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2018年9月21日 (金)

スパイラル

 

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スパイラルっていうのは二次元曲線の渦巻のことで、

厳密に言うと三次元曲線の螺旋(らせん)とは違うんだけど、

通常の使われ方だと螺旋もスパイラルに含まれるんだよね。

 

で、ここではその緩い方の解釈に従うんだけど、

スパイラルには上昇のそれと下降のそれとがあって、

冒頭の図はその内の下降スパイラルを描いたモノなんだわ。

 

 

個々のスパイラルが何を表してるかはケースや設定ごとに違うんだけど、

その一周を適当な時間の推移、例えば1年間の時間経過と考えて、

同じポジションが以前の位置との比較で上昇途上にあるのか、

はたまた下降状態にあるのかを解り易く把握できるようになってるんだわ。

 

勿論、現実には常に同じ比率の上昇とか下降がある筈も無く、

例えば所得水準を含めた生活環境の個人的な満足度等の上下などは、

上昇にしろ下降にしろ同じ比率の一本調子では有り得ないし、

その両方が複雑に組み合わされるケースが殆どなんだよね。

 

 

 

冒頭の単純下降スパイラルの図形なんだけど、一体何のことかって言うと、

プロボクシング業界の底なしの低迷化現象を表してるつもりなんだわ。

 

その事に疑いを持ってる人は殆どいないと思うけど、

年間ほぼ100興行、800試合ほどを15年間、

合計12,000試合ほど見続けてきた自分には確固たる感想になってて、

世の中には世界を含めた一見派手な様々なタイトル戦に溢れてはいるけれど、

それらを支えてるごく普通のボクサー達の激減は目を覆うばかりなんだよね。

 

自分が持ってるプロボクシング業界の詳しいデータは2006年からなんだけど、

11年前には年間1試合以上試合をしたボクサーが2,338人いたんだけど、

2017年度には1,396人に激減してて、それはマイナス943人であって、

11年間で約40%も落ち込んでるんだよね。

 

年間試合数に関しても同様で、2006年には年間2,506試合組まれたのが、

2017年は1,581試合って925試合減、37%も落ち込んでて、

ボクサー数の現象傾向にきっちりリンクしてるんだわ。

 

試合数減の中で一番気になるのは4回戦の試合数の著しい減り方で、

2006年には1,463試合もあったものが、

2017年は723試合に減ってて、何とナントほぼ半減してるんだわ。

 

この激減度こそがプロボクシングの現在の低迷を象徴的に示してる訳であって、

若者にとってプロボクサーになることは最早魅力的な夢では無くなってしまって、

SNS等の普及によって、恵まれないボクサー達の逸話は広まる一方で、

そもそも仕事や家庭に影響を及ぼすし、健康を損なう危険性も高い割には、

収入の余りの低さと言うか、搾取の現実に途方に暮れてしまってるというか、

とにかく、払わされる犠牲の大きさに直面させられてるのが現状な訳で、

真っ当な親であるばあるほど、

息子がプロボクサーになることを必死に阻止するだろう事も予想されて、

結局、どの状況を見渡しても現在のプロボクシング業界は、

ボクサーの待遇が改善されない限り、

斜陽スポーツへの道をまっしぐらって感じなんだよね。

 

 

2006年当時、日本ランキングは10位までしかなかったんだけど、

ボクサーの数が40%も減ってるっていうのに、

今ではそれが23位にまで野放図に拡大されてて、

そうすることが業界の振興策でもあるかのような大きな勘違いをしてるんだけど、

ボクサーのモチベーションを高めることには何の役にも立ってなくて、

考えてる方向が全く間違ってると言わざるを得ないんだよね。

 

 

ボクサー数が減ると共に対戦相手を探すのに苦慮するっていうのは自然の道理で、

訳の解らない実力不明の東南アジアボクサーをかき集めざるを得なくなって、

今ではタイだけに留まらずインドネシアまでがその狩場になってるんだよね。

 

そうやって組まれた試合の多くが見る価値のないものばかりなんだけど、

プロモーターにとっても日本人より高い経費をそれも現金で支払わざるを得ないし、

チケット販売面でも全く期待出来ないダブルパンチな訳で、

ここでも観客をも巻き込んだ負のスパイラルが渦巻いてるんだよね。

 

 

 

元々プロとして試合をするつもりはなく、

それまでの鍛錬の成果というかご褒美としてのライセンス取得が目的で、

それで終わりっていう練習生はいつの時代も多いんだけど、

その比率は年々増加傾向にあるようで今では、

発行されるライセンスの約60%ほどは何にやらのポイントカードと同じように、

財布の中に納まるだけに終わってしまってるらしいんだわ。

 

で、協会としても新たなエントリー・ボクサーを増やしたい増やしたいってことで、

コミッションとしてもそれに呼応してプロテストの合格基準を下げざるを得ず最近は、

これでホントにプロテストに受かったのかっていうニューカマーも多くて、

全ての局面でプロボクシング業界全体が下降スパイラルにあるんだよね。

 

 

今日明日の自らの資金繰りに一杯一杯で、

ボクサー・ファーストなんて考え方をするのはとても無理だってジム側が言うなら、

そういう環境なんかとても作れそうにないって言うなら、

元々公益事業でもなんでもないんだから、この際いっそのこと、

協会から脱して普通のスポーツジムに転換したり転廃業することが、

お互いの幸せの為だと思うんだよね。

 

 

 

こういう非常事態に危機感を感じてるジム経営者はまだまだ少なくて、

まずはプロボクサーが有償準委任契約における対等の立場にあることを理解して、

ファイトマネーの支払い基準を統一して徹底させて更に透明化を図ること、

プロボクサー為の練習環境を整えることに努力しないと、

多くのプロボクサーの成り手を囲い込むことなんか絶対出来ないんだよね。

 

 

 

 

≪閑話≫

日本全体における試合数の激減は後楽園ホールでも状況が変わらなくて、

2006年には148興行もあったのが、2017年には93興行に減ってて、

それは約37%減に相当するんだよね。

 

ってことで、自分が毎年購入してる後楽園ホールの年間ボックスシート代も、

少なくとも20万円ほど値引きするのが妥当じゃないかって思ってるんだけどね。

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