« 2018年8月 | トップページ | 2018年10月 »

2018年9月

2018年9月30日 (日)

後楽園ホール・9月29日

 

5905078e88f94a9b99d9936f27c9f36e

“真空回し蹴り”

 

 

 

ニッカニカしてボクサーに激励賞を渡してるところを写真に撮られて、

あのバカ親父、全く別のジムのマネジャー・ライセンスをぶら下げながらで多分、

カネでライセンスを買ったんだろうけど、

酒飲みながら試合を見てたこともあったし、全くもうだらしない業界なんだわ。

 

 

 

9月度のランキングが発表されたんだけど、

先月まで23位までだったスーパーバンタム級が24位まで伸ばされて、

この分だと30位まではあともう一息ってことで、

ホントに一体何を考えてるのかってことで、

大人達が色々自分都合をやってる中で、

ボクサー達の無垢な真剣さこそが実に宝物なんだよね。

 

 

 

① 高畑里望君(ドリーム)×永田翔君(アベ)……SFe 6R

13勝(5KO)8敗(2KO)1分の39歳・茨城県と、

9勝(2KO)4敗(1KO)の23歳・長崎県。

 

体力的に気持ち的にどこまでボクシングを続けられるのかっていうボクサーと、

ここからの上昇は有り得るのかっていうボクサーとのし烈な戦いで、

16歳もの年齢差のある一戦でもあったんだよね。

 

高畑さんの入場曲はチャック・ベリーの “ジョニー・B・グッド” だったね。

 

<1R>

まずは高畑さんの届きのいいジャブから始まったんだけど、

1分18秒での永田君のストレートに近い左ジャブも中々で、

そこからの更なる追撃で主導権を取りそうだったんだよね。

 

その後はお互いにボディブローに重点を置いた互角のやり取りが続いたんだけど、

自分的には僅差で永田君のラウンドだったんだよね。

 

<2R>

遠い所は高畑君の方が優勢だったし、左ボディブローも強烈で、

永田君も左フックで対抗してたんだけど開始0分59秒、

高畑君の左右フックが鋭くヒットして、

バランスを崩してしまった永田君がリング中央から南ロープまで飛ばされて、

ロープに助けられなかったら多分倒れてたんじゃないかなあ。

 

直後の追撃を逃れて何とか立て直して、永田君も事なきを得たんだけど、

パワー勝負になるとやっぱり高畑さんの方が目立ってたんだよね。

 

<3R>

お互いに改めてちょっと立て直す必要を感じたんだけど、

二人共、打ち気に逸るとついついガードが疎かになる傾向を持ってるから、

そこがお互いにとっての狙い目でもあったんだよね。

 

近い所での頑張りは永田君の方が目立ってたんだけど、

残り30秒からの踏ん張り直しは高畑君で、

スコア的にはとっても微妙だったんだわ。

 

<4R>

まず高畑君が最初の30秒間をいい感じで攻めてたんだけど、

直後の永田君の逆襲も中々効果的で、

高畑君がちょっと一休みしたがってる感じだったんだわ。

 

一段落を経た残り1分からの打ち合いは、

ショートレンジでのショットの正確性は永田君だったんだよね。

 

<5R>

ここからが正念場で、気持ちを強く保った方が勝ちそうだったんだわ。

 

高畑君のボディブローは相変わらず見栄えが良かったんだけど、

相手の顔面へのヒット数が足りてなかったし、

少し疲れが見えてきて、早く山ほどは出来なくなっていって、

残り40秒からの攻防も永田君に持って行かれてたんだよね。

 

<6R>

高畑君も飛ばし切れてなかったんだけど、

永田君の方にも若干緩みが見えてきて、

代わり番こに手が止まったところを攻め込み合うって感じだったんだわ。

 

高畑君のボディブローをどれだけ評価するのか、

行かなければいけないところで行き切れてなかった永田君をどう見るか、

残念ながら二人共、先々に大きな希望を感じさせるものは無くて、

自分としては57-57だったんだけど結局、

59-56、58-56、58-57ってことで高畑君の3-0勝ちだったんだわ。

 

 

 

② ジョン・マーク・アポリナリオ×山下賢哉さん(白井具志堅)

                            ………B 8R

21勝(5KO)9敗3分の28歳・フィリピンと、

12勝(9KO)4敗(3KO)のランク7位、22歳・東京都。

 

後ろから肩をトントンされたもんで振り返ったら、

福本雄基さんが山下さんの応援に来てて、すぐ横には和氣慎吾さんもいたんだわ。

 

<1R>

一回り小さいアポリナリオに対して山下さん、

相手の出方を確かめるってこと無くまずは自らのボクシングを展開させて、

初っ端からの行け行けのほぼ一方的なやり放題で、

早くも時間の問題になってしまって、

ロープに釘づけにしたままのラウンド終了ゴングだったんだわ。

 

<2R>

アポリナリオはタイミングを見計らっての右オーバーハンドが唯一の武器のようで、

山下さんとしてはそれさえ注意してれば大丈夫そうだったんだけど、

その山下さんもいつの間にか左顔面が赤くなってたんだよね。

 

1分過ぎからアポリナリオが攻勢を強めていって、

ポイントを取り返すまでには至らなかったんだけど、

評価の差は1Rよりも縮まったんだわ。

 

<3R>

気持ちを全部出してまずはアポリナリオが最初の30秒間を飛ばしていって、

山下さんが余りムキになると不用意に貰いそうな場面もあったんだけど、

直後に山下さんが反転攻勢を掛けていったんだわ。

 

で、相手を北ロープに追い詰めて左右ボディを左フックに繋げて、

そのままロープ沿いに追い打ちを掛けた開始45秒の赤コーナー前、

決めのショットは良く解らなかったんだけど、

それ以前の幾つかでダメージを負ってしまってたようで、

それまでの強気強気が霧散してしまったような感じで、

とにかく山下さんのショートの強連打を喰らってしまって力無くダウン。

 

出し切ってしまって気持ちまで折れてしまったかアポリナリオ、

そのままテンカウントアウトってことで0分58秒、山下さんのKO勝ち。

 

勢いが付いた時の山下さんの凄みを改めて感じさせられたんだよね。

 

 

 

③ 竹中良君(三迫)×ブルゲル・プトン……SFe 8R

16勝(9KO)4敗(3KO)1敗の33歳・熊本県と、

17勝(8KO)10敗(2KO)1分の32歳・フィリピン。

 

1年3ヶ月振りの試合になる竹中さんには椎野トレと横井トレが付いてたんだけど、

一緒に加わってた守里君がやたらガッチガチになってたなあ。

 

<1R>

頭半分ほど竹中さんの方がデカいんだけど、

久し振りの試合なもんで、思ってた通りとっても慎重な立ち上がりだったんだわ。

 

竹中さんが抑え気味だったもんで、まずはプトンが先手先手で、

中々いい感じのジャブを打ってたんだわ。

 

1分を過ぎる頃から徐々に竹中さんも稼働し始めて、

届きのいい長いジャブから幾つか軽いヒットを重ねてたんだわ。

 

<2R>

一旦距離が詰まった時のプトンはとっても危険で、

ガッチャガチャにさせたところで相手に体を預けるようにしながら暴れるんだわ。

 

で、ラウンドの半分頃まで竹中さんもかなり悩まされてたんだけど、

相手の一段落を見計らって左右ボディから右ショートフックを顔面に繋げて、

しっかりポイントを奪ってたんだよね。

 

ただ、プトンはまるで嫌がらせでもするかのように頭をぶつけてたし、

やたら体を持たれ掛けてきてたんだよね。

 

<3R>

頭から突っ込んでくる相手に対しては、事前の対処が必要なんだけど、

プトンの鬼突っ込みは尋常じゃなくて、

竹中さんの強烈ボディもモノともしない感じで、

竹中さんは如何にもやり難そうにしてて、嫌気が差さないか心配になってきたんだわ。

 

特に目立った被弾は無かったんだけど竹中さん、

手を出すヒマがないまま眉間の右目寄りの所をバッティングカットしてしまったんだわ。

 

<4R>

プトンの馬力ボクシングがどこまで続くのかってことで、

二人は我慢比べのボディ合戦に移行していったんだけど、

残り45秒辺りから、何となくプトンの下半身の安定感が失われてきて、

空振るとバランスを崩すようになってるし、

ここにきてようやく竹中さんのボディブローが効いてきたみたいだったんだわ。

 

プトンの頭から突っ込む作戦はそのままで、

よく見ると、彼の額には3ヵ所にコブが出来てたんだわ。

 

<5R>

あと残り半分ってところで、徐々にプトンにヘバリが見えてきたんだけど、

それでも諦めない姿勢と肉体的なタフさはかなり立派で、

竹中さんのそれとの正面切ったせめぎ合いって感じだったんだよね。

 

<6R>

プトンは竹中さんにもたれ掛って急場を凌ごうとしてたんだけど、

足元がバタつき始めて限界に近いことを感じさせ始めて、

ほぼ突然に竹中さんの明確な勝利が見えてきたんだわ。

 

キッチリ当て切れないままかって思われた残り1分15秒の東ロープ際、

竹中さんが実に華麗なタイミングのワンツーをそれも2連続ヒットさせて、

堪え切れず力無くロープに絡まりそうに体勢を崩してしまったところで、

レフェリーが割って入ってのストップエンドで1分40秒、

竹中さんのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

④ ダニエル・マテヨン×矢吹正道君(緑)……50㎏ 8R

7勝(4KO)0敗2分のWBA9位、30歳・キューバと、

7勝(7KO)2敗(1KO)の26歳・三重県。

 

マテヨンなのかマテリョンなのか外国人の名前の読み方は難しいんだけど、

ここではマテヨンってことにするんだけど、

驚異的なのは彼のアマチュア戦績で、ナント380勝19敗なんだってさ。

 

<1R>

お互いに見せ合ってたワンツーはとっても素早くて、

緊張感を高めたんだけど、基本的には矢吹君が慎重な立ち上がりをしてて、

マテヨンの方が積極プレスからの手数が多かったんだわ。

 

結局このラウンドはお互いの右ストレートボディの見せ合いにもなって、

マテヨンが3発、矢吹君が1発、それぞれいいのを打ち込んでたんだわ。

 

最も有効だったショットは残り49秒でのマテヨンの右ストレートだったんだけど、

残り6秒からの二人のやり取りはとってもスリリングで、

ほんのちょっとしたタイミングで必殺系のショットが飛び交ってたんだわ。

 

<2R>

矢吹君はとってもいいボクシングをするんだけど、何だか遊びが少ないというか、

攻撃手法が実に単純で、一瞬の右のキレだけで勝負するタイプみたいで、

そこに至るまでの組み立てに関しては全く無頓着のようだったんだわ。

 

その矢吹君も徐々に動けてきたんだけど、

カウンターボクサーの殻から出られないままで、

反応のいいマテヨンに綺麗に当て込むことが出来ないままだったんだわ。

 

<3R>

依然としてプレスはマテヨンのままで開始50秒、

右ボディからの左右フックへの繋ぎがとってもスムースで、

彼はとってもきちんとしたボディブローを打つんだよね。

 

矢吹君は先仕掛けが出来ないままだったし、

抜群の反射神経の持ち主のマテヨンに合わせ打つことも出来ないままだったんだわ。

 

残り12秒での右から返した左フックでこのラウンドもマテヨンだったなあ。

 

<4R>

マテヨンの方もそれほど刺激的な世界ランカーには見えず、

アマ経験の長さが妨げになってるのか、ちょっと普通過ぎるボクサーで、

適度な乱暴さを混ぜ込めば随分違ってくるんじゃないかって思ったんだよね。

 

一方の矢吹君は相手のパフォーマンスの見極めが出来たのか、

ちょっといい感じを出し始めて、強い右フックを側頭部に打ち込んでたし、

残り7秒での右の相打ちでも明らかに打ち勝ってたし、

思い返せば残り30秒でのイッセノセでも早いタイミングで当ててたんだよね。

 

<5R>

右のイッセノセは大体矢吹君が征してたんだけど、

ボディブローに関してはマテヨンの方が効果的で、

残り31秒でのショートブローのコンビネーションもマテヨンだったなあ。

 

<6R>

まずは矢吹君がショートのワンツーで先行して、

1分26秒にも再度のワンツーを薄くヒットさせて、

手数の落ちてきたマテヨンに対して、ペースを取り戻しつつあったんだけど、

それでも彼が持ってるモノはこれで全部なのかっていう思いが消えず、

同時に世界ランクを獲りに行こうとするボクサーにはとっても見えなくて、

試合当初からの一本調子が全く改善されてなくて、

何の工夫もしないまま彼が元々持っていたモノだけで試合をしてるようで、

テクニックっていうものが全く備わっていないような感じだったんだよね。

 

一方のマテヨンにしても、どんな経緯でランク7位をゲットしたか知らないけど、

自分にはとってもそんな感じには見えなくて、

ちょっと巧い黒人ボクサーくらいにしか見えなかったんだよね。

 

 

ってことで余りにトロトロしてきてしまったもんで、休憩タイム。                 

ちょうど57-57だったんだけど、もうどっちでも良くなってしまったんだよね。

 

結局、78-74、78-75、76-77ってことでマテヨンの2-1勝ちだったんだけど、

取り敢えず地元判定だって陰口を叩かれなくて良かったなあ、だけだったね。

 

 

 

⑤ 小浦翼さん(E&Jカシアス)×冨田大樹さん(ミツキ)

             ………OPBF Mm級タイトル戦 12R

13勝(9KO)0敗のチャンピオン、23歳・神奈川県と、

12勝(4KO)0敗のランク8位、20歳・大阪府。

 

試合前の内藤会長はいつもの通りユッタリ構えてて、

「もうすぐ始まりますよ。」 って教えて上げて会場入り、

小浦さんの親父さんがリングに上る息子に最後の檄を飛ばして始まり始まり……。

 

無敗同士の対決は2015年と2016年の全日本新人王同士でもあるんだわ。

 

これまで戦ってきたメンバーとパンチ力からして、

小浦さんの負けは有り得ないって思ってたんだけどね。

 

二人共、同じ “イサミ” の黒のグローブだったんだけど、

冨田さんのグローブテープは普通より5㎝以上幅広く巻かれてたんだわ。

 

<1R>

二人共、慎重な立ち上がりで、最初の1分半は何も起こらなくて、

お互いが相手のジャブの届きと強さを確認し合ってたみたいだったんだけど、

それじゃあって感じの最初のショットは小浦さんで1分38秒、

鋭く踏み込みざまにワンツーをヒット。

 

その後、小浦さんの右ストレートボディに冨田さんも合わせ打とうとしたんだけど、

そこに更に小浦さんが左フックを綺麗に合わせ打ってたんだわ。

 

冨田さんもそこそこ早かったんだけど、

一瞬のスピードに関しては圧倒的な違いがあったんだわ。

 

<2R>

徐々に小浦さんのプレスが効いてきた中、

ジャブのクオリティはやっぱり小浦さんの方が優秀だったんだけど、

ただポイント的には残り1分まではほぼどっこいどっこいだったんだわ。

 

で、残り30秒での冨田さんの右ストレートが採点を分けたんだよね。

 

<3R>

冨田さんの方にも結構沢山の応援団が付いてて、

「大樹!」 と 「翼!」 の応援合戦が凄かったんだよね。

 

小浦さんが先に仕掛けられなかったもんで、冨田さんにリズムを作らさせて、

どうして手が出ないかなあって思ってたら、1分20秒から気を取り直したみたいで、

強烈な左ボディが見事だったし、残り57秒での右ストレートもグッドグッド。

 

冨田さんは攻撃のバリエーションの中にボディショットを組み込めてなくて、

比較的シンプルな顔面攻撃に終始してたんだよね。

 

大きな差は無かったんだけど、それでも冨田さん、

挑戦者としての積極的姿勢とは程遠かったんだよね。

 

<4R>

この辺りの2ラウンド程は小浦さんさの手数が減っていって、

必ずしも消耗によるものとは思えなかったんだけど、

無駄玉になってもいいからとにかく手を出しておかないと、

相手に打ち込みのタイミングを与えてしまうし、

自らのリズムを悪くしてしまいそうだったんだよね。

 

このまま若干ダラダラしながら終わるのかと思ってた残り1分12秒、

小浦さんが鋭い右ボディをきっかけに顔面への左右フックをヒットヒット。

 

ってことでここまでの自分の採点は39-37だったんだけど、

公表された中間スコアは40-36、39-37、38-38ってことで、

勿論小浦さんの2-0リードだったんだけど、

38-38も40-36も違うと思ったなあ……。

 

<5R>

冨田さんは改めて立て直そうとしてたみたいだったんだけど、

ポイントを獲れるようなボクシングになってなくて、

明らかに攻めあぐんでるような感じだったんだよね。

 

そういう相手の心情と動きを見極めたか、

小浦さんの動きが更にこなれてきて、

相手の隙間隙間を細かく巧いこと突いていってたんだわ。

 

<6R>

大幅な手数アップか、攻撃の組み立てを変えて来るのか、

冨田さんの動きを見てたんだけど、待ち過ぎの狙い過ぎが改善されなくて、

お互いにチョン打ちに終始してたんだけど、

一方の小浦さんも一旦休憩タイムってことか、手数が付いていかなくて、

辛うじてこのラウンドは冨田さんの手数勝ちだったんだわ。

 

<7R>

あと半分、冨田さんがどこで飛ばしてくるのかが気になったんだけど、

最初の30秒間の打ち合いは久し振りに激しかったんだけど、

1分20秒での左ボディをきっかけにした小浦さんのラッシュが物凄くて、

一旦勢いを付けた時の彼のギアアップはやっぱり圧倒的だったんだわ。

 

その後、緊張感に富んだ密着戦を経て、

残り30秒から被弾を増していったのは冨田さんの方だったんだよね。

 

それにしても冨田さん、勿論水準以上のパフォーマンスなんだけど、

パワーとスタミナ頼りの一本調子の感が免れなくて、

矢吹さんと同じように力づくのテクニック不足が目立ってたんだよね。

 

<8R>

冨田さんが大雑把なワンツーに終始してた中、

小浦さんのボディブローを軸にしてのショートのコンビネーションが美しくて、

気が付けば冨田さんの顔面がかなり傷んできて、

懸命に手は出してたんだけど、何気にシンドそうにしてたんだよね。

 

ってことで更に二人の差が拡がって、自分は78-74だったんだけど、

79-73×2、78-74ってことでここでは流石に3-0になってたんだわ。

 

<9R>

何とか形は作ってたんだけど冨田さん、

中間スコアを聞いてもムチャ攻め転換も出来ず、反応も相当悪くなっていって、

ショットは単純なワンツーに限られてて、

小浦さんの返しの左フックの餌食になることが多くなっていったんだわ。

 

残り22秒からの小浦さんの激攻めを何とか凌いだ後の残り2秒、

いいタイミングの右ストレートを放ってたんだけど、

足が付いて行かないままの伸び打ちだったもんで殆ど効果が無かったんだよね。

 

<10R>

冨田さんも気持ちを奮い立たせて頑張ってはいたんだけど、

巧いこと中間休みを取ってた小浦さんには全く動きに劣化が見られず、

その牙城を崩しようが無くて、一発大仕掛けすることも叶わなくて、

そのうちラウンド半分を過ぎる頃にはメッキリしてしまって、

気合を入れた残り50秒からのショート戦でも、

小浦さんに互角以上に戦われてしまってからは、

見た目の良くない打たれ方をしてしまってたんだわ。

 

<11R>

冨田さんは最初の1分間くらいしか動けなくなってきて、

小浦さんは左のダブルフックとか逆ワンツーとか色々多彩で、

改めて冨田さんに攻め手の少なさと格の違いを知らしめてるようだったんだわ。

 

案の定、残り1分過ぎから冨田さんがメッキリしてきた直後の残り54秒、

相手の右を交わしざまに小浦さんが右フックをカウンターヒットさせてダウンゲット。

 

リング中央で小浦さんに絡まるように倒れ込んでしまった冨田さんなんだけど、

リスタートしてからの必死の抵抗はとっても立派だったんだよね。

 

<12R>

どこかで大きな一発をっていう冨田さんの夢や願望は、

今や完全にその可能性を失ってしまったんだけど、

それでもまだ頑張る彼の気持ちと体力の頑強さは大したもんで、

そこに技術が備われば格段に違うボクサーに変身できると思ったんだよね。

 

その冨田さんは必死に最後のラウンドのポイントを獲りにいってたんだけど、

そんなに無理しなくていい小浦さんにあしらわれ続けてしまってたし、

残り30秒からの飛ばし時さえも小浦さんに先んじられてしまってたんだわ。

 

 

ってことで自分は118-109だったんだけど結局、

119-108×2、117-110ってことで一方的な差で小浦さんの3-0勝ち。

 

 

試合前のアップ中に小浦さんが 「コンチワ」 って声を掛けてくれたんだけど、

内藤会長から 「この子は強くなるよお。」 って、

デビュー前の彼を紹介されたのは2年ほど前かって思ってたら、

もう4年も前になるんだよね。

 

 

 

最後は女子戦が組まれてたもんで、今日の所はここでお終いってことで、

帰りかけたら、「明日の阪神は中止だそうですよ。」 って声を掛けてくれて、

その人とは顔を合わせれば、ただお互いに機嫌よく挨拶を交わすだけで、

他には全く話したことがないっていうのに、

そうかあ、このブログを読んでくれてるのかあってことでアリガトアリガトです。

 

ちなみに自分は30日の阪神競馬には元々参加するつもりは無くて、

中山の11Rの⑥と、12Rの①を軸に組み立てるつもりなんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 小浦翼さん

② 竹中良さん

③ 山下賢哉さん

 

 

 

10月31日の “DANGAN” のポスターが久し振りに秀逸で、

ボクサーが控室からの階段を上って、

これから試合会場に向かうところを階段下から撮ったもので、

モデルは田ノ岡条さんと小熊会長なんだよね。

 

普段は信頼感がまとわりついてるカップルのような二人なんだけど、

流石に手は繋いではいなくて、微妙な距離感を保ってて、

これから仕事場に向かう二人の男の真剣さと緊張感が伝わって来るんだわ。

 

ポスターの隅の方に2名の女子ボクサーのポートレート写真があるんだけど、

ポスター全体の雰囲気を崩してしまってて自分的には余分なんだけど、

色々な事情とか配慮があるんだろうなあって……。

2018年9月29日 (土)

後楽園ホール・9月28日

 

21d9f5b3bb0840288f2b81fe1e6ef460

“ようがす、指でもなんでも切って下せえ!”

