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2017年3月 5日 (日)

後楽園ホール・3月4日

 

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「行きます! 開脚前転!」

 

 

 

“ガールズ&パンツァー” っていうアニメは女子高に茶道や華道と同じように、

“戦車道” っていうのがあるっていう設定からして奇想天外だし、

街中で戦車砲をブッ放すっていうのも有り得ないことだし、

直撃弾を受けて戦車が大破しても怪我人さえ出ないのも現実的ではないんだけど、

戦車そのものの描写が実に精微であるにとどまらず、

その動きがとってもリアルなもんで、兵器好きの自分としては堪らないんだよね。

戦車好きのアニメーターっていうのも中々いいんだわ。

 

“パンツァー” っていうのは第二次世界大戦中のドイツの戦車の名称なんだけど、

“パンサー” とか “パンター” とも呼んでるんだけどどれが正解なのかなあ。                                                            

 

 

この日出場の赤コーナーの6人は全員が角海老ボクサーで、

それも何処へ出しても恥ずかしくないメンバーをズラッと取り揃えたんだけど、

残念ながら青コーナーにはカタカナボクサーが多過ぎだったんだよね。

 

それでも先々の対戦を見据えてか、沢山のジム関係者やボクサー達が来てたね。

 

相手が格下でも其々が手抜きすることなくキッチリやれるかってことで……。

 

試合開始前、今や頭蓋骨に金属プレートを埋め込んで、

まるでロボコップの様に強化された奥村健太君が寄ってくれて、

術後の経緯には何らの問題も無いってことで、

「これで多少強く殴られても大丈夫ですから試合やりたいです。」

ってバカ言ってたんだわ。

 

 

 

① 斎藤一貴君×ジミー・ボルボン……L 8R

2勝(2KO)0敗の24歳・東京都と、

5勝(3KO)4敗3分の24歳フィリピン。

 

小堀佑介さんが担当してる斎藤君はこれが初の8回戦だったんだわ。

 

<1R>

ジャブの鋭さと威力でまずは斎藤君が圧倒して、

その後の左右フックで早くもボルボンの顔面が赤くなってたんだけど、

1分34秒、エイッて感じで振り出したボルボンの右ロングフックが大直撃。

 

思わず明らかに斎藤君の体がヨロッと揺らいでしまって、

回復ならないまま乱暴に攻め返した残り1分02秒のリング中央、

ボルボンの連打からの左フックを貰ってしまって、斉藤君が衝撃のダウン。

 

リスタート後のボルボンはここを一気のブンブン丸太殴りで、

いきなり危機到来の斎藤君にはシッカリした意識が戻ってないみたいで、

危うい場面の連続だったんだけど、とにかく粗かったボルボンに助けられたし、

休むことに専念しようってことだけは斎藤君の頭にあったみたいで、

何とか何とかって感じの危険な1分弱をギリギリで凌いだんだわ。

 

それにしても斎藤君、相手を舐めたかガードが緩すぎたんだわ。

 

<2R>

その後も斎藤君は相手も必死で打って来るってことを忘れがちで、

開始30秒までにヒットヒットで挽回はしてたしその後の左ボディも圧巻で、

残り1分からは殆ど一方的な展開を作ってはいたんだけど、

場面場面では危うさと紙一重っていう感じも残してたんだよね。

 

<3R>

前の回の終盤までに斎藤君はほぼ回復してたし、

ボルボンの消耗の方が目立ってきたんだけど、

それでもまだヘタレてるってところまではいってなくて、

たまの荒々しいショットのタイミングも合ってて危険を孕んでたんだわ。

 

斎藤君は基本的に上体の動きが硬くて、

頭が同じ位置にしたままのことが多いもんで的になり易いんだよなあ。

 

 

ってところで、やけに着込んで膨れ上がった老いぼれが隣に座ってきて、

酒飲みながら連れとワイワイ世間話を始めたり、

すぐ後ろの二人のガキが 「アイス買ってくれ。」 みたいに騒ぎ出したもんで、

うつむきながらの席移動だったんだわ。

 

