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2016年11月 2日 (水)

後楽園ホール・11月1日

 

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「おいらの御飯だろがあ、コンニャロメ!」

 

 

 

この日のメニューは角海老ボクシングらしくもない正直スッカスカメニューで、

期待してた中川勇太さん×相馬圭吾さんの一戦が延期になってしまったし、

その他の有力なボクサー達の相手がタイ人だらけだったし……。

 

以前と比べると日本人同士の試合が組み難くなってきてる傾向は、

今後も益々増えていくって思ってるんだけどそれは、

ボクサー数の絶対的な減少傾向に歯止めがかからないことによるものなんだわ。

 

必ずしも正確な数字とは言い切れないんだけどザックリ言うと、

10年前には3,000人ほどもいたプロボクサーが今や2,000人程に減ってて、

しかもそれはライセンスを持ってるっていう人の数であって実際には、

試合をする気のあるボクサーはもっと少なくて2,000人を大きく割ってるんだわ。

 

そういう実態の根拠を少子化傾向に求めるのは全くのナンセンスであって、

韓国ボクシングの衰退は興行の支えをテレビに求め過ぎた結果なんだけど、

日本のボクシングはコミッションと協会が組織として実に弱体なままであることと、

自らの金儲けだけに奔走するジム経営者達によって腐らされつつあるんだよね。

 

ジムの会長が堂々とルールを破って、

決められたファイトマネーを遥かに下回る金額しかボクサーに支払わないって、

そういうのが蔓延してくればその種の話はボクサーからボクサーへ伝わる訳で、

試合をするにあたってあれだけ身体を追い込んで、

もしかしたら一生後を引くようなケガを負いかねないっていうのに、

ホントは100万円貰えるのに20万円しか貰えなかったりとか、

3回で300万円のはずなのに全部で10万円しか貰えなかったり、

5年間15試合して只の1円も払って貰ってないとか、

300万円も踏み倒されたのに移籍金を100万円要求されたとか、

本来の自分の取り分と追加分のチケットまとめて全部を9割で買い取らされたとか、

そんな話が日常化すれば人口の推移に関係なく、

プロボクサーを目指す若者が減るばかりなのは至極当然のことなんだわ。

 

個々の揉め事を個々の範囲だけに封じ込め続けてたら、

ホントにこの業界の未来はないと思うんだけどなあ……。

 

 

 

ホール入場後、すぐ近くにいた武田航君とこの間の試合の話をして、

間近に試合を控えた宮田ジムの上田有吾君と石田凌太君ともコンチワして、

小熊会長に挨拶した後に玉木善文さん親子と次の試合のことなんか話して、

角海老ジムの鈴木会長と大会長に御挨拶して、

荒木貴裕さんと目配せ交わして始まり始まり……。

 

左側(赤コーナー)は全て角海老ボクサー。

 

 

 

① 住田愛斗君×守屋昴介君(小熊)……SF 4R

0勝1敗の23歳・大阪府と、デビュー戦のサウスポー、20歳・埼玉県。

 

デビュー戦だっていうのに守屋君にも入場曲が付いてたね。

 

<1R>

守屋君は中々いい構えをしてて何となくやりそうな雰囲気を持ってたんだけど、

あっと言う間に住田君の暴力系ボクシングに巻き込まれてしまって結局、

最初の接触後はひたすらゴニョゴニョ絡んでしまってたんだわ。

 

お互いにきちんとジャブから始めるって感じではなくて、

ガァーッて突っ込み打ちしてお終いっていうのが延々で、

何だか子供ケンカみたいになってしまってたんだよね。

 

<2R>

開始3秒、住田君のいきなりの右フックがヒットして守屋君がグラッと揺らいで、

このラウンドも流れが決まってしまって、そもそも守屋君は手数が少な過ぎで、

相手に飛び込みのタイミングを与え続けてたんだよなあ。

 