 

 

 

前日とはうって変わって、カァーッとした日差しが眩しくて、

それならってことで、今年最後のつもりの短パン出動だったんだけど、

街中を歩いても気持ち良かったなあ……。

 

 

 

昨日はホールに行く前にある業界関係者とちょっと話しさせて貰って、

沢山の人が集まってる組織の意思決定っていうのは、

守られるべき正義や真っ当な善悪感だけに基づいて為される訳でなくて、

構成員其々の功利が微妙に絡むもんで実にとってもややっこしいってことで……。

 

 

 

この日のボクシングは昨日に引き続いて、

東日本新人王トーナメントの準決勝戦の二日目。

 

 

① 岡田真虎君(JBS)×伊佐春輔君(新田)……Mm

4勝(2KO)2敗のサウスポー、24歳・岡山県と、

6勝(1KO)1敗の20歳・神奈川県。

 

優勝候補の二人で、戦績的には伊佐君なんだけど、

岡田君の方がボクシングの幅が広いもんで……。

 

<1R>

岡田君がトリッキーな動きからの一瞬飛び込み戦法を満開にしたスタートで、

相手のフットワークの巧みさに伊佐君がちょっと惑わされたような感じで、

自分のタイミングを計りかねてるようだったんだわ。

 

お互いに大きなヒッティングは無かったんだけど、

残り1分19秒での岡田君の左ストレートが唯一の印象点だったかなあ。

 

<2R>

伊佐君はどこかで踏ん切りを付けて、距離を詰めての手数アップが要るんだけど、

髪の毛とシューズがほぼ同色の真っ黄色の岡田君は、

何だか南米アマゾンの怪鳥のようにあちこちを跳ね回って、

中々的を絞らせてなかったんだよね。

 

終盤に掛けてやっとのことで伊佐君も前詰めを厳しくしていってたんだけど、

まだまだ十分とは言えなくて、このままだと、

ラウンドが進むごとに1ポイントづつロスしそうな感じだったんだわ。

 

<3R>

気分良く試合が出来てたせいか岡田君がちょっとカッコ付け過ぎ状態になって、

相手を舐めたような嫌味な動きが目立ってきて結局、

この日の岡田君は一瞬の突っ込み一発オンリーの当て逃げ系に終始してたし、

一方の伊佐君もまだまだ踏ん切りが良くないままで、

ちょっとカッタルくなってしまったもんで、一旦の休憩タイム。

 

 

後で確かめたら岡田君から見て39-38、38ー38×2の1-0ドローで、

優勢点の関係で岡田君が決勝戦進出になったんだわ。

 

 

 

② 河野勇太君(SRS)×大橋波月君(10count)……LF

3勝4敗(2KO)の25歳・東京都と、4勝(3KO)2敗(2KO)の20歳・神奈川県。

 

自分の中では大橋君が圧倒的に勝利するって実は思ってたんだけどね。

 

<1R>

勢いが付いた時の大橋君はかなり凄いんだけど、この日は中々火が付かなくて、

辛うじて相手の手数不足に助けられてたって感じだったなあ。

 

<2R>

少し距離が縮まってきた辺りから、大橋君がやり易そうにし始めて、

若干勢いを増した中でのショートブローや左ボディも良くなってきたんだわ。

 

河野君の方も少し吹っ切れた感じの手数アップで、

やっと試合らしくなってきたね。

 

<3R>

アレッと思ったら何だか大橋君が打ち疲れ始めたような感じで、

河野君の頑張りの方が目立ってきたんだけど、残念ながら、

途中から先手を取り切れないままに大橋君を休ませてしまってるような感じで、

残り1分からの打ち合いにも後れを取ってしまってたんだわ。

 

<4R>

まずは河野君がガンガン仕掛けて始まった最終ラウンドは、

それに応えた大橋君の踏ん張り直しで一気にヒートアップして、

お互いにきちんとしたヒッティングは少なかったんだけど、

終盤に掛けては狂熱の意地の見せ合いって感じの盛り上がりで、

そういうのが出来るなら最初からやってよって感じの終了ゴング。

 

 

ってことで自分は39-37で辛うじて大橋君だったんだけど結局、

38-38×3ってことで全く0-0ドローだったんだわ。

 

注目された3個の優勢点の内の2個が河野君に流れて決勝進出が決まった途端、    

場内からはエエーッって大きな不満の声が上がったんだけど、

この日の大橋君のデキだと、それも仕方ないかなあって感じだったんだよね。

 

 

試合後に偶然SRSジムの坂本会長が近くに来られたもんで、

オメデトゴザイマスを伝えたんだけど、そんなに喜んで無かったなあ。

 

 

 

③ 具志堅広大君(T&H)×太田憲人君(ワタナベ)……F

3勝(3KO)3敗(1KO)の25歳・沖縄県と、

3勝(1KO)0敗のサウスポー、29歳・東京都。

 

ここは太田君の圧勝を予想してたんだけどね。

 

<1R>

小さい方の具志堅君が強いプレスからの仕掛けが早くて、

とにかく太田君は決定的にジャブが少なかったし、

下がり下がりやサークリングが目立って見栄えが良くなかったんだわ。

 

<2R>

リズム感が合わないのか、太田君はまだやり難そうにししてて、

きっかけを相手に求め過ぎる待ちボクシングが続いてて、

ちょっとなあって感じが強くなってしまったモンでまたもやの休憩タイムゲット。

 

 

評価は色々だったみたいで結局、

40-36、39-38、38-39ってことで太田君の2-1勝ちだったんだけど、

このスコアのバラケ方もちょっと凄かったんだわさ。

 

 

 

④ 碇瑠偉君(厚木ワタナベ)×大平智成君(新日本カスガ)

                           ………4R

3勝0敗2分の19歳・神奈川県と、1勝(1KO)3敗(3KO)1敗の36歳・長野県。

 

17歳もの年齢差のある引退間近の相手に碇君が取りこぼす筈はないよね。

 

<1R>

大平君はガード固めながらにじり寄って、取り付いてからが勝負って、

たまに見掛けるある種典型的なボクシングスタイルで、

これならスピードのある碇君なら余裕の展開だろうなって見てたんだけど、

もっと遠くで仕掛けるべき碇君も変な付き合い方をしてしまって、

結局は二人で実に実に中途半端な試合を始めてしまったんだわ。

 

C級ボクサーにはたった4ラウンドしか与えられてないんだから、

先を見据えてなんて余裕をかますのはとんでもないことで、

第1ラウンドの3分間を大事に考えないボクサーは絶対ダメだと思う訳で、

ってことで3試合連続の席外しで……。

 

結局、40-36×3ってことで碇君がパーフェクト3-0勝ちしたんだけどね。

 

 

前日はSF級までがとっても盛り上がったし、

レベルの高い試合が続いたんだけど、

残念ながらこの日は何だか全く心が躍らないやり取りが続いたんだよね。

 

 

 

⑤ 花森成吾君(JBS)×石川春樹君(RK蒲田)……B

3勝(1KO)2敗(1KO)の20歳・東京都と、4勝(4KO)0敗の19歳・東京都。

 

どう考えても石川君が圧倒するでしょってことで……。

 

<1R>

やっとこさちゃんとした試合になってきて、

お互いに実にテキパキとした立ち上がりを見せたんだけど、

若干上背のある花森君の方が積極的に仕掛けていって、

いいジャブを打ち出してたし、打ち終わりの配慮も出来てて、

実にまあ気持ち良さそうに攻め立てていってたんだわ。

 

思いの外、花森君が善戦するままに石川君が沈黙してる時間が長くて、

このまま無策のままに相手に1ポイントを禅譲するつもりかって、

そう思い始めた残り7秒、それまで打ち出しのタイミングを計ってたってことか、

石川君が溜めに溜めてたような右ストレートを鋭く一閃。

 

それをきっかけにして一気にスピードを上げての猛攻撃で、

花森君の気持ちと動きを封じ込めてたんだわ。

 

で、ポイントの振り分けがハッキリ別れそうだったんだけど、

自分としては終盤までの総ヒット数で花森君だったんだよね。

 

<2R>

花森君がリセットしての積極ショート連打で再度の攻勢を取ったんだけど、

一発一発の鋭さは石川君が圧倒してるもんで、

前の回と同様にどこかできっかけを掴めば即の逆転も見えそうで、

花森君としてはとにかく手を休めないことだったんだわ。

 

1分過ぎ、花森君の手数が減って打ち出しが緩んできたところを見計らって、

案の定、石川君が一気の攻勢に転じて、その瞬発力はやっぱり圧倒的で、

最後の右ストレートを打ち込んだのは残り18秒のところだったんだけど、

直撃された花森君が赤コーナーポストまで飛ばされてしまってのダウン。

 

何とか何とかって花森君が立ち上がりはしたんだけど、

レフェリーが続行無理を判断したのと同時に陣営からもタオルが投げ入れられて、

2分49秒で石川君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

⑥ 井田洋介君(石川)×小川将太君(UNITED)……SB

4勝(1KO)0敗2分の30歳・東京都と、1勝(1KO)1敗(1KO)1分の21歳・東京都。

 

この試合は井田君が勝つだろうなあって思ってたんだけど、

その井田君が棄権してしまって小川君の不戦勝だったんだわ。

 

 

 

自分の中ではここからの2試合がこの日のダブルメインイベントだったんだよね。

 

 

⑦ 中村由樹君(輪島S)×松澤拳君(宮田)・・・・・Fe

3勝(2KO)1敗の19歳・東京都と、

5勝(3KO)2敗(2KO)のサウスポー、28歳・千葉県。

 

松澤君も強打の持ち主なんだけど、

スピード感では圧倒的に中村君だからなあ……。

 

<1R>

松澤君が右手を大きく前に置いて、より長い距離を作り出そうとしてて、

中村君の踏み込みを阻止しようとしてて、

さあ中村君、この長い距離をどうするのかって見てたら開始1分02秒、

ガサガサッて体を揺さぶりながら中村君が瞬発系踏み込みからの一発で、

一瞬バランスを崩してしまった松澤君が右手で西ロープを掴んで凌ごうとして、

間髪を入れない中村君の鬼追撃だっていうのにその右手を放さなくて、

ガードする為に右手を放せばそのまま倒れ込んでしまいそうだったからみたいで、

でも結局は空いた所に更に被弾を重ねてしまってたんだわ。

 

残り40秒、松澤君が右にスイッチしたんだけど殆ど何の意味も無いまま直ぐ戻して、

何とか立て直そうとしてたんだけど、序盤のような長い間合いが維持できなくなって、

又もや体勢を崩して北西ポストに追い立てられてしまった残り6秒、

左右のショートフックを連続的に打ち込まれてしまったダウン。

 

立ち上がったところでラウンド終了ゴングが鳴ったんだけど、

コーナーに戻る際の松澤君の消耗の進み方は半端じゃなかったんだよね。

 

<2R>

前の回の松澤君は自分的には何となく彼らしくなくて、

そもそも動きが今一だったし気持ちでも負けてたような気がしてて、

ちゃんと練習したのかっていう印象さえ受けたんだけど、

打ち出してるそのパンチはストロークが大きくてカウンターを狙われ易いし、

そもそも打ち出しに全くスピード感が感じられないままだったんだわ。

 

最早時間の問題かなあって思われた1分20秒過ぎの西ロープ前、

決めに掛かった中村君の勢いを松澤君が止めるのはとても無理そうで、

西ロープ前でドカボカやられてしまったところで、

レフェリーストップと陣営からのタオルインとがほぼ同時だったんだよね。

 

ってことで1分24秒で中村君がTKO勝ちしたんだけど、

11月4日の決勝戦は面白いことになりそうなんだわ。

 

 

 

⑧ 関島優作君(KG大和)×林慶太君(10count)×……SFe

5勝(3KO)1敗の21歳・神奈川県と、

4勝(3KO)3敗(3KO)の21歳・東京都。

 

関島君はデビュー戦で0-3負けしてしまってから立て直しての5連勝中で、

関島君を破ったそのボクサーは2戦目で1-2負けして以来、

もう2年近く試合をしてないってことで、ボクサーにも色々あるんだよね。

 

<1R>

二人共、実にいい感じで始めてたんだけど、

開始1分まで左ジャブをより効果的に使ってたのは林君の方で、

関島君の方は左をフック系で使うことが多くて、

これも結構相手の出鼻を挫くことに成功してたんだわ。

 

甲乙付け難い攻防が続いてた残り1分13秒、

関島君の右ストレートからの左フックが綺麗にヒットしてファーストポイント・ゲット。

 

林君の方も相手に的を絞らせないように頭の位置に気を付けていたし、

上体を細かく動かしてたんだけどね。

 

<2R>

林君のボクシングはあくまで真面目な正統派で、

だから一方では相手の意表を突くような工夫が足りてないとも言える訳で、

もう少し色々な緩急が欲しいところだったんだけど、

早くもそれを見極めたような関島君の動きの方が一気にこなれてきて、

この回の最初のコンタクトが終わると林さんの顔面がかなり赤味を帯びてたし、

薄く鼻血にも見舞われてたんだわ。

 

残り45秒で右が相打ちになった際に思わずヨロッとしてたのは林君の方で、

更に残り11秒での関島君の一瞬の右フックのカウンターショットは実に絶妙で、

このラウンドは結局、10ー8:5ほどもの大差が付いてしまったんだわ。

 

<3R>

本気を出してフルスロットルになった時の関島君はやっぱり相当強くて、

ムキになって歯を食いしばってって感じではないまま、

普通の顔をして冷酷に飛ばしていくのが却って物凄いモノを感じさせる訳で、

一気に林君を北西ポストから北ロープに追い立ていってた開始45秒、

左右のショットをストレート系とフック系を組み合わせての連続攻撃で、

林君の反撃の可能性を摘んでしまったところでレフェリーストップエンドで、

0分48秒でのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

試合直後に関島君と言葉を交わしたんだけど、

関島君と林君は友達に近い関係にあるってことで、

そういうのを吹っ切って殴り合うボクサーの凄さにシンミリしてしまったし、

一つ前の試合の中村由樹君とはお互いのボクシング・スタイルが大好きってことで、

二人で何ラウンドに倒したかを確認し合ってたんだわ。

 

 

更に試合前のことなんだけど、偶然関島君の親父さんトレから、

「優作の母親です。」 って言い方で母上を紹介されたもんで、

一瞬、関島トレの正妻さんは別におられるのかって惑わされてしまったんだわ。

 

その母上はまるで何処かの絵画展からの帰りに寄ったようなイデタチをされてて、

一緒に優作君の弟君も紹介されたんだけど、

この一家はみんな実に整った顔と姿をしてるんだわ。

 

 

 

⑨ 齋藤眞之助君(石川)×橘ジョージ君(協栄)……L

3勝(2KO)2敗(2KO)の23歳・山梨県と、4勝(1KO)3敗の23歳・新潟県。

 

最近は冷静な戦い方が出来るようになって左ボディが抜群の橘君だなあ。

 

色んな人達と話をしてたもんで4Rしか見てなかったんだけど、

何だか橘君も思ってた以上にヘロヘロになってて、

それでも上下への打ち分けの巧みさで、

橘君が優勢かなあって思いながらの終了ゴング。

 

スコアの発表を聞いてたら、39-37×3ってことで、

やっぱり橘君が3-0勝ちだったんだわ。

 

 

 

⑩ 吉村鉄也君(KG大和)×西川宏次郎君(中屋)……W 

4勝(3KO)2敗(2KO)1分の26歳・神奈川県と、3勝(1KO)0敗の30歳・愛知県。

 

元々層の薄い階級なんだけど、

ここは荒木祐司君を3-0で下した吉村君かなあ……。

 

この試合も1Rをスルーして2Rからだったんだわ。

 

<2R>

二人共、結構飛ばす飛ばすで最初の50秒までは西川君だったんだけど、

吉村君の右一発で攻守が交代して、

また1分30秒からは西川君の逆襲が目立って、

相手をロープに詰めてのショート連打が光ってて、

吉村君はロープを背負わされる時間が長くて見栄えが悪かったんだよね。

 

<3R>

頭をくっ付け合ってのショート戦になると、

吉村君もヘコタレナイ手数ではあったんだけど、

西川君の回転力の方が圧倒的に鋭かったんだよね。

 

<4R>

お互いにそこそこ当て合ってるのに殆ど全くグラッともしなくて、

この階級の割には二人共、パンチが軽いのかなあって思いながらだったんだけど、

それでも最後までこの二人はトロトロになるってことがなくて偉かったんだわ。

 

結局、39-37×3ってことで西川君の3-0勝ちだったんだけど、

とっても妥当な採点だったみたいね。

 

 

 

⑪ ワチュク・ナァツ君(マーベラス)×岩井優典君(一力)……M

2勝(1KO)0敗1分の21歳・埼玉県と、2勝(2KO)1敗の31歳・東京都。

 

微妙な力関係だと思うんだけど、ここは大家拓見君に2-0勝ちしたナァツ君、

ってそう思ってたんだけど、岩井君が棄権してしまったんだよね。

 

 

 

全部の試合を見終えて帰りかけた時が、

ドーム野球でサヨナラホームランが出た時と重なって、

そりゃもう大急ぎの早帰りだったんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 関島優作君

② 中村由樹君

③ 石川春樹君

2018年9月28日 (金)

後楽園ホール・9月27日

 

71f68b872e1c4d6ea9cb65b7d8c0df19

“おいらの意志は固いです!”

 

 

 

ふと空を見上げ、ここを真っ直ぐ進んだら一体どこに行き付くんだろうかとか、

宇宙の先行きになんかに思いを馳せてると全くもう途方に暮れてしまうんだけど、

一方、時間に追われた日々の些末な雑事も無視できない訳であって、

それはまるで、望遠鏡を逆から覗くようなことを繰り返すような感覚なんだよね。

 

 

 

今日と明日は東日本新人王トーナメントの準決勝戦なんだよね。

 

 

① 柴沼智樹君(KG大和)×高田勇仁君(ライオンズ)……Mm

6勝(2KO)3敗(1KO)のサウスポー、31歳・神奈川県と、

6勝(3KO)2敗(2KO)1分の20歳・埼玉県。

 

前の試合で若林耕君にTKO勝ちした高田君の方が、

優勢だろうなあって思ってたんだけどね……。

 

<1R>

柴沼君は事前に相手をよくよく分析してた形跡があって、

常に一定の距離を維持することを一番に考えてたみたいで、

いつもの彼は若干突っ込み過ぎる傾向が強くて、

そうなると、高田君の右アッパーの餌食になってしまう可能性が高かったんだけど、

とにかくまずは高田君の間合いにさせないような動きに徹してたんだわ。

 

お互いに殆ど有効打は無かったんだけど、

それでも、幾つか薄く当ててたのも手数が多かったのも柴沼君だったんだわ。

 

<2R>

高田君は前の手の使い方がもっと巧い筈なんだけど、

攻め手に迷いまくってて、取り敢えずはもっと詰めてガチャガチャやるべきで、

このままだと柴沼君にペースを取られるぞって感じだったんだわ。

 

1分10秒、高田君の最初のヒッティングは左ボディで、

そこから中盤に掛けての打ち合いも征してたんだけど、

その後の柴沼君の巻き返しも手抜かりが無かったんだわ。

 

お互いに少しばかり力が入り過ぎる傾向が強かったんだけど、

終盤に掛けての高田君の左フックの方が見栄えが良かったんだよね。

 

<3R>

それでも試合のペースというかリズム感はあくまで柴沼君が主導してて、

高田君としてはもっと試合を動かしていかないと巻き込まれそうで、

相手の動きを見極め切れないままのミスショットがとっても多かったんだわ。

 

それにしてもこの日の柴沼君は自分のボクシングが良く解ってるって感じで、

いつものパワー系を封じてテクニシャンに変貌してたんだよね。

 

<4R>

高田君としては勝つためにダウンゲットが必要になってしまって、

最後のひと暴れを見せたいところで、

開始15秒に左右ボディを4連発させて、そこから一気に攻め立てて、

更に3発ほどを上乗せしたんだけど、柴沼君も相手の自由にはさせないで、

接近戦になった際のショットの正確さでは却って相手を上回ってて、

肘を畳んで打ち込んでたショートの左フックはとっても美しかったんだわ。

 

残り40秒からはお互いに死闘の限りを尽くすって感じで、

二人の歯の喰いしばり方はホント凄かったんだよね。

 

 

ってことで自分は38-38で優勢点は柴沼君って感じだったんだけど結局、

39-37、39-38、38-39ってことで柴沼君の2-1勝ちで、

高田君としては試合序盤の手数不足が祟ったって感じだったんだよね。

 

 

試合前にKG大和の片渕会長と言葉を交わす機会があって、

ジムとしては9月は9試合もあってここまでの7試合で6勝1敗ってことだったんだけど、

この日の勝利で7勝1敗ってことで、とっても尋常じゃないんだよね。

 

ここのジムは多分関東圏で一般会員が一番多いと思うんだけど、

そういうジムはプロの練習環境との調整がとっても難しいんだけど、

どうやってるのって聞いたら、傍にいたスタッフさん達が、会長のこれですって、

腕をパンパンって叩いてたんだよね。

 

 

 

② 亀山大輝君(ワタナベ)×澤井暖君(RK蒲田)……LF

4勝(1KO)2敗1分のサウスポー、21歳・静岡県と、

2勝(1KO)1敗(1KO)27歳・神奈川県。

 

ここは亀山君が圧倒的じゃないかって思ってたんだよね。

 

<1R>

亀山君がいきなりエンジン全開でぶっ飛ばしていって、

体勢と気持ちが整ってなかった澤井君を圧倒しまくってた開始41秒、

亀山君の左右フックが激当たりして澤井君が青ポスト近くに飛ばされて、

ヨロッとロープに引っ掛かってしまってダウン宣告。

 

リスタート後の亀山君は更にいきり立った一気呵成の追撃で、

澤井君に立て直す間を与えないままのほぼ10秒後、

ほぼ同じ青コーナーポスト前だったんだけど、

立て続けの攻め込みは壮烈系で、

その全てが直撃した訳では無かったんだけど、

続行は無理と判断したレフェリーが割って入ってのストップエンドだったんだわ。

 

ってことで0分58秒、亀山君の実に手際のいいTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

③ 荒川竜平君(中野サイトウ)×入稲福敬君(ドリーム)……F

4勝(2KO)2敗(2KO)1分のサウスポー、19歳・宮崎県と、

2勝(1KO)3敗の24歳・沖縄県。

 

赤コーナーはこの日3人連続目のサウスポーの荒川君で、

その彼の試合巧者ぶりが注目だったんだよね。

 

<1R>

外見の逞しさは入稲福君が圧倒的だったんだけど、

堅実な前詰めから届きのいい右ショットはやっぱり荒川君で、

入稲福君も距離が詰まったところでここぞの左右フックだったんだけど、

ストロークがデカくなるところを荒川君に内側から狙い打ちされてたんだわ。

 

荒川君は右手を勿論ジャブとしても使うんだけど、

相手が入って来るところに強めのフック系を合わせていくもんで、

入稲福君の警戒感も中々解けなかったんだよね。

 

特に鋭いストレート系を貰うことが多くて、

入稲福君の顔面は早くも赤くなり始めたんだわ。

 

<2R>

荒川君はスタイリッシュなとってもいいボクシングをしてて、

ディフェンス感覚も半端じゃないから、

入稲福君は余程の幸運に恵まれないと直撃ヒットが叶わない感じで、

中間距離も接近戦も殆ど荒川君の思いのままだったんだわ。

 

入稲福君も密着してのボディ中心に頑張ってて、

一発ドカンの予感も感じさせてはいたんだけど、

フォローまでは配慮できてなかったもんで、思いが遂げられないままだったんだわ。

 

<3R>

入稲福君は何とか大きいのを当てたいところで、

まだまだ十分に力はこもってたんだけど、

正確さに掛けてたし、相変わらずフォローナシの一発勝負のままで、

山ほどの被弾にもメゲず、必死に打ち返してたんだけど、

ちょっと荒川君にあしらわれてるって感じがしてきたんだよね。

 

<4R>

入稲福君も頑張り続けてたんだけど、

荒川君の動きも全く劣化が見られなくて、形も崩れなくて、

もうあと4ラウンド分でも十分やれそうな感じだったんだわ。

 

大きなダメージは受けていないものの入稲福君、

打たれ方の形が益々悪くなっていってたなあ。

 

それでも入稲福君のタフさとスタミナは驚異的なほどで、

残り30秒からの最後のせめぎ合いもほぼ対等で終えたところで終了ゴング。

 

 

ってことで自分は40-36だったんだけど結局やっぱり、

40-36×3ってことで荒川君の3-0完封勝ちだったんだわ。

 

 

 

④ 吉野ムサシ君(中屋)×若木忍君(畠山)……SF

6勝(2KO)3敗(1KO)の25歳・山梨県と、

1勝(1KO)1敗1分の32歳・北海道。

 

この階級は正直元々層が薄いもんで、

誰にでも優勝のチャンスがあると思ってたんだけど、

この試合に限って言えば吉野君かなあって思ってたんだけどね。

 

<1R>

上背もリーチもフレーム的にも吉野君が圧倒してたんだけど、

若木君の詰め詰めからのショットのシッカリ感は何かを感じさせるものがあって、

大きな相手を前にして常に打ち合いのきっかけを作ってて、

吉野君の方は何となくの待ちボクシングで、

相手が入って来るところに合わせ打ちたがっているのがちょっと露骨だったかなあ。

 

お互いのパンチがカウンターになって交差してたんだけど、

腕振りが鋭い分、若木君方が一瞬早く届いてたんだよね。

 

<2R>

何だか若木君が表情も動きも比嘉大吾さんのように見えてきたんだけど、

接近戦になった途端の残り1分15秒、

若木君の右ショートアッパーが鋭くヒットして、吉野君が思わず揺らいだその瞬間、

ここだ! ここだって感じで若木君が一気の鬼追撃で、

残り40秒に右フックを重ね打って、吉野君がズルズルっと下がるところを一気一気で、

残り30秒の北ロープ前で、最後に仕上げの右フックを打ち込んでダウンゲット。

 

打たれ方も倒れ方も相当だったもんで、レフェリーも即のストップエンドで、

2分31秒、若木君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

それにしても最近、畠山ジムはいいボクサーを育ててるんだよね。

地震で大変だった北海道なもんで、何となく応援したくなるんだよね。

 

 

 

⑤ ビバリー塚田君(ワタナベ)×義元得拳君(渥美)……B

3勝(2KO)1敗1分のサウスポー、29歳・鹿児島県と、

5勝(3KO)1敗1分の33歳・神奈川県。

 

これはもう圧倒的に義元君だと思ってたんだけどね。

 

<1R>

まず塚田君が頭を低くしながらの詰め詰めガツガツ狙いだったんだけど、

衝撃の場面が訪れたのは開始35秒の青ポスト前だったんだわ。

 

詰められた方の義元君が渾身の右ショットを激しくカウンターヒットさせて、

塚田君は一発ダウンしてしまったんだわ。

 

それほど大きなダメージを引きずることなくリスタートした塚田君は、

ダウンする前よりもっともっとの頑張りボクシングだったんだけど、

そうすることは更に頭から突っ込むことになった訳で、

義元君の方も追撃に夢中になる余り、相手の頭の位置までは配慮できてなくて、

リスタートしてほぼ10秒後に二人は大きくバッティングしてしまって、

義元君は左額を大きくカット出血してしまったんだわ。

 

即のドクターチェックの即の負傷ストップってことで試合としてはドローエンド。

新人王トーナメントの特別ルールでケガをしていない塚田君の方が決勝進出。

 

って、思ってもいなかった結末だったんだけど、

多分、大いに納得いかなかったと思うんだけど義元君、

そういう表情を殆ど見せることがなくてとっても立派だったんだわ。

 

一方の塚田君は若干申し訳なさそうにしてたんだけど、

天がくれたチャンスだと思ってどこかで吹っ切って、

義元君の為にも次の試合を頑張ることなんだよね。

 

 

 

⑥ 林大雅君(本多)×三尾谷昴希君(帝拳)・・・・・・SB

4勝(1KO)1敗1分の20歳・千葉県と、3勝1敗1分のサウスポー、21歳・栃木県。

 

変則的でやり難い相手ではあるんだけど、

林君が何とかするんじゃないかって思ってたんだけどね。

 

<1R>

三尾谷君は全くいつもの通りのボクシングだったんだけど、

それを知ってる筈の林君が変に戸惑ってて、

踏み込むところを合されるんじゃないかって警戒して動きがぎこちなかったんだわ。

 

結局、チョン当ての数の差で三尾谷君だったんだけど、

このままだと林君、相手の術中にハマってしまうけどなあ。

 

<2R>

どっちかが瞬間を見極めて一発ストレート系を突っ込み打ちして、

後はクリンチに移ってそれで終わりっていうのが延々で、

林君としてはそういう単純系から脱して、

猛然とした気持ちでガチャガチャさせないと活路が見えてこないんだけど、

吹っ切れそうにないままだったもんで、ちょっと一休み。

 

 

結局、40-36、39-38、39-39ってことで三尾谷君の2-0勝ちだったんだけど、

こういう超バラけた数字の並び方は滅多に見られなくて、

キッチリ見てた訳では無いから何とも言えないんだけど、

全ラウンドを三尾谷君がゲットしたって判断したジャッジよりは、

39-39としたジャッジの方に親近感を感じる訳で、

二人共、もっとチャンと戦えってことだと思ったんだよね。

 

 

 

⑦ 峯田光君(帝拳)×大保龍球君(渥美)……Fe

3勝(2KO)0敗の22歳・鹿児島県と、5勝(2KO)1敗の22歳・沖縄県。

 

元々の優勝候補は大保君だったんだけど、最近は手数不足が目立ってて、

多少粗っぽくはあるんだけど積極性で峯田君かなあ。

 

<1R>

腕力は峯田君で、器用さでは大保君だと思ってたんだけど、

相手の右を外しながら器用に強い左フックを当て込んでたのは峯田君の方で、

中盤以降、中小のパンチの積み重ねで勝ってた大保君とのポイント振り分けが、

難しいところだったんだわ。

 

