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2017年2月 1日 (水)

後楽園ホール・1月31日

 

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“山下泰文”

 

太平洋戦争当時、満州や南方方面で指揮を取ってた陸軍中将で、

海軍の山本五十六大将と共に自分が尊敬する職業軍人なんだわ。

 

元々皇道派だった彼は陸軍内部の東条英機を中心にした所謂統制派から

疎まれることも多かったんだけど、そういう事に一喜一憂することなく、

常に自らの職務を全うすべく頑強な信念と実行力を持ってたんだよね。

 

山本五十六に対してもそうなんだけど山下泰文に対しても、

自分はロマンチストとしての側面を随所に感じるんだよね。

 

 

 

ホールに入ってすぐのリング上では荒川仁人さんがアップしてて、

彼は黒やグレーが似合うんだけど、サーモン系のピンクも中々いいんだわ。

 

 

この日の関係者受付席には渡辺ママと久保マネジャー、

それに瀬端ママって女傑トリオがズラッと揃い踏みで、

コンチワコンチワして試合開始だったんだけど、

2月には4~5ボクシングしかないっていうのに今週は4ボクシングもあるんだよね。

 

 

 

① 下沖克徳君(角海老)×頼政和法君(L玉熊)……F 4R

3勝5敗(2KO)1分の31歳・宮崎県と、2勝(2KO)3敗の24歳・東京都。

 

下沖君のセコンドには小林生人さんと小堀佑介さんと一緒に、

ニット帽の奥村健太君が付いててみんなの思いが寄り添ってたんだよね。

 

<1R>

ただリング上にはそういう思いが漂ってたとは言い難くて、

お互いに戦いの方向性を見い出し得ていないというか、

残念ながらどの距離でどう戦いたいのかが全く見えて来なかったんだわ。

 

ラウンド終了間際での頼政君の右フックも中々良かったんだけど、

それまでの下沖君の複数のショートフックの積み重ねの方が優勢だったかなあ。

 

 

それにしても二人共、低調なまま進歩の跡が見られなかったもんで一旦離席。

後で結果を確かめたら下沖君から見て39-37、38-38×2ってことで、

1-0ドローだったんだわ。

 

 

 

② 川崎真琴さん(RK蒲田)×合田剛士君(草加有澤)

                          ………65㎏ 8R

8勝(2KO)4敗(1KO)1分のランク4位、32歳・広島県と、

7勝(2KO)5敗(3KO)1分の32歳・愛媛県。

 

川崎さんは最近は勝ち負けを交互に繰り返してて、

今回は敗戦の巡り合わせだから何とかそのパターンを崩したいところだし、

3連敗中の合田君としては本気で何とかしたいところだったんだよね。

 

<1R>

いつの間にかランク4位になってる川崎さんが落ち着き払った立ち上がりで、

合田君が接近戦で活路を求めたがってた中、中々鋭いジャブを放ってて、

相手が入り込んでくるのを阻止しつつ中間距離をキープしてたんだわ。

 

ただ、お互いにワンツーのタイミングが殆ど同じだったもんで、

それなりの危険度を共有してたんだよね。

 

特別の有効打が無かった中、川崎さんのジャブと返しの左フックがグッドだったね。

 

<2R>

必要に迫られて執拗に前詰めしてたのは勿論合田君の方で、

ショートレンジでの左右フックには十分な力が込められてたなあ。

 

川崎さんも思ったより巧いことショートフックやアッパーを打ってたんだけど、

全体として見ると決してリズム感がいいとは思えず、

合田君の方も流れにスムースさを欠いてたんだよなあ。

 

<3R>

入って何とか出来るか、入って来る前に何とかするかの戦いで、

中間距離でのワンツー勝負はやっぱり川崎さんが圧倒するようになって、

スピード感も出てきたんだけど、それでもいつもより今一テキパキ感に欠けてて、

それが合田君に攻め込む隙を与えてしまってたんだけど、

当の合田君にしてもそこを足掛かりに爆発するってところまではいってなくて、

要するにこの日の二人の今一感は何となく拭えないような感じがしてきて、

このままだと川崎さんの優勢勝ちだろうなあって思いつつ休憩タイムゲット。

 

 

途中とお終いの方は遠くから眺め見てたんだけど状況にそれほど変わりなくて、

結局、78-74、78-75、77-75ってことでやっぱり川崎さんの3-0勝ち。

 

 

 

③ 岡本ナオヤ君(東拳)×中野敬太君(KG大和)……B 8R

10勝(5KO)5敗(2KO)1分の29歳・三重県と、

13勝(4KO)10敗(1KO)6分の31歳・福岡県。

 

最近は何となく弾け切れてないアラサーのA級同士だったんだけどね……。

 

