東日本新人王準決勝戦 (A)
心配してたんだけど、大内淳雅さん、まだ止めないってことで、良かったなあ。
昨日、協会から11月初旬までのボックスシートのチケットが届いたんだけど、
オザキジムに移った麻生興一さん、シャムガル興一さんって改名してたんだけど、
スケジュール表には、“シャムガル光一” ってなってたね。
そのシャムガルさん、11月3日にマナベジムの酒井智彦君と試合だね。
ホールの隣、オフトは昨日は早じまいみたいで、
掃除の終わったゴミ箱を、綺麗じゃない身なりのオッサン達があさってて、
捨てられた馬券拾ってたんだけど、当たり馬券に遭遇したことがあるのかなあ。
それに遭遇するのと、大穴狙い馬券を当てるのと、どっちの確率が高いのかなあ、
ってふと思いつつのホール入り。
☆田中亮輔君(北澤)×成塚亮君(ワタナベ)……Mm
4勝(1KO)1敗の27歳・ と、4勝2敗の21歳・埼玉県。
この試合、田中君の棄権で成塚君の不戦勝なんだけど、
その成塚君、かつてないほど幸運なボクサーで、初戦の相手も棄権してて、
結局、一試合もしないまま決勝戦進出なんだよね。
田中君の棄権に関しては、色々後ろ向きの話も伝わって来てて、
もう訳わかんないんだよね。
それと、実は今日のもう一つの準決勝戦も、大久保雅章君の棄権ってことで、
今年この階級は魔物に取り付かれてるようなんだわ。
大久保君の棄権理由も、ある意味悲し過ぎで、慰めようないとこあるんだよね。
で、結局、11月4日の決勝戦は、成塚亮君と山本浩也君になるんだわ。
☆横山隆司君(ワールドS)×星野真生君(具志堅)……LF
4勝(2KO)1敗のサウスポー、26歳・東京都と、2勝7敗1分の22歳・群馬県。
横山君、その赤いトランクスは、確か橋元隼人君のヤツだよね。
前に書いた勝敗予想の際、星野真生君が棄権して新井雄大君が準決勝進出って、
何故かそんな風に勘違いしてしまって、すんませんでした。
1R、
ゴング直後の13秒、いきなり相手の左フック貰ってしまって、星野君ダウン。
それほどのダメージではなかったんだけど、随分レベル差ある試合なんだわ。
隣に、バアサン二人連れた老いぼれが座ってたんだけど、
ソイツがあれやこれやの知ったかの、聞かれてもいないのにいちいちの解説で、
初めて見るボクサーに偉そうな激飛ばしたりして、余りにウザいもんで席移動。
2R、
ひ弱そうな体躯の星野君、なんでそんなにってほどの無茶振りで、
細かい段取り全て省いたまるでバンタムくらいのボクシング、
そういうのがやりたいのなら仕方ないんだけど、
体一回りデカイ横山君の方が余程、細かい対応してるんだわ。
3R、
実は横山君の方も、それほど特別飛び抜けたパフォーマーではなくて、
相手との相関で数段上には見えるんだけど、それは相手に恵まれてのことで、
もっともっとタイトな攻撃要る訳で、ちょっと雑な攻め込みに終始してるんだわ。
星野君、たまに当てるんだけど、どうして? ってほど、当たりが薄いんだよね。
4R、
星野君、手数ままならず、横山君も詰め連打の際、腕振り緩過ぎ、デカ過ぎで、
お互い興奮度の低いまま終了ゴング。
結局、40-36×2、39-36の圧倒3-0で、横山君が決勝進出。
☆コーヤ佐藤君(伴流)×佐藤拓茂君(石神井S)……F
5勝0敗の23歳・岩手県と、4勝(1KO)0敗の27歳・新潟県。
1R、
コーヤ君、試合するごとに変な劣化が目立ってて、もっと溌剌としてたんだけど、
前回の今一感、全く払拭できてないんだよなあ。
拓茂君も、見た感じほどにはパンチ力なくて、っていうより実は堅実なボクサーで、
相手の大振りの隙突いて、着実ポイントゲットなんだよね。
