後楽園ホール・10月26日
日曜日のWOWOWボクシングの再放送があって、
もしかしたらって、録画見たら、ほんのちょっとだけ山中慎介さん出てて、
ただ、相手のホセ・シルベラってのが、エライ弛んだバンタム級で、
これじゃ、勝負になる訳ないじゃん……って。
それにしては9Rまでかかって、途中色々あったんだろうけど、
ちょっと時間かかり過ぎなんじゃないかってのが、正直な感想。
ホールに着いて、いつもは軽い挨拶だけの係員君と、ちょっと立ち話してたら、
彼、普通に自分のこと知ってて、これにはちょっと驚いてしまって、
目立った行動、くれぐれも慎まなくちゃなあって、改めて思ったんだけど、
それでも、まあまあ好意的に読んでくれてるみたいで、嬉しかったな。
◆茂木優樹君(鹿島灘)×澤地正君(相模原ヨネクラ)
………SW 4R
0勝1敗の23才・茨城県と、0勝1敗の26才・神奈川県。
どうしても勝ちてえ、デビューから二連敗ってのは勘弁して欲しいって同士。
1R、初めプレス掛けながら、気持ち良く攻め込んでたのは茂木君で、
澤地君、何か弱々しい動きで、押し切られてしまいそうな印象だったんだけど、
1分半過ぎた頃、突然の攻勢に出て、右アッパーから集中連打決めて、
最後は伸びのいい右ストレートブチ当てて、茂木君をダウンさせてしまったんだわ。
で、それ、あまりにものドーンって仰向けダウンだったもんで、即、ストップエンド。
茂木君、7月中旬の時もそうだったんだけど、
ちょっと、気持ち先走り過ぎなとこあって、もう少し相手、冷静に見極める必要あるね。
澤地君、初勝利、コングラッチュレ―ション。
◆木下貴大君(石川)×小旗智史君(レパード玉熊)……F 4R
0勝1敗の18才・東京都と、0勝1敗1分の29才・千葉県。
この試合も、初勝利目指し組。
経験浅いボクサーほど、ガード固めてゴリゴリ詰められると、
結局、押し切られてしまう事が多いんだけど、
この試合も、木下君、終始下がらされっ放しで、自分のボクシングができなかったな。
それに木下君、パンチが外から出過ぎで、そこんとこ結構突かれてたし、
相手は、いきなり大きな右振って来るんだから、左ガードしっかりさせながら、
前進止める意味でも、右ボディブロー打つと良かったんだけど、
下打ちに行くのが危険だと思ったのか、まだ練習不足だったのか、
全く、そういう作戦に出ることなくて、単調過ぎだったなあ。
最後は、木下君も足止めて、正面からの打ち合いに応じて、
消耗系乱打戦に突入したんだけど、残り1分頃、右ショート喰らってから、
スピードと手数、極端に落ちてしまって、結局、小旗君の頑張り切り勝ち。
採点、40-36、40-37、38-38の2-0だったんだけど、
この試合で、38-38ってのは、いかにも適当過ぎな採点だぜよ。
◆多喜政実君(シャイアン山本)×小日向佑太君(KG大和)
………SL 4R
1勝(1KO)0敗の29才・長崎県と、1勝1敗の29才・新潟県。
1R、二人とも右クロス大好き同士なんだけど、
それに至る序章不足なもんで、いきなりってなってしまって、
そういうのは簡単には当たらないんだよなあ。
2R、力感に溢れて攻勢取ってたのは多喜君だったんだけど、
もうすぐ1分ってとこで、一瞬の間が出来たとこ、
小日向君に、キレのいいワンツー打ち込まれて、ダウン。
ただ小日向君、オウオウ、KO勝ちだぜって、舞い上がってしまったか、
こりゃヤバイって、大反攻かけてきた多喜君のムチャ振りしてくるとこ、
打ち終わり狙いのショート合わせればいいのに、とにかく同じような大振り過ぎで、
折角のチャンス、フイにしてしまったんだよなあ。
3R、気合の多喜君、大挽回開始で、小日向君、鼻血。
それにしても二人とも、一発いいのを当てた後の攻めが、とにかく雑で、
代わり番こに、決め切るチャンスを逃してたなあ。
