後楽園ホール・4月23日
秋葉原までの山手線の中、斜め前に座ってる女子、25才あたりか、
腰、前にずらせて、短い太い足拡げて、後頭部窓に押し付けながら、爆睡なんだけど、
化粧やたらケバクて、蛾みたいなんだけど、大口、パックリ空けてて、まるで南極1号。
なかなか、ああはいかないだろなあって、思わず見とれてしまったな。
昨日は、角海老ボクシングだったもんで、OB達の懐かしい顔、沢山あったよ。
中島吉兼さんと、秋葉慶介さん、子供連れてきてて、色んなボクサー達と、
かわりばんこに、写真撮ってて、みんないいオッサンになってるんだわ。
江口さんの弟さんも来てたし、伊藤克憲さんや、木嶋安雄さんの顔もあったなあ。
小林生人さんも奥さんと一緒で、ちょっと話たんだけど、とっても、気持ちのいい人で、
ハッキリ系の聡明な感じだったなあ。
◆石井大輔君×中嶋孝広君(Boy’s水戸)………Fe 4R
デビュー戦の19才・秋田県と、0勝1敗の23才・茨城県。
二人のリングインの時、榎さん、会場入りだったな。
サウスポーの石井君、まずは無難な立ち上がりだったんだけど、
マウスピースのサイズ、合ってないのか、口開いた時、はみ出しがちになってたけど、
まだ両腕、体から離れがちで、ガード甘くなって、余計な被弾、多過ぎなんだけど、
最後まで、気持ち保って、前へ前へって、頑張り通したのが評価されて、
39-38×2、37-39の2-1で、判定勝ち。
中嶋君、ごく普通のボクサーではあるんだけど、パンチ、内側からキチンと打つし、
2Rから盛り返して、ホント、惜しいとこだったんだけど、最後の頑張り良かったなあ。
石井君も、3R形勢崩されそうになったとこで、よく踏ん張り直してたし、
もう少し重心、前に置くようにしたら、もっと良くなると思うな。
◆蓮沼テツヤ君×阿部ひろし君(W日立)………SL 6R
4勝(3KO)2敗1分の30才・埼玉県と、4勝(3KO)5敗の22才・茨城県。
蓮沼君、結構多彩な移籍経歴持ってんだけど、なかなかいい雰囲気持ってるね。
頭低くして、ズリズリ迫る相手に対して、ちょっとやりにくそうだったけど、
1R、残り10秒切ったとこで、左ショートフック一発で、ダウンゲット。
阿部君、その1Rに、バッティング減点も喰らってしまって、いきなり3Pハンデで、
その後も、相手に体預けてから、トコトコ当てるのに専念するんだけど、
見てて、なんかだらしないボクシングになってしまって、残念。
蓮沼君、結局、59-54、57-56の3-0勝ちなんだけど、
相手の打ち終わりに合わせることできれば、簡単に終わってたと思うし、
中盤、相手に合わせた、ダレた攻撃になってしまったとこ、反省だと思うな。
◆加藤大輔君×相澤健治君(オサム)………M 6R
6勝(5KO)6敗の28才・東京都と、6勝(1KO)5敗の26才・宮城県。
パンフレットの写真だと、そうは見えないんだけど、正面から見ると、
二人とも、良く似た顔付してて、体形も、ボクシングスタイルも、ホント、似てるんだわ。
終始、殆ど一方的な展開で推移してて、5Rには、加藤君の連打で、相澤君、
グラついて、赤コーナーまでズリズリ下がらされて、もう、止められるぞってとこで、
終了ゴングに救われたんだけど、その相澤君、最後の6R、
もうここまで来れば、一発大きいのブチ当てるしか活路ないって感じで、
ブンブン行って、加藤君、ちょっと処置に困って手が止まったとこに、
ホント、残り10秒切れたとこで、そのブンブンの一発喰らってしまって、
ズリーッとした感じで、ダウンしてしまったんだわ。
結局、終了ゴングに、今度は加藤君、救われたんだけど、