<2R>

お互いに倒したがるボクシングスタイルで、一瞬気を抜いた方がヤバそうで、

危険なパンチが交差してたんだけど、峯田君の右の方が優勢で、

気が付くと大保君が左目をパチパチさせたり、グローブでガードを固めたり、

片目を瞑りながらのパフォーマンスになってたんだわ。

 

アレレレ、それほどのダメージを負ってしまったのかって思ったんだけど、

そこから終盤に掛けての頑張りは却って大保君の方が大優勢で、

峯田君は防戦一方になってしまったんだわ。

 

<3R>

心配された大保君の左目は開始ゴング直後のドクターチェックで大丈夫ってことで、

そこからは殆ど何の障害にもなってないような感じだったんだよね。

 

30秒過ぎからお互いの返しの左フックが必殺系で行き交ってたんだけど、

大保君の方がクオリティーが高かったんだわ。

 

それにつれ、峯田君が腰を屈めたりのけ反る場面が多くなっていって、

返しの返しまで踏ん張ったのはあくまで大保君の方だったんだわ。

 

このまま手数不足のまま峯田君が押し切られそうだった残り7秒、

峯田君の右ストレートが大きく反撃ヒット。

 

<4R>

先攻めが必要だったのは峯田君だったんだけど、

何だか狙い過ぎの待ち過ぎが目立ってた開始24秒、

その峯田君が右からの返しの左フックを綺麗にヒットさせたんだわ。

 

その後の1分25秒、大保君が右アッパーからの左フックを反撃ヒットさせて、

一気に大きく巻き返しそうだったんだけど、

残念ながら多少のヘバリが浮き出てきてしまって思いが叶わないままの終了ゴング。

 

 

ってことで自分は38-38で優勢点は大保君だったんだけど結局、

39-37×3ってことで峯田君の3-0勝ちだったんだよね。

 

 

 

⑧ 鯉淵健君(横浜光)×長田庄一郎君(ワタナベ)……SFe

3勝(2KO)1敗の22歳・神奈川県と、5勝(2KO)0敗の20歳・山梨県。

 

SFe級のAグループはBグループより比較的層が薄いもんで、

チャンスは誰にでもあるんだけど、

ここでは佐藤諄幸君を破った長田君が優勢じゃないかって思ってたんだわ。

 

<1R>

鯉淵君のプレスが強かったせいか、

長田君が距離を計りかねてたような感じで始まったんだけど、

最初のヒットは1分10秒でのその長田君の右ストレートで、

いきなり行けそうな感じを掴んだか長田君が更に追撃しようとしたその瞬間、

雑になって一瞬バランスを崩してしまったところを狙い打たれて、

右フックを打ち下ろされてしまってダウン。

 

何とかリスタートした長田君も懸命懸命の反撃を見せてたんだけど、

今や壮大な乱暴者に変身してしまった鯉淵君の狼藉を防ぎ切れなくて、

何とか凌いでたのも限界に達した残り16秒、

リング中央でまたもやの右フックを貰ってしまってダウンしてしまったんだわ。

 

気丈な長田君はここでも立ち上がったんだけど、

レフェリーが続行は危険だって判断してのストップエンドだったんだわ。

 

 

で、2分55秒、鯉淵君のTKO勝ちだったんだけど、

一見、大人しそうに見える鯉淵君が一旦火が付くと、

まるで別人のようになるところがとっても面白かったんだわ。

 

一方の長田君なんだけど、最初のダウンを喰らったところで一旦リセットして、

無理に打ち合わず、悔しいけどここは相手に2ポイント渡すって吹っ切って、

次のラウンド以降に組み立て直すことが出来れば違ってたんじゃないかなあ。

 

 

 

⑨ 平岩貴志君(帝拳)×山本祥吾君(ワタナベ)……L

3勝(2KO)1敗の21歳・愛知県と、3勝(1KO)2敗(1KO)の26歳・茨城県。

 

平岩君の手数と山本君の巧さの対決の行方はとっても迷うところだったんだけど、

ここは松本北斗君に3-0勝ちした山本君の技量を評価するってことで……。

 

<1R>

とにかく二人共、腕振りがデカ過ぎなのが目立ってたなあ。

 

残り38秒、平岩君のワンツーに山本君のワンツーがカウンターヒットして、

その後も山本君のショットの方が正確性で上回ってたんだわ。

 

<2R>

開始50秒、二人の腕が交差した刹那に山本君の右ストレートがヒットして、

相変わらず平岩君は得意の左フックのストロークが大き過ぎてたんだけど、

山本君の方も右を打ちたい打ちたいっていうのが露骨で、

もっときちんとしたジャブから始めて、

相手のタイミングで打たせないようにした方が良かったんだよね。

 

<3R>

荒くれ者同士の乱闘状態に移行しつつあって、

開始45秒にはバッティングで山本君は右目上をカットしてしまったんだわ。

 

幸いにも大事には至らず続行されたんだけど、

二人共かなり舞い上がってしまってたようで、

セコンドからのアドバイスも耳に届いていないようだったんだよね。

 

平岩君もアマ15戦にはとっても見えないような頭からの突っ込み系で、

なんだかヤケクソになってるかのようだったんだわ。

 

<4R>

平岩君の元気と体力は半端じゃなくて、

それがまるで気が触れたように暴れまくってて、

帝拳ボクサーのようにはまるで見えなくて、それなりに面白かったんだけど、

その体力を何か他の動きに仕えないもんかって思ったんだよね。

 

1分19秒に山本君が右ストレートを当て込んだ後は、

主役は明らかに平岩君に交代していって、

残り1分からの山本君は凌ぐので一杯一杯になってしまったんだよね。

 

 

ってことで自分は39-37で山本君だったんだけど結局、

39-37×2、37-39ってことで山本君の2-1勝ちだったんだけど、

38-38は有っても、37-39っていうのは有り得ないって思ったんだけどね。

 

 

試合間のインターバルに本多ジムの美佐子マネが寄ってくれて、

つい最近、ジムの50周年興行を成功させて、

クドゥラ金子君の見事な勝利を見届けた親父さんが天国に召されて、

だからか、まるで色々な気持ちを吹っ切るかのように真っ金髪にしてて、

お互いに言葉は少なかったんだけど、握手握手だったんだよね。

 

 

 

今年はスーパーライト級のエントリーボクサーが2名しかいなくて、

ってことでいきなり11月4日が決勝戦なんだよね。

 

こんなことは正に空前絶後の末期的現象ってことで、

そういうことを関係者達は解っているのかっていう思いがね……。

 

 

 

⑩ 荒木悟君(EBISU)×辻本純平君(帝拳)……W

2勝3敗の23歳・栃木県と、2勝(1KO)1敗(1KO)2分の24歳・長崎県。

 

頭半分以上デカい辻本君に距離を取られたら、勝のが難しいんだよね。

 

<1R>

この距離の違いを荒木君がどう克服するかっていうのが最大のポイントで、

彼は彼なりに細かいステップを踏みながら踏み込むタイミングを計ってたんだわ。

 

ただ、いきなりの大きな右フックだけでは見切られてしまう訳で、

もっと左右へ鋭く動いて相手の意表を突くような工夫も要るところだったんだわ。

 

ハードヒッター同士ではないもんで、究極の当てっこ競争だったんだけど、

僅かなヒット数差でまずは辻本君がポイントをさらっていったんだわ。

 

<2R>

荒木君は中々届かないままで、却って打ち終わりに色々被せ打たれて

きっかけを掴み切れないままではあったんだけど、気持ちは常に前向きで、

何とか何とかって頑張ってたんだわ。

 

辻本君の方もそれほど器用なタイプではないから、

もっと手数が必要なんだけど、いつの間にか距離も縮められたんだよね。

 

<3R>

荒木君はくっ付き際と離れ際にもう少し頑張るべきで、

このままでは明確なポイントを取り難くて、

見てくれは良くないんだけど、潜り込んで暴れるべきだと思ったんだよね。

 

<4R>

荒木君にとって最後の飛ばしの筈だったんだけど、

先手を取ったのは辻本君で、右フック、左ボディで先行先攻して、

クリンチ休みをしたがってたのは却って荒木君の方で、

近い所に勝機がある筈なのにヘバリの方が目立ってたんだよね。

 

ってことで自分は40-36に近い39-37で、辻本君だったんだけど結局、

39-38、38-38×2ってことで辻本君の1-0ドローで、

特別ルールの優勢点は二つとも辻本君に振られたんだわ。

 

 

 

⑪ 石田智裕君(協栄)×池田圭佑君(畠山)……M

0勝0敗2分の22歳・熊本県と、2勝(1KO)0敗の32歳・北海道。

この試合は小倉大樹君に優勢勝ちした池田君の方が優勢じゃないかなあってね。

 

<1R>

決して巧いとは言えないんだけど、石田君のガムシャラ手数から始まって、

それは相手に手を封じるような無限手数に発展していったんだわ。

 

ただ、その石田君はガードが疎かになりがちだったもんで、

どこかで池田君の右の餌食にもなりそうな感じも漂ってたんだけどね。

 

<2R>

ミドル級の割にはペトペトしたやり取りに終始してて、

直ぐに接近して直ぐハグに移行するっていうのが延々だったもんで、

こんな感じなら多分、石田君の負けは無いだろうなあって思いながらの帰宅。

 

                                                      電車の中で確かめてみたらやっぱり石田君の3-0勝ちで、        

40-36×2、39-37だったんだわ。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 荒川竜平君

② 亀山大輝君

③ 若木忍君

 

 

 

朝から久し振りの強い日差しで、

近所の小学校もここぞって感じで運動会の練習をしてるなあ……。

2018年9月27日 (木)

後楽園ホール・9月26日

 

E6f59cd7328b4bd08bbe4825a5ff5a3d

“どりゃああああああああー!”

 

 

 

ここのところの雨降りで空も地面も冷やされてしまったか、

初秋を飛ばしていきなり秋本番ってことか、

今日の東京は最高気温が20℃にも満たないってことで……。

 

 

 

昨日は元々相手が決まらないままの試合設定が多かったんだけど結局、

決まらないままになってしまった試合もあったし、

一方が棄権してしまった試合もあって、

最終的には全部で3試合ってほぼ空前絶後のスカスカ興行になってしまったんだわ。

 

ってことで途中途中の休憩タイムも半端じゃなかったし、

リングアナの須藤さんもいつもよりゆっくり目に喋ったり、

色々引っ張り作業が大変そうだったんだわ。

 

 

 

① 松土翼君(ワタナベ)×笠井鴨也君(金子)……L 6R

4勝(1KO)10敗(4KO)4分の33歳・東京都と、

4勝(3KO)7敗(4KO)1分の32歳・千葉県。

 

<1R>

30歳越えの負け越し同士の生き残り戦のような様相だったんだけど、

最初から体勢が整ってたのは笠井君の方で、

ジャブも鋭かったし、最初のクリーンヒットも彼の右クロスだったんだわ。

 

松土君は何だか気後れしたような立ち上がりで、

攻撃の組み立てに迷ってるような感じでもあったし、

たまの単発右ストレートだけでは苦戦を強いられそうな始め方だったんだわ。

 

<2R>

笠井君のジャブが減るにつれ松土君の出番が増えていって、

一方の笠井君も返しの左フックに対する意識を高めていって、

最初の1分半は松土君、そこからの30秒間は笠井君って、

目まぐるしく展開が変わったんだけど残り45秒、

笠井君の左フックが直撃して松土君の右目上がヒットカットされてドクター・チェック。

 

難なくリスタートして、最後までそれ程大差の無い打ち合いが続いて、

いつの間にか徐々に流れが松土君に傾きつつあったんだわ。

 

<3R>

笠井君はもう少し頭の位置に配慮した方がいいのになあって思いながらで、

いつの間にか結構顔面が赤くなってきて、

必ずしも強くも美しくも打ち込めてはいなかったんだけど、

松土君の頑張り手数の方が目立ってたんだわ。

 

<4R>

狭い所を肘を畳んで打ち込むのに長けてたのは松土君で、

この辺りから笠井君の打たれ方の形が悪くなっていったんだわ。

 

残り40秒からの接近頑張り合いも有効ヒットの数で松土君が優勢優勢。

 

<5R>

そう言えば二人共、ボディブローに対する配慮に欠けたままで、

徐々に疲れが浮き出てきて、それと共にディフェンスも緩み始めてきたんだけど、

笠井君の休み休みの方がやたら目に付いたんだよね。

 

<6R>

前の回までポイント的には大差の無い最終ラウンドで、

さあどうする二人共って見てたんだけど、

最初のクリーンヒットは相打ちの際の松土君の右フックで、

やっぱり笠井君の打たれ方の形の悪さがそのまま続いてたんだわ。

 

残り1分からは笠井君も体勢を立て直しての攻め返しで、

お互いに巧くは無い同士ではあったんだけど気持ちに溢れてたんだわ。

 

ほぼ互角の打ち合いが続いてた残り30秒、

松土君の右フックで笠井君がマウスピースを吹っ飛ばされてしまって、

右目上も大きくヒットカットされてしまってたんだわ。

 

 

ってことで自分は58-56で松土君だったんだけど結局、

58-56、57-58、57-57ってことで1-1ドローだったんだよね。

 

 

 

 杉田ダイスケ君(ワタナベ)×何チャラ・シーサ……Fe 8R

3勝(2KO)0敗の29歳・東京都と、2勝(2KO)1敗の19歳・タイ。

 

杉田君は以前は機動隊所属で今は普通の警察署勤めの警官で、

これがホントの “Police Box” ってことで……。

 

開場直後、リングでアップしてた杉田君とちょっと言葉を交わして、

殴り合いに夢中になり過ぎないようにって思いながらの観戦だったんだよね。

 

<1R>

10歳もの年齢差のある一戦だったんだけど、

タイ人より余程黒い肌をしてた杉田君は、

鍛え上げた体を誇示するかのようなキビキビした動きが出来てたんだわ。

 

相手のタイボクサーも結構ちゃんとしたボクシングをしてたんだけど、

1分を過ぎる頃から杉田君がプレスを強めるにつれ流れが固まっていって、

力強い回転の鋭さで圧倒していってたんだわ。

 

後は余りに攻撃に夢中になり過ぎて、

危険なタイミングで相手に右を打たせないように配慮することだけだったね。

 

<2R>

試合開始当初はそこそこ元気だったタイボクサーがメッキリしてきた開始56秒、

杉田君の右フックが相手の側頭部に激しくヒットして、

タイボクサーが北ロープの前で右膝を着いてしまってのダウン。

 

リスタート後の1分20秒にも杉田君がショート連打を効率よく打ち込んで、

タイボクサーがリング中央で再度の片膝着きダウン。

 

タイボクサーは再度立ち上がったんだけど、

その10秒ちょっと後に3回目のダウンを喰らってしまったところでストップエンド。

 

 

最初のダウンの直接のきっかけは右フックだったんだけど、

その直前の左右ボディが相当効いてたんじゃないかと思ったし、

打たれたボディが気になってガードが下がるところを狙ったって感じだったんだわ。

 

いずれにしてもこの日の杉田君は相手の動きを冷静に見極めた追撃が出来てて、

舞い上がるってことも皆無で、とってもいいパフォーマンスだったんだわ。

 

 

 

⑤ 秋山泰幸さん(ワタナベ)×細川チャーリー忍さん(金子)

      ………OPBF&WBO-AP ミドル級 タイトル戦 12R

12勝(9KO)7敗(3KO)1分のOPBF&WBO-APチャンピオン、38歳・神奈川県と、

10勝(9KO)3敗のOPBF11位、WBO-AP5位、34歳・宮崎県。

 

この二人は1年半前に一度対戦してて、

その時は秋山さんが日本ランク3位、細川さんが5位だったんだけど、

結果はどこかの1ラウンド分の評価の行ったり来たりの僅差の2-0で、

秋山さんが判定勝ちしたんだよね。

 

身長は秋山さん、肩幅は細川さんって感じの38歳と34歳なんだわ。

 

<1R>

ジャブの届きは余裕で秋山さんで、先手先手の仕掛けも出来てて、

細川さんは秋山さんの左ボディをやたら嫌がる素振りを見せてたんだわ。

 

その細川さんはラウンド最後まで踏み込み不足が目立ってたし、

早くも顔面がそこそこ赤くなってたんだわ。

 

<2R>

開始28秒、お互いの右ショートフックが相打ち系になったんだけど、

この時弾き飛ばされて大きくバランスを崩したのは秋山さんの方で、

ここから細川さんが一気攻めするかと思ったら思いの外の案外で、

彼はもっと先を見据えてるような感じだったんだよね。

 

細川さんは残り1分にもいい感じの左フックを当て込んでたね。

 

<3R>

何となく細川さんは休み休みしながら、相手の攻撃の合間を狙ってたみたいで、

立て直しての秋山さんのまたもやの先攻めが目立ってたんだわ。

細川さんの一段落を見越して残り50秒から秋山さんが飛ばし返していって、

細川さんはガードを固めながら腰引いて頭下げて見た目が悪かったんだよね。

 

<4R>

秋山さんはボディブローを軸にした組み立てをしてて、

いつの間にか細川さんの左目下が腫れてきたし、

下がり下がりすることも多くなっていったんだわ。

 

ボディブローが効いてきた為か、細川さんは足元のシッカリ感がなくなってきて、

打ち出すパンチも手打ちっぽくなってきて、ガードしてる時間が長過ぎてたんだわ。

 

ってことで自分のここまでのスコアは39-37で秋山さんだったんだけど、

発表された中間スコアは39-37×2、38-38ってことでやっぱり秋山さん。

 

<5R>

細川さんの左右フックはまるで泳いでて、

その他のショットも雑になる一方で、そもそもの手数不足も著しくて、

何だかもう相当ヘバってるようにも見えたんだよね。

 

<6R>

秋山さんの突っ突くようなジャブを嫌がりながらも、

珍しく細川さんが先仕掛けしていったんだけど、

中々大きなヒッティングに繋げられないまま、

残り1分からはまたもや手数負けが目立ってたんだわ。

 

それでも残り40秒からの細川さんは左フックを当て込んでから一気の攻め返しで、

秋山さんが危ない打たれ方をすることが続いたんだけど、

ここでの細川さんの追撃もまたもや今一感が強くて、

結果的には秋山さんを助けてしまってたんだよね。

 

何だか二人共、危なっかしい展開を交互に見せてて、

秋山さんの打たれ弱さも致命的なレベルを感じさせたんだけど、

ここぞの細川さんの攻め込みも終始中途半端な感を免れなかったんだよね。

 

<7R>

秋山さんの左ガードが甘くなるところを突いて、

細川さんが攻勢度をアップさせてたんだけど、やっぱり畳み掛け切れないままで、

お互いに半端半端なやり取りが交わされてたんだけど残り1分05秒、

激しくバッティングして秋山さんが右目上をカット出血してしまって、

ドクター・チェックが入ったんだわ。

 

リスタート後の残り50秒から秋山さんも頑張り返してたんだけど、

残り35秒からは細川さんが再度の反転攻勢で、

秋山さんは明らかに弱って来てるのを誤魔化し切れてなかったんだわ。

 

色々積み重ねられて効いてしまってるのは間違いないところだったんだけど、

細川さんの方も肝心なところで詰め切れないままだったなあ。

 

<8R>

前詰めしてるのはいつの間にか細川さんになってて、

左の相打ちでまたもや秋山さんが大きく揺らいでしまって、

この辺りからは苦し紛れのサウスポーチェンジを繰り返すようになったんだわ。

 

お互いに、もうハァーハァーになってて、

どちらかが強いパンチを直撃できれば片が付きそうな感じだったんだけど、

残り30秒からは細川さんもメッキリしてしまってたし、

秋山さんも相手にダメージを与えるようには打ててなかったんだよね。

 

ここまでの自分のスコアはちょうど76-76のイーブンだったんだけど、

77-75、76-76×2ってことで細川さんが逆転の1-0になってたんだわ。

 

<9R>

ここから頑張った方が勝ちになるんだけど、

ヘロヘロになりながらも飛ばしていったのは細川さんの方で、

秋山さんは身体が揺らぐことが多くなっていって、

一息も付けないまま弱る一方だったんだわ。

 

一方の細川さんにしてもシッカリ打ち切れてはいなかったんだけど、

気持ちの強さで押し切ってるって感じで、

秋山さんも負けずに手は出してたんだけど、

相手にダメージを与える感じとは程遠かったんだよね。

 

インターバルの間、ちょっと離れた所からでも石原トレの声が聞こえてきてたし、

心配そうにしてた陣営のスタッフ達の動きがやたら目に付き始めたんだわ。

 

<10R>

秋山さんも何とか何とかって感じで手を出してたんだけど、

軽いのでも一発貰うと途端にメッキリしてしまって、

それが細川さんに元気を与え続けてる源になってるって感じで、

開始30秒には北西ポストに詰められて山のようなショート連打を浴びてしまって、

その後右フックを2発連続ヒットさせて立て直すかのように見えたんだけど、

最後は毎度のように細川さんに押し返されてしまったんだわ。

 

<11R>

試合中盤まで、ボディブローに苦しめられてたのは細川さんだったんだけど、

それ以降は却って秋山さんの方が辛そうで、

そこを気にする余りか顔面のガードが疎かになるところを狙われてるようで、

この回は最初の30秒間を頑張るのが精一杯で、

その後、ちょっと貰っただけで大きくヨロめいてしまったんだわ。

 

またその後、残り30秒に再度踏ん張り直したんだけど、

それが一段落したところを細川さんに激しく攻め返されてしまって、

ズルズル下がらされて北ロープを背にしたところで、

右(左?)フックを払い打たれて、大きく頭を跳ね飛ばされたところで、

陣営からタオルが投げ入れられて、それはレフェリーがストップするのとほぼ同時で、

結局2分56秒、細川さんのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

秋山さんの打たれ弱さは驚くほどで、

結局は細川さんのスタミナ勝ちって感じだったんだけど、

元々この階級は層が薄くて、日本ランクも6位までしかエントリーが無くて、

この試合自体もクールに見れば実はレベル的には今一だったんだけど、

強くないながら、巧くもないながらも、

それでも互いの必死のやり取りは見応えがあったんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 杉田ダイスケ君

② 細川チャーリー忍さん

③ 特にナシ

2018年9月26日 (水)

後楽園ホール・9月25日

 

71d3d903b1ec4912ac1cf24ea1a97e2e

“真っ直ぐ、とにかくキリッと……。”

 

 

 

ホールに出向く前に雨の中、銀座の伊東屋に寄って、

取り置いて貰ってた2019年用のダイアリーノートを受け取りに行ったんだわ。

通算11冊目になるんだけど、相変わらず真面目で頑固な物作りで……。

 

 

 

昨日の後楽園ホールは最初の4回戦2試合以外は全て、

相手がタイ、フィリピン、タイ、タイ、インドネシアって、

知らないカタカナ・ボクサーばっかりで、何だかなあって感じが拭えなくて、

たまにはボクサーにも楽な試合をやらせて上げたいって、

そういうジム側の親心もあることはあるし、

ボクサーにとっては誰が相手であろうとガチであることに変わりは無いんだけど、

見る側にとってはガチになり切れない気持ちになってしまうのも事実なんだよね。

 

そういうのは最近の風潮であって、とにかく試合相手が見つからないってことで、

21日のブログにも書いたんだけど、

プロボクサー不足は深刻な場面を迎えつつあるような気がしてるんだよね。

 

 

ってことで昨日は最後まで真剣に見たのは3試合だけだったんだけど、

幸運なことにその3試合は心がときめくいい試合だったんだよね。

 

 

 

① 中村賢治君(オークラ)×宮田健志君(ミツキ)……SB 4R

1勝5敗(2KO)の32歳・北海道と、0勝7敗(1KO)の36歳・大阪府。

 

ワタナベジムの興行にこういう試合を持ち込むのは何故なのか、

先週の地方興行に3人も貸し出してるのにって感じのままの始まりで……。

 

中村君の4つ負け越しもシンドイけど、

引退間近の宮田君の勝ちナシの7連敗っていうのも結構壮絶なんだわ。

 

<1R>

中村君は赤コーナー・ボクサーだっていうのに、

トランクスもシューズもハイソックスも全てがブルーだったんだわ。

 

それでもその中村君の方がまだまだ形になってて、気持ちも出してて、

宮田君の方は殴り合うっていう事そのものが解っていないみたいだったんだわ。

 

ってことでいきなり勝負の行方が見えてきてしまったモンで1Rで離席したんだけど、

やっぱり宮田君は次の2R2分23秒にKO負けしてしまったんだよね。

 

 

 

② 内藤チサ君(鉄拳8)×郷司利也子君(川崎新田)

                       ………48.5㎏ 4R

1勝1敗の20歳・東京都と、3勝5敗(3KO)のサウスポー、36歳・神奈川県。

 

何かの拍子に内藤君のデビュー戦初勝利に立ち会って、

試合後の彼女のパフォーマンスに大笑いしてしまってからのファンで、

確か彼女は美大に通ってるアーティストの卵なんだけど、

2戦目を判定負けして以来1年4ヶ月振りのリングだったんだわ。

 

相手の郷司君は勿論初見だったんだけど、

とってもスタイルのいい美形でそれもサウスポーで、

自分は中学の頃から何故だかサウスポーの女子に対する憧れが強いんだよね。

 

<1R>

残念ながら美形の郷司君は攻める形が出来てなくて、

決して巧くは無いんだけど内藤君のガンガンの攻め攻めが目立ってて、

まずは圧倒的な手数差でファースト・ポイント・ゲット。

 

<2R>

郷司君は近距離で戦う術が身に付いてなくて、

遠くからチョン当てするのが精一杯で、

サークリングやクリンチに逃げる場面が多くなってきたんだわ。

 

相変わらず内藤君はキッチリはしていないんだけどガムシャラ手数だったなあ。

 

<3R>

内藤君は相当な手数頑張りのままだったんだけど、

一向に勢い落ちが見られなくて、今回はかなり鍛えてたみたいだったんだわ。

 

美形の郷司君の顔面の赤いが徐々に増していったんだよね。

 

<4R>

腰も腕振りもフワフワしたままだった郷司君だったんだけど、

最終ラウンドってことで残り1分を切った頃から必死の手数アップで、

強い気持ちを出していってたんだけど、

もう少し早い回からの仕掛けが欲しかったところで、結構残念なままの終了ゴング。

 

 

ってことで自分は40-36だったんだけど結局、

40-36×3ってことでやっぱり内藤君の3-0完封勝ちだったんだわ。

 

内藤君は試合後の写真撮りでまたもやのパフォーマンスで、

この日は新たに見返り系のポーズも披露してたんだよね。

 