<4R>

意識してたのか斎藤君、毎ラウンドのラスト30秒は印象的なパフォーマンスで、

この回はボルボンがギリギリ耐えてるって感じになってきて、

タイボクサーだったら多分、殆ど勝負を投げてただろうなあってほどだったね。

 

<5R>

態勢的に揺るぎは無くなりつつあったんだけど、

それでもちょっと今一に見えてきたのは斎藤君の攻撃面で、

そこそこ強いパンチは打ち続けてはいたんだけど緩急が不十分だったせいか、

ボルボンがパンチ慣れしてきてるみたいで、

若干効果が薄れつつあったことだったんだわ。

 

<6R>

ボルボンは明らかにスピードが落ちて顔面もかなり傷んできて、

そろそろ決着だなって見てた残り48秒の西ロープ前、

斎藤君が左右フックから最後は強烈な左ボディを打ちこんで綺麗なダウンゲット。

 

相当な消耗とダメージが進んだところでの喰い込みだったもんでボルボン、

そのまま立ち上がれなくて、2分24秒でのテンカウントアウト。

 

 

この日の斎藤君、相変わらずド迫力の攻撃力は見せてたんだけど、

一本調子に過ぎるところがあったし、ディフェンス面の課題も見えたんだよね。

 

 

久し振りのコーチ義人君がフラッと寄ってくれて、

彼、4月に6回戦で復帰するんだって言ってたなあ。

 

 

 

② 小池信伍君×何チャラ・オカムシー……SB 8R

9勝(5KO)2敗の26歳・山梨県と、10勝(3KO)6敗の34歳・タイ。

 

ちょっと前にも書いたけど、小池君の元々の相手は三迫ジムの三浦仁君で、

これはもうとっても注目のカードだったんだけど、

三浦君の練習中のケガ棄権があって止む無くのタイボクサーになったんだわ。

 

小池君はスピードとキレが身上のいい感じのボクサーなんだけどね……。

 

<1R>

34歳のタイボクサーは抜いたような入り方をしてたし、

変なタイミングで打ってくるしで、やり易いようなタイプではなくて、

やる気がないように下がり下がりしたところからいきなり右を振り出して、

小池君のリズムを壊そうとしてるかのようだったんだわ。

 

<2R>

この日の小池君は自分がイメージしてたほどの動きが出来てなくて、

そもそもスピード感が不足してるなあって見てた残り12秒、

相手の右の打ち終わりに合わせて小池君、

クロス気味の右フックを綺麗に当て込んで直撃喰らったオカムシーがダウン。

 

立ち上がったところが終了ゴングで決着は次に持ち越されたんだわ。

 

<3R>

相手はかなりダメージを引きずってるような感じだったし、

反撃してこないもんで小池君、初っ端からの一気攻勢だったんだけど、

フルショットの殆ど全てを正確に当て切るところまではいかないまま、

残り1分になる頃にはオカムシーも回復してたなあ。

 

<4R>

オカムシーは益々下がり下がりすることが多くなったんだけど、

緩急の無い若干単調な小池君のパンチに慣れてきたようで、

劣化が止まったような印象だったんだわ。

 

<5R>

オカムシーの方がやたら前詰めし始めたんだけど、

相変わらず有効ヒットに繋げられないままだったし、

小池君の方も前の回の一気飛ばしの一休みが必要だったみたいで、

何となく二人共、マンネリ化してしまったんだわ。

 

<6R>

さてさてこの後どんな展開になるのかなあって見てた1分過ぎ、

粗っぽく攻勢を強めたオカムシーに下がり加減になったその瞬間、

オカムシーの雑な右フックの追っかけ打ちを貰ってしまった途端の小池君、

左目上を大きくザックリ切り裂かれてしまっていきなりの大出血。

 

そんなにキレのあるパンチではなかったもんで、

直後に肘でも当たったのかとも思ったんだけど、とにかく即のドクターチェックで、

左顔面全体を覆うばかりの出血ってことでそのままドクターストップで1分35秒、

5R終了時点で自分的には49-45で圧倒優位だった小池君の残念TKO負け。

 

 

 

③ 武田航君×何チャラ・レックジム……B 8R

9勝(3KO)1敗1分のサウスポー、22歳・神奈川県と、

8勝(4KO)6敗の21歳・タイ。

 