<1R>

大差は無かったんだけど、返しの左ショットのクオリティの差で中野君かなあ。

最近は勝ちに恵まれないことの多い中野君なんだけど、

右目尻をヒットカットされながらもこの日はちょっと気合入ってたね。

 

<2R>

ショットそのもののシッカリ感は岡本君の方が上で、

中野君は無駄なところに力が入って若干腕がたわみ始めたなあ。

 

お互いにボディブローに意識がいってない単調な攻め合いだったんだけど、

このラウンドは中野君の被弾数が増して顔面の紅潮が目立ってきたんだわ。

 

<3R~4R>

接近しての腕振りの鋭さはやっぱり岡本君だったんだけど、

中野君も徐々に手数をアップして反撃に転じて、

結局お互いに一発系の倒し屋ではないもんで究極の手数勝負ってことで、

自分の中では4Rを終わったところで丁度イーブン。

 

<5R>

それほど効いてるとは思えなかったんだけど、

それでも見た目の印象の良くない打たれ方をしてたのは岡本君の方だったなあ。

 

<6R>

二人共、ペースは落ちないんだけど、さりとてペースアップも出来てなくて、

小さなショットの延々の積み重ね勝負になっていったんだけど、

気持ちが切れてたとは思えなかったけど、

岡本君の攻めあぐみが目立ってきて、何となく勝負あったなあってことで……。

 

 

後で確認して見たらやっぱり中野君の3ー0勝ちで、

78-74、78-75、77-76だったんだわ。

 

 

 

ロビーをぶらついてたら田之岡条さんと蒲山直輝君がいて、

蒲山君は月間賞の表彰かって雰囲気のスーツにネクタイ姿だったんだけど、

田之岡さんが言うには観戦する際は必ず正装するんだってさ、本当かなあ?

田之岡さんとはちょっと珍しいモノを共有してることが解って盛り上がったなあ。

 

 

 

④ 山口翔太君(真正)×岩井大さん(三迫)……Fe 8R

14勝(8KO)3敗(2KO)の26歳・長崎県と、

19勝(7KO)4敗(1KO)1分のランク7位、27歳・千葉県。

 

戦績だけ見ると山口君は勝率もKO率も岩井さんを上回ってるんだけど、

これは相手次第ってこともあるし、その強さはにわかには信じ難かったんだけど、

それでも岩井さんにとっては十分な警戒感が必要だったんだよね。

 

<1R>

見た目同じような体躯だったし、同じような戦い方から始まったんだけど山口君、

充分なパワーは感じさせたんだけど、それほどのスピードは無くて、

様子見スタートを切った岩井さんが左ボディと右アッパーで先制点ゲット。

 

ただ、山口君の方もフック系を上下に組み合わせて打ち分ける中、

特に右フックに可能性を垣間見せてたんだよね。

 

<2R>

まずは岩井さんが実に素軽いショートのコンビネーションで先攻したんだけど、

相手が目線を切って頭を下げ加減にした時の山口君の攻め込みも鋭くて、

やっぱり彼の打ち下ろし系の右フックは必殺系に近いモノがあったんだわ。

 

ただ中間距離での山口君はタイミング見計らってのシンプルなワンツー主体で、

その点では見切られ易かったのも事実で、

ラウンド終了近くになると顔面がかなり傷んできたんだよね。

 

<3R>

山口君は益々ショート戦命って感じが如実になってきて手数アップも叶って、

岩井さんの顔面も徐々に赤さが目立ってきたんだよね。

 

<4R>

若干山口君が戦い方の方向性に自信を持ち始めた感じがしてきて、

ショットにも更に力を込めていったんだけど、

ちょっと力づく過ぎるようなところも目立ってきて、

岩井さんとしてはこれ以上相手に気持ち良くやらせないことがテーマだったんだわ。

 

ってことで岩井さんは多少のギアアップと的確なヒッティングでそれに応えて、

特にタイミングのいい右ショットの積み重ねで、

山口君の左こめかみというか目の横を腫れさせたんだわ。

 

<5R>

ランクゲットを目指して山口君の必死感が増していっての序盤の攻勢で、

この回は休んで相手にポイントを渡すのかって思ってた岩井さんだったんだけど、

残り1分を切る頃に山口君の勢いが目に見えて落ちてきて、

それまで普通にやってた岩井さんが目立つようになってきて、

残り40秒からは明らかな有効打で逆転ポイントゲットだったんだわ。

 

<6R>

慣れない土地での戦いに気持ちも体も予想以上に消耗したか山口君、

これまでのラウンド序盤飛ばしも叶わなくなって、

必死の踏ん張りは見て取れたんだけど残り1分からはやっぱりシンドそうだったし、

左目横の腫れも酷くなる一方だったんだわ。

 