 

 

③ 中山佳祐さん(ワタナベ)×何チャラ・セーントーン

                          ………SF 8R

10勝(4KO)3敗(1KO)2分のランク6位、サウスポー、30歳・佐賀県と、

5勝(5KO)3敗の28歳・タイ。

 

中山さんにとっては3月のOPBF戦に敗れてからの復帰戦で、

温情のマッチメイクに負ける訳も筈も無く結局、

2R0分31秒でのテンカウントKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

④ 宇津木秀君(ワタナベ)×イボル・何チャラ……SFe 8R

2勝(1KO)0敗の24歳・埼玉県と、11勝(5KO)3敗1分の26歳・フィリピン。

 

この試合は何となんと相手のフィリピン・ボクサーが来日さえしないままで、

初めっから無茶なマッチメイクだったってことなのかなあ……。

 

 

 

この後に藤本京太郎さんのOPBF戦が組まれてたんだけど、

B級デビューボクサーの試合の前にされてて、

他ジムの興行にしろ、試合の格を考えるとどうかと思った訳で、

どうせなら10月1日の角海老興行のメインにするべきじゃないかって思った訳で、

良く解らないことが多いんだわ。

 

どっちににしてもあまり真面目に見るつもりは無かったもんで、

バルコニーから眺め見してたら、知り合いの学者さんが寄ってくれて、

彼は前日の木村翔さんと田中恒成さんの試合を見に名古屋に行ってて、

その時のパンフレットをお土産に頂いたんだわ。

 

自分は名古屋とか大阪での試合判定をあまり信用してないんだけど、

この日に限っては他の試合の判定を含めて極めて妥当だったって言ってたなあ。

 

 

結局、この試合は6R終了時点で相手が棄権してしまったモンで、

藤本さんが余裕のTKO勝ちしたんだけど、そもそもこの日の相手のタイボクサーは、

3~5年前位に松本晋太郎さんや清田祐三さんにKO負けしてるボクサーで、

その時は何チャラ・シットサイトーンって名乗ってたんだけど、

この日はまるで違った名前での登場で、以前は桃太郎だったんだけど、

今日は金太郎ってことでって言われたような感じだったんだよね。

 

学者さんと色々話しながらの眺め見だったんだけど、

思ったのは藤本さんは多分とっても真面目な人柄なんだろうなってことで、

その人柄がよく反映されたような正統派系のボクシングをしてたんだわ。

 

ただ、打ち終わりの腕引きをもっと早くすべきじゃないかと思ったし、

利き腕をフェイクに使うとか、身体の傾け方とか動きにもう少し遊びがあった方が、

パフォーマンス全体に拡がりが出そうな感じがしたんだよね。

 

 

 

⑥ 重岡銀次朗君(ワタナベ)×何チャラ・ヨッブン……Mm 6R

デビュー戦のサウスポー、18歳・熊本県、4勝(4KO)0敗の21歳・タイ。

 

重岡君の高校アマ戦績が56勝1敗っていうのは実にとっても驚異的な数字で、

これじゃあ今の世の中では対戦者が殊更見つけ難いってことで、

無敗の4戦4勝4KO勝ちのタイボクサーっていうのがイメージ出来なかったんだけど、

久し振りの頑張り屋タイボクサーだったもんでそこそこ見応えがあったんだわ。

 

重岡君のセコンドは石原さん、小口さん、高橋さんの山盛り三人組。

 

<1R>

ヨッブンは何となく日本人っぽいボクシングをしてたんだけど、

特に左フックを振り出すタイミングがとっても良かったんだよね。

 

ただ、重岡君も相手の鋭い腕振りをモノともせず攻撃的なプレスで、

正確な上下の鋭い打ち分けでまずは軽くポイントゲット。

 

<2R>

ヨッブンは更に荒々しさをアップさせていったんだけど、

重岡君が最初の1分過ぎまでに左ショットを3発ヒットさせて大きく先攻して、

安定感のある下半身を土台にした鋭い腕振りがとっても素晴らしかったんだわ。

 

ヨッブンの方も全く怯むことなくいきなりパワー系の突っ掛けを繰り返してて、

ガチャッとなった時の危険度の高さを見せ付けてたんだわ。

 

<3R>

顔面がかなり赤くなってきたヨッブンだったんだけど、頑張る姿勢に変わりなくて、

お互いに激しいやり取りを続けてたんだけど開始1分弱、

重岡君が相手を東ロープに追い込んだところで激しく上下に激連打、

反撃できないままヨッブが右へ横逃げした直後の開始47秒の赤コーナーポスト前、

ここぞの追撃のタイミングで重岡君が左フックを当て込んでダウンゲット。

 

それまで勢いの良かったヨッブもリスタート後は飛ばし返せなくて、

一気に終焉が迫ってきた1分22秒、今度は南ロープ前だったんだけど、

重岡君が右ボディから左ストレートを綺麗に打ち込んで、

その最後のショットは若干縦位置だったもんで見え難くて、

顔面というよりみぞおちに喰い込んだように見えたんだけど、

とにかくヨッブンはそのまま倒れ込んでしまって、

その力無い様子を見て取ったレフェリーが即のストップエンドだったんだわ。

 

 

相手が相手だっただけに100%信じ切ることは出来ないんだけど、

京口さんが階級を上げた後のワタナベジムのMm級の後継者は多分彼になりそうで、

彼が日本人有力ボクサーと試合をする日が楽しみなんだよね。

 

 

 

⑦ 京口紘人さん(ワタナベ)×チボ・モナベサ……LF 10R

10勝(7KO)0敗のWBA2位、WBC2位、IBF5位の24歳・大阪府と、

18勝(8KO)0敗2分のWBA6位、WBC11位、WBO8位のサウスポー、

28歳・インドネシア。

 

京口さんのセコンドは井上さん、小口さん、高橋さんの3人組。

その京口さんのグローブはピカピカオレンジ色のウィニングの特別製だね。

 

<1R>

構えた時の背の高さはモナベサの方が2~3㎝ほど上回ってて、

ジャブの伸びも良かったんだけど、全体のスピード感はあくまで京口さんで、

終始効果的なプレスを掛けてたね。

 

ただ、モナベサの左ストレートも中々のタイミングだったんだよね。

 

<2R>

緊張感に満ちたやり取りが続いててた開始1分、

京口さんの左ボディが大きく鋭くモナベサの右脇腹に喰い込んで、

それ以降はお互いに頭を突け合っての密着戦が多かったんだけど、

二人の巧妙なボディブローは見応え十分だったんだわ。

 

この回も何とか京口さんが優勢だったんだけど、

その差は1Rより小さくなってたんだよね、

 

<3R>

京口さんを間近に見るのは1年振りだったせいかも知れないんだけど、

一階級上げた彼のパンチは以前より力強さが増したようにも見えて、

スピード感を落とさないままとってもいい感じを醸し出してたんだわ。

 

モナベサも真面目ないいボクシングをしてたんだけど、

攻撃のパターンはあくまでシンプルで、左ストレートも見切られつつあって、

ちょっと手詰まり感が見えてきた残り40秒の西ロープ前、

京口さんが右ストレートからの返しの左フックをカウンターヒットさせて、

実に綺麗なダウンゲット。

 

リスタート後の京口さんは手応えを感じたような鬼追撃で、

一気のエンディングを目指しての連続攻め立てだったんだけど、

モナベサの方も気持ちを保っての懸命な踏ん張り直しで、

何とか何とかって感じで、京口さんの畳み掛けを凌いだんだわ。

 

<4R>

前の回何とか凌ぎはしたんだけど序盤のモナベサは明らかに手数落ちしてて、

その後若干持ち直した感もあったんだけど開始1分20秒、

またもや京口さんの左フックが激当たりして2度目のダウンゲット。

 

ここも何とか立ち上がったモナベサが前の回以上の懸命な打ち返しで、

ここでの無理な追い込みは却って危険だって判断した井上トレから、

「リセットしろ、リセット!」 って大声が飛んで、京口さんが一旦引いたんだわ。

 

その後、一息入れた京口さんが最後の冷静な追い込みを掛けたて残り41秒、

ショート連打から組み合わせ打った左アッパーを直撃ヒットさせて、              

それまで大分効かされた後だったもんでモナベサも踏ん張り切れずのダウン。

 

このダウンが3回目だったし、すぐ前のダウンはカウントナインまでいってたし、

ってことでレフェリーも即のストップエンドで2分20秒、京口さんのTKO勝ち。

 

 

この日の京口さんはとにかく左ショットで決着させるって、

予めそう決めていたかのようだったんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 京口紘人さん

② 重岡銀次朗君

③ 内藤チサ君

2018年9月23日 (日)

お困りの方は……。

 

4f39385133a645a08f4bed873fcc9db0

 

 

 

気に入らない状況に直面して、電車の中やホームで他の客や駅員と揉めて、

いとも簡単に暴力沙汰を引き起こしてしまう老人が増えてるんだけど、

若い頃はそれほど粗暴ではなかったのにって周囲は不思議がるんだけど、

色々調べてみたら、基本的には老人性の脳障害のことが多いんだってさ。

 

所謂老害の全てが脳障害に依るものではないんだろうけど、

いつの間にか “自分ベスト” っていう観念から抜けられなくなってしまって、

それが認められない局面に遭遇すると素直に対処出来なくて、

抑制が効かないままに異常な反応を示してしまって、

時には言葉より手が先に出てしまうことが多いんだよね。

 

 

今、自分にはこれと言って悩みは無いんだけど、

その老人はトラブルになったそもそもの原因をすっかり忘れてしまってるようで、

論点が全く別のところ行ってしまってることにも気付いてないみたいで、

いきなり掴みかかって来るのだけが困りモノなんだよね。

 

余りにウザイもんで、いっそのこと蹴り倒してしまおうかとも思うんだけど、

相手は足元も覚束ないような80歳過ぎの老いぼれだしなあ……。

 

もう5ヵ月も前のことを未だにまるで昨日の事のように引きずってるのは、

ホント尋常じゃないんだわ。

 

 

 

ただ今日のテーマは自分の困りごとに関してではなくて、

ボクサーやジム経営者達の困りごとについてなんだわ。

 

世の中には劣悪な環境に置かれてると思ってるボクサーが溢れてて、

特に少し前の裁判結果に拠り所を求めながら悶々としてるケースが多いようで、

色々なところに色々な相談を持ち掛けてるらしいんだけど、

自分の所に直接連絡を取って来るボクサーも少なくないんだよね。

 

ただ、彼らの話を聞いて実態を確かめて、

彼らの困りごとや不満が妥当なモノなのかを判断するのは結構大変だし、

関係するジムから恨まれるのは間違いないことだし、

引き抜き屋って陰口叩かれるのも本意では無いし、

今関わってるあと2件の片を付けたら、

そういうのに直接タッチするのは一段落させようと思ってるんだよね。

 

ってことで以降は最後に書いてある弁護士に直接相談してみて下さいってことで、

寺島弁護士はもう2年以上こういう問題に関わってて、

斉藤司君の裁判に際しては代理人を務めて戴いたんだよね。

 

そういう電話が掛かってきたらヨロシクですって了解を貰ってるから、

悩み事があるなら連絡を取ってみて下さいな。

尚、面会相談料は1時間で1万円です。(普通の法律相談料相当)

 

勿論、所属ボクサーの我儘に困ってるジム経営者からの相談にも応じてくれる筈で、

特にマネージメント契約の法的性格についてとか、

ボクサーとの間の交渉や説得に関してもアドバイスが貰えると思うんですよね。

 

 

 

〒105-6027

東京都 港区 虎ノ門 4-3-1

城山トラストタワー 27階

インテックス法律特許事務所

寺島英輔 弁護士

03-5777-6768 

2018年9月21日 (金)

スパイラル

 

F9336c3be5ee4456b702aeb6e14a48ba

 

 

 

スパイラルっていうのは二次元曲線の渦巻のことで、

厳密に言うと三次元曲線の螺旋(らせん)とは違うんだけど、

通常の使われ方だと螺旋もスパイラルに含まれるんだよね。

 

で、ここではその緩い方の解釈に従うんだけど、

スパイラルには上昇のそれと下降のそれとがあって、

冒頭の図はその内の下降スパイラルを描いたモノなんだわ。

 

 

個々のスパイラルが何を表してるかはケースや設定ごとに違うんだけど、

その一周を適当な時間の推移、例えば1年間の時間経過と考えて、

同じポジションが以前の位置との比較で上昇途上にあるのか、

はたまた下降状態にあるのかを解り易く把握できるようになってるんだわ。

 

勿論、現実には常に同じ比率の上昇とか下降がある筈も無く、

例えば所得水準を含めた生活環境の個人的な満足度等の上下などは、

上昇にしろ下降にしろ同じ比率の一本調子では有り得ないし、

その両方が複雑に組み合わされるケースが殆どなんだよね。

 

 

 

冒頭の単純下降スパイラルの図形なんだけど、一体何のことかって言うと、

プロボクシング業界の底なしの低迷化現象を表してるつもりなんだわ。

 

その事に疑いを持ってる人は殆どいないと思うけど、

年間ほぼ100興行、800試合ほどを15年間、

合計12,000試合ほど見続けてきた自分には確固たる感想になってて、

世の中には世界を含めた一見派手な様々なタイトル戦に溢れてはいるけれど、

それらを支えてるごく普通のボクサー達の激減は目を覆うばかりなんだよね。

 

自分が持ってるプロボクシング業界の詳しいデータは2006年からなんだけど、

11年前には年間1試合以上試合をしたボクサーが2,338人いたんだけど、

2017年度には1,396人に激減してて、それはマイナス943人であって、

11年間で約40%も落ち込んでるんだよね。

 

年間試合数に関しても同様で、2006年には年間2,506試合組まれたのが、

2017年は1,581試合って925試合減、37%も落ち込んでて、

ボクサー数の現象傾向にきっちりリンクしてるんだわ。

 

試合数減の中で一番気になるのは4回戦の試合数の著しい減り方で、

2006年には1,463試合もあったものが、

2017年は723試合に減ってて、何とナントほぼ半減してるんだわ。

 

この激減度こそがプロボクシングの現在の低迷を象徴的に示してる訳であって、

若者にとってプロボクサーになることは最早魅力的な夢では無くなってしまって、

SNS等の普及によって、恵まれないボクサー達の逸話は広まる一方で、

そもそも仕事や家庭に影響を及ぼすし、健康を損なう危険性も高い割には、

収入の余りの低さと言うか、搾取の現実に途方に暮れてしまってるというか、

とにかく、払わされる犠牲の大きさに直面させられてるのが現状な訳で、

真っ当な親であるばあるほど、

息子がプロボクサーになることを必死に阻止するだろう事も予想されて、

結局、どの状況を見渡しても現在のプロボクシング業界は、

ボクサーの待遇が改善されない限り、

斜陽スポーツへの道をまっしぐらって感じなんだよね。

 

 

2006年当時、日本ランキングは10位までしかなかったんだけど、

ボクサーの数が40%も減ってるっていうのに、

今ではそれが23位にまで野放図に拡大されてて、

そうすることが業界の振興策でもあるかのような大きな勘違いをしてるんだけど、

ボクサーのモチベーションを高めることには何の役にも立ってなくて、

考えてる方向が全く間違ってると言わざるを得ないんだよね。

 

 

ボクサー数が減ると共に対戦相手を探すのに苦慮するっていうのは自然の道理で、

訳の解らない実力不明の東南アジアボクサーをかき集めざるを得なくなって、

今ではタイだけに留まらずインドネシアまでがその狩場になってるんだよね。

 

そうやって組まれた試合の多くが見る価値のないものばかりなんだけど、

プロモーターにとっても日本人より高い経費をそれも現金で支払わざるを得ないし、

チケット販売面でも全く期待出来ないダブルパンチな訳で、

ここでも観客をも巻き込んだ負のスパイラルが渦巻いてるんだよね。

 

 

 

元々プロとして試合をするつもりはなく、

それまでの鍛錬の成果というかご褒美としてのライセンス取得が目的で、

それで終わりっていう練習生はいつの時代も多いんだけど、

その比率は年々増加傾向にあるようで今では、

発行されるライセンスの約60%ほどは何にやらのポイントカードと同じように、

財布の中に納まるだけに終わってしまってるらしいんだわ。

 

で、協会としても新たなエントリー・ボクサーを増やしたい増やしたいってことで、

コミッションとしてもそれに呼応してプロテストの合格基準を下げざるを得ず最近は、

これでホントにプロテストに受かったのかっていうニューカマーも多くて、

全ての局面でプロボクシング業界全体が下降スパイラルにあるんだよね。

 

 

今日明日の自らの資金繰りに一杯一杯で、

ボクサー・ファーストなんて考え方をするのはとても無理だってジム側が言うなら、

そういう環境なんかとても作れそうにないって言うなら、

元々公益事業でもなんでもないんだから、この際いっそのこと、

協会から脱して普通のスポーツジムに転換したり転廃業することが、

お互いの幸せの為だと思うんだよね。

 

 

 

こういう非常事態に危機感を感じてるジム経営者はまだまだ少なくて、

まずはプロボクサーが有償準委任契約における対等の立場にあることを理解して、

ファイトマネーの支払い基準を統一して徹底させて更に透明化を図ること、

プロボクサー為の練習環境を整えることに努力しないと、

多くのプロボクサーの成り手を囲い込むことなんか絶対出来ないんだよね。

 

 

 

 

≪閑話≫

日本全体における試合数の激減は後楽園ホールでも状況が変わらなくて、

2006年には148興行もあったのが、2017年には93興行に減ってて、

それは約37%減に相当するんだよね。

 

ってことで、自分が毎年購入してる後楽園ホールの年間ボックスシート代も、

少なくとも20万円ほど値引きするのが妥当じゃないかって思ってるんだけどね。

2018年9月20日 (木)

市川君と氏原君……。

 

A3decd190c674ed8b3db2f62864ed650

* “武士道ボクシング” さんから拝借。

 

 

 

昨日は元々は見に行くつもりが無かったんだけど、

近くで人に会う予定もあったし、市川雅之君と氏原文男君のことが気になって、

最後の2試合だけ観戦したんだわ。

 

 

ホールの入り口でホントに久し振りの清田祐三さんご夫妻とバッタリで、

バギーの中のお嬢さんはキリッとした表情が清田さんにとっても良く似てたんだわ。

 

 

思ってた以上に観客の入りが良かったんだけど、

業界の関係者達の姿はとっても少なくて、

其々のボクサー達の個人的なサポーターが殆どだったなあ。

 

 

 

☆ 山中章弘君(F赤羽)×市川雅之君(角海老)……49.8㎏ 8R

7勝(2KO)6敗(2KO)1分の28歳・東京都と、

7勝(3KO)6敗(2KO)1分の30歳・東京都。

 

山中君と市川君は2013年、お互いのデビュー3戦目に対戦してて、

その時は市川君が2-0判定勝ちしたんだよね。

 

それから5年、二人は色々巡り巡っての驚くべきほどのほぼ同戦績で、

お互いに勝率を上げるべくの再戦だったんだわ。

 

<1R>

初っ端いい感じで飛ばしていったのは市川君だったんだけど開始20秒、、

その市川君が幾つか薄いヒットを重ねた直後の南ロープ前、

山中君がタイミングのいい左フックをヒットさせてダウンゲット。

 

リスタート後の市川君はそれ程のダメージを負ってないように見えたんだけど、

それでも二人の距離がかなり縮まってしまうことが多くて、

それは明らかに山中君の主戦場な訳で、

市川君としては、心を決めて近距離戦で踏ん張るか、

改めて距離を取りながら立て直すかの選択を迫られてたんだよね。

 

<2R>

相変わらず、山中君の左フックは危険な雰囲気を醸し出してて、

更に前詰めを厳しくしていって、市川君を挽回の芽を摘んでいってたんだわ。

 

市川君も押し返しながらの右ボディが中々のモノだったんだけど、

お互いに大きなヒッティングが無かった中、

ラウンドを通しての攻勢点としてはやっぱり山中君だったんだよね。

 

<3R>

前の回の終盤近くのように、市川君が少しばかり左右への動きを増しながら、

相手との間合いを維持しようとした際の動きが出来ればって思ったんだけど、

山中君の前詰めプレスも揺るぎなくて、先制先制を目指してたんだわ。

 

市川君も安易に引かない前掛かりだったもんで開始1分30秒の北ロープ近く、

二人は大きくバッティングしてしまって、

市川君の方が思わず座り込んでしまって、2分間の回復休憩タイム。

 

市川君は左目上、山中君が左側頭部を其々カット出血してしまって、

ここは何とか再開出来たんだけど、続く残り約1分、

引かない同士が再度のバッティングを引き起こしてしまって、

今度は山中君の被害の方が甚大で殆ど即のストップエンドだったんだわ。

ってことでこの試合は1分55秒での負傷ドローってことで……。

 

 

ところで、冒頭の写真は誰なのかって言うと、

今は引退してして結婚して家業を手伝ってる久保裕希君で、

それまでデビュー以来4連勝中だった市川君に初黒星を付けた時のモノなんだわ。

 

ボクサー同士の繋がりっていうのは結構不思議で、

久保君は事あるごとに今でも市川君の試合の応援に駆け付けるんだけど、

更に不思議なのは、久保家が一家をあげて市川君を応援してるってことで、

昨日は裕希君が娘ちゃんと共に彼の御両親までほぼ総出だったんだよね。

 

 

自分は試合前の市川君と頑張ってねってグローブタッチをしたんだけど、

彼の応援にはアメリカから戻ったばかりの小國以載さんとか他にも、

中川抹茶航君、松本竜也君、山内涼太君達が応援に駆け付けてたんだわ。                                                           

 

小國さんから岡田博喜さんのアメリカでの試合のスコアの妥当性に関して

話を聞かせて貰って、同行した奥村トレとも色々世間話なんかをね……。

 

 

 

☆ 氏原文男君(F赤羽)×長谷川慎之介君(青木)……SFe 8R

6勝(4KO)8敗(2KO)の31歳・高知県と、

6勝(5KO)2敗1分の26歳・栃木県。

 

戦績的には長谷川君の方がかなり優勢なんだけど、

試合の流れも終始長谷川君が握ってたと言わざるを得なかったんだわ。

 

ただ、この日の氏原君は相手の果てしない攻勢の前にもあくまで諦めず、

最後まで必死渾身の打ち返しを続けてたんだわ。

 

ただ、残念ながら氏原君は打撃の正確性を欠くことが多かったし、

攻め手のバリエーションが少なかったせいもあって、

長谷川君に見切られてしまうことが多かったんだよね。

 

その長谷川君もそれほどの巧者とは言えず、

そもそもジャブを使いこなせてなかったし、試合中盤以降は休み休みしながらの

ボディ連打から上へのフック攻撃に限られることが多かったんだけど、

きっかけの左アッパーがとても変則系で打ち出されて見極め難かったし、

たまの左ストレートが意外に鋭く伸びてたし、

折々の執拗なボディブローで氏原君を苦しめてたんだよね。

 

6Rを終えての自分のスコアは長谷川君が2ポイント・リードで、

氏原君としては残りラウンドを連取してもやっとこイーブンってことで、

少なくともどこかでダウンゲットが欲しいところだったんだけど、

最後の方は消耗が進んで一発で倒し切るようには打てなくなってしまってたんだわ。

 

疲れは長谷川君の方が進んでたようにも見えたんだけど、

巧いこと休み休みを差し込みながら、

大きなヒッティングを捨てて、力を抜いたチョンチョンヒットに切り替えて、

その点では実に巧いことシンドイ場面を切り抜けてたんだよね。

 

 

ってことで自分のスコアは78-74で長谷川君だったんだけど結局、

79-74、78-74、78-75ってことでやっぱり長谷川君の3-0勝ち。

 

 

試合前に偶然氏原君と話をする機会があったんだけど、

奥様に抱っこされたお嬢さんは後楽園ホールデビューってことで、

古里トレとも久し振りのヤアヤアだったんだわ。

 

 

 

東京ドームではジャイアンツが毎度の如く、実に情けない負け方をしてて、

観客達もとっくに掃(は)けてしまってたもんで、楽々の帰宅だったんだわ。

 

下車駅に着いて改札へ向かっての階段を上ってる時、

後ろから近づきざまに 「コンチワ」 って声を掛けてくれた人がいて、

フェザー級の日本ランカーだったんだけど、

普通にスルーしてもいいのにわざわざ声を掛けてくれて、

ああいうのはホント嬉しいよね。

2018年9月17日 (月)

WOWWOWボクシング

 

399ad41b666246a4ab66681973c36270

 

 

 

録画しておいたモノをさっき見たんだけど、

アルバレスとゴロフキンの試合の前にまずはローマン・ゴンサレスの復帰戦……。

 

 

 

☆ ローマン・ゴンサレス×モイヤス・フエンテス……SF 10R

46勝(38KO)2敗(1KO)のWBC2位、WBA6位の31歳・ニカラグアと、

25勝(14KO)5敗(3KO)1分のWBC5位、32歳・メキシコ。

 

フエンテスは田中恒成さんや比嘉大吾さんにKO負けしてるし、

通算でも5勝1敗ペースの自分的にはごく普通のボクサーなんだよね。

 

ゴンサレスの方は天敵シーサケット・ルービンサイに2連敗しての復帰戦で、

これがほぼ1年振りのリングだったんだわ。

 

何処かで見たことがある顔だあって思ったフエンテス、

粉川拓也さんに良く似てるんだよね。

 

ミズノ対アシックスのシューズ対決だなって思いながら始まり始まり……。

 

<1R>

フエンテスの方がフレーム的にも余裕があったしリーチも優位だったんだけど、

心がこもってないようなジャブはスピード的にも中途半端だったなあ。

 

そこからの右も左もストロークがデカ過ぎる感じが抜けなかったんだわ。

 

ゴンサレスの鋭いジャブで早くもフエンテスが鼻血だったんだわ。

 

<2R>

お互いに攻勢度を上げていったんだけど、

ゴンサレスのプレスがきつくなるにつれ、

フエンテスが山ほどのショートコンビを貰うようになった1分20秒、

フエンテスが左目尻をヒットカットされてたんだわ。

 

それにしてもアメリカのボクシングではジャッジが突っ立ちっ放しで、

それもあちこち体を傾けながら試合の行方をキッチリ見極めようとしてるんだけど、

すぐ後ろの客にとっては邪魔の邪魔で、

バカ高い料金の席だっていうのに実に気の毒なんだよね。

 