<1R>

相手は一つ前の試合のオカムシーと同じで、

細かい組み立てをするタイプではないんだけど、

いきなりの右には十分なパワーが込められてたから武田君、

くれぐれも相手のタイミングでの強打を許さないことだったんだわ。

 

頭が小さいせいか武田君は肩幅が広く見えて、

その分ジャブの距離が長かったし、プレスも中々良かったね。

 

<2R>

相手のクルンシンは右を大きく当てるタイミングをひたすら狙ってる感じで、

無暗に行くと危険度が高いんだけど、武田君にももう少し遊びが必要で、

相手に雑な右を敢えて振らせてそこを左フックで狙いたいところで、

だからフェイント系の手の使い方で誘ってみたらどうなのかなあ……。

それと相手の右を警戒するあまりか左ボディを打ち難そうにもしてたんだよね。

 

<3R>

って思ってたら武田君の動きが良くなってきて開始36秒、

ボディブローを混ぜ込んだ攻め込みを左右のショートフックに繋げて、

最後は左だったと思うんだけど綺麗な直撃ヒットでダウンゲット。

 

フラッシュ系のダウンだったもんでクルンシンもすぐに立ち上がってたんだけど、

武田君はやっと感じを掴んだみたいだったんだよね。

 

<4R>

ちょっと臆してしまったかのようなクルンシンを完全に見切った武田君、

開始22秒の南ロープ前、左ストレートから右を返して2度目のダウンゲット。

 

この場面では最初のダウンよりはシンドそうに立ち上がったクルンシン、

既に戦意を喪失してしまったみたいで若さのかけらさえなくなってしまって、

こうなればもうぶちのめしてやってくれっていう思いを解ってくれたか武田君、

左、左ってストレートを連続打ち込みして最後は右までフォローして残り28秒、

南東ポスト近くでクルンシンを見事に倒し切ってしまったんだわ。

 

腰からドッサンって感じだったもんで、レフェリーは即のストップエンドで、

2分34秒のTKO劇だったんだけど、

試合後の武田君の顔は殆ど全く一つのかすり傷さえなくて、

二人でちょっと試合レビューをしたんだよね。

 

 

 

カワゴエパンチ系のあるジムのボクサーが、

「これ、どうぞ受け取って下さい。」 って、何やら包まれた小瓶をくれたんだけど、

それを使うと4人~5人の女の子でも充分相手ができる秘薬らしいんだわ。

 

 

 

④ 大橋建典さん×本吉豊君(reason)……Fe 8R

13勝(8KO)4敗(3KO)2分のランク10位、27歳・島根県と、

7勝(5KO)9敗(5KO)の29歳・東京都。

 

<1R>

威圧感の差でやっぱりプレスは大橋さんだったんだけど、

本吉君も細かいリズムを刻んで相手のタイミングにさせてなかったね。

 

最初のクリーンヒットはその本吉君の左フックで、

若干のフェイントからのそれがこの日の狙いのショットだったみたいで、

その後も残り1分ほどのところでもいい感じで当て込んでたんだわ。

 

大橋さんの方は少しゆっくり目の立ち上がりで、

右ストレートを薄く1発ヒットさせるにとどまってたんだわ。

 

<2R>

本吉君は近いところで大橋さんに強連打させないような動きが出来てて、

相手を見極めた試合運びにそこそこの工夫が見られて、

何となく徐々に気持ち良さそうにやってたんだわ。

 

って見てた残り1分04秒、グイッて踏み込んだところで大橋さん、

とっておきの左フックをブチ当てて本吉君から一発ダウンゲット。

 

何とかリスタートはしたんだけど本吉君、

この辺りからすぐに頭を下げて目線を切ってしまう悪い癖が出てきてしまって、

ダウンダメージは大したことは無かったと思うんだけど、

いきなり気後れ感のようなモノが目立ってきたんだよね。

 

<3R>

気を取り直した本吉君がまずは先制してしていったんだけど、

一段落した直後の開始30秒、大橋さんのまたもやの左が炸裂して

またもやまともに貰ってしまった本吉さんが西ロープ際でダウン。

 