もう少し時間あったら、それまで、結構打ち疲れてたとこあったもんで、
ヤバイことになってたかも知れなかったんだよね。
でも、採点、とっても分かり易くて、58-55×2、58-56の3-0で、
勿論、加藤君の勝ちだったんだけど、決められる時、決めておかないとな、
っていう、ちょっと反省、残ったよね。
◆鳥本大志君×萩原猛君(T&T)………B 6R
8勝(1KO)2敗2分の29才・群馬県と、6勝(6KO)2分の24才・神奈川県。
ここから、角海老ランカー、四人続けざまに出て来るんだけど、
四人とも、ランキングとしては、12位、12位、8位、10位なもんで、
負けたら、一気に普通のA級ボクサーに陥落っていう、危機孕んでるし、
相手のボクサーにとっては、夢の日本ランカーのチャンスなんだよね。
相変わらず、ゴツゴツボクシングの鳥本君、動き見てると、
何だか、榎さん、彷彿とさせるんだけど、不思議と負けないボクサーなんだよね。
相手の萩原君、宮森卓也君KOしてるし、安沢栄二君とは引き分けだし、
だだ、キャリアの初め頃にKO勝ち多いもんで、
それでボクシング、ちょっと雑に固まってしまったのかも知れないな。
で、気持ちは十分に出てるんだけど、基本的には、攻め単調だし、
そもそも、ボディブロー殆ど打たないし、左右の動きも出来てなくて、
全体に、チャカチャカした、やっぱり雑な印象のボクシングで、
4R頃、鳥本君、ちょっと攻めあぐんでた時、あそこ、チャンスだったんだけど、
鼻血ひどくなってて、シンドそうだったしなあ。
一方、鳥本君、やっぱり真っ正直一筋で、少しキッチリやろうとし過ぎで、
1R、相手が下がるとこ、右大フックかすり気味に当たって、ダウンゲットして、
余裕の立ち上がりだったんだけど、その後は、決めきるとこまでいかなくて、
もう少し、遊び感覚出てくると、いいと思うんだけどなあ。
それでも、随所随所で、キッチリした印象に残る有効打数で圧倒してたもんで、
60-54、59-55×2、っていう3-0圧倒勝ち。
◆緒方勇希さん×道産子ファイター早坂君(ワタナベ)………58.0㎏ 6R
9勝(2KO)1分けのランク12位、26才・佐賀県と、
7勝(1KO)5敗2分の32才・北海道。
この日、誕生日の緒方さん、相手からして、キッチリ決めなくちゃいけないんだけど、
結局、最後まで行って、60-53、60-54×2っていうんだから、反省だよね。
もう初めっから、勝負にならないほど、力量差あって、仕留めるタイミング、
そこらじゅうにあって、6Rには、開始15秒ほどのとこで、
連打でダウンまでゲットしたっていうのにね。
相手の早坂君、ポイント取れるボクシングになってなかったけど、
ナンボ打たれても、顔真っ赤にしながら、気持ちで負けないで、根性あったな。
繰り返しになるけど、緒方さんは、大反省だと思うな。
この辺で、ランク守るようなボクシングしてると、先の希望薄れてくるから、
鬼のようなコンビネーション、この次は見せてね。
◆杉崎由夜さん×小野澤洋次郎君(ワタナベ)………SFe 8R
11勝(4KO)5敗1分のランク8位、23才・神奈川県と、
8勝(5KO)7敗5分の28才・東京都。
杉崎さん、パンフの写真よりずっとスッキリ締まった感じで登場して、
鋭い、とてもいい目してて、今日はキレのいいとこ、見せてくれそうな感じ。
小野澤君の方は、内山高志さんとの激しいスパーもこなして、調子上々らしくて、
本気のランク取りに来てて、セコンドも凄かったもんね。
1R、始ってすぐ、場内から溜息出るほど、スピードもコンビネーションも、
