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2016年12月 9日 (金)

後楽園ホール・12月8日

 

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「寝てるんじゃなくて、むち打ち症の治療なんだわ。」

 

 

 

山岡荘八の文章の格調の高さは改めて日本語の素晴らしさを教えてくれるし、

表現の多彩さと奥深さには限りがないってことも知らしめてくれるんだわ。

 

“小説・太平洋戦争” は文庫本9巻から成り立ってて最近読み始めたんだけど、

第一巻の序文では彼の生き様のそもそもの原点を見い出すことが出来るし、

他の様々な文章の行間からも感じてた彼の冷徹な覚悟のようなものも、

成程なあって感じで素直に腹の中に納まるんだよね。

 

“小説・太平洋戦争” の雑誌連載が始まったのは1958年で、

アメリカではハードバップ・ジャズが全盛の頃だったんだけど、

併行して読んでる “徳川家康” はその10年ほど前に執筆されてたんだけど、

400年ほどもの年代差のある人間・戦争物語を行ったり来たりするのは

自分にとっては実にとってもワクワクしたり考えさせられたりする時間なんだよね。

 

 

 

所属ボクサーが他ジムへの移籍を希望してきた際、所属ジム側の対応としては、

① 世間的に妥当な範囲内での移籍金で解決する。

② 法外な移籍金をふっかけて……、

(a) この際だからってその法外な金銭をブン取る。

(b) 移籍を諦めさせる。

(c) こじれた関係のままそのボクサーを潰してしまう。

 

世間的に妥当な範囲内の移籍金と言っても、

協会の規約にはそれに関する決め事は何処にも書いてなくて、

昔はファイトマネー相当額だったんだけど、現在ではもっと高騰してて、

決められたファイトマネーの額さえ守られてないことが多い中で、

放置された移籍金問題は闇から闇って感じなんだよね。

 

当事者に確かめた訳ではないんだけど、

つい最近聞いた話ではあるボクサーは数千万円って高額を吹っかけられて、

要求した側はマジでその数千万円をブン取るつもりなのか、

そのボクサーに移籍を諦めさせる為の方便に過ぎないのか、

理解し得ない関係を終焉させるべく、そのボクサーを潰してしまう算段なのか、

全く推測の範囲を超えないんだけど、ひどい話が横行してるんだわ。

 

ファイトマネーを基準にした係数で移籍金も設定されるべきじゃないかって、

以前、協会の役員と話したことがあるんだけどね……。                                                             

 

 

暗澹とさせられることが多い中、それでもとにかく、

長嶺克則さんと松山真虎さん、三浦仁君達に軽く声を掛けて始まり始まり……。

 

 

 

① 和賀丈晃君(オサム)×荒川拓朗君(ジャパンS)……SB 4R

デビュー戦の22歳・岩手県と、デビュー戦の29歳・栃木県。

 

荒川君はリングインした後、グローブテープを修正させられてて、

自分的にはこういうのは絶対ダメでこういうケースでの勝率も低いんだよね。

 

<1R~2R>

デビュー同士の二人は戦う気持ちに溢れてたんだけどその分肩に力が入り過ぎで、

全体にガキゴキした動きに終始しててお互い、効き目の薄いパンチだったなあ。

 

1Rの中盤まではほぼ互角だったんだけど、その後荒川君の荒々しさが勝って、

和賀君の気後れ気味が目立っていったんだわ。

 

距離に関する意識や戦い方そのものも荒川君の方が吹っ切れてて、

和賀君の中途半端さが目に付いてきて、

このままじゃ荒川君の優勢勝ちじゃないかって感じだったもんで一旦離席。

 

 

戻ってスコアを聞いてたら、39-37、39-38、38-38ってことで、

やっぱりねって思ったら2-1で勝ったのは和賀君の方だったんだわ。

 

 

 

② 土田佑一君(協栄札幌)×泉谷貴史君(越谷634)

                          ………SL 4R

デビュー戦のサウスポー、22歳・北海道と、

デビュー戦の25歳・東京都。

 

<1R>

土田君がいきなり超乱暴系で突っ掛けて行ったんだけど、

一段落後は泉谷君も反撃していって、その後は互角の接近戦が続いたんだけど、

1分23秒、土田君のアッパー気味の右フックが直撃して泉谷君がダウン。

 

北西ポスト前での倒れ方がかなり激しかったもんで即のストップエンドで、

正式には1分25秒、土田君のTKO勝ちだったね。

 

 

この試合でもリングに上がってからすぐに試合に入らず泉谷君が手間取って、

その手間取った泉谷君がやっぱり負けてしまったんだわ。

 

