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2010年7月 2日 (金)

後楽園ホール・7月1日

“招聘禁止外国人一覧” っていうのがあるの知ってる?

                                                        

勿論、ボクシング業界でのことなんだけど、最近、JBCがそのリスト更新しててね、

眺めてると、なかなか面白いんだわ。

                                                        

そこには、もう呼んじゃダメぞーってボクサー達、名指しされてんだけど、

その招聘禁止理由ってのが、結構面白くってね。

                                                       

理由の一番は、当然というか予想通り 「無気力試合」 で、これが圧倒的で、

次が 「オーバーウェイト」、その他、ちょっと笑っちゃうのもあって……。

「実力不足」

「演技的行為」

「戦績詐称」

「リングネーム詐称」

「全身入墨」……だってさあ、なんも確認しないで呼んでんのかあって感じでしょ。

                                                       

連中の出身国、インドネシアがチョロッといて、あと90%以上は、勿論、タイ王国。

彼らの名前、ややっこしくて、憶えられらないってとこ突いて、

ヘアスタイル変えて、戦績改ざんして、そんで、ちょこっと名前変えて、

ハイ、一丁上がりーだってさ。

                                                        

                                                       

昨日の後楽園ホールの開始時間、いつもより30分早い5時半で、

それ、ヤマグチ土浦ジムが、地元からの応援者の帰宅に配慮したんだよね。

                                                       

全部で9試合組まれてて、そのうち何と8試合がKO決着だったんだけど、

唯一の判定試合が井上庸さんていうんだから、ちょっと予想外。

                                                         

とにかくこの日は、あんまり早い回にバタバタ倒れてしまうもんで、

どんなボクサーなんだか見極められないってのが、多かったなあ。

                                                         

                                                         

◆佐藤孝洋君(ランド)×人見正浩君(横浜さくら)……Fe 4R

デビュー戦の28才・宮城県と、デビュー戦の30才・神奈川県。

                                                          

チョット見、強そうなのは、明らかに人見君の方で、

やっぱりゴングと同時にフル回転、ブンブン振りまわして、それがいきなり当たって、

佐藤君、しゃがみ込みダウンしてしまったんだけど、

火吹いたように舞い上がってしまった人見君、何と倒れ込んでる佐藤君を加撃して、

2ぺナ、佐藤君には1分間の休憩で、場内、いきなり何だこりゃあ、って感じ。

                                                        

ということは、これでチャラなんだなって思って見てたら、

再開後、佐藤君もダメージ残しながらも、コノヤロ、コノヤロって感じで、

リング上は、中学生のケンカ状態に突入して、物凄いことになってしまって、

次の瞬間、佐藤君の勝手に出した右、直撃して、今度は人見君がダウン。

                                                        

何とか立ち上がって、再びケンカ始まったんだけど、

すぐ後、人見君、また倒されてしまって、ここでエンド。

1R、1分25秒間の狂乱から、この日は始まったんだわ。

                                                          

                                                        

◆岨野豊君(T&T)×猿渡裕之君(沼田)……F 4R

2勝3敗の28才・三重県と、2勝(2KO)4敗の33才・東京都。

                                                        

倒れはしなかったんだけど、始ってからずーっと、猿渡君、殴られっ放しで、

全く、試合にならないもんで、1R、2分頃、レフェリーストップ。

どっか体調悪かったな、絶対。

                                                        

                                                          

◆木村勇樹君(極東)×舟木隆太君(協栄)……L 4R

2勝(1KO)5敗の26才・岐阜県と、3勝(1KO)1敗1分の22才・大阪府。

                                                         

サウスポーの木村君、こんな戦績のボクサーには見えなくて、結構スピードあるし、

いきなりの右とか、コンビネーションも華麗で、交わしざまっていうのも打てて、

1R、残り15秒ほどのとこで、力のこもった綺麗なワンツーでダウンゲット。

なんか、この左ストレートで、決着しそうだなあ。

                                                        

2R、舟木君、それほどのダメージ残ってなかったんだけど、

それでも、いかにも当て勘悪くて、こりゃシンドイぞお、って見てたんだけど、

南側観客席から、女性の声で、「隆太ーっ、頑張れ―!」 って声援飛んだ直後、

リング中央で絡み合った途端、アッパー気味の左フック炸裂させて、

何とそれ、大直撃で、木村君、ブッ飛ばされて、仰向けバッターンダウンで、

それ一発で、ノーカウントストップ。

                                                         