杉崎さん、頭抜けてて、相手のパンチ怖がらない、度胸満点だし、
2R、明らかに、小野澤さん、ビビリの表情浮き出てきたんだけど、
セコンドから、激飛ばされまくって、自分でも開き直ったのか、その後、
倒されること覚悟で、ドンドン前へ出るようになっていったんだわ。
お互い、目指してるボクシングに明らかな隔たりあって、
小野澤さん、頭から突っ込んでってからの乱闘に活路、って感じなんだけど、
徐々にダメージ溜めていったのは、やっぱり小野澤さんの方で、
途中からバランス悪くなって、パンチも流れてしまうようになって、
6R後半以降は、足元、ポクポクして、安定感無くなっていったんだけど、
それでも、セコンドからの絶叫的指示に、最後まで忠実に頑張ったんだわ。
杉崎さんの方は、初め早い回決着かなって思ってたんだけど、
途中から、小野澤さんのスタイルにちょっと嫌気差してしまったのか、
攻撃の集中力、ちょっと散漫になっていって、攻守ハッキリするようになって、
見栄えのいいボクシング、貫けなくなっていったもんで、自分的には不満残って、
後で、小堀さんも良くないデキだって言ってたらしいね。
5~6Rにかけて、小野澤さんの乱打的攻撃に対して、頭下げたり、
クリンチで凌いだりする場面増えて、印象落とし加減だったんだけど、
強烈ボディの連発含めて、クリーンヒットでは、比べようもないって思ってたもんで、
79-75、78-76、76-77の2-1っていうのは、正直全く納得いかなかったなあ。
最近、ちょっと採点、おかしんじゃないのって話、よく聞くんだけど、
ジャッジによって、片寄り目に付くもんで、一度再確認しておいた方が、
いいと思うんだけど、それ別にしても、杉崎さん、ちょっと甘かったなあ。
期待してるモノ、大きいもんで、不満残ったんだわ。
最後の8R、二人のノーガードの殴り合いは、それでも圧巻だったね。
あんな時、行かなくていいって言っても行くのが、杉崎さんの男気の部分なんだよね。
◆高山樹延さん×中村尚平太君(八王子中屋)………W 8R
10勝(3KO)無敗のランク10位、24才・秋田県と、
10勝(4KO)7敗2分の29才・東京都。
高山さん、幾つか花束貰ってたけど、みんな綺麗な女子だったなあ。
いつものように、相手の方が、7~8㎝背高くて、リーチもあるんだけど、
スピード、手数、コンビネーション、ディフェンスのどれとっても、
高山さん、圧倒してて、1R始って30秒ほどで、中村君、もう負け顔になってたな。
1R、残り10秒辺りのとこで、ドコンドコンって直撃弾喰らって、
中村君、ダウンしてしまって、ゴングに救われたんだけど、もう顔赤くなってて、
2R、高山さん、獲物仕留める目付きになって、でも慌てず、冷静に前へ出て、
中村君、明らかに、もうダメで、セコンドも声失っていって、
A級とC級ほどの差、どうにもならなくて、戦意喪失みたいなまま、ストップ。
ここまでの試合、幾つも消化不良みたいな感じのがあったもんで、
ここでやっと、スッキリしたんだわ。
とにかく、角海老、ここまで全勝で、ランキングも何とか守ったっていうことで……。
◆榎洋之さん×ルベルト・ガルサ(メキシコ)
28勝(20KO)3敗2分の日本ランク8位、30才・秋田県と、
21勝(17KO)4敗1分けのWBCランク11位、24才。
チーフセコンド、シャーに代わったんだよね。
奥様経由の話なんだけど、榎さん、気分転換できて、とても楽しく練習できてたって、
聞いてたんだけど、結果は、既にご存知の通り、9RTKO負けだったんだわ。