2R、
二人とも危険な雰囲気全く感じられないし、ハードヒッターじゃないのに相手待ちで、
4ラウンドしかないってのに、トロトロの仕掛け遅れだけの退屈な展開突入なもんで、
仕方ないよね、ここで、休憩タイムゲット。
後で聞いたら、39-38、38-39、38-38の1-1で、
イーブンって付けたジャッジの優勢点が拓茂君ってことで、彼が決勝進出。
八王子中屋ジムボクサーの応援で、荒川仁人さんが来てて、
廊下で話したんだけど、今日のお薦め試合はどれですかって聞くもんで、
これとこれとこれって、三試合ほど指差したんだけど、
この子は減量ミスで失格らしいんだわって伝えたら、
彼自身の減量大ポカの話聞かせてくれたんだけど、面白かったなあ。
それ、まだデビュー三試合目のことだったんだけど、
朝自宅の体重計で計ったら、それアナログの針がビリビリ動くヤツなんだけど、
余裕の数字だったもんで、食事して計量場所に行ったら、何と500gのオーバーで、
ゴミ袋被って走りまくって汗出して、なんとかギリギリセーフだったんだってさ。
後で調べたら、自宅の体重計が壊れてたってことで……。
☆齊藤裕太君(北澤)×田之岡条君(小熊)……SF
5勝(4KO)3敗の25歳・神奈川県と、3勝0敗2分のサウスポー、18歳・埼玉県。
1R、
田之岡君、そもそも重心後ろ足に置き過ぎの、逃げ前提の構え方で、
殆ど自分から行かないし、パンチに体重乗らない手打ちなもんで、迫力ナイナイ。
一方の斎藤君も、相手のカウンター待ち警戒して、中々行けないっていう、
要するに両すくみの、とっても退屈なやり取りに終始してるんだわ。
二人とも、慎重と言えば慎重なんだろうけど、もう何の気迫も見えて来ない訳で、
で、またもやのコーヒータイム。
タバコ吸いながら、中屋ジムの筒井さんと太田社長にご挨拶。
その後、ドリームジムの三浦会長が例のニッコリ笑顔で、
今日の相手は強いからなあって言ってたね。
戻って結果聞いたら、またもやの1-1ってことで、
39-38、38-39、38-38ってスコアも全く同じで、
優勢点の関係で、齊藤君が勝ち上がったんだけど、攻める姿勢の差だね。
この日、最年少の田之岡君、18歳なんだから、もっと無茶やってもいいのになあ。
☆コラレス・カワシモ君(レイS)×勅使河原弘昌君(輪島S)……B
2勝(1KO)3敗1分の29歳・長崎県と、4勝(3KO)0敗1分の22歳・群馬県。
自分の中でのメインイベントがこの試合だったんだよね。
1R、
相手の評判知ってるんだろね、カワシモ君、ひたすらの引き気味ボクシングで、
勅使河原君としては、やり難いことこの上ないんだけど、
あんまり無理して、サービス精神丸出しに行き過ぎると危険なんだよね。
例の両足ピョンピョンフットワークから、勅使河原君、先攻め先攻めするんだけど、
一追い一振りで終わってて、相手、下がって避けて腰伸びてるんだから、
そこんとこ、敢えてもう一歩踏み込んでの二次攻撃こそが本来の狙いで、
つまり、初めのショットをフェイクにすればいいのにって、そう思ったんだよね。
2R、
上背もリーチもカワシモ君の方が優位なんだけど、
ジャブの差し合いは勅使河原君圧倒してるね。
相変わらず出て来ないカワシモ君に対して勅使河原君、慌てない仕掛けが必要で、
押しと引き使い分けて、相手おびき寄せる作業が要るんだよね。
そんな中、カワシモ君もいつまでも引いてばかりじゃどうにもならない訳で、
残り40秒、やっと手数アップしてきたとこから、勅使河原君リズム出てきたんだけど、
それでも、まだいつもの踏み込みの鋭さまでいってないような気がするんだよなあ。