<7R>

セコンドから檄を飛ばされたのが明らかだった山口君が立て直してきて、

開始1分15秒までは渾身のパフォーマンスで、

何とか何とかって感じで強い腕振りを見せてたんだけど、

残り1分20秒からの岩井さんの逆襲には対等に処し切れず、

メッキリ落ちてしまった中クリンチ逃げが一杯一杯になってしまって、

折角ラウンド前半で稼いだポイントを一気に吐き出してしまったんだわ。

 

<8R>

山口君の弱り方を見れば岩井さんのKO勝ちも見えつつあったんだけど、

山口君のそうさせない必死感が岩井さんを飛ばし切れなくさせてしまって、

残念ながら陣営の 「倒せ!倒せ!」 に応えきれないままの終了ゴング。

 

 

ってことで自分は78-74だったんだけど結局、

79-73×2、78-74ってことで岩井さんの至極妥当な3-0勝ち。

 

 

試合後暫くしてから顔に氷嚢を当ててた山口君と行き合ったもんで、

自分の感想を伝えたんだけど、至らなかった点の自覚は出来てたみたいで、

最後は山下会長も遠くからニコニコ笑顔だったんだよね。

 

 

 

⑤ 荒川仁人さん(ワタナベ)×アンソニー・サバルデ

            ………WBO AP L 王座決定戦 12R

28勝(17KO)6敗1分のAP2位、サウスポー、35歳・東京都と、

12勝(7KO)5敗(1KO)のAP13位、サウスポー、24歳・フィリピン。

 

相手は13位だっていうし、仁人さんがチャチャッと捌いてしまうかと思ってたら、

サバルデっていうのがとってもいいボクサーだったんだわ。

 

<1R>

お互いにサウスポーを特別やり難いとは思ってないみたい立ち上がりで、

ふくらはぎと二の腕の太さで圧倒してた分、

サバルデの方が5㎝ほど背が低かったんだけどこれがまあ実にパワフルで、

様子見スタートした仁人さんに合わせることなく初っ端から積極的だったんだわ。

 

途中で聞いた話だとサバルデにはパッキャオに繋がるプロモーターも随行してて、

彼としてもみっともない試合が出来ないっていう背景があったってことで、

中途半端な出稼ぎタイボクサーとはまるでモチベーションが違ってたんだよね。

 

サバルデはジャブやらフック系やら右手の使い方が実に巧みで、

すぐに元々は右利きなんじゃないかって思わせるほどだったんだけど、

彼が打ち出すパンチには殆ど全く迷いっていうものが無くて、

全て自信に満ちてたのが実に印象的だったんだけど、

体の使い方も巧かったしリズム感もとっても良かったんだよね。

 

コーナーに戻って来るところをジックリ見てたら、

サバルデの体は横っ腹からウエストにかけてまだまだ絞れそうで、

ホントはSFe級くらいの方が良さそうにも見えたんだよね。

 

お互いの白いグローブテープには何のマジックサインも入ってなかったもんで、

三迫会長に聞いたらWBOのこのタイトルはJBCがまだ未承認だから、

ってことらしいんだよね。

 

<2R>

サバルデは目がとってもいいみたいで反応も良くて、

仁人さんの直撃を避けつつだった残り40秒、

右ボディからダブルで放った右フックを綺麗に当て込んで、

一瞬仁人さんが危ない当てられ方をしてしまったんだわ。

 

<3R>

サバルデのワンツーには普通の右左のストレート系に限定されることがなくて、

色々なパターンを持ってて特に右フックからの左ストレートが抜群で、

体を右に大きく傾けながらの左ストレートの直後の右フックも実に良くて、

常に返しのパンチに意識がいってるって感じだったんだよね。

 

正直、ここまでの仁人さんにはいいところが殆ど無いままで……。

 

<4R>

仁人さんにはそろそろ新しい局面が欲しいところだったんだけど、

目立ってたのはまだまだサバルデのフレキシブルな攻め込みで、

小さく鋭いショートフックに時折オーバーハンド気味の大きな左フックを混ぜ込んで、

それもあくまでクールな試合運びの中での自由自在だったし、

無駄打ち大振りをする訳でもないからスタミナも大丈夫そうで、

仁人さんはどう思ってたか知らないけど自分的には相当強いと思わざるを得ず、

仁人さんのいい面が中々出て来ないままだったんだわ。

 

ってことで自分は若干仁人さんに厳しく見てたせいもあってか、

ここまでは40-36でサバルデだったんだよね。

 

<5R>

サバルデを切り崩すのが難しそうに見えてた中、

流石だね、仁人さんが徐々にスピードを上げてより細かくリズムを刻み始めて、

このラウンドは若干休み加減に見えたサバルデと好対照になってきたんだわ。

 

