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2017年9月 7日 (木)

PLANET 9 (5)

 

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≪移籍と移籍金について≫

 

 

(1) 移籍と移籍金の実態

JBCのルールブックのどこを調べても、

協会規約のどこにも移籍や移籍金のことが書かれた条項は皆無で、

だから常に移籍にまつわるトラブルの種が尽きない訳で、

それに嫌気を差して辞めていくボクサーの数も半端じゃないんだわ。

 

JBCにしろ協会にしろ、定められたファイトマネーの支払いと、

移籍や移籍金に関する罰則付きの規則を一日も早く確立する必要がある訳で、

このまま無為に放置し続けると、そのうち業界そのものが自己崩壊してしまうか、

強烈な外圧がかかって好まざるガラガラポンの憂き目にあってしまうんだわ。

 

その昔、50~60年ほど前のプロボクシングの黎明期の頃、

聞いた話だとボクサーがジムを移籍する際に必要だった金額は、

そのボクサーの1試合分のファイトマネー相当額だったらしいんだけど、           

その後、商品としてのボクサーの価値が増すにつれ、

若干から膨大、法外な色を付けるっていう悪習が定着してるんだわ。

 

ことほど左様に移籍や移籍金に関しては何の歯止めが無いもんで、

場合によっては在籍ジム側のやりたい放題がまかり通ってて、

普通のA級ボクサーに200万も300万も要求するジムも稀ではなくて、

感情的なもつれがあるケースでは2,000万、3,000万円っていうのもあるし、

そもそも移籍届けにサインしないっていう底意地の悪いジムも多いんだよね。

 

 

 

(2) 移籍希望のきっかけ

そもそもボクサーがジム移籍を希望するに至ったケースには色々あって……、

 

☆ 勤務先が変わった。

☆ 事情があって引っ越さざるを得なくなった。

☆ トレーナーを変えたい。

☆ 練習環境を変えたい。

☆ ちゃんとしたマッチメイクをしてくれない。

☆ ちゃんとしたファイトマネーを支払って貰えない。

☆ ジムの会長やマネジャーとの人間関係が崩れた。

 

等々が一般的なんだけど、

何にしても日々ストレスを抱えながらの練習では上達のしようもなくて、

精神衛生上も不健康この上ないんだよね。

 

そこのジムには居たくないっていう気持ちが芽生えたら後戻りはし難くて、

それは男女間に生じた不和と変わることがなくて、

余程の事が無い限り関係の修復はほぼ不可能だと思うんだよね。

 

所属ジム側からは育てた恩を忘れたのかとか、

簡単に移籍を認めたらジム経営が成り立たないって声がすぐ上がるんだけど、

育ててくれたっていう恩は毎月の月謝や、

試合ごとのマネジメント料の中に込々で返してるんだし、

そもそも魅力のないジムに閑古鳥が鳴くのは至極当然のことだと思うんだよね。

 

 

 

(3) ファイトマネーと移籍及び移籍金に関するジムのパターン

そのパターンには四つが考えられる訳で・・・・・・、

 

① 規程のファイトマネーも支払うし移籍金も取らない。

② 規程のファイトマネーは支払うが妥当な移籍金も取る。

③ 規程のファイトマネーは支払わないが移籍は自由。

④ 規程のファイトマネーも支払わず移籍金もボッタくる。

 

①は必ずしも都内の大手ジムに限られた話ではなくて、

経営者の考え方次第で小規模のジムでもちゃんとしたジムは幾らでもあって、

プロを目指す練習生は色んな情報を幅広く集める必要があるんだわ。

 

ファイトマネーにまつわる悪徳系ジムは移籍に関する場面でも大活躍で、

約束されたファイトマネーを支払ってこなくて、

200万、300万、あるいはそれ以上の不払い分があるにも関わらず、

全く臆面も無く更に200万、300万もの移籍金を吹っ掛けるケースも珍しくなくて、

これはもうボッタクリバーと殆ど変わりないんだよね。

 

そういう風にしないと潰れてしまうっていうのなら、

いっそのこと潰してしまった方がみんなの幸せになる訳で、

それによってジムの数が半分になろうと3分の1以下になろうと、

同門対決を避ける方策は幾らでも考えられる訳で、

極論すれば日本には30~50ほどのジムで十分なんじゃないのかなあ……。

 

ジムの加盟金や会費でJBCや協会が食えなくなるっていうなら、

適正規模まで縮小すればいい訳だし……。

 

 

 

(4) 将来に向けての移籍金のあり方

諸般の事情を鑑みて自分は必ずしも移籍金ゼロを主張するものではなくて、

ファイトマネーと同様に予め妥当な金額を設定するべきだと思ってて、

それは其々のボクサーのファイトマネーを基準にするのが解り易くて、

これは殆どジャストアイデアなんだけど、

基準ファイトマネー相当額からその2倍額ほどが、

適当じゃないかって思ってるんだけど、どうかなあ……。

勿論、そのジムが規程通りのファイトマネーを支払ってることが前提だけどね。

 

