後楽園ホール・4月4日
不謹慎かも知れないけど、黙とうっていうのが日常化するっていうのは……。
再開後4回目のボクシングなんだけど、その度の黙とうなもんでね。
最初の時はシッカリ祈りみたいのを込めたんだけど、
二回目、三回目はチョット雑になってしまったもんで、昨日はまたちゃんとしたよ。
日常化っていえば、福島原発関連のニュースも、
日々のニュースや天気予報と一緒にセット化されてしまったみたいだよね。
世界中の原発や核関連の学者や業者達にとって、
今や日本は稀に見る一大実験場になってて、めったに収集できない数々のデータや、
事故発生のメカニズムの究明、解決手法の選択と効果の検証なんかで、
色めき立ってるっていうんだよなあ。
昨日のボクシング、初めの三試合が新人王トーナメントの予選だったんだけど、
まだ二日しか見てないけど、今年の新人王戦、何か層が薄い感じするんだよなあ。
◆木村嘉仁君(渡嘉敷)×鈴木将史君(鹿島灘)……Fe 4R
1勝(1KO)4敗の24才・愛知県と、2勝1敗の20才・茨城県。
1R、木村君は、まあ普通のボクサーなんだけど、
鈴木君、とにかくギリギリまで手出さない省エネボクシングで、とっても静かなんだわ。
2R、鈴木君、徹底的に打ち合い避けるスタイルで、下がりながらの空き巣狙いで、
そういうスタイルなんだろうけど、アウトボクシングとはちょっと違うと思うけどなあ。
対する木村君、はやる気持ちにテクニックが付いていってないもんで、空転、空転。
気分と状況変えようとして、サウスポー試みるんだけど、そういう問題じゃないんだわ。
3R、鈴木君、相変わらず、一発ポコンって打ってすぐ下がるし、
木村君、空回りの連続だし、イラついてきたもんで、自分、メール確認とか……。
結局、39-37、39-38×2の3-0で、鈴木君の勝ちだったんだけど、
今回の震災絡みで練習できなかったっていうことなのかなあ。
◆中川とん虎君(渡嘉敷)×相馬圭吾君(三迫)……B 4R
3勝(1KO)3敗の26才・新潟県と、2勝(1KO)3敗1分の25才・埼玉県。
中川君、去年は準決勝で敗退したんだけど、微妙な判定試合が多くて、
今年二回目の新人王挑戦。
1R、相馬君、怖々やってるのが浮き出てて、すぐ頭下げてしまうし、
見えてないとこからムチャ振りして、とにかくずっと下がり気味なんだわ。
そういうとこ見透かされてしまって、相手に見切られてしまったか、残り55秒、
下がらされながら左ストレート直撃されて、ダウン。
2R、中川君、相手は横振りオンリーなんだから、もっともっとのストレートだよなあ。
相馬君、相変わらず、腰引いて下向きながらやってる。
3R、正直、中川君も今一つで、二人ともこの後勝ち進むにはパンチ力もスピードも、
かなり足りてないように見えたんだよなあ。
4R、テクニック不足同士の試合だと、勝負決めるのは気持ちだけなんだけど、
そうなると中川君、終始圧倒してて、
結局、39-36×2、39-37の3-0で、見てて当然の勝ち上がり。
◆鈴木勇治君(渡嘉敷)×小倉敬寿(横浜さくら)……L 4R
2勝(2KO)2敗の21才・群馬県と、1勝(1KO)2敗の29才・神奈川県。
鈴木君、階級一つ上げての新人王再挑戦。
1R、二人とも戦う気持ちに溢れてて、とっても気持ちいいんだわ。
スタイルも良く似たパワー系なんだけど、ちゃんと形になってるよ。
2R、お互い、勝ちは全てKO決着っていう分かり易いボクシングなんだけど、
1分過ぎ頃、リング中央、鈴木君、見事なコンビネーションで2~3発直撃させると、
瞬間、小倉君グラッとしてしまって、思わず腰落とし加減になったとこ、
少し唐突な感じでレフェリーが割って入って、いきなりのストップエンド。
致命的には見えなかったもんで、自分も小倉君も、エエーッて感じだったんだけど、
ああいう場合、取り敢えずスタンディングダウン取るのがいいと思うんだけどなあ。
でもとにかく、この回51秒、鈴木君のTKO勝ちで、二回戦進出。
◆儀間謙英君(渡嘉敷)×南澤裕章君(石神井S)……B 4R
3勝(1KO)2敗の25才・沖縄県と、デビュー戦の20才・滋賀県。