 

 

③ 佐川遼君(三迫)×キム・ホーヤ……Fe 4R

デビュー戦の22歳・青森県と、4勝(2KO)4敗の18歳・韓国。

 

B級デビューの佐川君に相川学巳君がサポートセコンドに入ってたね。

 

<1R>

相手が前振りナシにいきなりガァーッと打ち掛かって来るもんで佐川君、

そんならってことで彼も大きな動きから大きく仕掛ける対応をしてたんだわ。

 

基本的には佐川君が優勢に進めてた残り48秒、

この時間帯になると二人の力量差がかなりハッキリしてきたんだけど、

強烈な右ストレートを綺麗に当て込んで佐川君が一発ダウンゲット。

 

<2R~3R>

その後はコリアン・ボクサーもタイボクサーとは違うところを見せて、

被弾を重ねながらも思いの外踏ん張ってたんだわ。

 

結局3R、佐川君が右、右、右を相手のボディやら顔面に連続喰い込みさせて、

2分03秒でのTKO勝ちだったんだけどね。

 

 

佐川君は適度な太さをした両手両足がそこそこ長くて懐も深いし、

かなりの馬力も有ってこの先が楽しみなボクサーだったんだけど、

一旦攻撃に移る際、それは相手が打ち返して来ないのを見越してたせいか、

ディフェンスが疎かになるっていうか、アゴが上がり過ぎる傾向が強かったんだわ。

先々の試合の中のどこかで大きく貰うと修正するとは思うんだけどね。

 

 

 

④ 三浦仁君(三迫)×熊谷直昭君(T&T)……SB 8R

8勝(1KO)1敗(1KO)の22歳・青森県と、

7勝(4KO)5敗(3KO)の26歳・東京都。

 

お互い実に対照的な戦い方をするからそのせめぎ合いが焦点だったんだわ。

 

<1R>

熊谷君の方が7~9㎝ほど上背で上回ってるんだけど、

彼はスタンスを広く取って低く構えることが多いもんでほぼ同じくらいなんだわ。

 

タイミング見計らってのイッセノセ系の熊谷君に対して三浦君、

相手の挙動を解った上での冷静な動きでキッチリプレスも掛けてたね。

 

一発大振りを外した直後の危険な間合いを回避すべく熊谷君、

大きく上体を振ってて、それはそれで成功してるんだけど、

次のショットに繋げるのを諦めた上での仕草なもんで単発単発なんだよなあ。

 

お互い、大きな有効打に欠けてた中、三浦君がコツコツショットでポイントゲット。

 

<2R>

熊谷君は雑でかつトリッキーなパフォーマンスを強めていったんだけど、

そんな中で1分26秒、右フックを大きく当て込むことに成功してポイントバック。

 

三浦君もその後、残り1分に右フックを当て返してたんだけど、

何となく中途半端な距離が気になってきて、

いっそのこともっと詰めまくってもいいんじゃないのかなあ……。

 

<3R>

熊谷君はこの日も殆どボディを攻めない顔面攻めオンリーで、

何かの拍子の一発ビッグヒットに賭けてるような感じだったなあ。

 

三浦君は中盤に相手の右の打ち終わりにワンツーを綺麗にヒットさせてたし、

熊谷君の動きに惑わされることなく正統派のキッチリボクシングだったんだわ。

 

<4R>

小ヒットの多さでは圧してはいたんだけど三浦君、

たまの中ヒット被弾でポイントを相手に渡してしまってて、

もう少し打ち終わりの動きに工夫すべきだし、正面に立ち過ぎでもあったんだわ。

 

ってことで試合半分を終えて自分の中では丁度イーブン。

 

<5R>

熊谷君が乱暴さを満開にさせていった中、

そもそも三浦君のジャブはどう評価されてるのかって気になりだしたんだけど、

終盤にかけては熊谷君にも振り過ぎた疲れが見え隠れし始めたんだわ。

 

それにしても三浦君、ここに来て真面目な性格がそのまま出てきてしまって、

打った後に動くとか、動いてから打つとか変化が欲しいところだったし、

熊谷君はブン回す時に顎が上がるからそこを狙い打てないのかってことで……。

 

<6R>

危険なことには変わりなかったんだけど、熊谷君が徐々に休み休みになってきて、

力を溜めてからでないと攻め切れなくなってきた感じで、

体もパンチも明らかに流れ始めた中、三浦君が手数で圧倒圧倒。

 