追加分チケットを200枚、300枚も捌くボクサーと、

数10枚しかオーダーしないボクサーとではジムに対する貢献度が違うから、

同じ扱いをするのは納得できないっていうジムもあろうかと思うんだけど、

それを言い出したらキリがないからどこかで一線を引く必要があるんだわ。

 

 

 

(5) 移籍に関するトラブルの解決法

ファイトマネーの支払いや移籍や移籍金の問題にしろ殆どが無法状態なもんで、

それらに関するトラブルは延々絶えなくて、特に前述した④の場合なんかだと、

ボクサーは日々孤独な戦いを強いられてるんだけど、

我慢の限界を感じたらやっぱり移籍に向けて動くしかないんだよね。

 

碌なファイトマネーを支払ってこなかったにも関わらず、

その上更に法外な移籍金をジム側が要求してきたような場合には

幾つかの対処方法があって……、

 

 

① 改めてジム側と交渉する。

不払い分のファイトマネーと移籍金とをチャラにすることを条件に、

移籍届けにサインをするように求める。

もし応じてくれないなら別の手段を考えると伝える。

 

 

② 契約解除に相当するかをJBCに検討して貰う。

実情をコミッションに報告して、

それがジムとの契約の解除条件に相当するか判断して貰い、

契約解除に相当すると判断されたら移籍届も移籍金も一切不要なんだわ。

 

この点に関してはJBCルールブックの第7章第2節第120条に記載があって

(2016年版のルールブックだと98頁)、そもそも、

ジムとボクサーとのマネジメント契約は3年ごとに自動更新されるんだけど、

3年ごとの契約満了時点に限らず契約期間中であっても、

双方の内のどちらかに異議がある場合には、

その契約を解除することが出来る余地を残してるんだよね。

 

契約解除の条件は様々あって、必ずしもファイトマネー不払いだけじゃなくて、

お互いの信頼関係が大きく損なわれることがあったり、

知らないままにそこのジムでプロになる契約を結ばされたり、

特別レッスンとして月5万円も別請求されたり、

極端なパワハラを受けたり、

断ってるのに無理矢理試合を組み込まれたり、

ケガで棄権せざるを得なかった場合にC級なのに20万円も恐喝されたり、

八百長気味の試合を強要されたような場合等は充分な理由になると思うね。

 

 

③ 訴訟を起こす。

これは段取りと経費が掛かり(弁護士への着手金が40~50万円)、

JBCや協会の移籍に関する規約が全く不鮮明なこともあって、

裁判所が判断し切れないことも多くて、

不払い分ファイトマネーと移籍金をチャラにするゼロ和解がせいぜいで、

それでもそれを蹴って月賦でもいいからカネをよこせっていう悪党もいるんだわ。

 

そうなったらもう和解手続きを中止して判決を求めて公判に移行して、

その過程を晒して色んな関係者達に見て貰うっていう手段を取るしかないんだわ。

その場合、当該ボクサーも若干傷付くのを、若干長引くのを承知覚悟の上で、

こちらとしては相手方ジムの評判を極限にまで貶めてやるっていう考え方で……。

 

 

④ 警察沙汰にすると脅す。

(a) 八百長試合を強要されたような場合なら地元の警察署に相談する。                                                          

(b) これはかなり荒療治で禁じ手に近いモノがあるんだけど、

ジム側を罵倒しまくって怒らせて相手に一発殴らせて、

大ケガをしないように若干スリップアウェイしながらのアザくらいに留めて、

そのまま医者に行って診断書を書いて貰って、その足でジムに戻って、

暴行罪で訴えるって脅し返して、移籍金ナシで移籍届にサインさせるって、

そういう方法なんだけど、実はこれはかなり有効で○○方式って言うんだわ。

 

 

 

上記の①~③についてはそれまでの不払いを証明する書類が必要で、

例えばファイトマネーの支払い明細が手元にあることが前提になるんだよね。

 

元々それを発行してないジムっていうのは基本的にその時点でアウトなジムで、

ジム側の悪行をボクサーが書類的に証明し得ない場合も多くて、

いい加減なこともそのいい加減さを徹底すれば、

いい加減さそのものを隠ぺいできるって皮肉な事実でもあるんだよね。

 

 

それでも、誰も助けてくれなくても全くやりようがないってことではなくて、

自らが置かれた状況を冷静に分析して、

①~④までを順に段取りするか、また他の方策があるか熟慮だね。

 

 

試合することをOKしてないのに勝手に試合を組まれて、

練習はしなくてもいいからとにかく体重だけ合わせろ、

で、試合当日は1~2発ほど喰らったら倒れろ、

そしたら俺がすぐタオルを入れてやるからって言われたもんで、

改めて断ったらプロモーターのところへ行って謝って来いって言われて、

電話したらそのプロモーターから90万円払えって言われて、

代わりにタイボクサーを呼ばなくちゃいけないし、チケットのこともあるしって、

結局50万円をふんだくられたH君、

その支払いは移籍金込みってことになったのかなあ……。

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コメント

世の中、ブラック企業は、たくさんありますが、ボクシングの世界にも、ブラックジムが、たくさん存在するのですね。

投稿: ただのボクシングファン | 2017年9月 7日 (木) 13時12分

悪徳ジムは、青少年育成とか○○○市からチャンピオンをなどと言ってますが、許せない行為をしてても、取り締まる機関、相談する機関がないと若者を食い物にされ続けますね。新しい団体を作った方がいいんじゃないかと思います。
大手ジムもこの現状を知っていると思います。選手やトレーナーを大事にしないと綻びがでますね。試合は、後楽園ホールにこだわらなくていいと思います。世界戦もTVでやらなくなる日も来るのでわないでしょうか。一歩さん裂帛の一喝、歴史にのこります。