1R、ガルサ、凄いって感じではないんだけど、これと言って、穴の無いボクサーで、
やたら、ツバ吐いて汚いんだけど、足あるし、コンビネーションあるし、
パンチの緩急巧いし、スイッチするし、バランスいいし、体にバネあるんだわ。
それに対し、榎さん、ここんとこの数試合の反省からか、
初めから、やたら攻撃的で、まず左からっての封印して、
いきなり、坂本博之さんばりの右大フック振るったり、上体ウィーブしたり、
なるべくパンチ食わないような工夫かなり見せて、ちょっとイメチェンだったね。
2Rには、左フック直撃させて、ガルサの右目上カットさせたんだけど、
実は、いいとこは、この辺までで、それ以降は、ガルサ、完全に榎さん見切って、
あんまり足とスピード、無いのもバレてしまって、距離、完全に征されてしまって、
残念、自分の中では、榎さん、どこまで持つのかって、なっていったんだわ。
戦法の変更、榎さんの事知ってる、国内ボクサーには有効だったかも知れないけど、
メキシコ人には、ちょっと荒っぽいなっていう印象しか与え得なかったみたいで、
だから自分、3R以降、どっちかって言うと、相手も距離取りたい方なんだから、
左ジャブ主体の従来の戦い方に戻してみたら、いいんじゃないかって思ったんだよね。
その思い、ラウンド進むにつれて強くなっていって、このまま同じ戦い方続けても、
明るい見通し見えて来ないんだから、目先変える意味でも、ってね。
榎さん、最後まで左ジャブ封印したみたいなボクシングで、
とにかく気迫のプレス、かけ続けるんだけど、ガルサ、余裕で下がりながら、
小さいけど、見てくれのいいのを的確にヒットさせていって、
ポイント、ドンドン取ってくし、体寄せての接近戦でも、榎さんの2発に対して、
4~5発位のスピードで、打ってるし、勝負的には、もうどうにもならない感じで、
5R以降は、殆ど、ボコボコ状態になってしまって、
ガルサ、たまに笑み浮かべながら、もう余裕、余裕で……。
それでも榎さん、クソッ、クソッて、気持ち絶対切らなくて、
体揺らぐほどのパンチ、何度も喰らいながら、クソッ、クソッてかかっていって、
たまに、いいのかするんだけど、段々パンチ流れ始めて、効果薄れていったし、
どれも単発で終わって、その後、続けさせて貰えないし、
で、8Rには、眉間、バッティング出血して、鼻血も出るし、右目上カットされるし、
コーナー戻る時、もう、ホント、ヤバくて、
自分、情けない事に、見てられなくなって、席外したんだけど、
そのすぐ後、9R58秒、もう止めようねストップだったみたいね。
あとで聞いたんだけど、セコンド陣、そのチョット前から、既にタオル準備してたし、
レフェリーにも、合図送ってたんだってね。
試合終わった時、いつもだと、自分サーッて帰ってしまうんだけど、
ちょっと榎さん見てたら、四方向の観客に挨拶した後、
また、何か思い立って、リング中央に向かって、長いこと、頭下げてて、
それで、、榎さん、もう止めるって決めたな、って思ったんだわ。
リング降りる時、一瞬目が合ったんだけど、これで見納めなんだよね。
榎さん、打たれ強いんだけど、すぐ腫れるし、内出血するし、
今頃、酷い顔になってんだろなあ。
さっき、ジムの関係者に教えて貰ったんだけど、
昨日、念のため医者行ったら、大丈夫だってさ。
ボクサー達に、あんまり近付き過ぎると、こういう時、ツライからってのもあって、
自分、なるべく距離置くようにしてるんだけど、
デッカイ星一個、落っこちたような感じなんだよなあ。
ズーッと前、ジムに遊びに行った時、アイスクリーム、奢って貰ったことあったけなあ。
奥さん、良い人だったなあ……。