後楽園ホール・8月9日
先週末、“堕ちた巨像” “ラブ・オブ・ザ・ゲーム” “バッドボーイ” “バッドボーイⅡ”
って、映画4本見て、やっぱ男はこうでなくちゃなあって、シミジミ、スッキリ思ったな。
昨日の東京ドーム、ゲート絞って細々の入場者あったもんで、
どこかの会社のイベントでもあるのかと思ってたんだけど、
ウエスタンリーグの試合だったんだね。
ドームの椅子、異常に狭いし、満員の大騒ぎしながらの観戦てのも嫌いなんだけど、
野球は好きだから、一度ユックリ行ってみるかなあ。
昨日は、今年ちょうど60回目のホールだったんだけど、
久し振りの多入り満員で、やっぱり芹江匡晋さんとか、福島学さん、清水智信さん、
てのは、集客力あるんだよなあ。
でも、結局、ボクシング好きが集まったわけでもないもんで、
つまり、みんな、お目当てが決まってて、他の試合には全く興味ないもんで、
名前入りのTシャツ着込んだ連中が、飲んだくれて、あっちこっち動き回るもんで、
見にくいこと、この上ないもんで、満員の後楽園ホールってのは、嫌いなんだよね。
この日、期待してたのは、船井龍一さんと椎野大輝君の試合だったんだけど、
一番奮闘したのは、大竹秀典さんだったなあ。
◆榎本光弘君(マナベ)×延賀純君(ヨネクラ)……SL 4R
1勝0敗の22才・東京都と、1勝(1KO)1敗の28才・東京都。
二人とも、とても気持ちの溢れたボクシングで、
延賀君、ちょっと独りよがり過ぎるとこあるんだけど、前向き、前向き。
1R、残り30秒ほどのとこで、延賀君の振り終わりざまに、
榎本君、左フック浴びせて、ガクンとさせた直後、左右の連打で、ダウンゲット。
2R以降も、延賀君、ちょっとダメージ残し加減だったんだけど、
気合取り戻して、挽回、挽回。
延賀君、自分の都合だけのボクシングで、もう少し、相手の動き見るといいんだけど、
まだまだ三戦目なもんで、仕方ないんだけど、少なくとも、榎本君の方が、
タイミングのいい、小さく鋭いパンチ、心掛けてるように見えたな。
それでも、延賀君もフィジカルの強さ前面に出した懸命のパフォーマンスで、
最終ラウンドまで、頑張り通したのはエライ。
結局、初回のダウンが利いて、2ポイント差位の3-0で、榎本君の勝ち。
途中で、八王子中屋のマネジャーさんと話したんだけど、
やっぱり、この間の土屋修平君の試合、偵察に来てたんだよなあ。
この人、仕事大丈夫なのかな? ってほどホールに通って来るし、
自分とこのボクサー、誰も出ないのに、昨日だって、わざわざ八王子からだぜ。
マッチメイクする上での参考にしたり、攻略法考えたりしてんだよ、きっと。
それにしても、昨日は、コーナーの赤青が逆になってて、
こういうの、普段の位置に慣れてる身からすると、とっても見にくいんだよなあ。
◆伊藤雅雪君(伴流)×高津俊介君(全日本P)……SFe 4R
2勝0敗の19才・東京都と、2勝(2KO)1敗の25才・愛知県。
伊藤君、風流人の俳号みたいな名前だね。
高津君も過去の試合全部見てるけど、なかなか動きのいいボクサーなんだよね。
活きのいいモノ同士で、期待度大きかったんだけど、
試合は、あっけなく終わってしまって、伊藤君の1RTKO勝ち。
その1R、互角の打ち合いのまま、終盤に差し掛かって、残り30秒ほどのとこ、
高津君のパンチの返しざまに打った、伊藤君の右フックがダイレクトアタックで、
その一発だけで高津君、堪らずのダウンで、何とか起き上がっては来たんだけど、
まだ出来るってアピールしたんだけど、目が行ってしまってて、そこでエンド。
交わす、交わせない、当たる、当たんない、ってのは、彼らの場合、ほんの紙一重で、
高津君、まだまだ大丈夫だよ、ただ、打ち終わりってのは、、常に要注意で、
殴りに行く時が、実は、一番危険なんだよね。
伊藤君、この若さで、とってもいいセンス持ってるよなあ。
◆熊野和義さん(宮田)×小原佳太君(三迫)……65㎏ 6R
23勝(5KO)9敗の31才・東京都と、デビュー戦の23才・岩手県。
何てマッチメイクだ? っていう組み合わせなんだけど、
だって、熊野さん、元ランカーの勿論A級ボクサーで、32戦のキャリアあるし、
それに対し、小原君、どんだけ強いのか知らないけど、いきなりデビュー戦、
それも、殆どA級デビュー戦って、いくらなんでも、それは無いでしょ、って感じで…。
でもタマゲタのは1R、始まって20秒くらいのとこで、
ちょっと距離詰めた瞬間、小原君の右アッパー炸裂して、
熊野さん、いきなりの尻餅ダウンで、場内大騒ぎ。
小原君、髪の毛バサバサ、目細いんだけど、とにかく剛腕で、