ここも何とか立ち上がった本吉君ではあったんだけど、

今や金太郎さん状態になってしまった大橋さんのまさかりパンチを凌ぐ術も無く、

アレッて思ったら3発目の左フックを正確に当て込んで3度目のダウンゲット。

 

本吉君の続行は如何にも無理そうだったもんで即のストップエンドで、

0分58秒、大橋君の実に手際のいいTKO勝ちだったんだわ。

 

 

試合序盤、本吉君の工夫した左ショットも可能性を垣間見せたんだけど、

大橋君も同じように左フックを磨いてたみたいだったんだわ。

 

 

 

いつの間にか自分は何人かの知り合いに囲まれてて、

右には一力ジムの小林会長、左に鉄拳8ジムの権会長と塚田祐介さん、

すぐ前には長嶺克則さんと勅使河原弘晶さん達が控えてたんだわ。

 

その後、リング上での折々には其々が色々感想を聞かせてくれたし、

お互いにスコアを確認したり、若い3人はまるでコントみたいだったし権会長に、

「“黒子のバスケ” の緑間真太郎に似てるって言われたことありません?」

って聞いたらそもそも “黒子のバスケ” を知らないって言うもんで、

若い3人にも尋ねてみたら全員から知らないって言われたもんで大ビックリ。

 

更に彼らは “ハイキュー” や “DAYS” さえも全く知らないってことで、

全ては自分と奥さんだけのブームみたいだったんだわ。

 

塚田さんが怪しげな黒いニット帽にひげ面だったもんで、

サラサラ髪で少年のような風貌の権会長と立場が逆のように見えたなあ。

 

 

 

⑤ 岡田博喜さん×ロデル・ヴェンセスラオ……65㎏ 8R

14勝(10KO)0敗のランク2位、27歳・東京都と、

11勝(4KO)13敗1分の国内11位、23歳・フィリピン。

 

ロデルはおよそ2年前に小原佳太さんと試合してて、

その時はヒットカット傷が悪化して4RTKO負けしてるんだけど、

パワフルというよりかなり粗っぽいボクシングをする記憶が残ってたんだわ。

 

で、右斜め後ろにいた三迫会長に確かめたら、

打たれ強いけどスタミナが今一だからボディを攻めるといいと思うなあ、

って言ってたんだわ。

 

<1R>

相手がそういう風に出てきたから岡田さんもいきなりの激闘から始めてて、

思ってた通り、ロデルのショットには全て満々の力が込められてて、

一発でも直撃されたら一巻の終わり風だったんだけど、

そこは流石の岡田さん、それをすんでのところで交わしながら、

まずは実に美しいコンビネーションを披露したんだわ。

 

<2R>

ロデルは最初っから長いラウンドを戦うつもりはサラサラ無かったみたいで、

いきなりフルスロットルの飛ばす飛ばすで、

確かにフック系は粗かったんだけど、ストレート系は意外にキッチリ打ってて、

甘く見過ぎると不意打ちを喰らいそうでもあったんだよね。

 

一段落後の一休みは解り易かったんだけど、

1分半頃からの左右フックの強連打にはそこそこの迫力があったし、

ガードに対する配慮もまあまあ出来てたんだよね、ロデル。

 

<3R~4R>

超好戦的な相手に対して岡田さん、この日は実に冷静で、

敢えて短いラウンドで倒すっていうテーマは持ってなかったみたいで、

左右ボディの打ち込み角度を調整してみたり、

パンチの緩急にも色々配慮してるって感じだったんだわ。

 

<5R>

ここまで飛ばし過ぎたかロデル、ここは一休みラウンドって決めたか、

少しヘバッたように勢いのないままに推移してたんだけど、

岡田さんの方も何となく付き合ってるって感じで、

まるでお互いにアイコンタクトでそうしようって妥協したみたいだったんだわ。

 

<6R>

喪が明けたように飛ばしていったのはロデルの方で、

岡田さんをロープに詰めた途端、歯を喰いしばっての連打連打で、

それまでもそういう攻撃を得意そうにしてて、

若干乗り遅れた感のある岡田さんが一見かなり追い込まれたようだったんだけど、

自分は岡田さんは見た目の印象ほど打たれ弱いとは思ってなくて、

それほどの直撃を受けることなく防いでやり過ごしたんだわ。

 