ギマ・ケンエイって名前、なんか凄いね。
1R、デビュー戦の南澤君、一発ジャブ出しただけで、アマ経験者って分かるほど。
彼、頭半分背高いし、リーチも圧倒してるもんで、何か余裕の初戦なんだわ。
ただ、どうしてだか単発アクションなもんで、相手に簡単に中に入られてるなあ。
儀間君の方は、とにかく取り付いてのガチャガチャから始まるんだよね。
2R、南澤君、リズム感もバランスもとってもいいんだけど、
とにかく手数不足、遅過ぎ仕掛けが目に付いて、何か楽してやろうとしてるみたい。
3R、テクニック圧倒してるのに、なるべく長く試合しようって意識してるのか、
とにかく、南澤君、あまりのトロトロさなもんで、イラつくというか、眠くなるんだわ。
あんな風な試合に慣れてしまうと、先行って苦労すると思うけどなあ。
一方の儀間君も、ガムシャラさというか、なめんじゃねえぜ的気持ち足りてなくて…。
4R、そのままのズルズルエンドだったもんで、ホント詰まんない試合だったなあ。
結局、40-36、40-37×2の3-0で、勿論南澤君だったんだけどね。
◆宮本健太郎君(渡嘉敷)×野崎祐一郎君(八王子中屋)
………66㎏ 4R
2勝(2KO)2敗のサウスポー、24才・東京都と、3勝(2KO)2敗の26才・東京都。
淵上誠さんと荒川仁人さんが並んで野崎君の応援。
中屋ジムのセコンドの人達、ちゃんとした喪章付けてたね。
1R、宮本君、ドッシリした構えで軸シッカリしてて、前の手のさばきも巧いし、
相手の打ち終わりに合わせるタイミングもとってもいいんだわ。
野崎君、どういう風にやろうか、ちょっと戸惑ってるような動きかなあ。
2R、野崎君、綺麗なボクシング勝負になるとちょっとシンドそうに見えるんだけど、
だから、少々荒っぽくやる方がいいんじゃないかって思ってたんだけど、
何か行ききれないとこあって、軸ルーズになってバランスも良くないんだわ。
3R、流れ変えるの難しい展開に見えたんだけど、この回一気に殴り合いに突入。
相手の動き見極めながらクールに打ち返してくる宮本君に対して、
野崎君、気合い一発、不器用熱闘ボクシング、やっと方向見えてきたみたいで、
場内の興奮度一気に高まっていったんだわ。
4R、野崎君、結構いいのを喰らいまくってるのに一歩も引かなくて、
なんか、手負いのグリズリーみたいな突然の大迫力で、前へ前へ襲いかかるんだわ。
途中、強振するとヨロッとしてたし、一時はそろそろ危ないんじゃないかって、
そういうとこからの頑張り直しの大挽回だったもんで、終了ゴング鳴った時、
場内、全く関係ない人達も取り込んでの、この日最大の大拍手だったんだわ。
野崎君、そういうとこもう少し早目に出せたらなあって、自分思ったんだけどね。
結局、39-37、39-38×2の3-0で、宮本君の勝ちは妥当だったけどね。
◆松山真虎(ワタナベ)×木下良介君(イマオカ)……B 6R
4勝(2KO)3敗の21才・鹿児島県と、5勝(1KO)6敗1分の31才・愛媛県。
1R、二人とも開始ゴング直後から、イーブンできた最終ラウンドみたいな感じで、
そんな調子で最後まで行けるのかって程のハイテンションで始まったんだわ。
お互い、気持ちで負けてないとこ見せ合うような、そんな熱い雰囲気だったなあ。
2R、手数は同じようなものなんだけど、パンチにより力込められてるのは木下君で、
松山君、ちょっと腰浮き加減で、打ち出しが弱々しいかなあって見てたんだけど、
残り40秒ほどのとこで、その木下君、松山君の左貰ってしまって、ダウン。
それ程のダメージ残さないタイミングダウンだったもんで、
木下君、立ち上がってから猛反撃。
3R、アレーッ、木下君、何だか大分消耗してるみたいで、
両足揃ってしまう場面多くなって、ちょっと危ない感じも漂ってきる。
松山君の方は、殆ど劣化ないんだけど、相変わらず振りが弱いんだよなあ。
4R、序盤の飛ばし過ぎが効いてきたか、二人とも極端に勢い落ちてきて、
フットワーク使って距離取ったカッコイイボクシングできなくなってしまって、
体もたらせ合いながらのスタミナ消耗戦に突入なんだわ。
5R、ガツガツ頭ぶつかり合うこと増えてったせいか、木下君、左顔面腫れてきて、