3R、
勅使河原君、カウンターの名手だし、反応にも自信持ってるもんで、
どうしてもガードが甘くなりがちで、両手の位置、低いし前に出し過ぎだし、
そういうのは、この間の土屋修平さんと全く同じパターンで、
荒川仁人さんが言ってたことなんだよね。
一方のカワシモ君、無暗に行かないで、一瞬のチャンスに賭けるってのは正解で、
カウンター外しからの打ち返しができればって感じなんだけど、
もう少し、ガチャガチャな展開にした方がいいと思うんだけどなあ。
ここまで全体としては、勅使河原君優位、揺るぎないんだけど、
倒すまで行けるのかなあって見てた、そろそろ終了ゴングが聞こえそうな寸前、
何と残り2秒、圧倒リードのままゴング鳴るってとこで、
スッと前に出た勅使河原君にカワシモ君、素直な右ストレートカッチリ合わせて、
それ、勅使河原君がやりたがってたタイミングでの見事なカウンターで、
勅使河原君、思わず後ろに倒れ込んでしまって、
何とか両手で支えたもんで、仰向けにはならなかったんだけど、
とにかく衝撃尻餅ダウンだったもんで、場内悲鳴がとどろいたんだよね。
相手がハードパンチャーじゃなかったから助かったけど、
まかり間違えばあれで一巻の終わりって感じの当たり方だったんだよね。
やっぱり、ガード、ガードなんだわ、勅使河原君。
不用意な一発ってのは、全くああいうパンチのことを言うのであって、
勅使河原君、カウンター打ちたいが為に、常に相手のパンチをダギングとか、
ウィービングで避けようとする傾向強いんだけど、ガードする時はすべきだし、
頭下げてやり過ごしながら、例え相手の顔が視界になくても動き予測して、
目線外しながらのカウンター、君なら打つことだってできると思うんだよね。
それとね、ストレートに近い左ジャブ打つ時、懐深いカワシモ君に対して、
どうしても顎が上がり気味なのも気になってて、
もうちょっと自分の距離把握した方がいい訳で、無理に届かせようとして、
顎上げてまでっていうのは、とっても危険度高いと思ったんだよね。
これも、ちょっと手抜きの踏み込みのままに打つせいだと思うんだけどね。
4R、
ダウン喰らった勅使河原君、ダメージは全く残してなかったんだけど、
ただ、これで全くのイーブンって訳で、二人ともこの回勝負なんだよね。
カワシモ君、当然ここぞの一気攻めで、突っかかる突っかかるだったんだけど、
ここまでのとこでかなり打たれ込んでるのも事実で、動きにキレないとこ、
冷静に立て直した勅使河原君、明らかに倒しに行くボクシングで、
そうなんだわ、倒しに行って倒し切るってのも場合によっては大事な訳で、
最終回大逆転KO勝ち目指してって想定のボクシング、ここではするべきなんだわ。
蓄積の上の上乗せ被弾だったもんで、カワシモ君、
危ない危ないの連続だったんだけど、ホント、良く耐えきったんだよなあ。
実力かけ離れてる同士でも、ボクシングってのはこういうこともある訳で、
カワシモ君には希望を、勅使河原君には反省を、それぞれ与えた試合だったね。
結局、ジャッジ三人ともが、そして観客の全てが感じたように、
39-37×3で、勿論、勅使河原君だったんだけどね。
やっぱり、ここぞのコンビネーション、勅使河原君、光るモノ見せてくれたんだけど、
上下打ち分けについては不満感残る訳で、何でもかんでも要求し過ぎとは思うけど、
上背とリーチ優位な相手に対しても、そういう相手だからこそ、
その優位さで勝負させないためにも、もっとボディブロー意識した方がいいんだわ。
試合後パンツ一丁の勅使河原君と、椅子に座って話したんだけど、
どう考えても、自分、盛り込み過ぎの要求し過ぎだとは思ったんだけど、
