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2011年4月 6日 (水)

後楽園ホール・4月5日

                                                         

あれから25日も経ったせいか、東北の方、相変わらず大変だろなあ、

何も解決してないからなあって、頭の片隅にはあるんだけど、

自分、音楽聞いたり、映画見たり、野良猫にエサやったり、植木に水やったり、

それにボクシングも見に行ったり、もうすっかり以前からの日常が戻ってて、

なんか後ろめたさみたいなものも薄っすら感じるんだけど、

だから、東北の方のこと、しっかり心の中に焼き直す為に、

ホールでの黙とう、一生懸命にしようって思ったんだよね。

                                                             

                                                           

この日のホール、目当ては、奈須勇樹さん×時松友二君の試合と、

星野晃規君×佐藤宗史君の試合だったんだけど、

残念、後の試合、星野君棄権で、流れてしまったんだわ。

                                                           

                                                          

◆青澤正憲君(ワタナベ)×草野真悟君(ヨネクラ)……Fe 4R

デビュー戦の36才・秋田県と、デビュー戦のサウスポー、22才・福島県。

                                                          

青澤君、どう見ても思い出ボクシングで、最後の駆け込みデビューって感じだなあ。

                                                            

1R、その青澤君、残念ながらまるでボクシングになってなくて、

超が付くほどの怖がり全面に出てしまって、気の毒以外の何物でも無くて、

リング中央でゴツゴツやられたと思ったら、グニャッて崩れ落ちてしまって、

何とか立ち上がりはしたんだけど、全くの戦意喪失で、そのままカウントアウト。

1分40秒だけ、頑張ったんだけどね……。

                                                         

                                                        

◆高林良幸君(RK)×芋生敏幸君(八王子中屋)……Fe 4R

デビュー戦の22才・北海道と、デビュー戦の28才・東京都。

                                                          

サウスポー同士の対戦。

                                                           

1R、見るからに気の強い同士みたいで、相手の動き見極めてからなんてのなくて、

とにかく、殴る殴るのハイテンション・フルショット。

                                                         

2R、距離詰まったとこで細かく早く強く打ててるのは、手の長い高林君の方で、

残り1分から、芋生君、相当打たれ込んでしまったもんで、もう顔真っ赤で、

バランスも崩れてきて、返すパンチも大分流れるようになってしまったんだわ。

                                                          

3R、流れは完璧高林君で、芋生君、かなり消耗進んでたんだけど、

彼、諦め悪いというか、ここからが本領発揮というか、驚きの反転ガンガン攻勢で、

途中バッティングで眉間カットしながらも異常な頑張り直しなもんで、

最後の方は二人とも、口開きながらの必死な形相だったんだわ。。

                                                          

それにしても、芋生君の眉間のキズをドクターチェックする時、

レフェリーストップと勘違いしたみたいで、タイムキーパーがゴング鳴らしてたなあ。

                                                          

4R、芋生君の大攻勢で、高林君、徐々に足もつれ始めて、勝負混沌としてきて、

こうなると気持ち強い方が勝ち持っていくんだけど、二人とも引かないんだよなあ。

                                                       

お互い血だらけのフラフラなのに、絶対倒れないって決めてるみたいで、

こんなデビュー戦、滅多に見られるもんじゃなくて、場内もう大騒ぎだったんだわ。

                                                           

判定、微妙だったんだけど、結局39-38×2、38-38の2-0で芋生君の勝ち。

                                                          

リングサイドに荒川仁人さん、淵上誠さん、丸山伸雄さん、林和希君達来てて、

もう大騒ぎだったなあ。

                                                           

                                                          

◆室井成太郎君(ビータイト)×込山好古君(ヨネクラ)

                             ………B 4R

デビュー戦の21才・東京都と、デビュー戦のサウスポー、18才・東京都。

                                                          

込山君、10㎝弱背高いんだけど、人気者みたいで、

デビュー戦なのに、お揃いTシャツできてて、トランクスも高そうなんだわ。

                                                          

1R、室井君、ストレート系のパンチ、少し押し気味なんだけど、とっても気持ち強くて、

常に前へ前へのプレスかけ続けて、思いっきりのショット振りまくってる。

                                                          

込山君、アマ経験ありそうな感じで、動きとかパンチ出し上回ってるんだけど、

ちょっと硬くて、ひ弱そうな感じも併せ持ってるね。

                                                          

2R、込山君、スタイリッシュにやりたがってるみたいなんだけど、

室井君のブルファイターぶりに手を焼いてるなあ。

                                                          

3R、肩から押し込んで来るような室井君に対して、

込山君も少し荒目な動きするようになってるんだけど、

入って来るタイミング作らせないように、もっと先に手出すべきなんだけどなあ。

                                                          

4R、流石のブルファイター室井君も、大分疲れてダルダルになってきたもんで、

ここがチャンスの一気攻めなんだけど、込山君の方も消耗進んでて、

でもとにかく、二人とも、今持ってるモノ全部出し切ることできて、

それ、見てる方にも充分伝わってきて、なかなかいい試合だったよ。

                                                           