それにしても二人共、偶然性が支配する大仕掛けな動きに終始してて、

それぞれの陣営は冷や冷やし通しだったと思うけど、

残り50秒、左フックをフェイントに使った右フックをきっちり当て込んで、

このラウンドは明白に住田君がゲット。

 

すっかりペースを取られてしまった守屋君は戸惑いっぱなしで、

自分のボクシングを見失ってしまったって感じだったなあ。

 

ってことですっかり流れが決まってしまったもんで一旦離席ってことで……。

 

結局、40-36、39-37×2ってことで住田君の圧倒3-0初勝利。

 

 

 

② 斎藤一貴君×何チャラ・イミネントエアー……62㎏ 6R

1勝(1KO)0敗の24歳・アメリカと、9勝(4KO)6敗1分の19歳・タイ。

 

今、角海老ジムで自分が一番期待してる若手が斎藤君で、

B級デビュー2戦目もタイボクサー相手だったんだけど、

構え方がとっても良くて、上半身と下半身のバランスとかスピード感も抜群だし、

実にシッカリしたディフェンスから攻撃に移る動作もとってもスムースで、

打ち出すパンチの軌道とか角度なんか美しい限りなんだよね。

 

国内では中々相手に恵まれないだろうから、内山高志さん系の路線を見据えて、

まずは早めにOPBFで生かす方法を考えた方がいいのかも知れないんだよね。

 

 

相手はこの日登場した3人のタイボクサーの中ではそこそこまともだったんだけど、

斎藤君は折角与えられた実戦のチャンスを大事に大事に使ってて、

自らの動きを確かめながら丁寧に試合を進めてて、

結局は3R2分20秒にカウントアウトKO勝ちしたんだけど、

小堀佑介さんのもとでいい感じに育てられてるんだよね。

 

 

この日、宮崎辰也君とか田之岡条さんも来てたんだけど、

田之岡さんは自衛隊体育学校での練習で斎藤君を見知ってたんだってさ。

 

斎藤君は多分ライト級をホームとすると思うから、

宮崎君どう?って聞いたらまんざらでもなさそうだったなあ。

 

 

 

③ 小池信伍君×何チャラ・サイトーンジム……56.3㎏ 8R

8勝(4KO)2敗の26歳・山梨県と、7勝(2KO)4敗の25歳・タイ。

 

<1R>

小池君は同門の松本竜也君系のとってもテキパキしたいいボクサーで、

半端なタイボクサーには対等の戦いを期待出来そうになかったんだけど、

案の定全くのダメダメで、最初の右ストレートの打ち方見てたら即決の弱々で、

まるで担ぐような打ち方してるんだもんなあ……。

 

ってことであっと言う間の1R1分37秒でのTKOエンドだったんだわ。

 

 

 

④ 坂本大輔さん×何チャラ・シットサイトーン……SW 8R

12勝(7KO)8敗(1KO)3分のランク1位、35歳・千葉県と、

8勝(4KO)5敗の28歳・タイ。

 

次に登場したのは無理に体重を増やしたような緩々タイボクサーだったんだけど、

続けざまに3人も見せられるとやっぱりお腹一杯にはなる訳で……。

 

結局、3R1分31秒で終わったらしいね。

 

 

 

⑤ 大橋健典さん×荒木貴裕さん(極東)……Fe 8R

12勝(8KO)4敗(3KO)2分のランク14位、27歳・島根県と、

9勝(4KO)5敗(2KO)のランク9位、29歳・三重県。

 

この日最初のガチ戦で、負けたらランクを失う可能性のある中での一戦で、

試合前の荒木さんの表情の方が気合入ってる感じがしたんだけどね。

 

<1R>

やっぱり大橋さんのプレスの方が強かったんだけど、

荒木さんもいいジャブを出してたし、いきなりの右フックも中々だったんだわ。

 

ただ、大橋さんのジャブもこの日は結構届きが良くて、

元々のパンチ力の差で早くも荒木さんの右顔面が赤くなってたんだよね。

 