彼の可能性には素晴らしいモノ感じてるし、色んな事克服できそうな感じするし、
で、つい調子に乗って、上に書いたようなこと伝えたんだよね。
体冷えるからって心配したんだけど、大丈夫ですっていうからさあ、
つい長話になってしまって、ゴメンなんだわ。
☆上岡泰君(元気)×工藤徹君(福田)……SB
5勝(3KO)1敗2分のサスポー、20歳・埼玉県と、
3勝(1KO)0敗1分の26歳・群馬県。
この試合、何と工藤君の計量失格ってことで上岡君の不戦勝。
☆伊藤雅雪君(伴流)×三浦数浩君(ドリーム)……Fe
6勝(3KO)0敗1分の21歳・東京都と、5勝1敗の23歳・青森県。
1R、
三浦君、カウンターの超名人、伊藤君を前にして、
まずはそれしかないだろうなあって感じのガチガチガードの詰め詰めで、
何とか取り付いたとこで、強烈左右フックで活路って感じなんだよね。
伊藤君、そういう相手は間違いなくやり難いんだろうけど、
特にイラつく様子もなく、焦って無理攻めするでもなく、
相手がガード解いて、打ち出す瞬間の隙狙って、的確なストレートは流石なんだわ。
2R、
三浦君、大きく振り出す割には実はそれほどのパンチ力ないのが残念で、
この回一発、かなり出来のいい左フックを打ち込んだんだけど、
特にどうということなく、合間合間に見栄えのいいストレート打ち込まれてなあ。
3R、
伊藤君、相手の打ち出しとか打ち終わりに合わせる感覚、異常に鋭くて、
キッチリガードで隙間限られた相手に、どうしてそんなに巧いのかって、
チャンスを逃すってことほぼなくて、30秒過ぎ、右ストレート一発直線打ち込みで、
三浦君の左目尻をヒットカットさせたんだわ。
更にまた、1分20秒、相手が踏み込んでくるとこ、
今度は右アッパー、見事な迎撃でグラッとさせた直後の緩みない追撃で、
相手、倒れる寸前まで追い込んでたね。
4R、
三浦君、こうなったらもう、無茶攻め以外ないんだけど、
だけどもう、かなり打たれ込んでて、動きままならなくなってるし、
意識も少し朦朧としてるみたいで、その可能性見えてこないまま終了ゴング。
結局、40-36、39-37×2ってのは仕方なくて、伊藤君の圧倒3-0勝ち。
伊藤君、去年の新人王戦の準決勝で、溜田剛士君と1-1の優勢負けしてて、
今年に賭ける思い人一倍強いみたいで、ここまで全く抜かりないんだわ。
☆坂本尚志君(帝拳)×太田啓介君(L玉熊)……SFe
3勝(1KO)0敗の31歳・福井県と、6勝(1KO)4敗の28歳・東京都。
この試合は始めから見るつもりなくて、普通にやれば太田君で間違いなくて、
それでも、決勝戦は一方的になるほど、Bグループとの差が大きいんだよね。
結局、思った通り、太田君の判定勝ちだったんだけど、
それにしても、40-37、39-37、38-38ってのはいったい何? って感じで、
また、ジャッジの中に宗教とか人生観の違う同士が混在してたんだろね。
☆遠藤健太君(宮田)×三谷雄造君(八王子中屋)……L
4勝(4KO)2敗の25歳・東京都と、4勝(1KO)0敗の30歳・広島県。
1R、
三谷君、この日の最年長だったんだけど、気持ちは若すぎるほど若くて、
ちょっと一発当てられると、まるで違うスイッチ入ってしまうみたいで、
無防備のままガーッて突っ込んでって、それまだ開始20秒のとこだったんだけど、
あっという間にダウン喰らってたなあ。
結構、どっちもアリのような感じだったんだけど、お互いの2~3発が交差する中、
遠藤君の返しの左、絵に描いたような直撃だったんだけどね。
それにしても三谷君、相手はシンプルワンツーだけなのに、簡単に貰い過ぎで、