一つ前の試合と同じくらい微妙な判定になると思ったんだけど、

結局39-38×3の3-0で、室井君の勝ち。

                                                           

込山君、いい左ジャブ持ってんだから、あれ、もっとビシバシだったよね。

                                                        

                                                          

◆斉藤正樹君(TEAM10)×山内貴史君(沼田)……SL 6R

5勝5敗2分の26才・神奈川県と、4勝(3KO)4敗1分の29才・北海道。

                                                            

1R、斉藤君、10㎝ほどデカイし、リーチも圧倒してるんだけど、

意外にショートブロー巧くて、上下の打ち分けもいいんだよね。

山内君、強い振りしてるんだけど、どう見てもちょっと単調過ぎだなあ。

                                                          

2R、山内君、パンチ力に自信あるせいか、仕掛けが大き過ぎだし、

強い振りも、なんか波打って緩んだ感じなんだよなあ。

                                                          

3R、斉藤君の方も、ちゃんと振ってるように見えるんだけど、

全く効きが良くなくて、どうしてなのかなあ。

                                                           

山内君、距離詰まってからが本領発揮みたいではあるんだけど、

お互い新しい工夫が出せないで、徐々に退屈な展開になっていったんだわ。

                                                           

4R、このクラスになると、一発深いダメージ与えられるような強いパンチ持ってないと、

辛いんだけど、斉藤君、ホント辛いよなあ。

                                                           

それでも、斉藤君、ヒット数は圧倒してるもんで、山内君の消耗ハッキリしてきて、

残り1分、ここが倒しどこだって場面来たんだけど、何故か、行かないんだわ。

                                                          

5R~6R、決定力に欠ける同士の試合ってのは、

お互い、何度もチャンスやり過ごしてしまうってこと多くて、

結局、ハードパンチの交換って訳じゃないのに、二人で2回づつも替わり番こに、

マウスピース落とし合うっていう、珍しいというか、口の緩んだ試合だったなあ。

60-54、60-55、59-55の3-0で、見たまんまの斉藤君の判定勝ち。

                                                          

                                                         

◆時松友二君(熊谷コサカ)×奈須勇樹さん(角海老)

                          ………51.5㎏ 8R

7勝(1KO)2敗のサウスポー、29才・大分県と、

18勝(13KO)6敗のランク10位、28才・東京都。

                                                         

二人とも何度も話したことある良く知ってるボクサーなもんで……。

                                                           

1R、アレーッ、時松君、動きとパンチ出しの変則さ、大分納まってて、

なんか普通のサウスポーボクサーになってるんだわさ。

っていうことは、最近自信付けてきたっていうこと?

                                                           

一方の奈須さん、相手の動き見極めるとこからの比較的慎重なスタートで、

それでも動きの一つ一つに鋭いモノあるし、調子いいみたいだね。

                                                           

時松君の先制チャカチャカ攻撃に対し、若干控え気味に滑り出した奈須さんに、

手出せ! 手出せって、やたらガナってたオッサン、近くにいたんだけど、

4回戦じゃあるまいし、やっとのことでゲットしたランキング、

初めっからの無茶振りで危険にさらす訳にはいかないもんで、それでいいんだわ。

                                                         

奈須さん、全てのショットのタイミング、キッチリ合ってるね。

                                                          

2R、時松さんの怖いショットは、右の変則引っかけフックと、

ノーモーション気味に出てくる左ストレートなんだけど、右変則打って来ないね。

                                                            

奈須さん、1分過ぎ、瞬速左右ストレートをボディ、顔面に打ち分けたら、

時松君、一瞬グラついてしまって、とにかくパンチの速さとバリエーション圧倒してて、

常にプレスかけ続けることできてるし、主導権完全に奪ったんだわ。

                                                          

3R、時松君、例の変則さ封印したら、相手に与える脅威半減なんだけど、

どうしたのかなあ、奈須さんの圧力半端じゃなかったのかなあ。

                                                            

このラウンドの半分過ぎ、奈須さん、いきなりの右ストレート大直撃させたんだけど、

時松君、東側ロープなかったら、完璧ダウンのファインショットだったよなあ。

                                                          

奈須さん、決めの右フック、ちょっと大き過ぎたせいか外すこと多かったんだけど、

ストレート系のパンチは、長いのも短いのも抜群の精度と威力なんだわ。

                                                           

4R、最近特に意識強めてるボディブローも絶好調で、

時松君、どうしたらいいか困るほど、色んなとこから色んなパンチ飛んで来るんだわ。

                                                            

タイトで重そうな右ショート連発されて、時松君、鼻血吹き出て顔じゅう真っ赤で、

もう一方的になってしまって、いきなり時間の問題になっていったんだわ。

                                                         

それにしても時松君も気持ち強いボクサーで、ちょっと見、ひ弱そうに見えるんだけど、

奈須さん、パンチ力落ちたのかって思わせるほどの踏ん張り見せて、

もうとっくに倒れてもいいのに、限度以上の気持ち出してたんだわ。

                                                         