<3R>

やっぱりフエンテスのストロークはデカいままだったし、

腕振りにスピード感を欠いたままで、

見る見る手数が落ちていってラウンドを通してみれば7:3ほどにもなってしまって、

残り1分からは見る影も無くメッキリしてしまってたんだわ。

 

<4R>

フエンテスも彼なりに必死の打ち込みではあったんだけど、

ゴンサレスから倍以上の反撃を貰ってしまって、

ロープを背負わされる場面が増えていったんだわ。

 

ただ、ゴンサレス方も以前のような圧倒的な猛々しさとは程遠くて、

自分の中の彼とは動き全体のキレが今一だったんだよね。

 

<5R>

それでもこの日のフエンテスならゴンサレスは充分以上で、

ガードの隙間隙間を突いての巧みなショートブローの積み重ねが続いて、

そろそろ終焉の近いことが間違い無さそうになってきた開始40秒、

フエンテスをコーナーに追い込んでいったその瞬間、

既にガードに対する意識というか集中が失せてしまったようなところに、

ゴンサレスの左、右ってワンツーフックが大直撃してフエンテスが激しくダウン。

 

コーナー際で大の字になった様子を見て取ったレフェリーが、

すぐにカウントをストップしての0分42秒でのTKOエンド。

 

 

ゴンサレスにとっては次に繋がるいい勝ち方をしたんだけど、

自分的にはゴンサレスの凄さよりはフエンテスの今一感の方が強かったんだよね。

 

 

 

☆ ゲンナディ・ゴロフキン×サウル・アルバレス

……WBA M級スーパータイトル戦、WBC M級タイトル戦 12R

38勝(34KO)0敗1分のダブルタイトルホルダー、36歳、カザフスタンと、

49勝(34KO)1敗2分のWBA1位、WBC1位の28歳・メキシコ。

 

丁度1年前の対戦で1-1ドローになった二人のリマッチで、

試合前のレフェリーの注意の際、ゴロフキンは真っ直ぐ相手を見てたけど、

アルバレスの方は終始目を伏せたままだったんだわ。

 

<1R>

先回はアルバレスが結構安易にゴロフキンのプレスを許してたんだけど、

この日のアルバレスはそうしないことを固く心に誓ってたみたいで、

なもんで、いきなり二人が危険な間合いで立ち向かうことになっていったんだわ。

 

ジャブの数はやっぱりゴロフキンだったんだけど、

アルバレスの方も鋭くて伸びのいいジャブが絶好調で、

残り1分からはそのアルバレスのヒット率の方が上がっていったんだわ。

 

残り15秒、アルバレスの最初の左ボディがいい感じの喰い込みを見せて、

ポイント的には一気に僅差になっていったんだけど、

それでも自分としてはラウンド序盤のゴロフキンを評価。

 

<2R>

プレスは徐々にアルバレスの方に傾いていった開始1分、

その直前にゴロフキンの右ショートアッパーを貰ったアルバレスが反転攻勢で、

左フックをアッパー気味に派手に打ち込んだんだわ。

 

残り23秒でのゴロフキンの左フックも中々のモノだったんだけど、

その前のアルバレスの左ボディも実に美しくて、

上体を左に傾けた所からのそれはもう惚れ惚れだったんだよね。

 

<3R>

開始45秒までの二人のショートブローのコンビネーションは見せ場十分で、

お互いに左右アッパーをどう組み込むか実に工夫に満ちてたんだわ。

 

この回までにお互いの持ってるモノを大体出し合って、

さあこれからどうするって感じの一段落が訪れたような感じだったなあ。

 

<4R>

前の回の一休みを経て二人がいきなりの超戦闘モードで、

お互いの手数が目まぐるしく交差してたんだけど、

自分はゴロフキンの左ショットの多彩さに目を奪われたんだけど、

お互いに相手の左フックに対する警戒がシッカリしてて、

右ガードの引きがとっても素早かったんだよね。

 

1分06秒、ゴロフキンの右ショートアッパーが見栄え良くヒットして、

その後はまたもや若干の小康状態が続いたんだけど、

残り20秒でのアルバレスの左ボディがまたもやの喰い込みだったんだわ。

 

ってことで、ここまでの自分のスコアは38-38のイーブンだったんだよね。

 

<5R>

ゴロフキンの左が先攻したんだけど、事あるごとのアルバレスの左ボディも抜群で、

残り12秒からも危険なタイミングで強いパンチが交差してたんだけど、

相手のタイミングで打ち込ませないゴロフキンのジャブも秀逸だったんだけど、

当たりの強さの差でアルバレスが優勢点をゲット。

 

<6R>

開始24秒、相手の右を外しざまのアルバレスの左ボディが強烈で、

ここからゴロフキンの方に若干の戸惑いというか躊躇が見え始めて、

この後もアルバレスは残り55秒、残り40秒って立て続けの左ボディで、

ゴロフキンはメッキリというか、とにかく一休みさせてくれって感じだったんだわ。

 

<7R>

最初に仕掛けていったのはゴロフキンの方で、

相手に流れを渡さないようにって感じで立て直していったんだけど、

1分を過ぎる頃からは一段落が見えてきてシッカリ感も失われてしまったんだわ。

 

<8R>

明らかな劣勢を強いられ続けてたゴロフキンが必死の巻き返しで、

何とか何とかって感じの頑張りを見せて、

それほどの有効打は無かったんだけど渾身の手数で、

若干打ち疲れが浮き出てきて一段落してたアルバレスを押し切ってたかなあ。

 

ってことで、ここまでの自分のスコアはそれでも77-75でアルバレスだったね。

 

<9R>

顔面というか両目下の腫れが目立ってきたゴロフキンが、

足元が踏ん張り切れてはいない中、細かい手数を繰り出してたんだけど、

残り1分10秒、またもやまたもやのアルバレスの左ボディに苦しめられて、

そこからは下がる場面が増えていったんだけど、

アルバレスの方もそこから一気に攻め立てられなくなってて、

試合開始から力を込めて必殺系で振ってた疲れが出てきたみたいだったんだわ。

 

この回は序盤のゴロフキンの手数の方が優勢だったかなあ。

 

<10R>

勝負どころのラウンドに突入して、

ゴロフキンのボディダメージとアルバレスの打ち疲れと、

どちらがそれを克服するか、乗り越えるのかっていう局面になっていって、

まずはアルバレスが立ち上がりから手数アップの攻勢に出たんだけど、

ゴロフキンのショートアッパーも実にいい感じだったんだわ。

 

1分19秒、ゴロフキンの右ストレートが綺麗にヒットして、

それをきっかけにその後の20秒間を一気に攻め立てていったんだけど、

アルバレスの反応もまだまだ鈍ってなくてよく交わし続けてたんだわ。

 

自分にはこの時、ゴロフキンにとっては千載一遇のチャンスに見えたんだけど、

この前後からのゴロフキンは何だか腰が浮き加減になってて、

踏ん張り切れないままの打ち込みが多かったように見えたんだよね。

 

この後、相手の一段落を見てアルバレスが反撃を見せてたんだけど、

下半身のシッカリ感はアルバレスの方が圧倒的に上回ってたんだわ。

 

ただ、ラウンド終了ゴングが鳴った時の二人は実にとってもシンドそうだったなあ。

 

ってことで、自分のスコアは95-95でイーブンになってたんだわ。

 

<11R>

お互いに前の回の終盤に飛ばしたせいか、

比較的ユッタリとしたスタートを切ってたんだけど、

何となくゴロフキンの方がシンドそうに見えたんだけど開始18秒、

右ストレートをきっかけに手数を一気に上げていったのはそのゴロフキンの方で、

こういう所でのゴロフキンの踏ん張りには眼を見張るものがあるんだよね。

 

アルバレスの方も残り14秒での左ボディとか、

その前後に右を薄く3発ヒットさせてたんだけど、

ゴロフキンの有効性には届いてなかったんだよね。

 

ってことで、あと1ラウンドを残しての自分のスコアは105-104でゴロフキン。

 

<12R>

スコアが微妙だっていうのは両陣営共の判断だったみたいで、

お互いに最後の踏ん張り合いの見せどころで、そりゃ行くわ行くわの立ち上がりで、

まずは開始23秒でのゴロフキンの右ショートアッパーがクリーンヒットして、

その後、アルバレスも前詰めから力強く振り出していってたんだけど、

中々有効打に繋げられないままだったんだわ。

 

そのアルバレスが0分49秒に返しの左フックをヒットさせたんだけど、

彼にはまだまだ余力が残ってるように見えてたのに対して、

ゴロフキンの方は力を込め切れて無くて、

その分を手数に置換して精度の高い細かい打ち返しを目指してたんだわ。

 

 

それまでも普通のボクサーなら倒れてもいいようなパンチをお互い耐え抜いて、

既に出し切ったところから更に何とかしようって踏ん張り続けて、

そりゃとっても感動的なエンディングだったんだよね。

 

 

ってことで自分は115-113でゴロフキンの勝ちだったんだけど結局、

115-113×2、114-114ってことでアルバレスの2-0勝ちだったんだわ。

 

 

マストで採点するとどちらに振るか迷ったラウンドもあったんだけど、

この間の井上拓真さんとマーク・ジョン・ヤップの試合の際にも、

キッチリ当たってるか否かまでを見極めてなくて、

取り敢えず大きく振り出してる方にポイントを流してた女子ジャッジがいたんだけど、

そういう感じがしないでも無かったんだよね。

 

 

 

今週19日の後楽園ホールはスルーするから丸々一週間、

ノーボクシングの休養の日々なんだけど、

来週25日からの7日間には6ボクシングもあって、まあ大変なんだわ。

2018年9月15日 (土)

後楽園ホール・9月14日

 

C4cb1e9a0da341edb0a0d83b92594adb

“ミスター・ベースマン”

 

1963年、ジョニー・シンバルが18歳の時のヒット曲。

病死か事故死かは知らないんだけど、確か48歳で亡くなってしまったんだよね。

 

 

 

雨が降るって聞いてたんだけど、傘は全く不要だったし、

過ごしやすい気温が実に心地良かったんだよね。

 

 

昨日はあるジムの会長さんの御厚意でとってもいい席を手配して貰ったんだわ。

 

試合前、入江翔太君とか中野敬太君、荒谷龍人さん達、

KG大和ジムのボクサー達と挨拶を交わして、

その少し前に渡久地辰優君と話しをして、嶋崎俊君ともヤアヤアして始まり……。

 

 

 

① 安藤暢文君(高崎)×入江翔太君(KG大和)……W 6R

4勝(2KO)7敗(3KO)1分のサウスポー、29歳・長野県と、

4勝(2KO)6敗(5KO)の31歳・神奈川県。

 

安藤君の名前は “まさふみ” ってちょっと読みにくいんだよね。

 

お互いに何とか負け越し数を減らしたい同士の一戦。

 

<1R>

入江君のプレスから始まったんだけど、そこからの先制に繋げられない中、

安藤君の力強い打ち出しが目立ってたんだわ。

 

その安藤君の先制はかなり大仕掛けというか雑だったもんで、

入江君も対応し切れないってことは無かったんだけど、

それでも相手の先攻を簡単に許してしまって見栄えが良くなかったんだわ。

 

<2R>

接近戦に賭けてたのか、入江君のジャブは中途半端にタルくて、

若干勢い負けの手数負けが続いて、このままではシンドそうで、

被弾数の差で早くも顔面が赤くなっていったんだわ。

 

その入江君も終盤にかけてやっと攻勢度を上げていったんだけど、

安藤君の手数を上回るまでにはいってなくて、

相手のスタミナ落ちに期待するかのような展開だったんだよね。

 

<3R>

流れを変えるべく、入江君がガンガン度を上げていって、

安藤君からはそれを嫌がる素振りが見て取れたんだけど、

1分40秒からはそれまで押され気味だった安藤君が手数アップの反撃で、

その後は入江君の再反撃を挟んでの拮抗状態が続いたんだけど、

残り1分からの頑張りは入江君の気持ちの方が勝ってたんじゃないかなあ。

 

<4R>

相変わらず入江君がプレスを効かせてたんだけど、

まだまだ相手を見過ぎる傾向が強かった開始50秒頃、

二人が大きくバッティングして入江君が左目上をカットしてしまって、

直後のドクターチェックを経て即のストップエンドになってしまったんだわ。

 

 

ってことで自分は39-37で安藤君だったんだけど結局、

40-37×2、39-38ってことでやっぱり安藤君の3-0勝ちだったんだわ。

 

安藤君は必ずしも巧いボクサーではないんだけど、

この日は気迫の手数勝ちって感じだったなあ。

 

 

 

② 渡久地辰優君(一力)×戸高達君(L玉熊)……F 6R

7勝(5KO)3敗2分の21歳・東京都と、

8勝(3KO)2敗(1KO)4分のランク5位、28歳・東京都。

 

渡久地君の名前は “たつひろ” 戸高君は “さとる” って読むんだわ。

 

<1R>

初っ端からいきなり飛ばしていったのは戸高君の方で、

早い仕掛けからの上下打ち分けがグッドグッドで、

フォローパンチへの配慮も充分だったなあ。

 

渡久地君はいきなり後れを取ってしまった様な立ち上がりで、

相手のボディ連打で効かされてしまったようなところもあったし、

残り40秒からはロープを背負わされる場面が多かったんだわ。

 

<2R>

相変わらず戸高君が元気満々の手数で、

やっとエンジンが掛かったような渡久地君も正面から応じていって、

正に根性の接近戦が始まって、渡久地君も鋭い上下打ち分けを見せてたんだけど、

やっぱり僅かな手数差で戸高君が連続ポイントゲット。

 

<3R>

パンチ力そのものは渡久地君の方が上回ってるんだけど、

それを持たない戸高君が自らを知ってるボクシングを全開させて、

途切れの無い手数で渡久地君を追い込んでたんだけど、

渡久地君も腕振りの鋭さを失ってなくて、多少混沌としていったんだわ。

 

<4R>

この日の戸高君の手数は驚異的なレベルで、

吹っ切れた感じの渡久地君も延々の我慢比べを挑んでいったんだけど、

やっぱり戸高君の無限速射砲の方が印象的だったんだわ。

 

ことディフェンスに関しては渡久地君は正面に立ち過ぎのまま、

頭の位置に対する配慮にも欠けてたもんで、

形の悪い打たれ方をすることが多かったんだよね。

 

ってことで勝負あった感じだったもんで一旦離席して、

それからは遠目に見てたんだけど、

ラウンドが進むにつれ、渡久地君の打たれ方の形の悪さが更に目立っていって、

この日はそれ程のスタミナ落ちは見せてなかったんだけど、

課題が見えての終了ゴングだったんだわ。

 

 

結局、59-55、58-56、57-57ってことで、

何だこりゃあって感じのバラバラスコアではあったんだけど、

とにかく戸高君が頑張り2-0勝ちだったんだよね。

 

 

渡久地君もまだまだ若いし、バランスとか腕振りとかとってもいいモノを持ってるから、

欠点の一つ一つを自覚して潰していけばまだまだ伸びる余地がある筈なんだわ。

 

 

 

③ 嶋崎俊君(輪島S)×中野敬太君(KG大和)……SB 8R

8勝(3KO)10敗(3KO)1分の27歳・埼玉県と、

14勝(4KO)13敗(1KO)6分の33歳・福岡県。

 

中野君は勝ち負け拮抗した戦績や引き分けの多さが目立つんだけど、

これまでの対戦相手のレベルが半端じゃないことに依る訳で、

現在3連敗中ではあるんだけど、向上心の強さは実に立派なんだわ。

 

嶋崎君も2連敗中で、何かきっかけを掴めば違ってくるって思ってるんだけどね。

 

<1R>

フレームのデカイ嶋崎君の方がいい感じジャブから仕掛けていって、

中野君の方は若干様子見から始めてたんだわ。

 

中盤過ぎからは中野君の動きにもスムースが増していったんだけど、

嶋崎君は相手のジャブに右を強めに合せようとしてたんだわ。

 

それがちょっとばかり露骨過ぎじゃないかって思ってた残り12秒、

西ロープ近くで中野君が右ストレートを一閃、

一瞬上体を左に傾けた瞬間の打ち出しが大直撃して、

大きくバランスを崩した嶋崎君がユラッと大きく膝を割ってしまい、

一度はここを必死に踏ん張ったんだけど残り9秒、

中野君の追い込みも甘くなくて追撃のワンツーを貰ってしまってダウン。

 

何とか立ち上がったところでラウンド終了ゴングだったんだわ。

 

<2R>

ラウンド終盤でのダウンは回復がままならないままのスタートを強いる訳で、

嶋崎君としてはダメージを残したままの開始ゴングで、

いきなり手抜かりの無い中野君の鬼追撃に晒されてしまったんだわ。

 

で、開始25秒、またもやの右ストレートを大きく効かせた直後、

これ以上ない様なタイミングで中野君が左フックを打ち込んだんだわ。

 

まともに貰ってしまった嶋崎君は大きく失神昏倒ダウンしてしまって、

レフェリーも即のストップエンドだったんだけど、

嶋崎君は立ち上がってリングを降りるまでかなりの時間を要してしまったんだわ。

 

 

ってことで、0分27秒での中野君の衝撃的なTKO勝ちだったんだけど、

試合直後の中野君は汗まみれの中、色々コメントしてくれたんだわ。                                                            

 

嶋崎君の試合にはいつも駆け付けてきた勅使河原弘晶さんがこの日は居なくて、

「シュン君!」 っていう甲高い掛け声が無かったことが影響したかなあ……。

 

 

 

④ 中嶋孝文君(T&H)×入口裕貴君(エスぺランサ)……Fe 8R

29勝(13KO)10敗(3KO)1分の34歳・青森県と、

8勝(4KO)2敗(1KO)の21歳・兵庫県。

 

試合開始前、入口君のところの女性のサポーターが、

もう何年か振りだったのに、「コンチワ、ヨロシクです。」 って声を掛けてくれたんだわ。

 

入口君は元々はSB級だったのにB級の試合に挑んで、

その際に計量をパスできなくて、その後そこそこ悲惨な目に遭っての復帰戦で、

この日は余裕を持ってのFe級戦だったんだけど、

いきなりの相手が中嶋孝文君って、実にハードな挑戦だったんだよね。

 

<1R>

フレーム的には入口君の方がデカくて、

元々B級とかSB級は無理なんじゃないかって思うほどの体躯だったんだわ。

 

その入口君は今回はきっちり仕上げてきたみたいだったし、

気持ちも吹っ切れてるような初っ端からの仕掛けで、

積極プレスから鋭いジャブを打って出て、左のトリプルなんかも打ってたんだわ。

 

ただ、余りに調子に乗って振り過ぎると合間合間を中嶋君に狙われそうで、

一旦詰まったところでの中嶋君のショートのコンビネーションも鋭かったんだよね。

 

それにしても、入口君の気合の入り方は半端じゃなくて、

終盤での右ストレートでハッキリポイントゲット。

 

<2R>

代わり番こに強い上下打ち分けを見せた頃から徐々に二人の間隔が狭まって、

いつの間にか中嶋君の距離になっていったんだけど、

顔面の赤さは中嶋君の方が進んでたんだわ。

 

残り1分、特に残り30秒からの小ヒットの積み上げで中嶋君がポイントバック。

 

<3R>

まずは入口君の詰め詰め先攻から始まったんだけど、

入口君は多少の被弾は覚悟の上って感じの強気の攻め攻めだったんだわ。

 

中嶋君も残り30秒からの巻き返しを見せて、

ラウンド終盤でアピールする彼の巧さは相変わらずだったんだけど、

ラウンドトータルとしてはやっぱり若干入口君だったなあ。

 

<4R>

まずは中嶋君が激しくドライブを掛けていったんだけど開始19秒、

入口君が形勢挽回の左フックを大きくヒット。

 

一瞬体勢を崩した中嶋君に対して今度は入口君が激しく反撃のドライブで、

中嶋君は鼻血を出しながら下がって凌いでたんだけど、

相打ちしても如何にもシンドそうだったんだわ。

 

残り1分、入口君からも打ち疲れに伴う消耗が見えてきたんだけど、

中嶋君の方も休みながらの反撃しか出来てなかったんだよね。

 

<5R~6R>

一旦劣勢になったところからの中嶋君の頑張りこそが彼の真骨頂な訳で、

却って相手を追い立ててたのは中嶋君の方だったんだけど、

各ラウンドとも、最後までは飛ばし切れず彼にも消耗が訪れてるようで、

お互いに相手が頑張り切れない時間帯を攻め合うって感じが続いたんだわ。

 

<7R>

入口君が相手の踏み込みを阻止すべく、良く手を出し続けてたんだけど、

中嶋君の方は最初の1分半を休み加減に費やしてたんだわ。

 

残り1分からは例の如く中嶋君が飛ばしていって、

左フックで入口君の顎を跳ね上げたんだけど、

入口君もそれを跳ね返すべく飛ばし返してラウンド終了ゴング。

 

<8R>

中嶋君の方が少しばかり足元の踏ん張りが効かなくなってきてて、

余力的には入口君の方が優勢に見えて、

常に先手を取ってたのはその入口君だったんだわ。

 

ラウンド半分過ぎに中嶋君が手数をアップさせて、

入口君も遅れることなくそれに合わせていって、

優劣付け難いまま残り30秒にバッティングで中嶋君が左目上をカット。

 

その後も最後まで激闘が続いたんだけど、

お互いに決定的なタイミングでは当て切れずそのまま終了ゴング。

 

 

ってことで自分は77-75で入口君だったんだけど結局、

78-75、77-76、76-76ってことで入口君の2-0勝ちだったんだわ。

 

 

入口君は自分の事を覚えてくれてて、嬉しそうにグローブタッチしたんだけど、

これから先もフェザー級でやるつもりみたいだったんだわ。

 

 

その後暫くして中嶋君とも話をしたんだけど、

負け試合だっていうのにベテランが自分とミニレビューをしてくれて、

そう言えば彼とはもう10年越しの知り合いで、

彼が東上剛司さんと一緒にいた地下鉄でバッタリして以来だもんなあ。

 

5歳くらいの彼の息子チャンは何だかとっても人懐こくて、

自分の手に掴まってきたもんで、一緒にそこら辺を一回りしたんだよね。

 

 

 

⑤ 本吉豊君(reason押上)×荒谷龍人君(KG大和)

                      ………58.5㎏ 8R

7勝(5KO)12敗(7KO)の30歳・東京都と、

11勝(3KO)7敗(3KO)1分のランク10位、30歳・神奈川県。

 

<1R>

荒谷さんの方が5㎝ほど上背があるし、リーチも圧倒してたもんで、

本吉君としては中間距離を捨てて、

瞬間の踏み込みからの一発勝負に賭けていたのか残り2秒、

一瞬を突いてワンツーをヒットさせたんだけど、

それ以外は殆ど手を出さず仕舞いで、荒谷さんがジャブだけでポイントゲット。

 

<2R>

本吉君はこのまま狙い澄まし続けるつもりのようで、

開始58秒、荒谷さんが右を打ち下ろしてファーストヒット。

 

二人共、ボディブローを封じ込んだ単調な顔面狙いで、

それでもまだまだ本吉君の手数不足が目立ったままで、

大きな有効ヒットがないままではあったんだけど、またもや荒谷さんかなあ……。                                                            

 

かなり退屈になってしまったもんで、一旦コーヒータイムってことで……。

 

本吉君は負け数も多いんだけど、7勝の内KO勝ちが5試合あるから、

荒谷さんとしては相手の一発さえ警戒すればほぼ大丈夫だろうって、

その後はモニター観戦だったんだけど、

この後の4R、本吉君が距離を潰しての右フックを強烈ヒットさせて、

一瞬荒谷さんが相当のところまで追い込まれてしまったんだけど、

この千載一遇のチャンスを本吉君が生かし切れなかったんだわ。

 

それですっかり気落ちしてしまったか本吉君、

また元の手数不足状態に戻ってしまって結局7R1分20秒、

荒谷さんの頑張り直しの前に屈してのTKO負けだったんだわ。

 

 

この後、女子戦が組まれてたもんで自分はこれで帰宅ってことで……。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 入口裕貴君

② 中野敬太君

③ 戸高達君

 

 

 

ブログを書いてる途中でアメリカからメールが届いて、

岡田博喜さんがギリギリ2-1勝ちしたってことで、

最終ラウンドにダウンを喰らっての文字通り薄氷の勝利ってことで、

95-94×2、94-95だったんだってさ。

 

今回の試合に際して減量がいつもよりシンドイって聞いてたもんで、

自分としてはそのせいだと思いたいんだけど、

正確なところは彼らの帰国を待つことにするってことで、

それにしても今回の現地ジャッジはちゃんとしてて良かったなあ。

2018年9月12日 (水)

後楽園ホール・9月11日

 

5064bef8f532480c96c11ca397d4c5ab

“ワン・ボーイ”

 

1962年、ジョニー・ソマーズが21歳の時のスマッシュヒット曲。

まだ元気にしていれば今年77歳になるんだけどね……。

 

 

 

自分にとって9月の果物っていうとやっぱりブドウなんだけど、

今年の猛暑は特に巨峰系に影響を与えたってことで、

実が房から離れやすい傾向が強いんだってさ。

 

自分の子供の頃はブドウって言えばほぼデラウエアに限られてて、

余程のことが無い限り巨峰には手が届かなかったんだけど、

今はその改良型のピオーネ系でも家計に影響を及ぼすことが無いし、

赤系のゴルビーとか緑系のマスカットまで自由自在なんだよね。

 

自分としては種無しで皮ごと食べられるマスカット系がお気に入りなんだけど、

ちなみに、味のことだけを追究するとやっぱり種有りの方が旨いんだってね。

 

 

 

昨日はリングサイドのカメラマン達が異常に多くて、

“世界タイトル挑戦者決定戦” っていう冠だけで集まって来た訳で、

特にボクシングが好きって訳では無さそうな下請け連中が多かったなあ。

 

 

 

① 多川航君(大橋)×佐藤光君(畠山)……SL 4R

デビュー戦の22歳・神奈川県と、0勝2敗(1KO)1分の31歳・北海道。

 

<1R>

活きのいいデビュー戦の若者と、3戦勝ちナシの31歳との一戦で、

若者に気持ち良く勝たせるような組み合わせだと思ってたんだけど、

頭一個ほどデカイ多川君に対してズングリ系の佐藤君がいきなり重戦車スタイルで、

正直、見た目は美しくは無かったんだけど初っ端から詰め詰めガンガンで、

そういう相手に慣れてないような多川君が困惑困窮。

 