<7R>

間欠泉のような熊谷君の攻め込みをやり過ごした後に

三浦君が細かく反撃するっていうパターンが続いてたんだけど、

この回の熊谷君は気持ちを立て直したか残り1分20秒からは気合が入ってて、

頑張りロングラッシュで数ラウンド振りのポイントバック。

 

<8R>

お互い、ここまで結構微妙なスコアだって認識してたと思うんだけど

二人共、勝ち越しのA級ボクサーとしては最後の飛ばし方が今一のままで、

若干劣勢だった熊谷君に対して本木会長が、

「下がるな、相打ち、相打ち!」 って指示を飛ばしてたんだけど正しくその通りで、

三浦君の方にも 「手数! 手数!」 の声が飛んでたんだけど、

お互い、明確なアピールが出来ないままの終了ゴングで若干三浦君かなあ……。

 

 

熊谷君は折角当て込んでるのに打ち終わりに大きく体勢を崩すことが多くて、

だらしない感じが残ってショットそものの評価を下げてたんじゃないかなあ、

ってことで自分は77-75ってことで三浦君だったんだけど結局、

78-75、77-76×2ってことで三浦君のそこそこ際どい3-0勝ちだったんだわ。

 

 

 

⑤ 松山真虎さん(ワタナベ)×長嶺克則さん(マナベ)

                        ………51.5㎏ 8R

8勝(3KO)10敗(4KO)2分のランク6位、27歳・鹿児島県と、

12勝(8KO)1敗(1KO)のランク3位、25歳・沖縄県。

 

長嶺さんはオレンジイエローとグリーンのアディダスのニューシューズで、

いつものように宮崎辰也君がセコンドに付いてたね。

 

勝率やKO率からするとやっぱり長嶺さん優位は譲れないところで……。

 

<1R>

初っ端から長嶺さんのプレスがいい感じで、ジャブの精度と強さで上回ってたし、

最初のクリーンヒットは右も左も長嶺さんで、

松山君は殆どいいところを見せられないままラウンド終了ゴング。

 

<2R>

まずは長嶺さんの右ストレートで始まったんだけど、

その後0分28秒には松山さんもこの試合初めての右を綺麗に打ち返して、

いよいよ打撃戦が始まるかって思わせたんだけど、二人共そこそこ慎重で、

全体的には長嶺さんの反応の良さが目立ってたし、

残り1分30秒から見せたパンチの多彩さで圧倒してたんだわ。

 

中間距離ショットでもショートブローでも長嶺さんは実に美しくて、

その点、松山さんの引き出しの数の少なさが際立ってしまったんだわ。

 

<3R~4R>

この日の松山さんは意外なほど打たれ強くて、

何度かそこそこの直撃度のパンチを打ち込まれても殆ど平気な顔をしてて、

即の反撃にさえ移っていってたんだわ。

 

アレッ、今日の長嶺さんのパンチにはキレが足りてないって事なのかあ……。

 

<5R>

気が付いたら顔面の赤みと傷みは却って長嶺さんの方が進んでて、

派手さは無かったけど途中途中で松山さんも結構当ててたみたいだったんだわ。

 

このラウンドは松山さんの右で長嶺さんが左目上をヒットカットされてたし……。

 

<6R>

ただやっぱり松山さんの攻撃は若干単調と言わざるを得ず、

長嶺さんの上下打ち分けが目立ってきて、

ボディブローでガードを下げさせた直後の右ストレートが圧巻で、

膝カックンまでは至らなかったけど松山さんの頭を大きくのけ反らせたんだわ。

 

<7R>

前の回の手応えを頼りに長嶺さんが初っ端からの一気飛ばしで、

体勢を整える間もなく松山さんがあっと言う間に追い込まれてしまって、

勝負どころと判断した時の長嶺さんの回転力はホントに圧倒的だったんだわ。

 

精度の高いショットが続いたもんで松山さんには立て直す暇さえなくて、

被弾被弾を重ねるまま赤コーナー近くの東ロープに詰められた際にはもう危なくて、

何とか凌いで南ロープへ逃げた時には既に反撃するのは殆ど全く無理そうで、

ボコボコにされた上で最後は体を屈めたところに右を打ち下ろされて、

バッタリ倒れ込んでしまったのが0分38秒ってことで、

レフェリーの即のストップエンドと陣営からのタオルインとがほぼ同時だったんだわ。

 

控室に戻る長嶺さんは久し振りに顔面が傷んでて、

思わず目の方は大丈夫かって思ってしまったんだけどね。

 

 

 

⑥ 益田健太郎さん(新日本木村)×小澤サトシさん(真正)

