後楽園ホール・11月24日
やっとこさで、オーディオ装置のセッティング完了したよ。
自分の部屋、和室なもんで、そもそもデッドな環境に出来てるもんで、
マンションのようなコンクリ壁よりは、よっぽど調整が易しいんだけど、
それでも、音の響きとか膨らみ感とか、気持ち良くするのはそれなりに難しいんだわ。
リスニングポジション決めて、ボーカルの定位確かめて、最後はボーカルチェックで、
以前は岩崎宏美でやってたんだけど、今手元にないもんで、斉藤由貴。
とにかく、透明度がポイントなんだよね。
そこから色んなソースで、確かめ算というか、ガンガンの音出しで、
50年前のモダンジャズのピアノから始まって、オールディーズからハードロック、
クラシックの弦まで、もう寝る間も惜しんで、ビートルズだけで200曲以上、
オールディーズ900曲ほど、モダンジャズ100曲、クラシック10曲、
それに井上陽水と中島みゆき、フォリナーとディープ・パープルなんか、
それを、レコード、カセットテープ、CDなんかで一気聞きしたんだわさ。
激しいビートやリズム、脳天に直接叩きこみたい場合、i-pod は有効なんだけど、
長い時間になると、間違いなく疲れてしまうし、
ボリューム絞ると、低音域が必要以上にそがれてしまって、
音がぺナぺナしてしまうんだけど、出力の大きいアンプ通して、
それなりのスピーカーから音だしすると、どういうもんか、音量下げても、
そんな風にはならず、バランス保ってて、大切なのは、やっぱり余力なんだわ。
自分のアンプは、出力350Wなんだけど、今の環境では、これで充分なんだよね。
昨日の後楽園ホール、インスペクター、いつもの内田さんじゃなくて、
羽生さんがやってたけど、内田さん、風邪でもひいたのかなあ……。
◆山内直義君(西城)×福地健人君(角海老)……SL 4R
0勝2敗1分の18才。東京都と、デビュー戦の21才・東京都。
坊主頭の山内君の方が、デカく見えたんだけど、福地君の方が半ポンド重いんだわ。
1R、山内君、見た目のまんまの乱暴系なんだけど、とにかく右に頼り過ぎ。
福地君、なかなかキレのいいワンツー持ってるんだけど、
二人とも、とにかく、ともかく、リードブロー、少な過ぎなんだわ。
2R、始まってすぐ、ほんの10秒ほどのとこで、
山内君、相手の打ち終わりに上手いこと、右被せることできて、
それ、偶然だったかも知れないんだけど、とにかくとっても美しいタイミングで、
福地君、思わずその場で腰落として、左手ついてしまってのダウン。
それほどの大ダメージじゃなかったんだけど、相手、戸惑ってる間に、
山内君、鬼の追撃の一気攻めで、そこから30秒ほどのとこ、南側ロープに詰めて、
2~3発大きいのを打ち込んだら、福地君、堪え切れずの二度目のダウンでエンド。
福地君、いいもの持ってそうなんだけど、もっともっと左ジャブ多用しないと、
相手に、殴り込むリズムとかタイミング、全部与えてしまうから、次はその点だね。
山内君、初勝利、コングラッチュレ―ション。
◆田中光太郎君(新田)×米内道康君(熊谷コサカ)……62.5㎏
デビュー戦の30才・東京都と、デビュー戦の33才・岩手県。
1R、田中君、なんか肘に力入り過ぎみたいで、パンチにしなやかさないんだよね。
米内君の方が、どことなく余裕で、相手の様子見てたんだけど、
1分半頃、リング中央で、二人のパンチ、ガチャガチャって交差した瞬間、
なんと、田中君の一見ぎこちない右、クロスみたいな直撃して、
それ、当たり方強烈で、米内君の倒れ方も強烈だったもんで、即ストップエンド。
デビュー同士の試合ってのは、意表付かれること多いんだよなあ。
とにかく、30才越えた同士の、壮絶な一戦だったよ。
◆井ノ口信幸君(イマオカ)×岸健次君(小熊)……B 4R
デビュー戦の30才・東京都と、デビュー戦の31才・埼玉県。
この試合も、30才越えた同士のデビュー戦。
見違いかなあ、岸君、なんだかマウスピースのサイズ合ってないみたいで、
上唇腫れたみたいに見えてたな。
1R、二人ともバネ弾けたみたいな、いきなりの殴り合いで、
それ、ボタン、ガチャガチャ押して戦うオモチャみたいな殴り合いだったんだけど、
1分過ぎ、それまで上手いこと攻めて、主導権取ってた岸君、
何かの拍子に井ノ口君のパンチ喰らってしまって、ダウン。
でも、それほどのことなくて、そこから猛烈反撃で、大盛り返しで頑張ってたなあ。