再開後も、殆どガードしないまま、一方的な当てられ放題で、
セコンドからのアドバイスも殆ど聞こえてないみたいで、
残り30秒近くになったとこで、今度はまともに右ストレート直撃されてしまって、
これで2ダウン目の衝撃KOエンド。
2分30秒ってことだったんだけど、まるで暴風雨のような試合だったなあ。
☆合田剛士君(草加有沢)×福地健人君(角海老)……SL
4勝(2KO)1敗の28歳・愛媛県と、4勝(4KO)1敗の23歳・東京都。
1R、
比較的距離取ってやりたい正統派福地君に対して合田君、
とにかく詰め詰め、体寄せてからの無茶振り系全力左右フック攻めって戦法で、
でもまあとにかく、取り敢えずは頭から突っ込み過ぎなもんで、注意二回。
福地君、ちょっと持て余しながらも、左突きながら的確なショートブロー打ち込んで、
まずまず優勢なまま、この回はそろそろだなって、休んだ訳じゃないんだろうけど、
一段落させてちょっと下がってロープ背にしたその刹那、残り1秒、ホントの1秒、
確か、左ショートアッパーだったと思うんだけど、ガツンと打ち込まれてしまって、
なんてこったのダウン貰ってしまったんだわ。
2R、
そりゃ合田君、益々力任せに行くのは当然だったんだけど、
福地君の方も、岡田博喜君との決着前に、絶対ここで負ける訳にはいかなくて、
そういう気持ちに溢れての殴り合いに突っ込んでいったんだわ。
福地君、ガードの上からでもガンガン打つべきだって思ったんだけど、
時間進むにつれ、合田君の滅茶振りに山ほどの隙できてきたもんで、
何しろ彼、ストレート無しの殆どが横振り大フックオンリーなもんで、
腕が体から離れる離れるなもんで、そこんとこ福地君、的確に突きまくって、
左右のショートフックにアッパーまで巧いこと混ぜ込んで、残り1分半前、
赤コーナー前で一気にラッシュかけて、ボコボコヒットで見事ダウンゲット。
合田君、倒れまいとして必死に踏ん張り続けたもんで、
その分余計に被弾数増やして、ダメージ深めてしまったもんで、
立ち上がりはしたんだけど、結局レフェリーが続行不能と判断してのTKOエンド。
これでほぼ100%の確率で、福地君、夢叶うんだわ。
試合前、福地君のこと、仁人さんに話したんだけど、
多分、心の中で応援してくれてたと思うなあ。
☆田中亮治君(ヨネクラ)×糸山良太君(角海老)……W
3勝1敗1分の25歳・埼玉県と、5勝(4KO)4敗の27歳・沖縄県。
試合前のボクサーと話しするってのは、自分の中でのタブーなんだけど、
ポツンと一人で椅子に座ってた糸山君が気になったもんで、
彼、沖縄から出て来てまだそれほど間もないし、声掛けたんだよね。
正直なとこ、君は以前は特にどうってことないボクサーだったけど、
移籍してきて強い相手と日常的にスパー重ねるようになってから、
そして前回の試合から、君はホント、強くなったんだからねって、伝えたんだよね。
彼、ヘアスタイルから何まで、真面目なサラリーマン以外には見えないんだよね。
1R、
相手にパンチ力ないから助かってるけど、糸山君、4発ばかりいいの貰ってて、
とにかく、簡単に入って来れないような工夫、もっと要るんだわ。
ジャブなの? フットワークなの? 何でもいいからとにかくさあ。
相手が超攻撃的で舞い上がり気味に突っかけて来るんだから、
糸山君、様子見は早いとこ切り上げて、先攻め先攻めなんだわ。
2R、
田中君、バランスは良くないんだけど、とにかく強気強気のパフォーマンスで、
手止めない止めないなもんで、糸山君、出鼻くじかれっ放しのままで、
このまま流れ取られると取り返しつかなくなるぞって見てたら、始まって1分過ぎ、