で、折角のイチロー顔台無しで、口開いてハ―ハ―しながらやってんだよなあ。
松山君の方は、ヒョウヒョウとして、ずっと同じペース保ってるね。
6R、やっぱり木下君の腫れ、右目上の内出血悪化して、ここでお終い。
負傷判定勝だなって思ってたら、木下君のあの内出血、パンチが原因ってことで、
この回16秒、松山君のTKO勝ちってコール。
でも自分、それ、おかしいでしょとしか思えなくて、
だってそれ、5Rの二人のガツガツバッティングが原因でできたキズなわけで、
途中、ドクターチェックの時も、レフェリー、何のジェスチャーもしないし、
インスペクターに呼び戻された時も何の説明もなかったし、
突然のことで、何?それ、って感じしかしなかったなあ。
◆三輪俊輔君(渡嘉敷)×西崎岳地君(新日本木村)
………SFe 6R
3勝(1KO)2敗2分の29才・北海道と、4勝(1KO)3敗1分の28才・沖縄県。
一見強そうなんだけど、常に手遅れ気味の単調この上ないボクシングと、
下向きながらの怖がりボクシングなもんで、全く詰まんなくて……。
後で聞いたら、57-56、57-57×2で、ドローだってね。
この後、全く意味分かんないスパーリングと、女子ボクシングが挟まれてたもんで、
ユックリ休憩取れて、コーヒー飲んだり煙草吸ったり、ブラブラしてたんだけど、
お陰で、渡辺会長とか瀬端さん達と、久し振りに色んな話できたし、
中屋ジムの筒井さんともお久し振りだったなあ。
それから、淵上誠さんと2月の月間賞のこと話してたら、
何と、横にいたのが林和希君で、彼、ホールには滅多に来ないもんで、
半年振りくらいだったし、ヘアスタイルも変ってたし、
でも、顔付引き締まってて、ちゃんと練習してるみたいだったなあ。
早いとこA級昇格して貰って、土屋修平さんとの再戦見たいんだよなあ。
自分、少しふざけ過ぎて申し訳なかったけど、それにしても彼の手デカかったなあ。
◆柴田明雄さん(ワタナベ)×中堀剛さん(本多)
………71.5㎏ 8R
15勝(7KO)6敗1分のランク1位、29才・神奈川県と、
16勝(7KO)7敗1分のランク9位、29才・千葉県。
中堀さんも11年目で、2002年の全日本新人王だから、息長いボクサーだよなあ。
試合前、廊下ですれ違った時、柴田さん、とってもキリッとした印象だったなあ。
中堀さん、元々キョトンとしたちょっと小島よしお系の眼差しなんだけど、
何か大人しそうな雰囲気で、殺気みたいなものとはほど遠かったんだけどね。
1R、中堀さん、どう見ても元気満々には見えなくて、いつもこんなんだったっけ?
開始ゴング鳴ってすぐ、柴田さん、距離測りながら腕振り確認してたんだけど、
中堀さんの方は、腰低くしながら右ストレートボディ打ってるんだけど、
なんかバランス良くないし、踏み込み甘くて全く届いてないんだわ。
威圧感は本来軽い方の柴田さんが圧倒してて、中堀さん、下がり下がりで、
30秒を過ぎたとこ、北西ニュートラル近く、柴田さんの右ストレートシュンって伸びて、
中堀さんの左顔面クリーンヒット。
その瞬間からか、そのチョット前からか、とにかく中堀さんの戦意見えて来なくて、
何か体調良くないみたいで、膝の動きも硬いし、全然ダメなんだわ。
すぐ後、対角戦に攻め込まれて、中堀さん、またもやのズルズル下がりで、
今度は南東ニュートラル近くに詰められてしまったんだけど、
その瞬間、あれほどワンツーが綺麗に決まるとこ、自分、久し振りに見たんだけど、
初めの左を少し低目に打ち出しといて、相手の目線と注意下げさせた瞬間、
柴田さん、超速右ストレート、スパーンって絵に描いたような大直撃させたもんで、
勿論中堀さん、ドッカーン大ダウン。
中堀さん、カウントアウトされる前に、何とか立ち上がりはしたんだけど、
レフェリーに続行不能って判断されて、ここでTKOエンド。
1分18秒だったんだけど、柴田さん、攻め込み始めてからの瞬殺だったんだわ。
柴田さんのキレにもタマゲタけど、中堀さん、絶対体調不良だったとも思ったな。
あのさあ、NHKBS1のメジャーリーグ中継、音声、微妙にずれるんだけど……。