二人とも3,000発づつくらいパンチ出してたかも知れないよ。
2R、あれーっ、岸君、前の回の奮闘で、いきなり打ち疲れてしまったみたいで、
メッキリ、動き遅くなってしまって、打たれるとすぐ頭下げるし、ダメだぞこりゃ。
案の定、それ見て、元気倍増の井ノ口君、ドンドン大攻勢で、
2分前後かなあ、岸君を南側ロープに追い込んで、ドコドコ打ち込み続けたら、
もう岸君、たまらずそのまま腰崩れのヘロヘロダウンで、
消耗度大きいって判断したレフェリーが、そのままストップ宣告。
岸君、気持ちごとブチ折られてしまったみたいだったんだけど、
それにしても、この次はもっと走り込んで、スタミナ付けた方がいいよ。
◆中島文幸君(新田)×村田智哉君(KG大和)……SF 4R
2勝(1KO)3敗2分の23才・東京都と、デビュー戦のサウスポー、20才・神奈川県。
8戦目相手にデビュー戦っていうのは、村田君、アマ経験者なのかなって見てたら、
やっぱりそうみたいで、もう立ち姿から違ってんだよね。
1R、中島君、戦闘心溢れてるんだけど、それが頭の動きにも出てしまって、
なんか突っ込み過ぎで、見てて危ない、危ない。
一方の村田君、初めてのプロリング、気負い過ぎることなく、相手の動き含めて、
慎重に見定めてるって感じなんだけど、ただ、少し手数が付いていってないかなあ。
2R、中島君の接近してからの左右連打、結構やっかいで、
距離取ってやりたい方の村田君、ちょっと攻めあぐんでて、
入って来る瞬間、強い左合わせてるとこもあるんだけど、
リズム作る上でも、ガードの上からでもいいから、もっと叩くといいんだけどなあ。
3R、村田君、足の使い方、まだ充分じゃなくて、
不用意に相手受け止めてしまうこともあるんだけど、流れはシッカリ作れてて、
焦る中島君、ついにバッティングで減点取られてからは、リズム壊してしまったのか、
それ以降、被弾数どんどん増えていってしまったんだわ。
4R、それでも中島君、負けん気強いボクサーで、何とか乱打戦に持ち込もうとしてる。
ここまで、それ程大きなポイント差なくて、ここからは勝ちたい気持ちの強い方が、
結果持っていくんだろなあって感じで、村田君の方も顔面かなり紅潮してきて、
ちょっと行方の知れない展開になりつつあったんだけど、
やっぱり、それまでの二人のパンチの効き方には大きな差があったみたいで、
中島君の消耗度増してって、一方の村田君、力強いストロークに変化なくて、
残り20秒ほどのとこだったかなあ、村田君の衰えない鋭い打ち込みに、
中島君、反攻できなくなってしまって、ダウンシーンも無かったし、
ヘロヘロでもなかったんだけど、一方的になってしまったとこで、レフェリーストップ。
村田君、ボクシングのこと良く分かってるみたいな試合作りしてたし、
思わずポイント上げたくなるような、見栄えのいいパンチも打てるし、
場数踏んで、ちょっと攻守ハッキリし過ぎるとこなんか修正できるようになったら、
いいボクサーになると思って、この日の収穫の一つだったよ。
◆村瀬博之君(イマオカ)×塚田祐介君(鉄拳8)……L 4R
デビュー戦の31才・愛知県と、デビュー戦の21才・東京都。
これまたデビュー同士、それも10才の年令差対決。
太目短躯対ヒョロ長で、塚田君の方が頭半分デカイ。
1R、始まってすぐ10秒のとこ、リング中央で、二人の距離ス―ッて縮まった瞬間、
塚田君、シュンシュンって放ったワンツーの右、絵に描いたような直撃で、
村瀬君、一発ダウン。
それ、あんまり激しい当たりだったもんで、即レフェリーストップだったんだけど、
凄かったなあ村瀬君、意識飛んでるみたいだったんだけど、
もっとやる!もっとやる!って感じで、もがいてたもんなあ。
とにかく、ここまで、5試合連続のTKO決着。
◆西田光(新田)×イベリコ・ユン君(鉄拳8)……M 4R
3勝(1KO)3敗の23才・新潟県と、2勝(2KO)2敗の35才・東京都。
ユン君、Tシャツの背中に “肉入” か “肉人”ってプリントもあるし、
いつものように、体、少しユルン、ユルンしてるし、
で、イベリコってくれば、どうしても、イベリコ豚、頭に浮かぶんだよなあ。
1R、これも始まって10秒ほどのこと、ユン君が右強振してくるとこ、
西田君、上手く左の返しを直撃させることできて、いきなりのダウンゲット。
エエーッ、この試合も早終わりなのーって思ってたところ、
