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2010年2月23日 (火)

戦士

昨日の昼過ぎ、八巻裕一さん、亡くなったって連絡入ったんだわ。

19日に病院に運び込まれた時、もう既に時間の問題だって聞いてたんだけど、

それから、奇跡起きろって天に頼んだり、自分なりの心の決着つけてたもんで、

ブログの更新できなかったんだけど、固定客さん達も心配してくれてたのか、

さっき見たら、随分アクセスしてくれてて、ホント、アリガトね。

                                                        

彼、今日明日なんて言われてたんだけど、つまり19日か20日までじゃないかって、

言われてたんだけど、その後2日間も根性見せて、頑張ったんだわ。

                                                        

自分、たまに忘れてしまうことあるんだ。

自分の前に見える、4本のロープに囲まれた6平方メートルほどのリングが、

上から4キロワット以上の照明で照らし出されれた、あの眩しいリングが、

実は、戦場なんだっていうことをね。

                                                       

あの試合、もっと前にストップかけるっていうのは、どう考えても有り得なくて、

ストップかかる寸前まで、八巻さん、戦う姿勢崩さなかったし、

打ち込まれても、グラッとしても、気合入れ直して、反撃してたんだわ。

                                                        

この試合のこと、詳しくは明日書くけど、ホント凄かったんだよ。

お互い8位と11位だから、多分、負けた方がランキング失ってしまうもんで、

二人の気持ち、リングに溢れてて、大内さん、これまでのベストファイト見せたし、

八巻さんの左、最後まで殺気、こもってたんだわ。

                                                       

自分、物凄く真剣に見てたから言うけど、誰にも非、なかったからね。

あれ、どう考えても止められる試合じゃなかったからね。

                                                          

いつも可愛がってた、うちの子、死んじゃって、とてもシンドイと思うけど、

野口ジムの関係者、ホントにシンドイと思うけど、何とか乗り越えてね。

                                                        

戦場なんだから、戦士、体壊すことあるんだわ。

戦場なんだから、戦士、死ぬこともあるんだわ。

八巻さん、53年間で、37人目の戦死者なんだわ。

                                                       

剣道なら、直後に大きなメン、ブチ込んでも、先にコテ、かすり取られたら負けだけど、

プロボクシングっていうのは、それまでどんだけボコボコにされてても、

渾身の一発ブチ込んで、最後に相手倒したら、そいつが勝ちっていう、

ホントの意味で、今の世の中では希少な、真の戦いの世界なんだわ。

                                                         

剣道は、単なるゲームだと思うし、アマチュアボクシングはスポーツの一種で、

プロボクシングだけが、ある意味、命賭かった戦いなんだよね。

その事に踏ん切りついてなかったり、納得いかないなら、

やるのも見るのも止めた方がいいんだわ。

そんな事に命賭けてどうすんの? って言うかも知れないけど、

合法の範囲で、何に命賭けるかは、賭ける方の自由だと思うし、

その危険性についての意識、頭と心の片隅に残しながら、

今日も、ボクサーはリングに登るんだよね。

                                                         

ただ、事故の確率抑えるための改善は必要で、4回戦は、1ノックダウン、

それ以上は、1ラウンド、2ノックダウン、通算、3ノックダウンでストップっていう、

ルールにした方が、いいんじゃないかって、ずっと以前から思ってるんだよね。

                                                          

あの日、試合終わった時、八巻さん、すぐに救急車で病院に運ばれたんだけど、

もう瞳孔開いてしまってて、手術できる状態じゃなくて、いきなりの危篤だったんだわ。

                                                         

20日の午前中、角海老からも会長、マネジャー、大内さんとトレーナーが、

お見舞いに行ったんだけど、その時、八巻さんのお父さん、大内さんに、

息子の為にも、これからもっと強くなって下さいね、

絶対、止めるなんて言わないで下さいね、って言ってくれたんだってさ。

ボクサーの父親ってのも、根性入ってて、立派なんだよね。

いきなりの息子の危篤を前にして、なかなか言えるもんじゃないと思うんだよね。

お陰で、大内さん、救われるというか、持ちこたえる事できたんだと思うんだわ。

                                                                                                                  