一方、ロデルの方はもう力を使い果たしたって感じで、

最後残り23秒に西ロープにもたれた時、精一杯踏ん張ったけど、

俺はもうこれで一杯一杯ですわって感じで場内に笑いかけてたもんなあ。

 

<7R>

そろそろやりますかって感じで岡田さんが一転攻勢で、

開始48秒の東ロープ前、右ストレートからの左ボディを爆裂的に打ち込んで、

覚悟してなかったところでの被弾だったみたいなロデル、

ガクッとしゃがみ込んでしまって、

そりゃもう見ててとってもシンドそうなダウンだったんだわ。

 

息を整えて何とかリスタートしたロデルではあったんだけど、

もう既に決着が付いてて、岡田さんの猛追撃の前に為す術も無いロデル、

反撃する余裕さえなくディフェンスポジションを取ってたんだけど、

岡田さんにとって打ち返してこない相手はサンドバッグと同じ訳で、

3秒もしないうちにいとも簡単に再度のボディショットで2度目のダウンゲット。

 

ロデルはもうとってもダメそうな倒れ方だったもんで、

レフェリーも即のストップエンドで1分00秒、岡田さんのTKO勝ちだったね。

 

 

 

⑥ 土屋修平さん×西谷和宏さん(VADY)

              ………日本 L タイトル戦 10R

22勝(18KO)4敗(3KO)のチャンピオン、30歳・愛知県と、

16勝(8KO)4敗1分のランク1位、29歳・鳥取県。

 

<1R>

思ってたほど二人に身長差はなかったんだけど、

リーチは西谷さんの方がかなり優位で、

土屋さんの踏み込みを簡単に許さないようなタイミングのジャブが優秀で、

やっぱり土屋さんの威圧感は半端じゃなかったみたいだったんだけど、

試合序盤を十分コントロールしてるって感じだったんだわ。

 

<2R>

土屋さんがどういう入り方をするかがポイントだったんだけど、

西谷さんは事前に土屋さんの動きを相当研究したみたいで、

一旦ジャブで出した左手をそのまま前に置いたまま距離をキープして、

それに合わせようとする土屋さんのショットを巧いこと封じ込んでたんだわ。

 

<3R>

開始40秒、土屋さんがバランスを崩して西ロープに絡んだ瞬間、

西谷さんがそれを見逃さずの一気の攻め立てだったんだけど、

西谷さんはそこそこの左ボディも打ってたし、

普通のワンツーだけじゃなくて、いきなりの右も見せて、

変化のある攻撃を意識してたみたいだったんだわ。

 

残り25秒ほどからとっても危険度の高い左右フックが交差し合ってたんだけど、

ああいう場面で一瞬溜めてアッパーを打てる方が勝つんじゃないかって、

その時近くのボクサー達とも話したんだけどね……。

 

<4R>

西谷さんは相変わらず相手の距離とタイミングで打たせない工夫をしてて、

残り1分には突然のサウスポーチェンジからの左ボディが画期的で、

それ程の有効打は無かったんだけど、とにかく攻める姿勢を維持してて、

終了ゴングが鳴った時、土屋さんは鼻の右側をヒットカットされてたんだわ。

 

<5R>

顔面もそこそこ赤く腫れ始めた土屋さんの劣勢がかなり免れなかった開始59秒、

西谷さんが左手を巧く使って距離をコントロールしてたそのさなか、

土屋さんが瞬間に西谷さんを西ロープに追い込んで、

クロス気味の右ストレートを待ってましたの大直撃で、

それはまるで見てる自分達の方向に打ちこんで来るって感じだったんだけど、

実に衝撃的な西谷さんからの一発ダウンゲットだったんだわ。

 

リスタート直後の西谷さんは明らかに効いてる様子で、

土屋さんも勿論鬼の大追撃ではあったんだけど、

西谷さんの必死の防御も中々のモノで、

土屋さんは残り27秒での左ボディもかなり効かせてはいたんだけど、

再度のダウンを奪うまでには至らないままのラウンド終了ゴング。

 

