感じだったんだよね。
ってことで自分は38ー38で僅かにナアツ君だったんだけど結局、
38ー38×3ってことで0−0ドローで、
優勢点の3個共がナアツ君に振られてのトロフィーゲット。
全ての試合が終わったのはやっぱり殆ど7時の計5時間で、
途中で1回も休憩を入れないのは結局テレビの都合なんだろうけど、
全部を通して見てる客は殆どいないだろうしってことでもあって、
実はとっても疲れてしまって帰りはトボトボだったんだよね。
結局、東西の戦績は5勝5敗2分でトロフィーも仲良く6本づつってことで、
その上帝拳ボクサーも2勝2敗だったんだよね。
で、電車の中で考えた自分なりのベストボクサーは以下の通りで……。
【本日のベスト5ボクサー】
① 遠藤健太君
② 藤川祐誠君
③ 大橋哲郎君
④ 辻本純平君
⑤ 湊義生君
相対的なレベル低下はここ何年かの否めない状況であって、
ボクシング人口の減少は少子化傾向を上回るものがあるせいか、
普通のC級の試合以上には見えないものもあったんだけど、
気持ちが伝わって来る試合を見るのはやっぱりいいよね。
今年は西軍の方が東軍ボクサーをよく研究してたようだったし、
最後の最後の頑張りでも東軍を上回ってたボクサーが多かったかなあ……。