開始15秒、低い姿勢からの佐藤君の右フックがヒットして、

多川君が南ロープに大きく吹っ飛ばされてしまって、

ロープが無かったら倒れてしまったんじゃないかなあってもう大変大変。

 

その後、佐藤君も相手の右を貰ってしまって大きく揺らいでしまって、

残り1分からは二人共ハァーハァーになってしまって、

中盤以降の逆襲で多川君もかなり盛り返してたんだけど、

ラウンド序盤での有効ヒットで佐藤君だったかなあ……。

 

<2R>

多川君は距離を詰められると長いリーチを封じられてとっても辛そうで、

既に口が開きっ放しでいかにもシンドそうだったんだわ。

 

で、1分15秒から佐藤君が一気に仕掛けていったんだけど、

多川君も必死に反撃していって、却って手数で上回って、

二人共、精度的には今一ではあったんだけど、

この回は多川君が懸命の手数勝ち。

 

<3R>

いきなりの密着戦はやっぱり佐藤君の得意の戦いの場だったみたいで、

口を空けた多川君の表情は如何にもシンドそうに歪んでて、

それが佐藤君に更に元気を与えたみたいで1分20秒、

左右ボディをきっかけに一気にラッシュラッシュ。

 

手数で圧倒してた佐藤君はもう少し鋭く打てればダウンゲットも有りそうで、

多川君は残り30秒からはずっとロープを背負わされ続けてたんだわ。

 

<4R>

多川君も嫌気を見せず最後の必死抵抗で、

山ほどの右ショートアッパーを打ち込んで逆襲逆襲で、

ロープに詰められそうになると身体を入れ替える工夫も出来てたんだよね。

 

佐藤君も初勝利を目指して出来得る限りの手数だったんだけど、

ほぼ力尽きてたか有効度としては多川君に大きく後れをとってたんだよね。

 

 

ってことで、自分のスコアは38-38だったんだけど結局、

40-37、39-37、39-38ってことで佐藤君の3-0勝ちで、

オメデト、オメデトの初勝利ではあったんだけど、

幾らなんでも40-37は無いんじゃないかって思ったんだよね。

 

 

 

② 清田亨君(大橋)×水藤翔太君(ワタナベ)……L 6R

8勝(6KO)2敗(1KO)の23歳・熊本県と、

11勝(1KO)8敗(2KO)1分の30歳・愛知県。

 

水藤君は “すいとう” って読む中日本のジムからの移籍初戦で、

その割にはハードマッチメイクだなあってことで、

自分の横に宗忍君が座って応援声出しだったんだわ。

 

<1R>

A級ボクサーの6ラウンド戦はいきなりの激しい展開が予想されて、

フレーム的には劣勢な水藤君が吹っ切れたいい仕掛けを見せてたんだわ。

 

清田君はやっぱり右より左ショットの方が良かったんだけど、

それでもやっぱりいきなり大きく振り過ぎで、

ボディショットを含めて細かいショットの積み重ねでまずは水藤君がポイントゲット。

 

<2R>

清田君は元々それほど器用なボクサーではないから、

水藤君としてはいきなりの大きなパンチにさえ注意してれば何とかなりそうで、

拮抗した勝負になりそうだったんだけど開始1分過ぎ、

清田君がギアアップするにつれ付いていけないようなところが目立ってきて、

残り32秒には右フックをクリーンヒットされてしまったんだわ。

 

水藤君は明らかなダメージを受けてしまったんだけど、

その後の清田君の追撃が雑と言うか狙い過ぎだったもんで、

何とか凌ぎ切ってのラウンド終了ゴング。

 

<3R>

やっぱり清田君はどこかで一発デカイのを当てさえすればっていうボクシングで、

それはそれで大きなアドバンテージではあるんだけど、

それが叶わないうちはその不器用さが際立ってしまうんだよね。

 

逆にパンチ力が乏しい水藤君としてはあくまで沢山の手数が要る訳で、

色々奮闘してたんだけど、見栄えのいいヒッティングに繋げ切れてなかったんだわ。

 

<4R>

背の高い相手に水藤君は顔が上がり過ぎで、

もっと顎を引いて上目使いに相手を見る必要があるなあって思ってた1分40秒、

清田君の右を貰って左目上をヒットカットしてしまったんだわ。

 

それでも頑張り手数を続けてた水藤君だったんだけど、

有効打的に清田君を上回れないままだった残り14秒、

鋭い右アッパーを貰ってしまって大きくグラッとしてしまったんだわ。

 

<5R>

相当追い込まれてしまった水藤君としては、

1ポイントづつ取り返してもとても間に合いそうになくて、

どこかで死ぬほどの思いっ切りの腕振りが必要な場面だったし、

相手の大きな腕振りに敢えて合わせて行くような度胸も必要だったんだわ。

 

それにしても残り1分15秒辺りでも清田君の右ボディは強烈だったなあ。

 

<6R>

練習をしていないと、空振ってバランスを崩すようなショットは打てないもので、

水藤君の逆転の目は遠のくばかりだったんだけど、

実は清田君のパフォーマンスも正直タルイとしか見えず、

パンチ力の差だけの試合になってしまったんだよね。

 

残り1分2秒に貰った左アッパーが効いてしまったか水藤君、

その後2度もスリップダウンを重ねた残り1分10秒からは更に辛そうで、

南東ポスト前でついに耐え切れず大きく右を打ち込まれてところで、

レフェリーが割って入ってのストップエンドで、

ほぼ同時に陣営からタオルが投げ込まれての1分55秒、

清田君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

③ 桑原拓君(大橋)×何チャラ・テファ……51㎏ 6R

1勝(1KO)0敗の?歳・大阪府と、

9勝(6KO)8敗2分の国内4位、?歳・インドネシア。

 

インドネシアの国内ランクなんて全く信頼性に乏しいし、

こんな戦績の相手に大橋ジムのB級ボクサーが苦戦する筈も無く、

ってことでリングインさえ見てなかったんだけど、

やっぱりあっと言う間の1R0分46秒でのKOエンドだったんだってね。

 

 

 

④ 保田克也君(大橋)×アンショリ・何チャラ……L 6R

2勝(1KO)0敗のサウスポー、26歳・茨城県と、

18勝(10KO)16敗4分の国内4位、?歳・インドネシア。

 

全く同じ理由で殆ど見てなかったんだけど結局、

3R2分39秒でもTKOエンドだったんだってね。

 

まだ終わらないのかって3R中盤頃に戻ってチラ見したんだけど、

二人共とっても大雑把で、何だかミドル級程度の動きにしか見えなかったなあ。

 

 

 

⑤ 松本亮さん(大橋)×佐川遼さん(三迫)……Fe 8R

21勝(19KO)2敗(1KO)のSB級7位、24歳・神奈川県と、

4勝(2KO)1敗(1KO)のFe級8位、24歳・青森県。

 

少し前に三迫会長とか久保マネに、

三迫ボクサーは9月は4戦全敗するって予想したなって言われて、

自分では気が付かなかったけど、実際ここまで3連敗中だったんだよね。

その三迫会長が自分の隣に座って始まり始まり……。

 

<1R>

佐川さんの方が4~5㎝ほど背が低くて、リーチでもハンデを負ってたんだけど、

ジャブはその佐川さんの方が鋭かったし届きも良かったんだよね。

 

お互いの探り合いがラウンド半分ほど続いた後、

残り1分20秒、松本さんが左右ボディからの右フックをヒットさせた直後、

佐川さんの右ストレートがそれ以上の鋭いヒッティングを見せて、

これで佐川さんがまずはポイントゲットかって思われたんだけど、

残り35秒からのショートレンジでの松本さんの鋭い上下打ち分けがグッドグッドで、

そりゃもう目まぐるしく展開が動いてたんだわ。

 

<2R>

それにしても想像してた以上に佐川さんの右ストレートが良く当たって、

元々松本さんのガードは低いんだけど、

交わしたりブロックしたりも出来ないまま余りにも簡単に打たれ込まれ過ぎで、

開始38秒での右の相打ちでもより効かされたのも松本さんの方だったんだわ。

 

最初の1分間の内に佐川さんは更に2発の右を上積みヒットさせて、

松本さんの左顔面をかなり赤くしてたんだよね。

 

松本さんも残り52秒に左フックを当て込んでたんだけど、

その後残り35秒での佐川さんの右の方がより効果的で、

このラウンドは大きくポイントバックしてたんだわ。

 

<3R>

佐川さんには陣営からのアドバイスがよく聞こえてたみたいで、

足を使って距離を取ることにとっても気を使ってて、

松本さんはあれだけ恵まれた体躯をしてるのに、

一番力を発揮するのがショートレンジに限られてて、

中間距離ではからっきしの片寄ったパフォーマンスに終始してたんだわ。

 

それとこれは単なる推測ではあるんだけど、

そもそも佐川さんのことをちゃんと研究していないようにも見えたし、

階級が上の相手のパンチを見くびり過ぎてたような感じさえもあったんだよね。

 

で、東ロープ寄りのところでの開始24秒、

狙い澄ましたような佐川さんの右ストレートがヒットして、

大直撃を喰らってしまった松本さんが驚愕のダウン。

 

明らかなダメージを負いながらも松本さんも敢然としたリスタートで、

一旦様子見しながら引いた佐川さんにはセコンドから大声の 「行け!行け!」 で、

そこからは正に修羅場の大殴り大会で、

流石に松本さんもカウンターのタイミングで逆転系を狙っていって、

その幾つかを貰ってはいたんだけど佐川さん、

若干松本さんがパワー落ちしてたのにも助けられて、

全く怯まないままの男の打ち返しで、

ギリギリのところでの元々のSF級とSFe級のパンチの重さの違いも大きかったか、

時間が進むにつれ松本さんの限界が一気に見えてきて、

2発ばかり危ないパンチを貰ってしまったところで1分30秒の南東ポスト近く、

ついにレフェリーが割って入ってのストップエンドだったんだわ。

 

 

少し後ろで見てた椎野トレとか永田大士さんや三浦仁君、

それに長谷川守里君、堀川謙一さん、吉野修一郎さん達も大騒ぎしてたんだけど、

貴志会長や久保マネの喜び方はもう半端じゃなかったし、

麻生興一さんや相川学己君、鈴木悠介さん、田中教仁さん達も総出だったんだわ。

 

試合後暫くしてセコンドに付いてた横井トレと鈴木トレと話をしたんだけど、

結構冷静な分析をしてたのがとっても印象的だったんだよね。

 

 

松本さん側としては2月にダニエル・ローマンとの世界戦で大差3-0負けした後の、

比較的楽な再起戦の筈だったと思うんだけど、

ちょっと舐め過ぎてたんじゃないかって思ったんだけどね。

 

 

 

⑥ 平岡アンディさん(大橋)×吉開右京君(島袋)……SL 8R

12勝(8KO)0敗のランク9位、サウスポー、22歳・神奈川県と、

6勝(5KO)2敗(1KO)のサウスポー、21歳・沖縄県。

 

1年ほど前の二人の対戦は、

吉開君が3回ほどダウンを喰らっての3RTKO負けだったんだけどね。

 

<1R>

最初のプレスは吉開君で、中々鋭い左右フックを振ってたんだけど、

平岡さんは相手の動きを早くも見切ってるような感じの余裕の交わしで、

残り1分02秒、渾身の左ストレートで吉開さんの左目上をいきなりヒットカット。

 

その後も左ストレートや右フックを連続して見栄え良く当て込んで、

いきなり10:8.5ほどもの差が付いてしまって、

コーナーに戻る吉開君からは明らかなダメージが見て取れたんだわ。

 

<2R>

吉開君が放つ鋭いショットはタイミングは合ってはいたんだけど、

残念ながら殆どが届き切らないことが多かったんだわ。

 

それでも必死の吉開君が1分21秒に右ボディから左ストレートに繋げていって、

二人の激闘度が更にアップしていった残り50秒、

それならってことで更に更に平岡君が攻勢を強めていって、

一旦スイッチが入った時の最近の平岡君はほぼ無敵で、

吉開君が下がらされる場面が増えていったし、反応も鈍っていったんだわ。

 

残り2秒での左ストレートの相打ちも明らかに平岡君の方が有効度が大きくて、

吉開君はダメージを負ったまま次のラウンドを迎えることになってしまったんだわ。

 

<3R>

左目上のカット傷が更に悪化していくと共に、

吉開君は繋ぎのジャブさえ出なくなっていったんだけど開始35秒、

それまでお互いに少な過ぎる印象が強かったボディブローはその吉開君で、

そこからの新しい展開が一瞬見えつつあったんだけど残り1分、

平岡さんが相手を東ロープに詰めた所で右ショートフックを一閃、

直撃された吉開君が大きく倒れ込んでしまって、

その瞬間の2分02秒でのレフェリーストップエンドだったんだわ。

 

 

それにしてもここぞと判断した時の平岡さんの勢いは実に半端じゃなくて、

吉開君は最後まであと半歩の踏み込みが足りてなかったんだよね。

 

最近の平岡さんは以前に感じてた試合ごとのムラのようなモノが皆無になって、

やっぱり普段の練習環境が改善されたことが大きいって思ったなあ。

 

 

 

⑦ マーク・ジョン・ヤップ(六島)×井上拓真さん(大橋)

            ………WBC B級 挑戦者決定戦 12R

29勝(14KO)12敗(2KO)のWBC3位、29歳・フィリピンと、

11勝(3KO)0敗のWBC9位、22歳・神奈川県。

 

ヤップの方が格上なもんで、赤青のコーナーがチェンジされたんだわ。

 

キャサリンっていう名前の女子ジャッジが混じってたし、

レフェリーはMr.スポックって愛称の(三迫会長に教えて貰ったんだけどね……。)、

80歳超えの動きに大いに支障をきたして爺ちゃんだったもんで……。

 

<1R>

ジャブのヒット率は圧倒的に井上さんだったし、プレスも強くて、

スピードを警戒してかヤップが下がりながらのサークリングっていうのが固まって、

まずは様子見って決めてたみたいだったんだわ。

 

1分半頃の薄い左フックで井上さんがファーストポイントゲット。

 

<2R>

パンチ力とスピードの対決っていう図式はとっても解り易かったんだけど、

井上さんのスピードに対するヤップの警戒感が解けないままだった1分08秒、

ワンツーを空振った直後の井上さんの左アッパーが見事にヒット。

 

ヤップの腕振りは如何にもパワフルではあったんだけど、

彼の攻撃の組み立て自体はとってもシンプルだったもんで、

井上さんにとってはそれほど恐れるに足らずって感じだったんだわ。

 

<3R>

このままではヤバいってことで、ヤップが更に力技に出ていって、

開始46秒に右フックをヒットさせて、その後も終盤にそれを重ねて、

目立った有効打が無かった井上さんから初めてポイントバック。

 

<4R>

お互いに一応色々出し合っての一段落状態で、

大きな出来事が無かった中、下がり下がりのヤップの印象が悪かったんだけど、

基本的には二人共、攻めあぐんでるっていう感じが強かったんだわ。

 

ってことでここまでの自分のスコアは39-37で井上さんだったんだけど、

発表された中間スコアは39-37、38-38×2ってことで、

まあまあそんな感じかなあって思ったんだわ。

 

<5R>

ヤップの見栄えの良くない打たれ方が目立ってた開始1分38秒、

それまでの左フックの何発目かが当って、直後に押しがあった感じもあったんだけど、

とにかくバランスを崩したヤップが西ロープまで吹っ飛んでしまってダウン。

 

それ程のダメージを引きずることなく再開したヤップは普通に立て直して、

井上さんもそれ以上無理に攻め立てることも無いままのラウンド終了ゴング。

 

<6R>

少しばかり鼻血のヤップは全くボディブローが打てないままだったし、

そもそも攻撃の手段が単純なままだったし、パンチの種類も少なくて、

とにかく一発強打を当てたい当てたいだけの退屈なボクシングで、

相手は足があるスピードマシンなんだから、もっともっとのガンガンが必要で、

一旦踏み込んだ以降の二次三次の攻めが足りなさ過ぎだったんだわ。

 

井上さんは大体いつもの通りのパフォーマンスが出来てて、

そりゃ刺激的とは言い難いところはあったんだけど、

パンチ力の無いボクサーがハードパンチャーに対する場合にはこうあるべきだって、

そういうことの一つ一つを確実に実現してたんだよね。

 

一方のヤップは仕掛け打った後に早いカウンターを合わされるのを警戒し過ぎで、

いつまで経っても踏ん切りの良くない動きに終始してたんだわ。

 

 

ってことで、既に勝負あったってことで自分はここで一旦離席して、

8Rが終わったところから遠目に眺めてたんだよね。

 

その8Rが終わったところでの採点は78-73×2、77-74ってことで勿論、

井上さんの大差3-0勝ちだったんだわ。

 

9Rの終わりころからヤップもやっとのことで踏ん切りがついたか、

詰め詰めガンガン度を上げていって、井上さんも若干処理に困ってたけど、

如何にも遅きに失したところがあったんだよね。

 

陣営からは終始 「大丈夫、大丈夫!」 って声が飛んでたんだけど、

その言葉はヤップを励ます際の決まり文句なのかも知れなかったんだけど、

ただ自分にはどこがどう大丈夫なのか全く意味が解らなくて、

そういうセリフは往々にして大丈夫じゃない場合に使われることが多いし結局、

自らの気持ちを落ち着かせたいだけなんじゃないかって思ったなあ。

 

ヤップは最後の方になればなるほど踏ん張りを見せてたんだけど、

相変わらずのテクニック不足は否めなくて、

力づくが通じない時は単なる乱暴なA級ボクサーくらいにしか見えなかったんだよね。

 

 

12R終了後に発表されたスコアは、

117-110、116-111、114-113ってことで勿論井上さんの3-0勝ち。

 

自分の感じでは116-111が一番妥当で、

117-110も114-113も試合の見方が極端過ぎだと思ったなあ。

 

 

思ってた通り、彼の老レフェリーはボクサーから遠く離れた所を、

まるで壊れかけたメリーゴーラウンドのように緩々緩々回ってて、

クリンチしてもボクサーに近づかないし、

ワセリンを拭った手をボクサーのトランクスで拭いてたし、一滴の汗も血も浴びず、

綺麗好きの彼のシャツは最後まで汗さえもかかない新品のままで、

あんなんでいいなら、明日から自分もレフェリーになれるんだわ。

 

それと例の女子ジャッジなんだけど、彼女はスコアを114-113ってしてて、

当たったか当たらなかったかは殆ど問わず、

大きく振り出してる方にフェイバーを与えてて、

下がる方にはペナルティを課すって、そういう主義のやっぱり只の女性だったね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 佐川遼さん

② 平岡アンディさん

③ 井上拓真さん

2018年9月10日 (月)

9月8日の井岡一翔さん……。

 

F8413d0d2d6d45a2aadb2464624043f3

 

 

 

☆ 井岡一翔さん×マックウィリアム・アローヨ

       ………WBCシルバー SF級タイトル戦 10R

22勝(13KO)1敗のWBA2位、29歳・大阪府と、

17勝(14KO)3敗のシルバーチャンプ、WBC3位、WBA3位の32歳・プエルトリコ。

 

井岡さんの1敗は2014年、IBFのタイトル戦でアムナット・ハエルロエン(タイ)に、

12R判定負けしたものなんだけど、それにしても、

1年半も試合をしていないのにWBA2位って、これはごく普通のことなの?

それと彼は今、どこの誰とマネージメント契約をしてるの?

 

 

録画しておいたモノをさっき見たんだけど、

井岡さんのセコンドには久し振りのイスマエル・サラスと共に、

以前内山高志さんのトレーナーだった佐々木さんが付いてたなあ。

 

二人共、黒のグローブだったんだけど、

井岡さんはエバーラスト、アローヨはレイジェスだったね。

 

女性ジャッジが混じってて、大丈夫なのかって思いながら始まり始まり……。

 

 

<1R>

ガードの固いアローヨ相手に井岡さんがどうするかって興味津々だったんだけど、

井岡さんは特に困ったような様子も見せないまま、ジャブを始めとして、

左ボディや右ショートアッパーを混ぜ込んだコンビネーションが絶好調。

 

戦績通り、アローヨはとってもパワフルだったんだけど、何だか打ち出しが硬くて、

中盤以降は井岡さんのストレートに近いジャブのヒットヒットが目立ってたんだわ。

 

<2R>

相変わらずガードを固めたアローヨがジワジワプレスを強めていったんだけど、

一瞬の先攻めでは常に井岡さんが勝ってて、手数差も目立ってきてたし、

やっぱり井岡さんのコンビネーションの早さと美しさは抜群だったんだわ。

 

<3R>

狭い所を探しながら井岡さんが左右ショートを打ち込んでた直後、

アローヨの左右ショートアッパーがそれを上回ったヒットヒットで、

そのまま優勢にラウンドを進めてたんだけど、

残り20秒からは井岡さんが逆プレスを掛けていってた残り6秒、

アローヨが左のフックかアッパーを打とうとしたのか、

若干体勢を崩したところで中途半端に左腕を下げたその途端、

殆どノーガードになったところに井岡さんの右ストレートが炸裂して、

直撃を喰らってしまったアローヨが一発ダウンしてしまったんだわ。

 

それでもそれ程の大ダメージでは無さそうな感じで立ち上がったところでゴング。

 

<4R>

殆どダメージを残すことなく、アローヨが立て直しのボクシングで、

お互いに手数を上げていったんだけど、根負けしたのはアローヨの方で、

残り1分からは自分で下がるようなことが多かったんだわ。

 

<5R>

井岡さんはまるでちょっと前の伊藤雅雪さんのようで、

それはつまりアメリカ仕様の攻撃面を前面に出した積極ボクシングで、

却ってプレスを掛けてるのは井岡さんに変わっていってたんだけど、

ラウンド終了ゴング寸前のアローヨの右ストレートは不気味な届き方をしてたなあ。

 

<6R>

優劣付け難いやり取りが続いて、

手数的には井岡さんだったんだけど、

ショットの有効性としてはアローヨの方だったかなあ。

 

<7R>

小康状態と言うか、井岡さんは一旦ギアをニュートラルに入れたみたいで、

自由にやらせた時のアローヨのアッパーを混ぜ込んだショートコンビには、

危険が満ち満ちてたんだよね。

 

7Rを終わっての自分のスコアは、67-65の僅差で井岡さんで、

残り3ラウンドの行方次第ではホントにどっちも有りだったんだわ。

 

<8R>

アローヨは明らかにショートレンジでの強乱打戦を挑んでいって、

思いっ切り殴り合う姿勢を押し出していって、

一方では相手を誘ってカウンターを狙う意図もあったか、

いずれにしてもガードが下がり加減になるところを井岡さんが一気に攻め立てて、

大事な大事なラウンドポイントをゲットしたんだわ。

 

<9R>

初っ端からのアローヨの仕掛けが目立ってたんだけど、

受け止めた井岡さんも全く動きに劣化を見せないままだったんだわ。

 

気が付けばアローヨの両目下がボコッと腫れてたんだけど、

井岡さんの方も左目下の腫れが目立ってきてたんだわ。

 

残り1分20秒、アローヨに少しばかりの緩みが見えたその途端、

井岡さんが右ストレートを続けざまに2発ヒットさせて、

残り40秒でも返しの左フックをクリーンヒットさせてたんだわ。

 

劣勢だったアローヨはこの回最後まで反撃ドライブを掛けられなかったなあ。

 

<10R>

自分のスコアとしてはダウンを喰らわない限り、井岡さんの勝利が固くて、

アローヨにも負けてるっていう自覚があったみたいで、

かなり強引に仕掛けていってたんだけど、

井岡さんの左右ボディショットは最後まで効果を上げてて、

事あるごとにアローヨの仕掛けを挫いてたし、かなり消耗が進んだか、

残り1分頃からのアローヨは攻撃が相当雑になっていったんだわ。

 

更に残り30秒からの最後の踏ん張り合いは、

井岡さんの見栄えのいい力強さの方が優勢だったんだよね。

 

 

ってことで、自分のスコアは97-92だったんだけど結局、

99-90、97-92×2ってことで、勿論井岡さんの3-0勝ちだったんだわ。

 

99-90って採点したのは多分、あの女子ジャッジで、

井岡さんの華麗なコンビネーションの美しさにほだされてしまったと思ったな。

 

 

 

色々な人達から聞かされてる話だと、

井岡さんところの親子関係は相当ほころんでるってことなんだけど、

ホントのところはどうなのかってことだし、

これからどうなるのかってことでもあるんだよね。

 

2018年9月 8日 (土)

ランキングのこと……。

 

0e7bff7b3585424ab08ac179ddec4ce4

“8月度ランキング表”

 

これはその2枚目であって、

以前は “日本タイトル挑戦保留選手リスト” って、

実にとっても中途半端な括りをされてたボクサー達が、

15位以内の世界ランカーとして右上にまとめられてるのはグッドグッドなんだけど、

この2枚目の13位以降の日本ランキングが反対に実にとっても不可解で、

プロボクサー数が激減しつつあるっていうのに、

ランキングだけを野放図に拡大させてることが全く理解できないんだよね。

 

8月度は中途半端に最大23位までがランクされてるんだけど、

選手層が一番厚いスーパーバンタム級は更にランカーが増えそうだし、

一体どこまで増やしていくつもりなのかなあ……。

 

こんなルーズなランキングなもんで、

ジム側が力づくで捻じ込んだり、涙ながらに陳情したりすれば、

いくらでも名前を載せることが出来そうで、

そもそものランカーの価値というか権威さえも地に堕ちてしまいそうなんだよね。

 

ジム側としてはランカーが所属してる事を売り物にしたいんだろうし、

ボクサーのモチベーションを刺激するとか思ってるんだろうけど、

ランク22位とか23位とか言われて、ボクサーも嬉しいモノなのかって思うし、

ボクサーの為にはもっと他のこと、

キチンとしたファイトマネーを支払うことや、

キチンとした練習環境を整えることの方に配慮すべきだと思ってるんだよね。

 

 

新しいランキングは12位までのランカーにはタイトル挑戦権があって、

ランキングによって其々決められたファイトマネーが設定されてるんだけど、

13位以下は普通のA級ボクサーと同じ扱いにしかなっておらず、

ランキングを大事に考えるなら、例え5,000円づつでも格差を設けるべきで、

そういうことでボクサーのモチベーションを刺激するべきなんだわ。

 