ってことでここまでの自分の採点は47-47の丁度イーブンだったんだけど、

発表された3人のジャッジのスコアも全く同じ47-47×3だったんだわ。

 

<6R>

そう見せないように巧いこと繋ぎのパンチは打ってたけど、

西谷さんは明らかにまだ休みたがってたんだけど、

この回土屋さんにローブローで2回目の注意があって、

最初のは単に口頭注意だったんだけど、

この2回目には西谷さんに1分ほどの休憩タイムが与えられたんだわ。

 

後で思い返して見れば勝負の分かれ目は実はここだったんじゃないかって、

つまり西谷さんにとっては実に有り難い休憩タイムが与えられて、

一方の土屋さんは減点を恐れてボディブローを控えざるを得なくなって、

そういう展開のアヤが出来てしまったんじゃないかって……。

 

 

それにしても西谷さんは、常に頭の位置には気を付けてるみたいで、

右でも左でも打ち終わりに合されないように実に配慮が行き届いてたもんで、

土屋さんは的を絞り切れない、あるいは的を外すショットが多かったんだわ。

 

頭の位置でいうと土屋さんはキック出身ボクサーに有りがちな、

突っ立ち気味で頭の位置をあまり動かさない癖が抜けきらなくて、

だから西谷さんの頭下げての左右フックでも容易にヒットされてたんだわ。

 

<7R>

土屋さんの右のいいのが当たって主導権を獲ったかのように見えたんだけど、

残り50秒からの接近強打戦は西谷さんの方を評価するって周りでは言ってたね。

 

<8R>

開始59秒での土屋さんの左のダブルはここに来てまだまだ圧巻の勢いで、

ボディから顔面への完璧な打ち分けには周囲から絶賛の声さえ飛んでて、

中盤以降の西谷さんの盛り返しでもまだ足りてない感じだったんだけど、

残り47秒、お互い勝負を決めようかとするような接近強打戦が始まったんだわ。

 

それはまるで前の回の繰り返しのようだったんだけど、

ここで西谷さんがまたもやのサウスポーチェンジを見せて土屋さんを眩惑して、

北西ポストに追い込んだその瞬間、

ここで出るかあって感じの左アッパーが想像を超えた当たり方をして、

土屋さんはその一発で意識が飛んでしまった様な倒れ方をしてしまったんだわ。

 

土屋さんは何とか立ち上がってリスタートして、

残り30秒ほどを必死に耐えようとしてて、

自分的にはここを凌げばまたまたイーブンの残り2ラウンド勝負ってことで、

まだまだ可能性は残ってるって思いながら残り時間との戦いでもあって、

あと15秒、あと10秒って見てた残り9秒、

西谷さんの色々取り混ぜたショートブローのことごとくがヒットして、

最後は多分左フックじゃないかと思ったんだけど、

貰った瞬間に土屋さんがグズグズッと後方に倒れ込んでしまったんだわ。

 

その様を見たレフェリーはこれはもう無理だって途端に判断して2分52秒、

ノーカウントストップエンドして西谷さんのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

土屋さんは赤コーナーの殆ど真ん前で大の字に伸びてしまったまま、

2分間ほどは起き上がれなかったんだわ。

 

 

余りにも衝撃的なエンディングだったもんで、

自分の周囲は静かに呼吸するだけになってしまって声も出なかったんだよね。

 

 

暫くして試合後の帰り道、

2年ほど前に西谷さんに3-0勝ちしたことがある塚田祐介さんが、

長嶺さんとか勅使河原さんに色々絡まれてたっけなあ。

 

 

 

本日のベスト3ボクサー】

① 西谷和宏さん

② 岡田博喜さん

③ 大橋建典さん、武田航君

 

 

 

Tさんって凄いんだわ。

元々軽い持病があって定期的に健診に行ってるそうなんだけど、

ちょっと体調が悪いってことで予定より早めに病院に行ったら、

軽い狭心症だって診断されて即入院したのが今週の月曜日で、

カテーテル手術をしてその日一泊しただけで退院したんだってさ。

 

で、平気な顔をして昨日ホールに来てたんだけど、

Tさん、安静にしてなくてホントに大丈夫なのか?

 

 

 

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