投稿: 一本気大将 | 2017年9月 7日 (木) 15時21分

1~4の方法を拝見しました。2の方法で迅速に解決できればベストですが、現状では交渉の現場を録音したりして、4の方法に訴えるのがボクサー人生の短さを考慮すると現実的なのかと感じました。

警察が介入しないとダメってのも残念で仕方ないです。しかし、ボクシング業界が良くなるためには、外部からの介入が必要な段階までに衰退している現状を偉い人達は真剣に受け止めてほしいです。

投稿: 元ボクサー現在ボクシングファン | 2017年9月 7日 (木) 18時09分

☆ ただのボクシングファンさんへ。
                                            
何事であっても長いこと関わってるとその裏の事情が自然に聞こえてくるものですが、
出来れば知らないままでいた方がその何事かを楽しめるものなのかも知れませんね。
                                         
知れば知る程、ダーティな事態が普通に存続し続けてることに驚く訳でして、
ボクシング業界は世の中のブラック企業のレベルを遥かに超えてるんですよね。
                                          
特定のボクサーや特定のジムにまつわることのない“ただのボクシングファン”が、
今や貴重な存在になりつつあるんですよね。

投稿: 村木田一歩 | 2017年9月 8日 (金) 07時45分

☆ 一本気大将さんへ。                                          
最終的な、ある意味極端な形を想定しながらも、
その手前にどういう形が有り得るかを幾つか考えておくことが、
物事を改善する上では大切だって思ってるんですけどね。

投稿: 村木田一歩 | 2017年9月 8日 (金) 07時58分

☆ 元ボクサー現在ボクシングファンさんへ。                                         
搾取系悪徳ジムは何の反省もないままその日暮らしの悪行を繰り返してるんですが、
一方では業界の中にも今のような状況を憂いていて、
何とかしなくてはいけないって真剣に考えてる人も結構いまして、
まだまだ小さく少しづつではありますが、
事態が改善される可能性を垣間見せてくれてるんですわ。
                                    
50年も60年も放置され続けた悪習をあるべき姿に戻すためには、
固い意志を持ちながらも段階的に柔軟に対応することも求められるんですよね。

投稿: 村木田一歩 | 2017年9月 8日 (金) 08時32分

丁度関西の某ジムの元ボクサーブログのコメント欄が荒れてますね。

そのボクサーの後輩ボクサーが移籍するのに50万払えとジムに言われており、それは恐喝だとその元ボクサーは言ってますが、どう思いますか?

投稿: 富岡 | 2017年9月 8日 (金) 12時01分

悪徳ジムから移籍したいのに、その悪徳ジムから移籍するのが一番大変そうですね。。

移籍金はやはりファイトマネーの額を上限にするべきと思いますし、話し合いの中で移籍金無しと言うのが普通と思います。

夫婦の離婚の様に、話し合い→調停→裁判って感じに、話し合い→第3者を入れての話し合い→協会の判断って感じがいい気がしますね。


しかしながらファイトマネー相当額と言っても、日本ランカーや日本チャンピオンで100万~200万出すのも中々ですね…

世界チャンピオンに至っては移籍は無理なんでわ…

投稿: ウルフ金串 | 2017年9月 8日 (金) 13時55分

☆ 富岡さんへ。
                                       
どういう事情なのかが解りませんので、
50万円という移籍金が妥当なものかどうかは判断致しかねますね。
                                       
従来関東のジムではこの金額は大体A級から下位ランカーの移籍金に相当しますが、
それまでファイトマネーがきちんと支払われていたかにもよるんですよね。
                                      
ブログにも書きましたように現在移籍金に関する規定は全くありませんから、
ジム側が呈示する金額には制限がありませんが、
それまでに不払い分ファイトマネーがある場合なら、
その金額と相殺されるかを計算して交渉する手立てはあると思いますね。

投稿: 村木田一歩 | 2017年9月 9日 (土) 07時55分

☆ ウルフ金串さんへ。
                                    
間違って伝わってるのかも知れませんが、
世の中に善良ジムと悪徳ジムの2種類がある訳ではありませんで、
例えば色に例えると真っ白からオフホワイト、薄グレーから濃グレーっていう流れが、
最後は真っ黒になるって感じでして、
自分が取り上げてるのは真っ黒系のジムのことなんですよね。
                                         
その一連のグラデーションの中のどこを基準として改善すべきかについては
論議があるところだとは思うんですけど、
もし強烈な外圧がかかれば中途半端なレベルで収束しそうになくて、
真っ白以外は認めないっていう方向さえ考えられるんですよね。

投稿: 村木田一歩 | 2017年9月 9日 (土) 08時33分

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