<2R>

大橋さんがまだまだユッタリやってる感じがしてた中、

もう少し荒木さんが自分の組み立てを強めるのかと思ってたら、

これが思いの外慎重なままで、何だか行き遅れてるような感じだったんだわ。

大橋さん流の一瞬の突撃力勝負になると荒木さんもシンドイのになあ……。

 

<3R>

ここまでの荒木さんのパンチで最上なのは右ボディブローで、

いい感じの食い込みを見せてたんだけど上への繋がりの無い単発系で、

若干テキパキ感を増してきたとは言え、いつもの感じとは程遠くて、

ついつい大橋さんの右も貰うようになって左顔面も赤くなってきて、

やっぱり大橋さんの腕力は半端じゃないんだよね。

 

それでもラウンド終盤の左フックとその右ボディで荒木さんポイントだったかなあ。

 

<4R>

幾つかパンチを貰って大橋さんが目をパチパチさせ始めていよいよ本領発揮で、

いつもの通りの若干モッサリした動きに迫力を増していって、

徐々に相打ち上等ボクシングに移行させていったんだけど、

それにつれ荒木君の対応の中途半端さが目立っていったんだよね。

 

<5R>

荒木君の右のストレートとかアッパーも綺麗な形を保ってたんだけど、

自信とか信念とかが込められてるようには見えない上の単発単発で、

中間距離を封じられるといきなり攻め手を失ってしまうようで、

絡まったところからも執拗に攻め立てる大橋さんの攻勢が目立ってたんだわ。

 

<6R>

大橋さんがハッキリ流れを支配しつつあったもんで荒木さん、

どこかで明白に弾ける必要があったんだけど若干シオシオのままで、

大橋さんの強打を恐れてるような、接近戦を諦めたような印象だったんだよね。

 

荒木さんはいつまで経っても単発チョン打ちが改善されないまま、

ラウンド中盤以降には気持ちが萎えてしまったような感じさえ漂い始めて、

こりゃもう勝負あったなってことで一旦離席したんだよね。

 

 

ってことで結局、78-74×2、78-75ってことで大橋さんの3-0勝ち。

大橋さんはらしさを押し通したいい勝ち方をしたし、

荒木さんはらしくない負け方をしたって感じだったなあ。

 

 

 

⑥ 中川勇太さん×相馬圭吾さん(三迫)……SB 8R

18勝(9KO)4敗(1KO)1分のランク2位、27歳・滋賀県と、

8勝(4KO)11敗(2KO)2分のランク9位、31歳・茨城県。

 

相当期待してたこの試合が延期されてしまったことで、

この日の興行のスッカスカ度がいきなり上がってしまったんだけど、

中川さんのケガは大したことはなくて1ヶ月後には十分間に合いそうで……。

 

 

 

⑦ 岡田博喜さん×細川バレンタインさん(宮田)

                 ………日本 SL タイトル戦 10R

13勝(10KO)0敗のチャンピオン、26歳・東京都と、

20勝(9KO)5敗(2KO)3分のランク7位、35歳・宮崎県。

 

<1R>

初っ端からテキパキ感を溢れさせてたのは細川さんの方で、

中々のプレスも掛けていったんだけど、ジャブの差し合いは岡田さんが圧倒的で、

まるでストレートのような伸びと威力で早くも細川さんの顔面を赤くしてて、

手数の総数は細川さんが上回ってたんだけど、

有効打としては比較にならなかったんだわ。

 

<2R>

細川さんはほぼマックスの動きをしてたんだけど、

岡田さんはまだまだ余力を感じさせるパフォーマンスだったなあ。

 

中間距離では如何ともし難い細川さんはひたすらの接近戦狙いの中、

岡田さんをロープ際に追い詰めいいラッシュをかけてたんだけど、

格別の有効打にまでは至らず、繋ぎ系のパンチのクオリティで差を付けられ、

半分ほどのキャリアしか無い岡田さんがシッカリ流れを掴んだ感じだったんだわ。

 

