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2018年10月 8日 (月)

尚弥さんと拳四朗さん。

 

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“競技かるた”

 

 

 

昨日の横浜アリーナ、チケットは手元に回って来たんだけど、

テレビ枠は2時間あって、延長も有りってことだったもんで、

井上尚弥さんと拳四朗さんの試合はフル放映されることが解ってたし、

レリクとトロヤノフスキーのタイトル戦は多少気にはなってたんだけど、

テレビが入るボクシングは休憩タイムの多い進行段取りがシンドイし、

実はテレビの方が圧倒的に細かく見ることが出来るもんで、

少し悩んだ末にカウチ・ボクシングを決め込んだんだよね。

 

 

 

恥ずかしながらWBSSのプロモーターが誰なのか、

ファイトマネーは其々幾らなのか、全く知らないままの観戦だったんだけど、

ボクサーの登場シーンや照明や座席レイアウトを含めた派手な舞台仕立ては、

ボクサーや観客達のアドレナリンの分泌を大いに促したみたいだったんだわ。

 

ただ多少ひねくれ気味の自分にとっては実はそんなことは全くどうでも良くて、

他人から煽られると却って気分的に静まり返ってしまうことが多いんだよね。

 

ただ、そういうお祭り騒ぎを他人事のように眺めてるのは嫌いじゃなくて、

そういうところがひねくれ者たる所以(ゆえん)だと思ってるんだわ。

 

 

 

結局、ボクシングっていう競技に一番求められるのはスピードだってことを、

井上さんと拳四朗さんの試合を見てて今更ながら痛感したんだよね。

 

パンチ力とか打たれ強さとか、リズム感やバランス感覚とか、

スタミナとか気持ちの強さとかボクサーには色々求められることが多いんだけど、

それらは全て彼が備えてるスピード感の周囲を彩るものなんじゃないかってね。

 

スピード感を裏付けるのは反応とか反射神経であって、

見たモノ、聞いたモノ、考えたこと、気が付いたことに、

どれだけ早く反応できるかってことで、

それは例えば短距離走のギリギリのタイム争いにも通じてると思って、

スタートの瞬間の反応の早さが大きく勝負を分けるんだよね。

 

例えば小中学校の運動会での50m走の場合なんかだと、

ピストルが鳴った途端の第一歩の踏み出しにはとてつもない差があって、

自分は普通に6秒ジャストくらいで走ってたから解るんだけど、

エッ?って思うほど左右の子の動き出しが遅くて、

コンマ何秒後にはもう視界に無いってことが殆どだったんだよね。

 

唯一のライバルだったのは泉君で、彼は泡を吹きながらそれこそ必死に走る子で、

スタートからゴールまで自分の視界から一瞬でも消えることが無かったんだわ。

 

 

そういう感覚は競技かるたも同じではないかと思う訳で、

耳と目から得た情報を腕や手の筋肉に一瞬のうちに伝える早さが競われる訳で、

それらは正しくボクシングに求められるスピード感に繋がると思うんだよね。

 

 

 

拳四朗さんと井上尚弥さんの試合を続けて見て気が付いたんだけど、

昨日の試合に限って敢えて言えば、

拳四朗さんのスピード感が実に理知的だった一方、

井上さんのそれはより本能的だったって感じがしたんだよね。

 

拳四朗さんは2Rくらいにメリンドの振り出しの大きい右を貰ってしまったんだけど、

まともに喰らったのはそれ一発だけで、

それも相手のパンチを逃がすような頭の動きが出来て致命傷を避けてて、

見極めた拳四朗さんはそれ以降は只の一発も被弾することが無かったんだわ。

 

相手の動きと自らの動きのスピード差を把握した上での攻防がメリンドを圧倒して、

こりゃとっても敵いそうにないっていう気持ちを相手に植え付けてしまったみたいで、

距離を詰めさせないような合理的な動きに終始してたんだよね。

 

彼のパフォーマンスは全てが計算されたような理知的な動きに満ちてて、

大脳の処理速度の速さが彼を支えてるような感じがしたんだよね。

 

 

 

事前に十分分析していたか、パヤノは明らかに井上さんを警戒してて、

右足を常に井上さんの左足の外側にキープしようとしてて、

なるべく正面に立たないように配慮してたみたいだったから、

だから井上さんの決めの右ストレートがパヤノの右顔面にヒットしたんだけど、

その直前の左ジャブを含めてパヤノの両手の下を通して打ち込んでたのが凄くて、

あれは誰にでも出来ることじゃないって、つくづくタマゲテしまったんだわ。

 

パヤノは井上さんのジャブに反応して左フックを打とうとして、

瞬間に前掛かりになってたところだったもんで、

井上さんの右ストレートが絶妙のカウンターでブチ当たったんだよね。

 

あの瞬間にそれなりの力で打ち込めるっていうのはやっぱり彼は常人じゃ無くて、

正に動物的と言うか本能的な反応で勝負するボクサーってことで、

井上さんの場合には情報が大脳に届く前に筋肉が動いてるって感じだったんだわ。

 

 

フーッて感じで見終えた後、改めて感じたのは、

ボクシングはやっぱりパワーでは無くて、スピードだっていう事だったんだよね。

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