一気にカタ付けにいったんだけど、そこはそこ、大ベテラン、熊野さん、凌ぎきって、
そこからは、小原君、全く情けないことになってしまったんだよなあ。
熊野さんの、例のネチネチ、ぺトぺトボクシングにやられてしまって、
3Rまでに、殆どチャラにされてしまって、結局、小原君、スタミナ全く無くて
5R、30秒過ぎの正面きっての殴り合いも、優位に進めてたんだけど、
あのパンチ力の無い熊野さんに、簡単に倒されてしまって、情けないんだわあ。
ダウン宣告後の加撃で、熊野さん、減点喰らった後の再開後、
結局、反撃叶わず、すぐに止められてしまってエンド。
何だ、こりゃあ、って感じで、もっと地道なマッチメイクだよねって、思ったよ。
◆船井龍一さん(ワタナベ)×椎野大輝君(三迫)……B 8R
12勝(8KO)4敗のランク10位、25才・東京都と、
3勝(3KO)0敗の24才・茨城県。
自分にとっての期待の一番だったんだけど、これがまあ、驚きの大凡戦。
二人とも感の鋭い、パンチ力充分のキレキレボクサーなんだけど、
お互い、そのこと知ってるもんで、ヤケに慎重なんだよなあ。
コンビネーションの柔らかさでは、船井さんなんだけど、
接近戦での椎野君のショートアッパーも、なかなかのもんなんだよね。
4Rまで、それぞれ0.5Pくらいをやり取りしてる感じで、正直、退屈、退屈。
5R、船井さんの右二発、椎野君、右ショートアッパー二発って打ち合ったんだけど、
効果的には、明らかに船井さんで、この後、全体の流れも船井さんに傾いてって、
結局、78-75、77-76、77-77の2-0で、船井君の勝ち。
椎野君、自分の小学生時代の駆けっこのライバルだった、
田村君にそっくりなもんで、妙な親近感持ってるんだけど、
この日のパフォーマンス、全くダメで、四戦目でのランク取りのチャンスなのに、
折角のチャンスなのに、3Rには、いい展開作れそうだったのに、
その後、思い切りよく行けなくて、まるで、不完全燃焼のままだったなあ。
こういう試合の場合、仕掛けていかなくちゃいけないのは、
圧倒的に椎野君の方で、格上の相手だってこと、わきまえた上で、
死に物狂いってとこまで、頑張らないと、ダメなんだよなあ。
今度、違う姿見たいよなあ。
◆橋本浩次君(国際)×大竹秀典さん(金子)……SB 8R
8勝(3KO)3敗1分の27才の和歌山県と、
13勝(6KO)1敗3分のランク7位、29才・福島県。
大竹さん、負けたのは、2003年の東日本新人王の決勝で、
あの古口学さんの時だけだし、その後もハードなメンバーこなして来てるもんで、
この日も圧勝かなって見てたんだけど、始め、何だか動き良くなくて、
通路で見た時は、いい感じの体で、顔付きも、いつもの野武士面だったんだけど、
1Rのリング、何かトローンとした印象だったんだよね。
2Rに入って、ゴツゴツした打ち合いになった途端、大竹さん、
多分、アッパーだと思ったんだけど、まともに喰らってしまって、不覚のダウン。
ただ、立ち上がってからの大竹さん、ここぞって攻め込む橋本君に対して、
歯食いしばって凌いで、3Rから、仕切り直しのリカバリー大作戦で、
橋本君、元々、パンチ鋭く打てないとこあって、助かったんだけど、
とにかく、手数圧倒し始めて、やっとこさ、目が覚めたみたいだったなあ。
5R、橋本君、大竹さんの連続攻撃に、もたれかかって凌ぐ場面多くなって、
でも、セコンドから激入れられたらしくて、6R、反撃していって、
この辺から、お互いに、ゴニョゴニョした打ち合いになったんだけど、
より見栄えのいいのを打ち込んでたのは、大竹さんの方で、
8R、1分弱辺り、大竹さんの連打に、橋本君、手が止まってしまったとこで、
レフェリーストップエンド。
大竹さん、2R、ホント、ヤバかったとこから、よくぞって感じで、大拍手。
この後の、芹江匡晋さんと福島学さんの試合、
ちょっとだけ見てみるかって、席に座ってたんだけど、
二人とも、オケラみたいな構えからの、相撲のブツカリ稽古みたいな、
とにかく、実に雑なボクシングで、右でも左でも、いきなり殴りかかるってだけで、
そういうの延々なもんで、2R終わったとこで、とても見ていられなくて、ここで退散。
結局、5Rか6R終わったとこで、もうできません棄権ってことで、
福島さん、負けらしいんだけど、どうせなら、最後、ブッ倒された方が、
よっぽど納得いったんじゃないのかなあ、って思ったな。
メインイベントは、初めから、全く見る気なくて、
清水さん、大好きなボクサーなんだけど、この日の相手じゃ勝負にならなくて、
ただの調整試合になるだけでしょ、って思ってたもんでね……。
結局、昨日、心に残ったのは、大竹さんだけだったなあ……。