残りあと、30秒ほどのとこだったんだけど、

ボクシングってのは、ホント、分かんないもんだね。

あの声援、母親かなあ、彼女なのかなあ……。

                                                         

                                                       

◆苦瓜一斉君(ヤマグチ土浦)×八木一男君(国分寺サイトー)

                       ……51.5㎏ 4R

2勝1敗の27才・沖縄県と、1勝4敗1分の26才・京都府。

                                                       

                                                         

苦瓜君、要するにゴ―ヤ君ってことで、憶えやすいね。

彼、結構力込めてるんだけど、荒っぽいボクシングで、体と手がバラバラで、 

全身隙だらけなんだけど、その隙狙われないようにか、手数だけは多いんだわ。

                                                          

一方の八木君、苦瓜君と同じか、それ以上に、手が体から離れ過ぎで、

とにかく、それで疲れないかってほど振りまわすんだけど、ロス多くて、

たまにいいボディ打つんだけど、上への攻撃に繋がらなくて、

残念ながら、相手にダメージ与えるまでにはいかないんだよなあ。

                                                          

最終4Rに入ると、思ってた通り、消耗戦の様相になってしまったんだけど、

スタミナ残ってるのは、間違いなく苦瓜君の方だったし、

それまで八木君、延々トコトコ打たれ過ぎてたしってことで、レフェリーストップ。

                                                         

八木君、あんなに振りまわしたら、そりゃ最後まで持たないから、

この次は、もうちょっとセーブして、ラウンド配分考えた方がいいと思うな。

                                                        

                                                          

◆橋爪優司君(厚木平野)×鈴木義行君(マナベ)…62.0㎏ 6R

3勝(1KO)6敗2分の30才・北海道と、3勝(1KO)2敗2分の30才・埼玉県。

                                                         

戦績だけ眺めると、鈴木君圧勝するのかなあ、って見てたんだけど、

ボクシングになってるのは、橋爪君の方で、

鈴木君、初めから、もう力み満々、入れ込み、突っ掛け重戦車って感じの、

全くの相撲ボクシングなもんで、橋爪君、嫌気差さないかなあって……。

                                                            

どういう風にポイント付けたらいいか迷うような、延々グズグズ、ダラダラが続いて、

それでも、橋爪君、キレずに真面目に付き合って、

4R、1分半頃、ガツンと寄り合ったとこで、右ショートストレート打ち込んだら、

鈴木君、思わずのダウンで、その後の追撃で、残り40秒ほどのとこで、

レフェリーストップ勝ち。

                                                        

                                                       

◆高橋竜也君(ヤマグチ土浦)×井川政仁君(角海老)…B 8R

8勝(4KO)2敗の21才・茨城県と、10勝(3KO)5敗1分の25才・熊本県。

                                                        

やっぱA級は違うわあって、いきなりホントのボクシングらしくなったね。

                                                       

高橋君、スピードもあるし、バランスもいいし、いいボクサーなんだよなあ。

                                                       

一方の、井川君も、正統派の綺麗なスタイルのボクシングなんだけど、

この日は、ちょっと元気ないというか、動きに今一つ精彩なかったなあ。

                                                         

そうなると、ペースは高橋さん先行で、彼、元々自分のリズム作るの巧いし、

左のトリプルジャブとか、コンビネーションとか、いいんだよなあ。

                                                         

高橋君、一瞬、木村章司さんみたいな印象なんだけど、パンチ出しの時、

ちょっとアゴ出るようなとこあるんだけど、動き早いもんで、狙えないんだよなあ。

                                                        

それでも、井川君も、負けてない早い動きと、連打の中から一瞬の隙突いて、

いいのを打ち込んでってるもんで、スリル満点の攻防続いて、

2Rには、高橋君の顔面も徐々に紅潮していったんだわ。

                                                        

この二人のレベル高いハードな主導権争い、実は3R、あっけなく終わってしまって、

ホントは、もっと見ていたかったんだけど、

まず、井川君が、そこそこの左ブチ込んで、ポイントゲットした直後、

勢い付けて、更に攻め込もうとしとした途端だったんだけど、

高橋君、それ待ってたかのように、物凄くキレのいい、ワンツー打ち込んだんだわ。

                                                         