自分、片一方で、その大内さんの事、とても気になって、

彼、友達満載って感じじゃないし、どっちかって言うと、繊細ハートの持ち主なもんで、

で、20日の夜、電話で話したんだわ。

彼、頭では理解してても、心の中にわだかまるものあるみたいで、

それ当然で、彼、優しい性格だし、ちょっとシンドイんだけど、

でも、八巻さんの思い背負って、行けるとこまで行け、って伝えたんだわ。

                                                       

八巻さん、実はね、自分、あなたを目当てにホール行ったことないんだけどね、

それで、あなたの試合、5つしか見たことないんだけどね、

いつも、特攻隊みたいなブン回しボクシングで、ガード良くないし、正直巧くなくて、

でも、怖いもの知らずの男気溢れたボクシングだったよねえ。

                                                       

まだまだ、ボクシングやりたかっただろうねえ。

あのね、もし未練あるんだったら、自分に取りつくといいよ。

自分、しょっちゅう後楽園ホール行くから、試合沢山見られるし、

多分、自分には、辻昌建さんも取りついてると思ってるし、

ボクサーもあと二人ばかりいるし、こんな性格だから、

他にも、ちょっと得体の知れないようなのも、沢山取りついていそうなんだけど、

とにかく、それでも良かったら、おいでね。

                                                         

普通こんな場合、決まり文句で、冥福をお祈りしますって言うんだろうけど、

自分、実は、冥福って、ホントの意味知らないもんで、

おそらく、冥土での幸せを祈るってことなんだろうとは思うんだけど、

その冥土が今一、理解できてないもんで、義理で言う場合以外使わなくて、

気になる人の場合には、俺に取り付けって、言ってるもんで、

自分の周りには、そういうのが沢山いるような気がしてるんだわ。

                                                          

最後になるけど、八巻さん、とにかく、あなたは勇敢なボクサーだったよ。

一回も引き分けの無かった、いつも、勝つか負けるかのボクサーだったね。

                                                       

≪戦士;八巻裕一 全戦歴≫

1983.3.16 埼玉県越谷市出身、フライ級、サウスポー、野口ジム所属。

                                                           

2003.10.22  稲葉鉄平(新日本タニカワ)   4R   ○  1RKO

       12.16  濱中優一(国際)          4R   ×  1RKO

2004.04.06  加藤敦(金子)                        4R   ○   1RKO

         12.01  青木隆雄(ワタナベ)                4R       ○   1RKO 

2005.06.01  霜田雄太(O・カワイ)               4R       ×      0-3

         10.03  福永真也(白井・具志堅)          4R       ×     1RKO 

2006.07.04  天木良(ナカハマ)              4R       ○     4RKO

    11.28  小池洋介(古口)                     6R       ×     0-3

2007.07.05  古谷祐樹(F赤羽)                   6R      ○   3-0

         10.29  平川聖也(斎田)                     6R    ×   0-3

2008.03.20  板垣幸司(広島三栄)              6R   ×   0-3

         07.27  ハヤブサ鵜原(オサム)            5R   ○   3-0

         10.24  斎藤直人(角海老)                  8R   ×   2RKO

2009.06.06  林徹磨(セレス)                      8R   ×   0-3

         11.12  安西政人(Wスポーツ)             8R   ○   1RKO

2010.02.19  大内淳雅(角海老)                  8R   ×   8RKO

                                                         

・通算戦績………… 7勝(5KO)9敗、KO勝ち率;31.3%、KO負け率;25% 

・最終ランキング……日本フライ級11位

・趣味……………… 晩酌、スノーボード

・享年……………… 26才。 

お疲れさん……。        

                                                          

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