               ………日本 SB タイトル戦 10R

25勝(13KO)7敗(3KO)のチャンピオン、33歳・鹿児島県と、

13勝(2KO)6敗(4KO)1分のランク13位、29歳・兵庫県。

 

通算戦績やらKO率、それにこれまで戦ってきたメンバーからいって、

正直小澤さんの勝ち目はとっても薄いんじゃないかって思ってたんだけど、

それにしても小澤さん、同じボクサーとの再戦がやたら多いし、

名の知れた強いボクサー達を敢えて避けてきたかのようでもあったんだよね。

 

<1R>

タイミングの取り方とかパンチの打ち出しを見てたら小澤さん、

それほど器用なボクサーには見えなくて詰め詰めはするけど、

シンプルなワンツーに終始してたし回転力不足でもあったんだわ。

 

これなら大丈夫だなって感じを自分と同様益田さんも抱いたみたいで、

利き腕のショットを外しても余裕の左フックだったんだわ。

 

終了ゴングが鳴った時には小澤さんは既に顔面をかなり赤くしてたんだよね。

 

<2R>

これまで戦ってきた相手のクオリティーの差が歴然と現れてきて、

小澤さんには攻撃の際の引き出しの少なさが目立ってきて、

自分にはごく普通のA級ボクサー以上には見えなくなってしまったもんで、

このラウンドが終わったら休憩タイムだなって思ってた残り51秒、

益田さんのワンツースリーフォーが連続ヒットして、

最後の手前の右ボディが効いてしまったみたいで小澤さん、

まるでタイボクサーのように腹を抱えながら崩れ落ちてしまったんだわ。

 

カウントが始まってから陣営からタオルが投げ込まれて結局、1分00秒、

益田さん会心のKO勝ちではあったんだけど力量差が有り過ぎだったんだわ。

 

 

 

⑦ 拳四朗さん(BMB)×レスター・アブタン

              ………OPBF LF タイトル戦 12R

8勝(4KO)0敗のチャンピオン、24歳・京都府と、

11勝(5KO)5敗3分のランク3位、25歳・フィリピン。

 

<1R>

アブタンからはそこそこのスピードとパワーを感じられたんだけど、

全体にかなりポキポキしたボクシングだったし、

そもそもきっちりジャブから組み立てるタイプではなくて、

いきなり大きく振り廻すのが目立ってたんだわ。

 

拳四朗さんの方はいつも通りのクールな立ち上がりで、

その流れるようなリズム感は見ててとっても気持ち良かったんだわ。

 

それにしても彼は一見ごく普通の大人しい青年の様にしか見えなくて、

それが廊下ですれ違ってもリング上でも変わらないもんで驚いてしまうんだわ。

 

<2R>

アブタンはそのオーバーハンドが得意技なのかってほどの振り回しで、

拳四朗さんは早くも見切ってしまった様な余裕の動きで、

決着もそう遠くなさそうな感じだったんだよね。

 

<3R>

ホントに決着は早く訪れて、まずは1分20秒、

相手のまたもやの大振りの打ち終わりに合わせて拳四朗さん、

踏み込んでの右ストレートを一閃タイミング良くハードヒットさせたんだわ。

 

思わずヨロけた相手の動きに手応えを感じた拳四朗さんが一気のラッシュで、

その4秒後、アブタンは青コーナー近くの西ロープ際で右に大きく体が傾いて、

ロープの間からリングアウトしそうになってしまってロープダウン。

 

火が付いた時の拳四朗さんはホントに全く物凄くて、

超速回転のショットの正確性と鋭さはもう惚れ惚れ以外の何物でもなくて、

もうこの時点で既に終わってたんだけどOPPFのタイトル戦ってことで、

何とかリスタートしたアブタンにもチャンスが与えられたんだけど、

結局それはチャンスどころではなくて、再度のフルボッコを喰らってしまっただけで、

殆どその場から動けなくて一発も打ち返すことが出来ないままの1分57秒、

どうにも全く手際のいい拳四朗さんのTKO勝ちだったんだわ。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 拳四朗さん

② 益田健太郎さん

③ 長嶺克則さん

 

 

 

昨日は奥様と晴太クンと一緒に宮崎辰也君のご両親が富山から来られてて、

「いつもお世話になってます。」 って言われて、 「いいえこちらこそ。」 って、

一応返したんだけど、お互い実はそれほどお世話をし合ってはいないんだけど、

御両親からは頂き物があってどうもアリガトゴザイマスってことで、

帰宅してから奥さんと遅い夕食で、自分には少し懐かしい味で美味しかったなあ。

 

父上及び母上殿、これからはどうぞお気を使うことなく、です。

 

 

 

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