あまりの直撃だったもんで、井川君、その場にグニャっとダウンしてしまって、

カウントエイトで、何とか立ち上がりはしたんだけど、ダメージ大きくて、

南側ロープ沿いをフラフラしてて、再開不能で、結局、カウントアウトのKO決着。

井川君、ちょっと足元不安というか、もっといい動き出来るボクサーなんだけどなあ。

                                                                                                              

それにしても、高橋君、リズム感と当て勘抜群で、これから強くなると思うなあ。

                                                         

                                                       

◆インドネシアンⅠ×岩渕真也君(草加有沢)……L 8R

5勝(3KO)2敗2分の21才と、13勝(11KO)3敗の24才・埼玉県。

                                                           

岩渕君を、こんな相手に使うってのは、とっても勿体ないんだよなあ。

結局、左ストレート二発で、二回倒してのストップエンドで、1R終了ギリギリ決着。

                                                          

                                                       

◆井上庸さん(ヤマグチ土浦)×インドネシアンⅡ…?㎏ 8R

15勝(10KO)1敗2分の28才・茨城県と、12勝(6KO)2敗の29才。

                                                        

相手のボクサー、全体に細い分、手足長くて、ちょっと雰囲気あって、

なんか、そこはかとなく、いい試合になりそうな予感してたんだけど、

それにしても、井上さん、頭デカイなあ。

                                                        

1R、相手、青コーナーに下がり気味なとこ、井上さんの右ストレートが伸びて、

相手、あえなくのダウンで、早や早や決着も見えてたんだけど、

あと1分半はあったんだけど、詰め切れずに、その後はダラダラ、

結局、最終ラウンドまで、延々詰め切れずに、ちょっと消化不良の試合だったな。

                                                       

確かに、相手の、変なタイミングで出て来る外側からの大振りフック、

ちょっとやりにくかったとは思うし、ガードも堅かったんだけど、

相手の動き、見極めた後の井上さん、圧倒的に荒っぽくなってしまって、

どっちかというと雑な感じにさえなってしまったんだわ。

                                                       

相手は、井上さんのパンチ出しに合わせたり、打ち終わり狙ってんだから、

誘いパンチ出したり、捨てパンチ使ったり、フェイントもアリだと思ったんだけど、

自分の都合だけのボクシングに終始して、結局一本調子になってしまって、

最後まで致命弾ブチ込むこと、できなかったんだよなあ。

                                                        

で、結局、80-71、80-72×2っていう、勝っても、なんか照れるような判定。

そこはかとない、いい試合の予感は、どっか行ってしまったな。

                                                                                                                

井上さん、元々不器用な剛腕ファイターなんだけど、

あの真っ直ぐなボクシング好きなもんで、もっと強くなって欲しいって思ってるもんで、

もう少し、攻撃のアイデアというか、引き出し増えるといいなあって思ってるんだよね。

                                                        

                                                          

◆黒木健孝さん(ヤマグチ土浦)×榎本信行君(三迫)

                       ……48.9㎏ 8R

23勝(15KO)4敗1分の28才・長崎県と、18勝(3KO)8敗4分の36才・埼玉県。

                                                         

ホントは、この試合見るつもりなかったんだけど、ちょっとだけって思ってたら、

ホント、ちょっとだけで終わってしまって、3R、TKO決着で、勿論、黒木さん。

                                                        

ゴング鳴った途端から、もう殆ど試合になってなくて、

榎本さん、いよいよ止め時に近付いてる年令なもんで、

最後に一花咲かせるつもっりで、突っ込んで行くのかなって思ってたんだけど、

突っ込んでったのは、黒木さんの方で、榎本さん、黒木さんの周り、延々廻ってた。

                                                       

黒木さん、明らかな格下に、手間取ったら問題あるってことで、

明らかに雑な攻撃に終始して、とにかく早目にブッ倒すってなってしまって、

お互いに、こういう試合するのは良くないなって、シミジミ思ったな。

                                                       

榎本君とこのジム関係者、いつもだったらリングサイドで声援送るんだけど、

この試合、離れた席で黙って眺めてて、ホント、可哀想なマッチメイクだったよ。

                                                       

                                                           

電車の中、前に座ってた、ボサボサ頭で、化粧っ気のない50がらみのオバサン。

三つも持ってる古びたトートバックの一つから、取り出したのが、なんと、i-Pad。

タマゲタなあ。

                                                       

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