4R、気合入れ直した多喜君、力と気持ち込めて、大分ポイント挽回してたんだけど、
またもや、フッと集中切れたとこに、またもやの小さなワンツー喰らってしまって、
それまでかなり消耗してたこともあって、その場にフワ―ッって落下傘ダウン。
それ見て、レフェリー、ノ―カウントのTKOストップ。
多喜君、集中力の維持さえ出来ればなあ。
それにしても、小日向君の一瞬のワンツー、キレ良かったなあ。
◆佐藤祐太君(シャイアン山本)×佐々木左之介君(ワタナベ)
………M 4R
デビュー戦の27才・長野県と、2勝(1KO)0敗の23才・青森県。
佐々木君、左之介っていうのは本名なの? 時代劇みたいではあるけど、
最近のオシャレ系の名前とは一線画してて、ちょっとカッコ良くもあるね。
1R、この階級にしては、二人とも、ホント良く動けてて、
決してもたれ合わないし、特に佐藤君、デビュー戦だってのに、
全く怖がらないし、相手のパンチに合わせて行くってことも出来てて、エライ。
彼、ディフェンスとか、まだまだなとこ山盛りだったんだけど、
負けん気の強さが透けて見えた、とってもいいデビュー戦だったなあ。
2R、佐々木君も引かない方なもんで、どっちが頑張り切れるかって戦いで、
佐藤君、持ってるモノ振り絞ってるんだけど、若干、佐々木君優位で、
でも、二人とも、バランスもクソもあるかって感じで、気持ち溢れかえってたね。
4R、ずーっと飛ばし過ぎの二人、こうなると気持ちの強い方勝ちなんだけど、
当たっても倒し切れないパンチと、でもチョットかすっても倒れそうなのが延々で、
双方、顔真っ赤にして、歯食いしばって、殆どクリンチしないし、頭下げないし、
とにかく全部出しボクシングで、こういうの好きなんだよなあ。
結局、経験差出たか、40-37、39-37×2で、左之介君の3-0勝ち。
佐藤君、ナイスファイトだったよ、また頑張ろうな。
◆橋口雄斗君(石川)×バッファロー祥太君(KG大和)
………SFe 4R
1勝(1KO)の22才・宮崎県と、1勝0敗の29才・福岡県。
力強く、形のいいパンチ打ってるのは、祥太君の方で、
橋口君は手数命って感じなんだけど、二人とも、とにかく戦闘的なのがいいね。
祥太君、もう少し上体動かさないと、的になりやすいよお。
3R、お互い、徐々に距離取れなくなって、ちょっとグズグズになっていったんだけど、
巻きこまれてるのは祥太君の方だったなあ。
4R、祥太君、もっと離れて自分のボクシングやりたがってたけど、
橋口君にペースに取られてしまったもんで、最後はとっても疲れてしまったみたい。
橋口君、接近戦でのショートの連打、ちょっとオープン気味ではあったんだけど、
有効打と攻勢点取ってると思ってたもんで、
39-38、38-39、38-38の1-1引き分けってのは、違うように見えたけどね。
それにしても、この後のブルース・サントス君の応援団、早出して来て、
外人、50人ばかり、もうハイスクールの同窓会みたいになってしまって、
例の如く、やたらのハグと、頬ずりとカメラフラッシュで、鬱陶しかったなあ。
◆佐藤駿介君(北澤)×前田俊(相模原ヨネクラ)……Fe 6R
6勝(4KO)10敗2分の28才・神奈川県と、4勝(2KO)5敗2分の26才・神奈川県。
前田君、頭半分小さいんだけど、足細いのに、どこで体重稼いでんだあって感じで、
返し狙うにしては、踏み込み不足で、却ってよく動けてるのは、佐藤君の方。
1~2R、佐藤君、あくまで距離置いてやりたがってて、左ジャブ多発、多発。
前田君、普通に入ろうとしてもダメで、ちょっと工夫が要る訳で、
例えば、一発大きいの振りかざしながら、とかね。
3R、佐藤君もジャブ、突くことは突くんだけど、その後の詰めが甘くて、
それが、この戦績に現れてんじゃないかってボクシングで、ちょっと残念。