ここからのユン君の踏ん張りというか、頑張り直し、半端じゃなかったんだわ。
2R、そんなに名手同士じゃないんだけど、活きのいい殴り合いが続いて、
ユン君、左目上も腫れてきてんだけど、手数は西田君、上回るようになって、
気持ち出しだしの、込め込めで、ポイント挽回にうなり上げてたなあ。
一方の西田君、もう少し力込めて打てないか、形はいいのに気持ちが出てないって、
こっちはちょっと消化不良みたいなとこあたんだけどね。
3~4R、このクラスにしては、二人ともそこそこ動けてたし、
最後までゴニョゴニョにならなくて、気持ちのいい戦いが続いて、結局、
39-36、37-38、38-38の1-1のドローってことだったんだけど、
自分、心情的には、ユン君に勝たせて上げたかったなあ。
それにしても西田君、1Rのあの左一発だけで勝ちだもんなあ。
◆宜志冨昭誠君(西城)×前田健太君(角海老)……LF 6R
5勝(1KO)2敗1分の23才・沖縄県と、6勝(1KO)1敗の21才・愛知県。
ファイナルにも期待感持ってたんだけど、結局昨日は、この試合がベスト。
二人とも良く知ってて、絶対詰まんない試合しないんだよね。
1R、久し振りだったもんで、ちょっと心配してたんだけど、
前田君、初めっから、なかなかいい動きできてて、まずは一安心で、
宜志冨君の上体の動き、とってもいいもんで、直撃はしなかったんだけど、
返しの左フックも、鋭く振れてるし、タイミングも合ってるんだわ。
ガチの打ち合いになると、やっぱり前田君のスピードの方が圧倒してるね。
2R、その前田君、幾つか見栄えのいいのを当てることできるようになったんだけど、
宜志冨君の方も、ちょっと捉えにくい独特のリズム感持ってるし、
不思議な角度からパンチ出して来るもんで、やり難さ全開なんだわ。
3R、宜志冨君、前田君の右喰らって、左目上ヒットカットしてドクターチェック。
でも、彼、異常に気持ちの強いボクサーなもんで、どんどん前向きなんだよなあ。
4R、テクニック的には前田君の方が大分上回ってるんだけど、
気持ちの部分では、宜志冨君、一歩も引いてなくて、
打たれれば打たれるほど、前へ出て負けん気満々で、見てて気持ちいいんだよなあ。
でも、残念、ちょっとパンチ力不足、否めないかなあ。
前田君、この回、左目上、バッティングカット。
5R、二人とも、気持ちに溢れた激しいボクシングなんだけど、
しっかり振れてるのは、やっぱり前田君の方だなあ。
残り1分のとこで、宜志冨君、左顔面血に染まって、ドクターチェックで、
左目上、ヒッティングとバッティングのダブルカット。
続いて前田君の方も、チェック受けて再開。
宜志冨君、疲れが浮き出てきてるのに、相変わらず、上体の動き抜群で、
前田君の決めのショット何とか回避することできてんだけど、消耗進んでるなあ。
最終6R、ポイント圧倒してるし、久し振りのリングなんだから、
ここはまず、硬く勝ちをゲットするっていうような考え、前田君には全く無くて、
足使って距離取って、リズム感維持しながらの待ちボクシングしてれば、
相手は絶対一撃狙って大きく振り出して来るから、それに合わせればいいのにって、
思ってたんだけど、前田君、やっぱりいつもの男気ボクシングで、行くんだよなあ。
で、正面切った殴り合いが終了ゴングまで続いもんで、こっちも疲れたよ。
結局、見た通りの、59-55×2、59-56の3-0で、前田君圧倒したんだけど、
とにかく、最後の最後まで、あんなに手数出しながら、動き通せたのはエラかったなあ。
ズーッとちゃんと走ってたんだろなあ。
それにしても、宜志冨君、血だらけになっても最後まで諦めないの、立派だったな。
◆片桐秋彦君(新田)×石田將大君(本多)……SB 8R
9勝(2KO)3敗の24才・山形県と、6勝(4KO)3敗2分の21才・千葉県。
ストレート系対フック系の戦いだったんだけど、
石田君の左フック、最初っからオープン気味で、ついに4R、減点喰らってたな。
この試合、3勝1敗ペースと、2勝1敗ペースのA級戦だったんだけど、
とっても平凡な、盛り上がりに欠けた内容だったなあ。
この試合から、ラウンドガール登場したんだけど、これがタマゲルほどヒドくて、
その辺歩いてた子、連れて来たみたいで、全くヤル気無さそうだし、華も無くて、
場内から全く声かからないし、手も振られないし、貧相なカッコで元気無くなるし、