 

写真の8月度の13位以下のランカーなんだけど、

階級別に眺めてみると……。

 

【ミニマム級】

タイトル挑戦権のあるランキングは11位までで、それ以下はナシ。

 

【ライトフライ級】

ランク15位までフルランク。

 

【フライ級】

ここも15位までフルランク。

 

【スーパーフライ級】

20位までフルランク。

 

【バンタム級】

22位までフルランク。

 

【スーパーバンタム級】

23位までフルランクでここが最多ランカー数。

 

【フェザー級】

17位までフルランク。

 

【スーパーフェザー級】

同じく17位までフルランク。

 

【ライト級】

15位までフルランク。

 

【スーパーライト級】

11位までがフルランクで、12位が空位でその下13位がランキング。

 

【ウェルター級】

10位までがフルランクで、その下は二つ空いて13位から15位までがランキング。

 

【スーパーウェルター級】

8位までがフルランクで、その下は全くナシ。

 

【ミドル級】

6位までがフルランクで、その下は六つ空いて13位と14位がランキング。

 

 

 

世の中の大体の決め事決まり事っていうのは、

そこに至るまでには様々な議論が交わされるんだけど、

取り敢えずの結論に達したばかりの時点では、

多少納得し難い部分があったとしても、

暫くの時間を経ると何となく収まってしまうモノで、

このランキング表もそういう道を辿るのかも知れないんだけど、

自分だけはこの違和感が抜けそうにないんだよね。

 

 

ちょっと頑張ればすぐにランカーになれるっていうのは甚だ納得し難くて、

そういうことでボクサーにすり寄るっていうのはナンセンスとしか言えなくて、

ランカーになるには普通じゃない努力と精進が必要であるべきだと思ってるし、

一つでもランキングを上げることがファイトマネーに反映されない限り、

自分の中では13位も23位も全く違いが無いんだけど、

大人達はホントにこれでいいって思ってるのかなあ……。

2018年9月 5日 (水)

後楽園ホール・9月4日

 

Ca0c07e2689548ecb42fea43fa83a386

“デイドリーム・ビリーバー”

 

イギリスのビートルズの大活躍に刺激されて、

アメリカのテレビ局がオーディションで集めて作ったバンドがモンキーズで、

写真のシングルは1968年発売のモノなんだわ。

 

右端のデイビー・ジョーンズの可愛さとまずまずのヴォーカルで持ってたバンドで、

音楽的には左から二人目のマイク・ネスミスが支えてたんだけど若禿だったし、

残りのオッサン顔の二人は音楽的にも素人に近くて、

テレビ局が全力で集めてこれかあって思ったモノだったんだわ。

 

元々仲良し同士で始めたバンドでは無かったもんで、

人気が下降気味なるとすぐに解散してしまって、

M・ネスミスだけがすぐ後に自分で別のバンドを作ったんだよね。

 

その後、リバイバルブームが起こる度に金儲けの為にリユニオンされたんだけど、

M・ネスミスだけは断固参加を拒否したんだわ。

 

 

 

台風21号の余波を受けてそこそこの強風だったんだけど、

ホールへの行きも帰りも雨には見舞われなくて……。

 

 

 

先週の金曜日に日本タイトルを獲ったばかりの齊藤裕太さんがロビーにいて、

ちょっと立ち話をしたんだけど、“オメデト、オメデト” って、

沢山の行き交う人達に声を掛けられてたなあ。

 

 

昨日は女子戦を除いて全部で9試合が組まれてて、

全て4回戦か6回戦だったんだけど、そのうち7試合がKO決着で、

判定に持ち込まれた2試合も間延びするってことが無かったんだよね。

 

 

 

① ノブ鈴木君(青木)×丸谷雄亮君(高崎)……L 4R

デビュー戦の20歳・東京都と、0勝3敗(2KO)のサウスポー、29歳・群馬県。

 

何となく、丸谷君の方を応援したくなりながら見てたんだけどね……。

 

<1R>

9歳差もある初勝利めざし組同士はいきなりのケンカボクシングで、

どっちも有りの危険なパンチが交差してたんだけど、

優劣付け難い展開が続いてポイントの割り振りに迷うところだったんだけど、

手数に変わりが無かった中、有効打的には若干鈴木君だったかなあ。

 

<2R>

前の回に飛ばし過ぎたか二人共、少し勢いを失っていったんだけど、

上下を打ち分ける意識は鈴木君の方が勝ってて、

そのまま押し切りそうだった残り1分、突然丸谷君が頑張り始めて、

お互い、若干休み休みではあったんだけど、十分な気持ちを見せてたんだわ。

 

<3R>

いつの間にか顔面のダメージは鈴木君の方が進んでた中、

距離を取り切れない密着戦に移行していったんだけど、

二人共、決して巧くは無いんだけどとにかく一生懸命だったんだわ。

 

で、まだまだどっちも有りの状況が続いたんだけど1分半過ぎのリング中央、

エイヤッて感じの丸谷君の左ストレートが鈴木君を大直撃、

自分が見てた所からは縦位置だったもんで若干見難かったんだけど、

その左が鈴木君のみぞおちに喰い込んだようにも、

カウンター気味に顎先に打ち込まれたようにも見えたんだけど、

とにかく、その一発で鈴木君が大きく倒れ込んでしまって、

何とか何とかって立ち上がりはしたんだけど、

リスタートの体勢が整わないままにテンカウント・アウトしてしまったんだわ。

 

 

ってことで1分52秒、丸谷君の初勝利TKO勝ちだったんだよね。

 

 

 

② 矢斬佑季君(花形)×インパクト拓睦君(18古河)

                         ………SB 4R

1勝(1KO)1敗のサウスポー、26歳・埼玉県と、1勝(1KO)0敗の18歳・茨城県。

 

矢斬君は “ヤギリ” ではなくて “ヤザン” って読むんだし、

インパクト君の名前は “ヒロム” って言うんだわ。

 

<1R>

拓睦君も中々のフック系のパンチを振ってたんだけど、

矢斬君の右手の使い方がとっても巧かったんだわ。

 

お互いに鋭い腕振りを見せ合ってた残り1分23秒の赤コーナー前、

互いの左右フックが一瞬の交差を見せたその刹那、

矢斬君の左からの返しの右フックが激しくヒットして拓睦君がダウン。

 

リスタートした拓睦君も懸命の反撃を見せてたんだけど、

勢いを増した矢斬君の追撃を上回るまでには至らず残り1分03秒、

そのまま一気に北西ポストに追い込まれてしまって、

またもやの強烈な左右フックに晒されてしまって前に崩れ落ちてしまったんだわ。

 

ダメージの深さを見て取ったレフェリーが即のストップエンドで、

1分58秒、実に手際のいい矢斬君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

③ つがる慶也君(青木)×坂梨智紀君(足利)……Mm 4R

0勝0敗1分のサウスポー、22歳・青森県と、0勝0敗1分の28歳・栃木県。

 

<1R>

フレーム的に優位な坂梨君が一瞬の合間を縫っていきなりのラッシュで、

つがる君を南ロープに押し付けて山ほどの左右フックをガンガンのヒットで、

虚を突かれてしまったようなつがる君から開始僅か17秒でのダウンゲット。

 

その倒れ方が余りに激しかったもんで、レフェリーも即のストップで結局、

つがる君は担架搬出されてたんだわ。

 

ってことで、坂梨君が0分20秒での初勝利TKO勝ちだったんだわ。

 

 

第4試合は女子戦だったもんで……。

 

 

 

⑤ 石澤一路君(オサム)×鈴木基伸君(角海老)……68㎏ 6R

4勝(2KO)8敗(3KO)のサウスポー、31歳・埼玉県と、

3勝6敗(2KO)2分の34歳・滋賀県。

 

30歳オーバー同士で、勝ち数の倍も負けてる同士の一戦でもあったんだわ。

 

<1R>

お互いにシンプルなワンツーに終始してたんだけど、

上背とリーチ優位な石澤君の左ストレートのヒット率の方が高かったんだわ。

 

それでも石澤君はフォローの右までは配慮が出来てなかったもんで、

鈴木君も致命的なダメージを受けないで済んでたんだよね。

 

<2R>

お互いに自分のタイミングでの踏み込み打ちに留まってて、

相手の打ち終わりに合せていくっていうような工夫に欠けてたんだけど1分40秒、

鈴木君が左右ボディをきっかけに一気に攻め込んで形勢を動かしたんだわ。

 

で、そのままの勢いを維持して追込み追込みしてた残り27秒、

南東ポスト前で大きな右ストレートを打ち込むことに成功したんだわ。

 

途端に石澤君の左目上がヒットカットされてしまって、

直後に頭が触れたか鈴木君もその返り血を浴びてしまったんだわ。

 

その途端にレフェリーが即試合を止めてのドクターチェックが入ったんだけど、

そのまま続行は無理ってことで2分32秒、鈴木君のTKO勝ちだったんだわ。

 

 

鈴木君にとっては12戦目にして初のTKO勝ちってことで、

自分の隣で彼のメンタル・トレーナーの女性が声援を送ってたんだけど、

彼女、最後は涙目になってたなあ……。

 

 

 

⑥ 橋口雄斗君(石川)×粟田祐之君(KG大和)……SFe 6R

8勝(5KO)3敗1分の30歳・宮城県と、10勝(4KO)5敗(2KO)の27歳・神奈川県。

 

試合前にKG大和ジムの片渕会長と、2日の水谷直人君の試合の話をしたんだけど、

9月は9試合もあって大変なんですよおって言ってたんだわ。

 

粟田君の名前は “ヒロユキ” ではなくて “ユウジ” って言うんだよね。

 

<1R>

最初のヒッティングは橋口君の踏み込みざまの右フックで、

そこから接近馬力戦を仕掛けていったんだけど、

粟田君は巻き込まれることなく遠目からの左ストレートで対抗してたんだわ。

 

中盤以降の小さいヒットの積み重ねで僅かに粟田君が優位に進めてたんだけど、

もう少しジャブの数が欲しいところでもあったんだわ。

 

<2R>

相変わらずプレスを効かせてたのは橋口君の方だったんだけど、

前振りの少ないタイミング一発の踏み込み勝負に終始してて、

単調さが拭えなかったもんで、若干粟田君に見切られつつあったんだわ。

 

残り1分22秒、粟田君の長い左ストレートが綺麗にヒットして、

橋口君の頭を大きく跳ね上げてて、

ファーストコンタクトで効果を上げられないと橋口君は辛くなるばかりだったんだわ。

 

<3R>

接近ガチャガチャ戦に活路を求めたがった橋口君だったんだけど、

中々思うに任せず、見栄えの良くない被弾を増やしていってたなあ。

 

<4R>

橋口君は形のいい攻めに持って行けず、

もう少し細かく鋭い回転で打てると随分違うと思うし、

一次踏込みだけに留まらず二次踏み込みを心掛けたり、

最初のヒッティングをフェイクに使ってその後を本命にするっていうような、

とにかく、もっと色々な工夫を試みたらどうなのかなあって思ったんだけどね。

 

<5R>

橋口君の顔面の傷みが進むにつれ、粟田君は益々自信に溢れてきて、

橋口君がまだまだ諦めずとにかく必死の一発狙いだった中、

遠目からあしらうような戦法がキッチリはまってるような感じだったんだわ。

 

<6R>

まるで差し違い覚悟の特攻隊のように橋口君が最後の奮闘だったんだけど、

粟田君が最初の15秒間に左ストレートを2発ヒットさせて、

その動きにはまだまだの余裕を感じさせてたんだわ。

 

橋口君の特に左目下の腫れが目立ってきた中、

残り18秒からのショートラッシュで粟田君が最後の仕上げをしてたんだわ。

 

 

ってことで自分は60-54だったんだけど結局、

60-54、59-55×2ってことで粟田君の3-0完勝だったんだよね。

 

 

試合後暫くして、帰り際の橋口君が寄ってくれたもんで、

色々感じたことを伝えたんだけど、彼の両目周辺の青タンが痛々しかったなあ。

 

 

 

⑦ 池上渉君(郡山)×村地翼君(駿河男児)……53㎏ 6R

5勝(2KO)3敗1分の28歳・福島県と、1勝(1KO)0敗の21歳・兵庫県。

 

<1R>

開始僅か14秒の東ロープ前、

鋭い踏み込みから村地君がワンツーをヒットさせていきなり池上君がダウン。

 

池上君は両手が体から離れ過ぎてたところを狙われた感じだったんだけど、

シッカリした体幹からの村地君の自信に満ちたパフォーマンスだったんだわ。

 

それほどのダメージを感じさせないままにリスタートした池上君だったんだけど、

やっぱり反応系が危ういままだった1分45秒、またもやって感じで、

村地君の右ストレートが池上君を大きく揺らがせて、

そこから間断のない追込みに繋いだ1分50秒、

連続的に被弾してしまった池上君が2度目のダウンを喰らってしまって、

途端にレフェリーが即のストップエンドで村地君の実に手際のいいTKO勝ち。

 

 

自分は村地君を初めて見たんだけど、彼は多分相当強いんだわ。

 

 

 

⑧ 佐々木蓮君(ワタナベ)×中川兼玄君(三迫)……Fe 6R

7勝(5KO)0敗のサウスポー、23歳・岩手県と、

5勝(3KO)5敗(2KO)の23歳・大阪府。

 

戦績的にも佐々木君が圧倒するって思ってたんだけどね……。

 

自分の右には久保マネ、左側には有岡康輔君、麻生興一さん、岩井大さん、

少し後ろには永田大士さんや吉野修一郎さん達が控えてたんだわ。

 

<1R>

相手の戦績に全く臆することなく、まずは中川君が積極的なプレスプレスで、

特別のクリーンヒットは無かったんだけど、先手は常に中川君だったんだわ。

 

自分には佐々木君が体裁のいい戦い方に拘り過ぎで、

カッコ良くカウンターをヒットさせたがり過ぎのように見えたんだけどね。

 

<2R>

この回も先攻していったのはサウスポーが大好物の中川君の方で、

佐々木君は何だかやり難そうにしてて、

元々のパンチの怖さは圧倒的に佐々木君なんだけど、

一生懸命の手数で中川君が大奮闘。

 

<3R>

セコンドに檄を飛ばされたか、佐々木君が少しばかり飛ばしてきて、

そのテンポアップに中川君が付いていけそうに無くて、

勇気を持って打ち掛かってはいたんだけど、被弾数が増えていったんだわ。

 

<4R>

そろそろ佐々木君に流れが変わるのかと思ってたんだけど、

中川君の積極前詰めは揺るぎなくて、

最初の30秒間に佐々木君の左ストレートと中川君の右ボディが交換されて、

そこから中川君の頑張りが相手の勢いを封じていった感じで、

佐々木君はずっと下がり下がりの中、リズム感が失われていって、

覇気を失ってしまったような表情をしてたんだわ。

 

<5R>

佐々木君は何だか後手後手の淡泊なパフォーマンスに終始してて、

残り1分10秒からのショート戦は何とか征してはいたんだけど、

残り30秒からは却って中川君の逆襲に遭ってたんだわ。

 

ってことであと1ラウンドを残しての自分のスコアは何と、中川君の48-47で、

大番狂わせさえ予感させたんだわ。

 

<6R>

まずは佐々木君の喰い込みのいい左ボディから始まって、

最初の1分間を大きく優勢に運んでたんだけど、

半分を過ぎる頃からはメッキリしてしまって、

直後に佐々木君の軽いヒットヒットを浴びてしまったんだわ。

 

それでも中川君の方にもガス欠感が漂ってきて、

最後のひと頑張りは佐々木君の方が目立ってて、

残り1分、残り30秒からに両方で手数を圧倒したまま終了ゴング。

 

 

ってことで自分は57-57のイーブンだったんだけど結局、

58-54、58-57、57-57ってことで佐々木君の2-0勝ち。

 

 

 

⑨ 芝力人君(RK蒲田)×田中康寛君(輪島S)……F 6R

1勝0敗の22歳・大阪府と、5勝3敗(1KO)2分のスイッチ、29歳・東京都。

 

<1R>

芝君は自分の距離をシッカリ把握してるようで、

ショットの力強さも田中君を上回ってて、自信に満ちた攻め込みだったんだわ。

 

芝君はクリンチワークもとっても巧かったし、

顎を引いたシッカリした構えは相手にとっては当て所が見出し難くかったし、

田中君としてはカウンターに対する警戒も解けないってことか、

手数不足のまま、若干攻めあぐんでるような感じさえあったんだよね。

 

<2R>

少し吹っ切れたか、田中君も先に出を出すようになって、

それと入れ替わって、芝君の狙い過ぎと手数落ちが目立ってきたんだわ。

 

<3R>

お互い、そこそこ振ってる割にはきちんと当て込むまでには至らず、

そこそこいいパンチは左ボディに限られてたんだよね。

 

<4R>

お互いに決め手を欠いてたし、相手の固いガードを崩せないままで、

それをこじ開ける工夫が足りてないまま、クリーンヒットとは程遠かったんだけど、

それでも残り40秒、相手をロープに詰めた所からのラッシュラッシュで、

初めて明らかな攻勢点で芝君が堂々のポイントゲット。

 

<5R>

序盤は二人共、まだまだ動けてたんだけど、

中盤を過ぎる頃から田中君の消耗が目に付くようになって、

顔面も赤く腫れさせながらも、芝君の劣化の無い動きが大きく勝っていって、

残り45秒から如何にも力のこもった左ボディを3発連続打ち込んだんだわ。

 

そのうちの何発目が効いてしまったのかは解らなかったんだけど、

田中君が西ロープまで下がらされて力無く腰を伸ばしたところで、

レフェリーが割って入ってのストップエンドだったんだわ。

 

ってことで2分24秒での芝君のTKO勝ちで、

一旦きっかけを掴んだ時の勢いは実に半端じゃなかったんだけど、

それでもそれまでの試合運びは若干冗長と言わざるを得なかったんだよね。

田中君としては上背とリーチの長さを利して、

試合序盤から相手が嫌がるようなもっともっとの手数が必要だったよなあ。

 

 

 

⑩ 堤聖也君(ワタナベ)×稲元純平君(熊谷コサカ)……B 6R

2勝(2KO)0敗の22歳・熊本県と、2勝(1KO)0敗の19歳・埼玉県。

 

<1R>

この二人の動きはほぼ既にランカーレベルにあって、

お互い、一瞬のタイミング差で必殺のパンチを貰ってしまいそうな感じで、

初っ端からピリピリした緊張感に満ちたやり取りが交わされて、

まずは開始14秒での稲元君の右ストレート がファーストショットだったんだけど、

返しの左フックのクオリティに関しては堤君の方が上回ってたんだわ。

 

で、残り1分頃の二人を比較すると稲元君の顔面の方が赤かったんだけど、

その稲元君も残り4秒からはいい攻め返しを見せてたなあ。

 

ただラウンドを通して思い返してみれば、堤君がやや優勢だったかなあ。

 

<2R>

開始すぐの24秒、お互いの右フックが相打ち気味に交差したその途端、

一瞬バランスを崩してしまったのは稲元君の方で、

西ロープ前で転ぶようにしてダウンしてしまったんだわ。

 

ダメージを引きずらないままにリスタートした稲元君が即の反撃攻勢で、

その後、残り1分16秒、堤君から再度の右フックを貰ってしまったんだけど、

直後にメゲナイ打ち返しを見せてたんだわ。

 

残り32秒、稲元君が一瞬のサウスポーチェンジを見せた後、

二人の気合の入った打ち合いに場内は大盛り上がりだったんだわ。

 

<3R>

ここまでのトータルの被弾数としては間違い無く稲元君の方が多くて、

彼の左目下は相当腫れてきたんだけど、腕振り自体はまだまだ快調だったんだわ。

 

その後、今度は堤君が一瞬のサウスポーチェンジを見せた直後、

またもやレベルの高いやり取りの最中、突然レフェリーが割って入ったんだわ。

 

何?って思ったら稲元君の左目上が大きくカットされてのドクターチェックで、

そのまま即のストップエンドだったんだわ。

 

ハッキリとは見えなかったんだけど、

ヒットカットの原因はあの最中での堤君の右ショットらしくて結局、

1分35秒、堤君のTKO勝ちだったんだよね。

 

 

二人に勢いとか力量の差は殆ど無かったんだけど、

堤君の方が左手の使い方が巧かったっていう印象だったんだけど、

84勝17敗と37勝7敗っていう輝かしいアマ戦績通りの一戦だったんだよね。

 

 

 

【本日のベスト5ボクサー】

① 堤聖也君

② 粟田祐之君

③ 稲本純平君

④ 中川兼玄君

⑤ 丸谷雄亮君

2018年9月 4日 (火)

青葉の森センター・9月2日

 

2b4222c41fe6449fb225f7e6e64a1d30

“青葉の森公園芸術文化センター”

 

 

 

久し振りの出張マチネー・ボクシング観戦で、

家を出たのが10時で現地到着が12時を少し回ったところだったんだわ。

 

東京駅で京葉線に乗り換えて終点の蘇我駅まで行って、

そこからバスで15分ほどだったね。

 

人生で初めて京葉線ってのに乗ったんだけど、

東京駅で乗り換える為にエスカレーターで下ること4回、

動く歩道を3台も乗り継ぐっていう、美佐子マネが言ってたような小旅行だったなあ。

 

会場は大規模な緑地公園の中にあって、

普段はクラシックのコンサーも出来るような音響設備を備えてるホールで、

座席も後楽園ホールとは比較にならないほどの座り心地の良さだったんだわ。

 

 

入場してすぐ、瀬端さんご一家と挨拶を交わして、

本多会長と奥様、それに美佐子マネともコンチワコンチワして、

三迫ジムの久保マネともご苦労様ですを交わして、

一力ジムの中村トレとか美佐子ちゃんの友人の竹下さんともヤアヤアしたんだわ。

 

その後、ボクサー時代からの知り合いの石田將大さんに挨拶して、

この日は未羽ちゃんと親父さんが一緒に来てたんだけど、

この4歳くらいの未羽チャンが信じられないほど人懐こい子で、

初対面だっていうのに沢山話をしてくれて、

あっちこっち触って来るほど人見知りをしないもんで驚いてしまったなあ。

 

親父さんは自分のこの日の出張観戦を美佐子マネに聞いたってことで、

わざわざお土産まで用意して下さったんだわ。

 

 

12時半開始、全部で6試合が組まれてたんだけど、

場所が変わって自分の集中力に支障が生じたせいか、

血沸き肉躍るっていうような試合が無かったんだよね、正直……。

ただ、手作りの興行っていう温かい感じがとっても心地良かったなあ。                                                              

 

 

① 笠井亮君(石丸)×前林良則君(伴流)……58㎏ 4R

デビュー戦の31歳・山梨県と、デビュー戦の25歳・大阪府。

 

<1R>

お互いにたどたどしい雰囲気が抜けてなかったんだけど、

パンチのシッカリ感では31歳デビューの笠井君が上回ってたね。

 

<2R>

前林君も慣れて体がこなれてきたか、多少ガンガンいけるようになって、

笠井君の方が顔面の傷みが進んでたんだわ。

 

<3R>

普通ならここからが盛り上がるところだったんだけど、

二人共、いきなりメッキリ感に襲われてしまって、

メリハリの無いパフォーマンスに終始して、スタミナ不足が著しかったんだよね。

 

<4R>

どちらが最後のひと踏ん張りを見せるかってところだったんだけど、

お互い今一飛ばし切れず、若干の手数差で笠井君が優勢なままの残り30秒、

前林君がバランスを崩し加減だったところに笠井君の左フックがヒット。

 

大きく体を揺らがせてしまった前林君もそれで火が付いたか、

懸命に頑張り直したんだけど大きく挽回するまでには至らず終了ゴング。

 

 

ってことで、自分は39-37だったんだけど結局、

40ー36×2、39-37ってことでやっぱり笠井君の3ー0勝ちだったんだわ。

 

 

 

② 宮本廉也君(木更津GB)×向山太尊君(ハッピーBOX)

                     ………SB 4R

デビュー戦の20歳・?県と、0勝1敗(1KO)の29歳・神奈川県。

 

<1R>

まるで事前に打ち合わせをしていたかのように、

開始ゴングと同時に激乱打戦が始まったんだけど、

1分を過ぎる頃からは向山君の勢いの方が勝っていって、

赤コーナーポスト前で左ストレートをハードヒットさせてダウンゲット。

 

何とかリスタートした宮本君だったんだけど、

気持ちも体力的にも立て直しが出来ないまま一気の追撃を喰らってしまって、

最後はロープ際まで飛ばされてしまったところでレフェリーストップエンド。

 

ってことで1分32秒、向山君の初勝利TKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

③ 阪田壮亮君(本多)×川端哲也君(姫路木下)

                       ………68.5㎏ 6R

5勝(2KO)5敗(3KO)1分の24歳・千葉県と、

5勝(1KO)11敗(7KO)1分の32歳・兵庫県。

 

<1R>

この重さにしても川端君は如何にもスピード感に欠けてて、

この分なら阪田君が楽勝かなって感じの立ち上がりだったんだけど、

その阪田君も自分の中のイメージとは随分違ってて、

必ずしも相手を舐めてた訳ではなかったと思うんだけど、

中間距離を諦めて詰め寄っての左右フックでお茶を濁してる感じだったなあ。

 

<2R>

川端君はもう10年もボクシングを続けてて、あと1勝でA級昇格なんだけど、

中々難しそうなパフォーマンスだったんだけど、

同じ条件の阪田君からも昇級に対する意欲とか気概が伝わって来ず、

何だかダラダラのやり取りが続いてたんだよね。

 

 

ってことで自分はここで離席したんだけど結局、

58-56×2、57-58ってことで阪田君が2-1辛勝だったんだわ。

 

 

ロビーをブラッとしてふと気が付いたら小野心さんがソファーに座ってて、

この日のメンバーには彼が関係するボクサーは出てない筈だったもんで、

千葉まで遠征してきた理由を聞いたら、

山崎武人さんの引退式に立ち会うってことだったんだわ。

 

 

 

④ 今川未来君(木更津GB)×水谷直人君(KG大和)……B 6R

8勝(2KO)4敗(1KO)のサウスポー、22歳・千葉県と、

4勝(2KO)4敗(3KO)1分のサウスポー、29歳・神奈川県。

 