西ロープ間際で糸山君、足元乱れて態勢崩したことにパンチかすられて、
それ、もしかしたら当たってなかったかも知れないほどだったんだけど、
とにかく、相手の腕振りに合った倒れ方してしまったもんで、ダウン宣告。
全くダメージないまま再開されたんだけど、行けると思ったか合田君、
前のめりになりながら、パンチの形も殴り方もちょっと無鉄砲過ぎる中、
結構冷静だった糸山君の左右、カウンター気味に直撃して、挽回のダウンゲット。
糸山君、元々田中君のパンチとは比較にならないほど当たり方が強いもんで、
再開後、もう殆ど終わってしまいそうなとこまでいったんだけど、
田中君、根性の踏ん張り見せて、いつ倒れてもおかしくないとこ凌ぎきったんだわ。
3R、
田中君、まだ1ポイント優位ではあったんだけど、
立場一気の逆転で、前の回のダメージ拭いきれてなくて、
体寄せるのが精一杯で、やっとこさ振ってる左右フックも、
それまで何回か注意された上でのローブロー減点喰らってしまったんだわ。
整理すると、これでマッチイーブンってことだったんだけど、
リング上、既に勝者と敗者が決まってるかのような様相で、
結局、残り50秒辺り、最早逃げ惑うしかない田中君に対して糸山君、
最後の引導渡すような渾身の強烈ショット打ち込みで、
結局、見事なカウントアウトKO勝ち。
糸山君、初めて見たなあ、こぼれるような笑顔だったし、
角海老ジム、連続逆転勝ちに大盛り上がりで、一昨日の悲劇忘れさせてたね。
☆望月良介君(山上)×横田知之君(八王子中屋)……M
2勝(2KO)2敗の27歳・東京都と、3勝(2KO)2敗の26歳・埼玉県。
中屋ジム、セコンド陣のシューズがアディダスのお揃いなんだね。
1R、
二人とも、良く動けるミドル級なもんで、迫力あるんだよね。
1分過ぎ、望月君、強気な攻めの中から一発右当てたのをきっかけに、
それこそ鬼のようなラッシュかけて、いきなり横田君からダウンゲット。
ダメージ完全には払拭しきれてない再開後、望月君、勿論一気勝負で、
それこそ、これでお終いにしてやるって感じで、嵐のような26連発。
誰が見てもエンディングがかなり近いとこにあったんだけど、横田君、
逃げまくりながらも、意識は飛んでなかったみたいで、
セコンドからの、頭動かせ、頭動かせの絶叫に、ちゃんと応えてたんだわ。
それでも足元ポクポクしてるし、最後の最後、またもや強烈右フック貰ってしまって、
本人必死クリンチ逃げして、仲間達、あと5秒、あと3秒頑張れって大騒ぎしてて、
最後凌ぎきった時には、お前はエライって湧きあがってたなあ。
ただ自分、この時、エンディングが次のラウンドに延びただけなんじゃないかって、
正直、沈み込むように感じてたんだよね。
だって横田君、それこそもうフラフラだったんだからね。
2R、
自分、悲しいラウンドの開始なのかなって、静かに見つめてたんだけど、
横田君、明らかに反応悪くなってるんだけど、気持ちは全く萎えてないみたいで、
それ、殆ど驚異的で、適宜セコンドの指示守ろうと必死パフォーマンスしてるんだわ。
って見てたら1分過ぎ、ここでそんなにいい角度で打てるかって程の左ボディ、
それもかなり力込めた左ボディ、強烈喰い込みさせたんだわ。
オイオイオイオイ、横田君、どうなってんだあって感じで、
前の回、終わりにするつもりの26連発の全力ショットが実らなくて、望月君、
気持に落胆あったか、とにかく相当の体力消耗した後だったせいもあってか、
力抜けてたようなとこに貰ってしまったもんで、かなり効いてるみたいなんだわ。
周りのみんなと、とにかく横田君にゴメンって心で言いながら、