<3R>

初めの1分15秒までに細川さんが2発の捻じ込み右フックで優位に立って、

そのまま押し切りそうだった残り1分10秒からは岡田さんの巻き返しで、

右ストレート2発でチャラにさせた後、またもやの殆どストレートに近い左ジャブ、

それを何となんと6発もブチ込んで細川さんの首をガクガクさせたんだわ。

 

<4R>

それにしてもこの日の細川さんの気持ちの充実ぶりは半端じゃなくて、

実は先回の試合を見て彼、年齢も年齢だし、

細川さんもそろそろ切り上げ時かなあって思ってたもんで正直驚きで、

あっと言う間に一蹴されてしまうんじゃないかって思ってたもんで驚きで、

残り1分10秒からの一気の激闘戦も明らかに打ち負けてたのにも関わらず、

それでも下がらずの詰め詰めからの頑張り返しはまるで別人で、

最後はその右フックで岡田さんの左目上をヒットカットさせてたんだわ。

 

<5R>

細川さんは中間距離を捨てたような更なる前詰め前詰めで、

またもや岡田さんに重ね打たれたにも関わらずの詰め詰めラッシュで、

既に顔面を相当腫らしてたんだけど留まるところを知らなかったんだわ。

 

それでも試合全体の主導権は岡田さんから動かないままで、

ここまでの中間採点、自分は50-45だったんだけど、

発表されたモノもそれに近くて50-45×2、49-46だったんだよね。

 

<6R>

大きく差を付けられた細川さんにとっては倒すボクシングが求められたんだけど、

残念ながら実は細川さんは一発必殺系ではなくて連続ヒットが前提なんだけど、

岡田さんはあくまでそれを許さないもんで辛いところだったんだわ。

 

岡田さんの返しの左フックが細川さんの右目下を傷付けてたし、

ラウンドが進むにつれ細川さんの希望が絶たれつつあったんだけど、

それでもこの日の細川さんは全くメゲることなく男気全開で、

最後は岡田さんをコーナーに追い込んでの万振り左右フックを上下に打ち込んで、

連打の中、見計らったような右フックを2発効果的に当て込んでたんだわ。

 

<7R>

細川さんの顔面はかなりひどいことになってきたんだけど、

それでも全く気持ちが萎えてないような異常なほどの踏ん張りで、

このラウンドも残り30秒から右ストレートを2発懸命の打ち込みだったんだわ。

 

前の回の終盤からこのラウンドにかけての岡田さんは何だか一休み状態で、

若干緩んでるような印象さえあったんだけど、

体力を温存して次のラウンドに飛ばしまくる準備でもしてたのかなあ……。

 

<8R>

細川さんが詰める詰める、岡田さんが逃げる逃げるの展開で、

岡田さんは何だか手控えてる感じが続いたんだけど、

アレッて気が付いたら右ショットが極端に少なくなってきてるし、

殆ど左主体の誤魔化し系のボクシングになってしまってて、

明らかに右拳を傷めてしまったみたいだったんだよね。

 

こうなると岡田さんのKO勝ちはいきなり無くなった訳で、

巧いこと立ち回りさえすれば判定負けも有り得ないってことでもあって、

自分はここで一旦離席して遠くから眺めてたんだけど、

やっぱりこの日の細川さんの頑張りは半端じゃなくて、

最後の最後まで動きが落ちなかったのはホントに驚異的だったんだよね。

 

 

結局最終的には99-91、98-92×2ってことで、

岡田さんの余裕3-0勝ちだったんだけど、スコア差以上に面白かったなあ。

ちなみに自分は97-93だったけどね。

 

 

試合後に確かめたら岡田さんは実は左手も痛めてしまってたってことで、

彼は彼で4R~5R分も根性で頑張り通したんだよね。

 

 

 

【本日のベスト3ボクサー】

① 細川バレンタインさん

② 大橋健典さん

③ 岡田博喜さん、斎藤一貴君

 

 

 

便座にヒーターを入れたもんで、自分的には今日から冬ってことで……。

 

 

 

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