<6R>

いつの間にか仁人さんの方がプレスを掛けるようになってきて、

ボディブローからのコンビネーションにも磨きがかかってきて、

そりゃサバルデも打たれっ放しにはならなかったんだけど、

それでも試合序盤とはかなり様相が違ってきたんだよね。

 

ただ、サバルデの腕振りにもまだ緩みが無くて危険度は相変わらず高くて、

左を警戒し過ぎる余り、もしかしたらサバルデはそれをフェイクに使って、

右フック系で決着させたがってるようでもあったんだわ。

 

<7R>

若いのにサバルデは繋ぎのパンチも巧くて、

中々一方的にはさせないようなテクニックも見せてたんだけど、

この回は仁人さんの2発の比較的大きい左フックが特別目立ってたなあ。

 

<8R>

いい感じで立て直しつつあったというか、

最初っから後半勝負っていうシナリオ通りだったのか、

とにかく仁人さんが明らかにペースを握りつつあったんだけど開始50秒、

殆どいきなりって感じでサバルデに強烈な左フックを打ち込まれてしまって、

リングの半分ほどを南ロープまで吹っ飛ばされてしまったんだわ。

 

これはこの日一番の大被弾で、仁人さんは明らかに効いてしまって、

瞬間に冷静さを欠いてしまってディフェンスより大きく打ち返す動作さえしてて、

一瞬意識が飛んでしまったのは確かだったんだわ。

 

その一瞬後に我を取り戻した仁人さんはまずはクリンチで凌いで、

直後からはディフェンスを固めて足を使いながらサバルデの追撃を交わして、

10秒後ほどには原状回復が叶ったみたいで、

終盤にかけては却ってサバルデより強い攻勢をかけていって、

的確な当て込みで自分らの心配を完璧に取り除いてくれたんだわ。

 

<9R>

一気に飛ばしてくるってことは無かったんだけどサバルデ、

まだまだペースが落ちない序盤戦だったんだけど、

中盤過ぎからは目に見えて勢いを失いつつあって、

ここまで打ち込み続けてた仁人さんのボディブローが一気に効いてきたみたいで、

それはまるで突然の光明が仁人さんに差してきたって感じさえあったんだわ。

 

<10R>

腕振りにはそれほどの劣化は見られなかったんだけど、

サバルデの動き自体が徐々に鈍くなってきて、

それにつれ仁人さんの動きには逆にキレが増していって、

1分20秒でのショートワンツーとかは華麗な感が漂ってたし、

続く1分30秒過ぎのワンツーの2連射からのコンビネーションは圧巻でさえあって、

残り20秒でフック系を2発打ち込まれたサバルデは最早ガックリの状況で、

最後の打ち下ろし気味の左ショートフックには実に気持ちがこもってたんだわ。

 

 

隣で観戦してた三迫会長にどんな感じ? って聞かれたもんで、

改めてスコアを見直してみたら、

これでやっとイーブンってことで自分でも驚いてしまったんだけどね……。

 

<11R>

サバルデの回復度が気になるところだったんだけど、

緩慢な打ち返しをするだけで大きな危険度を感じ取ることが無くなって、

ロープを伝いながら凌ぐのが精一杯って感じになってたんだわ。

 

仁人さんは開始1分までで左ストレートを2発クリーンヒットさせた後、

残り12秒からも圧巻のショートラッシュで圧倒したままの終了ゴング。

 

<12R>

みっともない真似は出来ないって感じでサバルデが最後の踏ん張りを見せて、

序盤に気持ちを見せてたんだけど消耗が著しく長続き出来なくて、

ガードに専念して打ち返してこないのを見計らった仁人さん、

トントン手打ち軽連打から空いてるとこへのドコン打ち込みで、

その度にサバルデの体が揺らぐようになってしまったんだわ。

 

1分26秒からの連続ヒットヒットは倒し切れそうなほどで、

残り1分での左ボディも圧巻だったんだけど、

サバルデの方の戦意が消失気味だったもんで打ち合う流れにはならなくて、

倒し切るまでの展開に持ち込めないままの終了ゴングだったんだわ。

 

 

ってことで自分としては115-113だったんだけど結局、

116-112、115-113×2ってことで仁人さんの3-0勝ち。

 

 

序盤に相当ハラハラさせての最後はキャリア勝ちって感じだったもんで、

控室に戻る仁人さんにドキドキ心配させないでよ的な事を伝えたら、

仁人さんはキャハキャハって笑ってたんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 荒川仁人さん

② 岩井大さん

③ アンソニー・サバルテ、山口翔太君

 

 

 

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