横田君のその後の左ボディ、効き目を確かめるように見続けたんだけど、
こういう展開になったら、どうしたって横田君応援ってことで、まずは1ポイント挽回。
3R、
望月君、左右ストレート、横田君、強い左ジャブと左ボディ。
双方、疲労の極致の上の消耗合戦で、テクニック的には色々あるんだろうけど、
男の戦う気持ち溢れさせた、稀に見る激烈熱戦だったんだけど、
印象的だったのは、すぐ隣で見てた中屋会長で、
こういう場合、殆どが興奮してがなり立てるとこ、常に寡黙に見つめてて、
必要に応じて、鋭く短い言葉で指示出すんだよね。
実はその指示で横田君、1Rで終わらなくて済んだの間違いなかったんだよね。
ここに来て、より力こもってるのは何と横田君の方で、確実に有効打ゲットなんだわ。
4R、
どう見てもここまでイーブンの中、このラウンド取った方が勝ちってことで、
初めの30秒、横田君、その後望月君、そしてまたその後横田君って感じで、
もうお互い、長い時間攻め続けられなくなってて、代わり番このせめぎ合いで、
代わり番こにチャージ要るもんで、両者が同時に打ち合う場面はなくなってて、
その攻めてる時のパフォーマンス競争ってことで、
ほんの僅かだけ横田君が征したまま、残り30秒切ったんだわ。
で、最後の最後、歯食いしばって、本来なら望月君の番だったとこ、
横田君、相手押し込みながらの4~5発連打、手止めなかったとこで終了ゴング。
これはもう、絵に描いたような根性勝ちって言う以外、言いようがなくて、
横田君、君は凄かったよ。
結局、38-38って、イーブンラウンド一個作ったクールで勇気あるジャッジが、
一人いたんだけど、残りの二人が38-37だったもんで、横田君の2-0勝ち。
自分、こういう試合の場合、二人ともホントよく頑張ったよねって、
イーブンにする気持、一番持ってない観客だと思ってて、
こういう試合だからこそ、意地でも白黒つけてやるって感じなんだよね。
それにしても、人間ってのは、ダメだってとこからでも必死こけば、
何とかなるもんなんだって、つくづく思ったなあ。
林和希君、芋生敏幸君、チャーリー太田さん、仁人さん、山口桂太さん、
それに林崎智嘉志君達も大騒ぎだったなあ。
こういう試合、やっぱり現場に足運ばないと絶対見られない訳で、
新聞記事になんかなると、2-0で横田選手の判定勝ちってなるだけなんだけど、
その裏で起こってた真実には、想像絶するモノあるんだよね。
そう言えば昨日は、横田君の他、勅使河原君も、福地君も、糸山君も、
ダウン喰らってからのときめきの巻き返しで、水戸黄門的展開っていうか、
みんな、網走場番外地の高倉健みたいなとこあって、もう惚れ惚れだったんだわ。
結局昨日の10試合で、勝敗予想を外したのが二つあって、
佐藤拓茂君、遠藤健太君、申し訳なかったっす。
【本日のベスト3ボクサー】
① 横田知之君
② 糸山良太君
③ 福地健人君、勅使河原弘昌君
ここんとこ5日間、ドームではSMAPのコンサートってことで、
10時の終了とかち合うと、とんでもないことになるもんで、
5万人近いオバサン達の群れに囲まれたら、それは想像を絶する訳で、
で、早々に引き上げたんだよね。
帰りの電車の中、3人掛けの真ん中が空いたんだけど、
もう一人がデブッチョだったもんで、スペースに限界あったとこに、
もっとデブの40代の男が無理くりケツ入れてきて、腕組みするもんで、
もう押し付けられ感半端じゃなくて、自分、そういうの大嫌いなもんで、
そんなにまでして座りたいってかあ? などと悪態も付かず、
席立ったんだけど、そのデブ、2分後次の駅で降りて行ったんだけど、
ああいうのは一体何なのかなあ。