で、リング上もそんな感じだったんだよなあ。
片桐君、カッチリしたボクサーで、2年前、新人王の東日本決勝までいって、
確か同じジムの子に負けたんだけど、とにかく将来期待できるって思ってたんだけど、
カッチリしたボクシングは相変わらず出来てるんだけど、
あの頃から、進歩したってとこ、全然見付けられなくて、とっても残念だったんだわ。
どっか体調悪かったのかなあ。
一方の石田君の方は、とにかく一発デカイの当てないと始まんないっていう、
極めて雑なボクシングなもんで、なんか二人とも元気くれなかったなあ。
で、結局8R、二人ともどうにもならなくなって、ゴニョゴニョボクシングに突入して、
最後、残り30秒切ったとこで、気が触れたようにガムシャラに殴り合ってたけど、
今更っていう感じがして、却って冷めてしまったんだわ。
判定は、79-73、77-75、75-77の2-1で、石田君だったんだけど、
79-73 ってのは、腰抜けそうになるほどの、この試合一番の衝撃で、
ってことは、石田君、オープンブローの減点だけであとはフルマーク勝ちってことで、
1~2Rの、片桐君のあの左ジャブ、何の評価もしてないってことで……。
それにしても、A級ボクサーがオープンブローで減点なんて、聞いたこと無いけどね。
◆黒田雅之さん(新田)×須田拓弥さん(沼田)……50㎏ 8R
17勝(12KO)3敗のランク1位、24才・東京都と、
10勝(2KO)7敗2分のランク12位、30才・埼玉県。
黒田さん、自分、好きなボクサーなんだよね。
須田さんも、戦績華々しいとは言えないんだけど、ハードマッチメイクの結果だし、
キップのいいボクシングだし、チョット見、イチローみたいな風貌でもあるし……。
1R、やっぱりそう来たかって感じで、須田さん、
出入りの大きい、的絞らせないフットワークで、乱打戦持ち込み狙いだな。
一方の黒田さん、冷静な立ち上がりで、しっかりプレスかけてるし、
とにかく、いつものクール&ホットボクシングの予感、満々。
2R、黒田さん、相手の動き、予想の範囲って判断したか、
ちょっと見切ったような感じも出てきて、それにつれ、須田さん、もう顔面薄く紅潮。
黒田さん、相変わらず、パンチの緩急いいよなあって見てた、3R。
アレレレレ―ッ、なんか変だぞ黒田さん、動きにいつものキレ増して来ないし、
パンチにも力込め切れてないし、須田さんのパンチ、トコトコ喰らってるし……。
そりゃ、須田さん、30才のベテランだし、色んな動き方心得てるんだけど、
そんなのに惑わされる黒田さんじゃないはずなのに、ホント、なんかおかしいぞお。
4R、そういうの二人の手数にも現れてて、黒田さん13:須田さん42 くらいで、
勿論、それほど正確じゃないんだけど、
見た目、黒田さん、須田さんの三分の一ほどしか、手が出てないんだよね。
実は、自分、ここまで見てきて、この先の展開、ハッキリ見えてきてしまって、
つまり、須田さん、正直パンチ力、それ程ではないもんで、
黒田さんを倒しきるってとこまでは、どう考えても無理で、
それにしても、前半の飛ばし過ぎもハッキリしてるもんで、
後半、目に見えてスタミナ落ちてきたとこ、黒田さんの実力差勝ちってね。
で、5R終わったとこで、帰ろうってなって、タバコ吸ってたら、
顔見知りの喫煙ドクターと、コンチワってことになって、色々話して面白かったなあ。
ドクターは通常二人いて、一人はリングサイドで試合に臨んでて、
もう一人はボクサー控室近くの医務室に待機してるんだけど、
そのドクターには、日大系と慈恵医大系がいるっていうのは以前から知ってたけど、
誰がどっちかは知らなかったもんで、色々分かったな。
それと、試合中、リングサイドに待機してる時、JBCのブルゾン着てる人と、
着ない人がいる理由も分かって、これは結構深い話だったよ。
最後に、試合の止め時のことについて、長いこと話したんだけど、
自分の質問にも真摯に、結構突っ込んだとこまで話してくれて、貴重な時間だったな。
リング禍防止するため、関係者、ホント、大変だし、努力してんだわ。
そんなことしてたら、ファイナルの方も片付いたらしくて、
2-0で、黒田君辛勝で、須田君、最後まで頑張ったみたいだし、
黒田さんは、やっぱどっかおかしかったんだと思ったな。
帰り道、そこはよく、アベックが座って、イチャ付いてることが多いんだけど、
そこで、ホームレスが小便なんかしてたなあ。