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2010年12月 6日 (月)

クラシック音楽

                                                         

クラシック音楽との初めての出会いは、遥か昔のガキの頃。

                                                         

自分の家では、一日中、NHKのラジオがつけっ放しだったんだけど、

そんな環境なもんで、いわゆる昭和歌謡が自然に山ほど耳に入って来てたんだけど、

なかなか歌が始まらない、延々のカラオケみたいな音楽として、

クラシック音楽ってモノが初めて、自分の前に登場したんだわ。

                                                         

小学校前のガキに、そんな音楽が面白かろうはずなく、ただの詰まんないモノとして、

何ということもなく、その時は、自分の前を通り過ぎたんだよね。

                                                        

その次に、クラシック音楽が、自分の前に登場したのは、中学の音楽の授業。

                                                        

その音楽教師が、今日はクラシック音楽のレコードを聞いて下さいとか言って、

ベートーベンの “田園交響楽” をかけて、あとで感想文を書くって事だったんだけど、

自分、ソッコウ寝てしまったら、その教師にエライ、怒られたんだわ。

                                                        

本人は、椅子に座って腕組んで、指先で指揮者みたいなポーズまでしてて、

なんかカッコつけた嫌味な感じにしか見えなかったし、気持ちいいのはお前だけだろ、

そんなのただのクソだろって、異常にムカついたもんで、感想文に、

「のどかな田舎の昼下がり、一仕事終えた牛が、木陰でウンコしてました。」

みたいなことだけ書いたら、その後の、自分に対する無視がひどかったなあ。

自分が大切にしてるモノ汚されたもんで、逆鱗に触れたんだろね。

                                                        

で、こっちは当然、余計頭に来たもんで、異常なほど勉強して、中間とか期末テスト、

信じられないほどの高得点をたたき出して、シラーッとしてやってたけどね。

                                                       

出会いが不幸だったせいか、その後クラシック音楽に触れること無かったんだけど、

オーディオに凝ってた頃、薄っすらクラッシック通過して、その時知ったんだわ、

ウィルヘルム・フルトべングラーって指揮者の名前。

                                                         

オーディオ仲間の一人の大先輩が、今みたいなステレオの時代になっても、

スクラッチノイズ一杯のモノラル盤を、鉄針で聞いた時の感動上回るってこと、

ないよなあ的なこと言ってたのが、その後何十年も、ずっと耳の奥に残ってて、

それがフルトべングラーのレコードだったんだわ。

                                                         

それ、昨日自分初めて通しで聞いたんだけど、

1951年の録音で、それまで第二次大戦のせいで中止されてた、

バイロイト音楽祭の久し振りの再開初日の演奏なんだけど、

もう60年も前の、あんまり音質も良くないモノラル録音なんだけど、

聴衆も演奏者も待ちに待ったこの日だったもんで、チューニングから盛り上がって、

みんな、床板足で踏みならして興奮してるの、凄く伝わって来たんだわ。

                                                            

演奏曲目は、ベートーベンの交響曲9番で、年末になると良くテレビでもやってる、

合唱付きのヤツなんだけど、これがまあ、長いんだよなあ。

                                                          

全部で四楽章あるんだけど、聞き通すのに75分かかるし、

第四楽章の例の合唱が始まるまで、初めからだとタップリ1時間もあるんだわ。

                                                          

これまで、こんなにマジにクラシック音楽聞いたことなかったんだけど、

楽章ごとに主題になるメロディってのがあって、順次、そいつに色々飾り付けして、

いじくって、拡げていくって手法なんだなって、初めて気付いたし、

そういうの何となく、ジャズのテーマ展開とか、アドリブ交換にも似てるんだよね。

                                                          

合唱の歌詞、“O Freude, nicht deise Tone” って始まるんだけど、

自分、昔ほんのチョットだけ、ドイツ語かじったことあるんだけど、

これは、“友よ、こんな旋律じゃないでしょ” っていう意味で、

そこから、君が歌いたいのは、もっと歓喜に満ちた歌でしょって続くんだけど、

この “nicht” っていうのは、英語でいうと、No とか Not っていうことで、

ここで思い出すのは、ライト級チャンピオンの荒川仁人さんの名前なんだよね。

                                                           

“仁人” っていうのは “にひと” って読むんだけど、

これはドイツ語のNichtから取ってるんだけど、これなかなか意味深くて、

普通こういう、否定的な語句を名前に使うことは少ないんだけど、

自分、確かめた訳ではないんだけど、彼のお父さん、多分、

現状に満足するんじゃないぞ、常に現状を否定するとこから始まるんだぞ、息子よ、

って気持ち込めたんじゃないかって思ってるんだよね。

                                                           

話し戻すけど、この合唱、その先、天の恵み、神と自然への感謝って続いて、

親兄弟を讃えて、延々、色々感謝と喜び歌い上げてって、

最後の最後、星の上に神はおわしますって、終わるんだけど、

歌詞の内容については、予想してたのと大体同じだったな。

                                                           

それにしても、フルトべングラーなんて、大仰で、いかにもドイツって感じだし、

権威ありそうな名前だよなあ。

                                                          

そう言えば、サッカーのベッケンバウワ―とかも、いかにも皇帝って感じだったし、

同じ指揮者だと、ヘルベルト・フォン・カラヤンなんてのもいたし、

ロックのヴァン・ヘイレンってのも、なんか、ガキゴキして凄いよねえ。

                                                          

フルトべングラーが、バイロイトで指揮したのは、65才の時で、

彼、その3年後、68才で死んだんだわ。

                                                           

彼、1886年生まれだから、一番脂の乗ってたであろう時期を、

第二次大戦の真っただ中のナチスドイツ時代で、過ごさざるを得なかったんだけど、

ユダヤ人音楽家の保護について、ゲッペルスに訴えたりもしたんだけど、

結局、海外に出ることをゲーリングに止められてしまったんだわ。

                                                           

終戦後、無罪にはなったんだけど、戦争犯罪人として法廷にも立たされたし、

シカゴ交響楽団から常任指揮者として招聘されようとした時も、

大戦中、ドイツを出ることなかったことが災いして、アメリカ国民の反対にあって、

結局実現しないまま、肺炎で死んでしまったんだってさ。

                                                         

今度、小澤征邇とか、レナード・バーンスタインの9番と聞き比べしてみようかなあ。

                                                          

オールディーズのポップスってのは、大体3分前後だし、

モダンジャズでも、せいぜい20分ってのが長い曲なもんで、

音楽聞く時の集中力も、その程度の時間っていうのが染みついてるもんで、

一曲一時間っていうのは、まだまだ違和感あるんだけどね。

                                                           

ちょっと、クラシックにも挑戦してみようかなって、最近思ってるんだよね。

                                                           

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