5R、ここまで来るともう最後の仕上げってことで、

でも奈須さん、雑にならないで、あくまで持ち味のタイトなパフォーマンス貫いて、

強振してもバランス保ってるし、左右の腕振り、緩急あるし、

瞬間瞬間の自らの筋肉の反応楽しむかのような、極上の動きだったんだわ。

                                                       

結局、このラウンド2分32秒、北西ニュートラルに追い詰めたとこ、

時松さん、もはや足使って逃げ切れず、反撃の手止まったとこで、

レフェリーストップと、タオル投入が重なったみたいなとこでTKOエンド。

奈須さん、得心のボクシングができたみたいで、とっても嬉しそうにしてたなあ。

                                                           

                                                         

◆生田真敬さん(ワタナベ)×大澤陽介君(大橋)

                          ………62.5㎏ 8R

13勝(6KO)7敗1分のランク9位、29才・新潟県と、

7勝(5KO)6敗1分の27才・千葉県。

                                                         

大澤君、スピード無いし、生田さんも比較的勝負遅いもんで、

結構時間かかるんじゃないかって思ったもんで、

1R見ただけで抜けて、ちょっと奈須さんに会いに行ったんだわ。

                                                          

控室近辺での騒ぎ一段落した後、阿部トレーナーと、生人さんと4人で、

色々話したんだけど、奈須さん、久し振りに納得いく試合できたみたいで、

ホント、嬉しそうにしてて、ボクサーのああいう姿見ると、元気出るよなあ。

                                                            

生人さん、仕留めが遅すぎで、いたぶってるように見えたぞって言ってたけど、

そうなんだわ、もう少し早目にストップかかるように、

レフェリーにその気にさせるような、一気攻め必要だったかも知れないね。

                                                          

阿部トレーナーもホッとした雰囲気漂わせてて、

身内に今回の津波被災者いるとこ、色々御苦労さまだったんだわ。

                                                           

奈須さん、ホントに嬉しかったんだろね、あんなことされたの始めてだったんだけど、

みんなにドリンク奢ってくれて、そういうのこっちがやんなくちゃいけないのに、

本人、シャワー浴びる前だってのに、ホント、アリガトネ。

                                                          

阿部さんと生人さんは、先に帰るって事で、みんなそこで別れたんだけど、

控室に一人残って、奈須さん、色々な思いに浸ってたんだろなあ。

                                                           

                                                        

長引くと思ってた試合、意外な展開で、3R2分35秒、生田さんのTKO勝ちで、

席に戻った時、次の試合の5R目だったもんなあ。

                                                            

                                                           

◆上野則之さん(RK)×佐野司君(F赤羽)……Fe 8R

12勝(4KO)10敗4分のランク2位、29才・栃木県と、

7勝(3KO)5敗2分の26才・岩手県。

                                                          

この日のランキング挑戦者たち、三人とも湧き出るような覇気とか殺気全然無いし、

何か怖々やってるみたいな感じで、そもそも、圧倒的にスピード足りてないんだわ。

テクニックとかスタミナとか色々あるんだろうけど、

気持ちとスピードが伴わないとどうにもなんないと思うんだよね、ボクシングは……。

                                                        

結局、6R3分02秒、ちょっと雑にしか見てなかったもんで、

でもとにかくリング中央で、上野さんの右だったか左だったかのストレート、

まともに貰ってしまって、佐野君、一発昏倒ダウンで、ノ―カウントTKO決着。

                                                            

上野さん、2月度ランキングからいつの間にかRKへ移籍してたんだよなあ。

                                                          

                                                           

◆斉藤幸伸丸さん(輪島S)×森眞君(赤城)……W 8R

15勝(8KO)3敗1分のランク1位、32才・北海道と、

8勝(4KO)9敗1分のサウスポー、30才・愛媛県。

                                                         

1R、戦績からして、ちょっとシンドイんじゃないかって、本人が思ってるみたいで、

5㎝以上背高くて、体も一回りデカイ森君、なんかオドオドしてて、大丈夫かあ?

                                                           

スピードと体のデカさとの勝負なんだから、森君、ブルド―ザみたいなプレスかけて、

ガンガン、多少の無茶振り、バカ振りすればいいのに、全くの気合負けで、

残り40秒、簡単に南東ニュートラルに詰められて、右ストレート一閃されてダウン。

                                                         

2R、もう殆ど全く勝負になってなくて、始まってすぐ20秒ほどのとこ、

自分のコーナーのすぐ近くで、ゴツゴツ、ドッスンって、斉藤さんにド突かれて、

あっと言う間のダウンで、ほぼノ―カウントストップエンド。

斉藤さん、別にって感じだったなあ。

                                                        

                                                          

生田さんも、上野さんも、正直、ここまで破竹の勢いでランカーになった訳じゃなくて、

どっちかと言うと、気持ちの強さとスピード鍛えて、やっとこさ登って来たんだけど、

この日のチャレンジャー達には、そういうとこ全く感じられなくて、情けなかったなあ。

                                                          

勝った負けたなんて、どうでもいいとは言わないけど、

まず気持ちが出て来ないと、ボクシングは始まらない訳で、

そういうのが見たくてボクシング見に行く訳で……。

                                                           

 

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