一方の前田君、体格的なハンデを気持ちに変えて、前向き前向きなんだけど、
もっと二次、三次って突っ込みが必要な訳で、バネあるんだからさあって感じ。
4R、それまで手こまねいてた前田君に対し、佐藤君、行けるって思ったのか、
この回から足止めて、真っ向勝負に出始めて、で、前田君、
結構喰らってしまって、上半身と下半身のバランス悪くなっていったんだわ。
5R、接近しての打ち合いってのは、前田君、勿論望むとこなもんで、
元気回復していって、かなりのパンチ打ち込むことできたもんで、佐藤君、鼻血。
6R、二人とも、もうこれ以上負け重ねるのはヤダって感じで、テンション上げて、
そりゃ見た目、二人とも下手クソなんだけど、もう思いっ切りの殴り合いなもんで、
こっちも元気貰ったし、本人達も相当面白かったんじゃないかな。
佐藤君の真っ白なトランクス、血に染まってヒドイことになってて、
それ、レフェリーのシャツにも飛び散ってるほどだったんだけど、
結局、最後は、前田君の執念勝ちみたいになっていったんだけど、
佐藤君も余力残ってないほど、全力出してたんだよね。
結局、59-56、58-57×2の3-0で、前田君の判定勝ちだったんだけど、
59-56ってのは、ちょっと佐藤君に気の毒な感じだったんだけど、
前田君の前向きさに、より心動かされたジャッジがいたっていうことで……。
この後、例のサントス君の試合だったんだけど、
相手がタイ人だったもんで、当然の如くの休憩タイム。
で、佐藤君と前田君とこのジムの関係者同士が試合振り返ってるとこに出くわして、
横で聞いてたんだけど、とっても面白くて、試合見る上での参考になったんだわ。
何で、あの時、彼はあんな動きをしたのかとか、気持ちの変り方とか……。
それから、サントス君の試合、途中のラウンドで、倒し、倒されがあったらしんだけど、
その上、相手方の終了ゴング後の加撃減点もあって、
大分、荒れた展開みたいだったんだけど、そのラウンドの採点の事なんだけどね。
同じラウンドで、ダウンが交換された場合、お互いにチャラになって、
10-10になって、タイ人の減点の分だけ10-9で、サントス君ってなるんだけど、
自分、以前から思ってたんだけど、こういう場合には、8-7ってする方が、
ずっと試合の実態現わしてると思うんだよね。
だって、60ー○○、59-××とか発表されると、
どう考えても、サントス君の全くのパーフェクトみたいにしか見えなくて、
途中色々あったのが、全部隠れてしまうからね。
60-57っていうのと、58-55っていうのは、随分違うと思うんだよね。
ダウンを無かったことにするってのは、どうも納得いかないんだよなあ。
◆大嶋紀胤君(シャイアン山本)×齋藤丈裕君(新日本木村)
………L 6R
5勝(4KO)1敗の34才・茨城県と、4勝(2KO)5敗1分の28才・青森県。
実は昨日は、大嶋君が第一目的だったんだけど、この日の彼はまるで別人だったな。
彼、どっか体調おかしかったのか、初めっから、全然自分のボクシングができなくて、
とにかく、終始、動き悪かったし、雑だったし、ちょっと見てられなかったんだわ。
結局6R終わったとこで、右目上ヒットカットの傷悪化ってことで、
TKO終了だったんだけど、それ、何だか24日、リナレスとやったチャベスみたいで、
自分には、とても続行不能になほどには見えなくて、
つまり、お先真っ暗ギブアップみたいにしか見えなかったんだけど、
ホントのとこ、どうだったんだろなあ。
とにかく、元気な大嶋君、また見たいなあ。
テンション下がってしまったし、この日のファイナルはタイ人相手だったもんで、
当然というか、スゴスゴというか、自分、ここで退散。
外は、この秋一番の寒風ビュービューで、加藤善孝さんも宮崎辰也さんでも、
流石に、短パンはないだろってくらいで、身も心も冷え切ってしまったな。