サウスポー同士の一戦だったんだけど、

今川君が圧倒するんじゃないかって思ってたんだけどね……。

 

 

この試合は3Rでの偶然のバッティングで水谷君の右目上が傷んでしまって、

それが原因で4R1分51秒に負傷ストップになってしまったんだけど、

この日の今川君は初っ端からずっと信じられないほど動きが悪くて、

まるで別人かと思われるほどだったんだわ。

 

必ずしも精度は良くなかったんだけど、水谷君の勢いが半端じゃなくて、

前の日に試合を終えたばかりの阿部麗也さんの声援を受けながらの頑張りで、

今川君は常に後手後手を踏まされたまま負傷判定になって、

40-37、39-37×2ってことで水谷君の圧倒的3-0勝ちだったんだよね。

 

 

 

⑤ 岩原慶君(本多)×川西真央君(三迫)……L 8R

8勝(4KO)5敗(2KO)のサウスポー、28歳・埼玉県と、

6勝(2KO)3敗(1KO)の24歳・東京都。

 

岩原君はランク15位なんだけど、

ファイトマネーとしては普通のA級としての処遇しか受けていないもんで、

取り敢えずのところは協会に対する抗議の意味も含めて “君” ってことで……。

 

<1R>

これが初の8回戦になる川西君が若干気負い過ぎてたか、

腕振りが大きくなるところを岩原君がかいくぐってのショート連打で先制先制。

 

川西君としては最初の右一発ドカン系を外した時のフォローが打ててなくて、

もう少し攻撃に工夫が欲しかったところだったんだよね。

 

<2R>

開始20秒ほどからの振り合いの際には危険なタイミングもあったんだけど、

結果的に打ち勝ったのは岩原君の方で直後、

連続被弾して若干消耗が見られた川西君を一気に攻め立てて、

右からの左フックをアッパー気味に打ち込んでいきなりのダウンゲット。

 

何とかリスタートした川西君だったんだけど、

再開後は更に大振りが目立ってたんだよね。

 

<3R>

川西君が若干立て直せたのは岩原君が休み気味だったことに支えられて、

実はこの辺から少しづつ試合全体が緩んでいったんだよね。

 

<4R~6R>

折々の攻勢はやっぱり岩原君で、

川西君は力を溜めながらの単発に終始してたんだけど、

明らかな中弛み状況は改善されないままで、

お互いの攻守のパターンが固定化してしまっての退屈退屈で、

6Rの中盤頃から7R終了まで座り心地のいい椅子で寝てしまったんだわ。

 

<8R>

川西君が右2発を連続ヒットさせて、

その2発目で岩原君が大きくヨロケてしまって、

この回のポイントは明確に川西君がゲットしての終了ゴング。

 

 

結局は岩原君が3-0勝ちしたんだけど、

発表されたスコアは意外なほど接近してて77-74×2、77-75ってことで、

2Rでのダウン劇が無かったら緊張の判定になるほどの微差だったんだよね。

 

 

 

⑥ クドゥラ・金子君(本多)×ジョエル・デラ・クルス……W 8R

7勝(4KO)0敗の20歳・アフガニスタンと、

20勝(8KO)26敗(12KO)3分の32歳・フィリピン。

 

デラ・クルーズは2年半ほど前、高山樹延さんとOPBFタイトル戦を戦ってて、

その時は6RKO負けしてるんだけど、

この戦績程度だと今のクドゥラ君にはひとたまりもないんじゃないかなあって、

事前にそう思ってたんだけど、実はね、

リング上で記念イベントをやってた際に外を散歩してるうちに終わってしまって、

2R0分23秒でのクドゥラ君のTKO勝ちを見逃してしまったんだよね、トホホ……。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 特にナシ

② 特にナシ

③ 特にナシ

2018年9月 3日 (月)

後楽園ホール・9月1日

 

75398fd331cf47d98bb208898080d2ef

“愛なき世界”

 

1964年、“ピーター&ゴードン” のデビュー・シングルで、

ポール・マッカートニーが作詞作曲してプレゼントした曲なんだわ。

 

左が低音担当のゴードン・ウォーラー、右が高音を受け持つピーター・アッシャーで、

実にとってもバランスのとれたデュオだったんだわ。

 

P・マッカートニーが何故彼らに楽曲を提供したかっていうと、

当時彼がピーターの妹のジェーン・アッシャーと付き合ってたからなんだよね。

 

彼らのヒット曲には他に “エニー・デイ・ナウ” とか “アイ・ゴー・トゥ・ピーセス”

“ベイビー・アイム・ユアーズ” “つのる想い” なんかがあるんだけど、

たまに聞いた時の心地良さは半端じゃないんだわ。

 

 

 

1日遅れの観戦記ではありますが……。

 

梶颯さんの親父さんが、今度会ったらコーヒーを飲みましょうって、

以前、ブログにコメント入れてくれたもんで、

少し早目にホールの前で探したんだけど見つからないまま始まり、始まり……。

 

この日は全てが8回戦以上で、それもメニュー的にも極上だったんだわ。

 

 

 

① 梶颯さん(帝拳)×何チャラ・何チャラ……SF 8R 

10勝(8KO)0敗のランク10位、21歳・神奈川県と、

3勝(2KO)1敗の国内10位、22歳・タイ。

 

相手のタイボクサーには横浜光ジムの胡さんがヘルプセコンドに付いてたんだけど、

まあ2Rくらいまでかなあって思ってたんだけどね……。

 

<1R>

そこそこイケメンのタイボクサーは結構な乱暴系で初っ端からいきなり飛ばしてきて、

最初の20秒間を元気に飛び跳ねてたんだけど、

そもそもそういう乱暴系は梶さんの大好物で、

そんならって感じで飛ばし返していったら1分を過ぎる頃からはほぼ一方的で、

タイボクサーの顔面が見る見る赤く腫れてきて、

これは思いの外早い決着になるかなあって見てたんだわ。

 

結局は10:8.5ほどもの大差が付いてしまったんだけど、

普通は早めに諦めて簡単に倒れてしまうタイボクサーがそこそこの頑張り屋で、

終盤には鋭い右フックを貰って大きく体を揺らがせてたんだけど、

それでも梶さんの絶妙な打ち分けに必死に耐えてたんだわ。

 

<2R>

相手が更に気持ちを吹っ切って仕掛けて来たんだけど、

単純な左右フックオンリーの打ち出しは解り易くて、これなら大丈夫だって感じで、

梶さんも真正面から挑んでいって、たまに危険なタイミングもあったんだけど、

アッパーを組み込んでの持ち前の多彩なショートブローで圧倒圧倒。

 

1分18秒、返しの左フックを起点に梶さんが一気のスパートで、

あっと言う間に北西ポストに追い込んで雨あられの打ち込みでダウンゲット。

 

リスタートしたタイボクサーはまだまだケンカ腰を維持してたんだけど、

反撃に至らないままだった残り51秒、

今度は赤コーナーポスト近くに追い込まれてしまってのボコボコ被弾で、

見かねたレフェリーが割って入ってのストップエンドで、

2分10秒、梶さんの圧倒的なTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

梶さんの圧倒的なスピード感と力強さを目の当たりにすると、

気持ちの弱いボクサーやリスクを張るのを嫌がるジムは、

彼と試合をするのを避けるっていうのが良く解るんだよね。

 

 

試合後暫く経ってから梶さんとバッタリしたんだけど、

相手の動きが見えていた証拠か顔は全くどこも傷んでなかったんだけど、

自分を探してたっていう彼の親父さんとは最後まで会えなかったんだわ。

 

 

筒井さんと久し振りのコンチワコンチワして、

この間から知り合いになった昆虫に詳しい学術系の先生に、

ヒアリとアオバアリガタハネカクシとではどっちが危険なのかを教えて貰って、

第2試合の始まり始まり……。

 

 

 

② 高橋竜平さん(横浜光)×草野真悟君(三迫)……Fe 8R

15勝(6KO)3敗(1KO)1分のランク12位、28歳・新潟県と、

11勝(4KO)6敗(2KO)1分のサウスポー、29歳・福島県。

 

<1R>

フットワークの鋭さなら高橋さんの方かなあって思ってたら、

5~6㎝ほど上背優位な草野君も結構動けてて、

最初のクリーンヒットはその草野君の引っ掛け気味の右フックで、

その後もそれを起点にした左ストレートで草野君が先制先制。

 

で、早くも高橋さんの顔面が赤くなっていったんだけど、

1分30秒過ぎに高橋さんの右と草野さんの左って其々のストレートが交換されて、

そこから一気に距離が縮まって残り1分からの高橋さんの勢いが増していって、

逆転系のポイントゲットだったんだわ。

 

<2R>

高橋さんの詰め詰めガンガンに草野君が嫌気を差しそうで、

最初のきっかけは常に高橋さんの仕掛けから始まって、

草野君はリズム感と距離感が悪くなって手遅れ気味にもなっていったんだわ。

 

相変わらず高橋さんの方が攻めてる感じを充分出してたんだけど、

残り45秒から草野君が気持ちを立て直しての頑張り直しで、

手数的にはまだまだ後れを取ってたんだけど有効打の多くをゲットしてたんだわ。

 

<3R>

草野君のバックステップが功を奏してきて、高橋さんのパンチが届き難くなって、

1分15秒辺りから高橋さんも踏み込みの鋭さを増していったんだけど、

それでも残り30秒からの打ち合いは若干草野君が優勢に終えてたんだわ。

 

<4R>

開始17秒、絡み際の高橋さんの右ショートがいい感じでヒットして、

草野君としては距離が詰まる前にもう少しの手数が要るところだったんだけど、

いずれにしても高橋さんが得意のゴニョゴニョ戦に持ち込むことに成功してたなあ。

 

草野君も残り50秒には左ストレートを2発ヒットさせてたんだけど、

それまでの高橋さんの攻撃を上回るまではいってなくて、

このままで終わるかと思ってた残り12秒、

若干目立ち始めてた高橋さんの頭が低くなりがちだったのを見咎められて、

それまでも軽い注意は受けてたんだけど、

いきなりヘッドバッティングで減点されてしまったんだわ。

 

それは自分には少しばかり唐突過ぎた感じがして、

「あと1回やったら原点だぞ!」 って強い明確な注意があってしかるべきだって、

そう思ったんだよね。

 

ってことで自分のスコアとしては9-9だったんだよね。

 

<5R>

拮抗したスコアの中、そろそろ勝負どころに差し掛かって来た訳で、

まずは開始8秒、高橋さんの右ストレートがヒットして、

草野君としては真面目さ一方だけではなくて、

もう少し攻め方の工夫が要るところだったし、

相手が入って来るところに左を合わせられないかってところでもあったんだけど、

残り1分頃からは草野君のフック系のストロークが大きくなり過ぎだったんだわ。

 

ってことで、5Rを終えての自分のスコアは47-47のイーブンだったんだよね。

 

<6R>

草野君の動きに若干の緩みが見えてきた一方、

高橋さんは全く動きに劣化が見られず、

残り1分からの接近手数戦を征してたんだわ。

 

草野君も途中途中で左を当て込んではいたし、

残り10秒からの巻き返しに気持ちを見せてたんだけど、

高橋さんの右の方が印象的なヒッティングだったんだよね。

 

<7R>

草野君の手数落ちが目立ってきて、正確に当て切れてもいなくて、

高橋さんの気持ちの強さの方が目立ってきて、流れが傾きつつあったんだけど、

残り1分からの死闘系で草野君も立て直していってたんだわ。

 

ただ、草野君としてはホントはもっと以前からボディブローを打つべきであって、

高橋さんの山ほど手数の前にボディブローはリスクが高かったんだろうけど、

相手の足を止める方策に欠けてたと言わざるを得なかったんだよね。

 

結局、お互いに目覚ましい有効打に欠けたままだったんだけど、

出してた手数の差で高橋さんかなあ……。

 

<8R>

三迫会長の檄に後押しされて、草野君も最後の気持ち出しての先手先手で、

最初の1分間を優勢に進めて、その後高橋さんも盛り返して、

残り1分からのそれこそ正に死力を尽くしてのやり取りは、

高橋さんが優勢だったんだけど、序盤の有効打でやっぱり草野君だったなあ。

 

 

ってことで自分は76-75で僅かに高橋さんだったんだけど結局、

77-74、77-75、77-76で高橋さんの3-0勝ちだったんだわ。

 

 

 

③ 宮崎辰也君(マナベ)×近藤明広さん(一力)……SL 8R

9勝(9KO)11敗(8KO)1分の34歳・富山県と、

30勝(17KO)7敗1分のIBF4位、33歳・埼玉県。

 

宮崎君は相変わらずのハードマッチメイクで、

長嶺克則さんがヘルプセコンドに付いてたね。

 

この日の宮崎君は何だかやる気が無さそうと言うか、

弱々しそうな素振りのリングインで、新しいパターンを模索中のようだったんだわ。

 

<1R>

まずは宮崎君のプレスから始まって、

近藤さんは間合いを見計らいながらの左ジャブからの様子見だったんだわ。

 

全体のスピード感は近藤さんが上回ってたんだけど、

宮崎君の方も冷静な立ち上がりを見せてて、

彼は初っ端からもっとガンガン振り込んで来るって予想してたもんで、

近藤さん陣営は若干面食らった様な感じだったんだよね。

 

残り13秒での宮崎君の左フックの上下打ち分けの有効度も高かったんだけど、

ラウンドを通じての近藤さんの左ジャブの精度と強度が圧してたんだわ。

 

<2R>

開始8秒、近藤さんの右フックがハードヒットして始まって、

早くも宮崎君の顔面が赤く腫れていって、

その後も近藤さんの角度を工夫した右フックがグッドグッドで、

前振りの少ないところから大きなショットを狙い過ぎる宮崎君にはシンドイ展開で、

一発を警戒する近藤さんに中々正確に当て切れてなかったんだわ。

 

残り29秒、近藤さんの右フックが2発連続ヒットしてリング中央で宮崎君がダウン。

思わず片膝を着いてしまった宮崎君が何とか凌ぎ切ってラウンド終了ゴング。

 

<3R>

近藤さんは下がりながらサークリングしながら脚の長い正確なヒッティングで、

プレスを欠かさない宮崎君もいい感じの右フック、右アッパーを当ててたんだけど、

今一当たりが薄くて、大きな効果を上げ切れないままだったんだわ。

 

1分17秒のリング中央、お互いの右が相打ち気味に振り出されていった瞬間、

一瞬早く正確にヒットしたのは近藤さんの右の方で宮崎君がまたもやのダウン。

 

何とかリスタートした宮崎君だったんだけど、

前の回から目立ってた鼻血が酷くなってて、ダメージも引きずってたんだけど、

近藤さんの追撃の手際の悪さも手伝ってはいたんだけど、

宮崎君も必死の踏ん張りで、1分半ほどの苦しい時間帯を凌ぎ切ってたんだわ。

 

<4R>

宮崎君がまだやれるのかが最大のポイントになっていった中、

その後は近藤さんの猛攻に晒されることが多くなっていったんだけど、

その直前の左ボディからの右フックにまだまだの戦意を見せてたんだわ。

 

宮崎君の強打に触れて近藤さんの警戒感が更につのったか、

かなり足元が覚束なくなってきた宮崎君を攻め切れてない感じが強かったんだよね。

 

それでも近藤さんが宮崎君をいたぶってるような感じが拭えなくなってきたし、

ってことで最早勝負あったのは間違いなくて、

エンディングが近くなってしまったもんで一旦離席したんだよね。

 

 

ってことで結局、次の5R、3度目のダウンを経た0分55秒、

近藤さんのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

試合度暫くして同じボーダーのトップスで応援に来てた長嶺克則さんと加藤港君、

その後には真部会長と少しばかり言葉を交わしたんだけど、

肝心の宮崎君本人とは会えず仕舞いだったんだよね。

 

その代わりというか、ロビーで宮崎君の母上に声を掛けられて、

抱っこしてたのは晴太クンだったんだけど、

この子がまあ全く人見知りをしないいきなりのニコニコボーイで、

ハイタッチなんかしてくれたんだよね。

 

 

 

④ 阿部麗也さん(KG大和)×野口将志君(一力)

                       ………58.5㎏ 8R

17勝(8KO)2敗のランク1位、サウスポー、25歳・福島県と、

12勝(6KO)10敗(8KO)1分の27歳・山口県。

 

阿部さんのトランクスは “天才ですから” から “天才?” に代わって、

最近は “天才♪” になってて、8分音符ってところが中々お洒落なんだよね。

 

<1R>

阿部さんが極上のプレスを掛けながら始めてて、

とにかく、彼の前の手を出すタイミングが抜群で、

野口君は如何にも入り難そうにしてたんだわ。

 

いつものように若干広めのスタンスの阿部さんのリズム感が実に軽やかで、

上半身とか頭の角度にも工夫を凝らしてて、とってもいい感じだったなあ。

 

<2R>

開始46秒、野口君の右フックが薄くヒットしたんだけど、

そこから激しい打ち合いに移行させることが出来なくて、

阿部さんの方も自らのランキングを考慮すると、

敢えての危険な打ち合いは避けたい雰囲気も漂ってての小康状態。

 

それでも1分25秒、阿部さんが右からの左ストレートを綺麗にヒットさせて、

彼のポイントを奪う感覚はとっても優秀で、

残り15秒での右アッパーからの左ストレートなんかとっても美しくて、

思わず惚れ惚れするほどだったんだわ。

 

野口君としてはどこかで若干乱暴系になってでも突っ込んで行かないと、

中々チャンスが訪れそうになかったんだよね。

 

<3R>

必ずしもハードでは無かったんだけど、阿部君の綺麗なヒッティングが続く中、

野口君はまだまだ自分から行けないままで、

何だかランキングの格のようなモノに負けてしまってる感じで、

ラウンドが進むごとに1ポイントづつロスしてるって感じが拭えなかったんだわ。

 

<4R>

クリンチ際も却って頑張り手数だったのは阿部君の方で、

野口君も開始1分までに右ショートを3発させてはいたんだけど、

阿部君の左と比較するとその強さには大きな差があったなあ。

 

残り1分からの阿部君の左ストレートボディもそこそこの喰い込みで、

野口君からは明らかにそれを嫌がる素振りが見て取れたんだよね。

 

その野口君としては絡んだ所でのもうひと踏ん張りが欲しいところだったなあ。

 

ってことで最早勝ち負けの行方が見えてきてしまったモンで一旦休憩タイム。

 

 

結局、阿部さんが5R、6Rにダウンゲットした末の2分25秒でのTKOエンド。

 

 

ランク1位を背負った上でのパフォーマンスだったせいか、

試合後の阿部さんは反省しきりだったようだったんだけど、

自分としてはあのくらいの慎重さは充分必要だと思ったんだけどね……。

 

 

 

⑤ チャールズ・ベラミー(横浜光)×清水優人さん(木更津GB)

                       ………151P 8R

27勝(18KO)3敗2分のランク7位、37歳・アメリカと、

12勝(5KO)3敗2分のランク8位、30歳・千葉県。

 

チャールズのセコンドは帝拳と横浜光が混ざってたね。

 

二人共、全く広告シールの張ってない黒い練習用トランクスだったなあ。

 

<1R>

開始1分08秒、チャールズの右クロスが最初のクリーンヒットで、

清水さんの方は若干気後れ気味の先攻め不足だったなあ。

 

上背で10㎝ほど優位な清水さんなんだけど、

無為に下がらされる場面が多くてジャブが絶対的に不足してたんだわ。

 

<2R>

チャールズもボディショット抜きのままだったんだけど、

それでもまだ攻勢点は彼の方で、

清水君も多少アップしていったんだけど、

ポイントを取るまでにはいってなかったなあ。

 

<3R>

清水君の目立った攻撃は右ボディくらいに留まってたんだけど、

その後は小さいパンチの積み重ねて、

チャールズの右フックを僅かに上回ってたんだわ。

 

<4R>

初っ端チャールズが手数をアップさせていったんだけど、

1分過ぎからは明らかに手数落ちが目立ってきて、

右ショットも単発で当たりも薄かったんだわ。

 

チャールズの動きが今一だったせいか、

清水さんが自分の距離を維持し始めて、

相手が打って来る前に打って、直後にすぐ離れるって感じだったんだわ。

 

<5R>

気が付けば顔面の傷みが進んでいるのはチャールズの方で、

どこかで一発右ドカンを実現できないとかなりシンドそうで、

清水さんの方が感じを掴んだような印象で、

残り30秒にはチャールズも左右フックを捻じ込んで何とか巻き返してたんだけど、

チャールズからはそれ程の恐怖感が漂って来なかったんだよね。

 

<6R>

まずチャールズが左フックで清水さんの顔面を跳ね上げてたんだけど、

1分30秒での左フックでチャラにされてたんだわ。

 

アレッて思ったのはチャールズのパンチの威力の無さで、

かなり綺麗にヒットさせても清水さんを大きく揺らがせるまではいってなくて、

以前ならそれはエンディングへのパンチに繋げてたのに、そうはならなくて、

却って手数の少なさと攻撃の単調さを浮き出させてたんだよね。

 

その合間合間を縫って清水さんが細かく攻め込んでたんだよね。

 

ってことで、ここまでの自分のスコアは57ー57のイーブン。

 

<7R>

チャールズがギアアップ出来ないままに当たりの軽いショットを繰り返してて、

自分には別人感が拭えなくなって、下唇をヒットカットされてたんだわ。

 

<8R>

派手さは無いんだけど清水さんのコツコツ真面目なボクシングが支配してて、

チャールズが一本調子から脱却できないまま終了ゴング。

 

 

ってことで自分は77-75で清水さんだったんだけど結局、

77-76×2、76-77ってことでチャールズが際どい勝利をゲット。

 

 

 

⑥ 齊藤裕太さん(花形)×菊地永太さん(真正)

             ………日本 B級王座決定戦 10R

10勝(7KO)9敗(1KO)3分のランク2位、31歳・神奈川県と、

20勝(8KO)5敗(3KO)4分のランク3位、32歳・大阪府。

 

齊藤さんは負け越してもいるし、一度は引退を考えたこともあったみたいなんだけど、

そういうボクサーが何とかチャンピオンになるところを自分は是非見たいと思ってて、

それに彼は翌日に誕生日を控えてたし……。

 

ベルトとサイドにブルーラメのラインの入った白いトランクスそれに、

白いシューズと黒のハイソックスって、まるで事前に二人で打ち合わせたかのような、

まるでお揃いのイデタチだったんだわ。

 

<1R>

齊藤さんのガードがとってもシッカリしてるもんで、

菊地さんのジャブが当たり難くて、

菊地さんとしてはそこからのワンツーが主力武器なんだけど思うに任せず、

リーチを生かし切れないままスピードの乗りも良くなかったんだわ。

 

プレスに関しては終始齊藤さんが主導権を握ってて、

軽微なヒット差ではあったけど、まずは齋藤さんがギリギリのポイントゲット。

 

それにしてもこの日の齊藤さんはいつもの彼とは違ってて、

最初っから積極的に仕掛けるって決めてたみたいで、

それは直近の幾つかの試合からの反省からのようだったんだわ。

 

<2R>

見ての通り齊藤さんは顔がデカイから、元々被弾リスクが大きくて、

そのハンデを背負ってることがガードに対する配慮を増してて、

結果的には菊地さんに攻撃のきっかけを与えないままだったんだわ。

 

その菊地さんは不思議なことに殆ど左ボディを打っていかなかったし、

ガードの上からでも思いっ切り右フックを叩き込んでガードを動かすって事もしなくて、

殆ど為す術を見つけられないまま顔面の赤味が増していって、

齊藤さんの角度のいい右ショートアッパーを貰ってたんだわ。

 

自分が薄っすら覚えてる菊地さんはこの日はちょっと違ってて、

どう戦っていいか踏ん切れないままのように見えたんだよね。

 

で、残り1分15秒からは齋藤さんの後先を考えてないようなラッシュが始まって、

菊地さんを北ロープに押し付けたままの左右ドコドコフックを雨あられで、

そこから抜け出せなかった菊地さんも何発かは応戦してたんだけど、

勢いを止められないまま、齊藤さんが残り40秒から更に一気度を上げていって、

最後は赤コーナーに追い詰めて最後の仕上げをしてたところで、

2分33秒、レフェリーが割って入ってのTKOエンドだったんだわ。

 

 

試合前にちょっとだけ齊藤さんと木村トレと話をする機会があって、

自分が思ってたことを伝えてたんだけど、

試合後は一緒になって大喜びしたんだよね。

 

花形会長も嬉しそうに彼の戦い方を褒めてたなあ。

 

試合終わりとドームのコンサート終わりがモロ・バッティングしてしまったもんで、

時間潰しに20分ばかりフラフラしてたんだけど、

偶然、菊池永太さんと二人だけになるチャンスがあったもんで、

「お疲れさんでした。」 ってクールタイプのウェットティッシュを渡したら、

もしかしたらって自分の素性を確かめられてしまって、

実は自分は彼のことを褒めた記憶が無かったもんで、

「こりゃ、マズイ。」 って瞬間に思ったんだけど、ああ見えて彼はかなりの太っ腹で、

正直に書いてくれるのがいいって言ってくれたんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 齊藤裕太さん

② 阿部麗也さん

③ 梶颯さん

 

 

 

【村木田渾身競馬】

9月2日と3日の競馬は結局145%の回収率で終えたんだけど、

今年最大の痛恨だったのが2日の小倉11Rで、

折角12番人気を拾い上げることが出来たのに2着馬の選定に際し、

ジョッキーランクと先行力のうち先行力の方をより重視してしまって、

結果的には膨大な配当を逃してしまったんだよね。

 

自分の中ではジョッキーランキングと馬の先行力のバランスが永遠のテーマだな。

2018年9月 2日 (日)

お知らせ!

 

5dfa5c4221db440b9567f3cb0c1db888

 

 

 

通常、試合観戦記は翌日の昼前後にアップすることにしてるんだけど、

今日は千葉での試合を見る為に10時頃には外出しなければならなくて、

それまでに植木鉢に水をやらなければならないし、

競馬の予想もしなくてはならなくて……。

 

こんなブログでもメモを見ながらその試合全体を思い返しながら書くもんで、

およそ3時間ほども掛かってしまうもんで、今日のアップは無理ってことで、

昨日の試合のことは明日9月3日(月)、今日の試合のことは9月4日(火)に、

其々アップさせて戴きますので何卒ヨロシクってことでして……。

 

« 2018年8月 | トップページ | 2018年10月 »