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2009年12月18日 (金)

後楽園ホール・12月17日

水道橋の駅降りたら、驚いたなあ、もうオバサンだらけでさあ。

若い子の群れは、よく見かけるけど、黒山のオバサンてのは、ちょっと引くね。                                                       

保険のオバサンの全国大会なのかと思ったら、ドームで、イ・ビョンホンだってさ。

                                                       

この辺の年令の女性達の凄いとこは、もう怖いもんなしで、自分の容姿棚に上げて、

平気でスターに憧れて、上気しながら、押しかけるってとこだと思うな。

もう、スーパーの安売りに押し掛けるのと、全く同じだもんね。

別に悪くはないけど、何か剥き出しみたいで、自分、やっぱ引くね。

だけど、この人達だけ見てると、どこが不景気かって思うんだよね。

                                                         

昨日の後楽園ホール、採点のこと、ちょっと考えさせられたよ。

レベルの高い試合で、甲乙付けがたい、ってのじゃなくて、

そもそも、試合内容、ちょっとなあ、ってので多かったな。

                                                       

採点に関しては、ホント色々あって、見る角度とかによっても違ってくるし、

そもそも、人間がやることなもんで、採点に関する基本事項に沿ったとしても、

ジャッジごとに、好きなボクシングスタイルあるだろうし、だから、

下がりながらのパンチ認めたがらないのとか、押し込みゴニョゴニョパンチ嫌いとか、

空き巣狙い的攻撃嫌いとか、豪打大好き、チョコチョコ嫌いとか、

何か人生観みたいなものも、絡んでくると思うんだよね。

                                                        

それから、主催者や、チャンピオン、ランカーの方に配慮が傾いたりするのは、

よくあるし、チャンピオン、ランカーの壁、少し厚くするの仕方ないかとも思うし、

極論すると、好きなボクサーと、そうでないボクサー、あるみたいに見えるし、

ただね、それらが各々のレフェリーによって大きくバラツキ過ぎるのが、

とても気になっててね、だから、今では自分の中で、10人程のジャッジの傾向、

実は、ちゃんと頭に入ってるもんで、何しろ、年間80回ほどボクシング見るし、

ということは、年間650試合前後見てるし、それ何年も続けてるしね。

                                                       

昨日、あれえー? って思ったのは、まずいきなりの第一試合。

二人が、60-54、60-55って付けてんのに、58-57 ってのがいて、

どこと、どこのラウンド取られたのかって、是非聞きたいと思ったな。

                                                         

それから、第五試合の、80-72、78-75、77-75 ってのも、

80は、ちょっと上げ過ぎかとも思うけど、その試合が2ポイント差っていうのは、

全く、自分の目、節穴なのかなあ、って思うほどだったし、

セミファイナルの2-0勝ちっていうのは、そうだろなあ、っては思ったけど、

勝者、予想と逆だったもんで、タマゲタなあ。

                                                       

ファイナルも、78-74、77-76×2 だったんだけど、4ポイント差は大き過ぎで、

自分の頭の中での計算は、1ポイント差だったんだわ。

                                                         

勿論、素人の自分の採点なんか、全く意味ないし、いつも予想通りじゃないんだけど、

昨日の採点ブレ、普段より、ちょっと大きかったんじゃないかって思ったな。

                                                        

だからね、大事な試合の場合にはね、誰がレフェリーで、三人のジャッジは誰かって、

事前に、ちゃんと頭入れて置かないと、ヤバイってこともあるんだわさあ。

だけどね、そもそも微妙な試合するからダメなんだわ、っていつか言ってた、

田中トレーナーの言葉が、一番納まりがいいね。

                                                           

◆石川雄策君×小松絵君(ワタナベ)………SF 6R

デビュー戦の23才・沖縄県と、5勝(4KO)3敗の27才・高知県。

                                                         

石川君、アマ50戦キャリアのB級デビューなんだけど、相手の小松君、

変則ゴリゴリファイターで、KO率も高いもんで、優しくないデビュー戦で、

20日に試合控えた、昇吾兄さん、応援に来てたんだってね。

                                                       

小松君、グローブ、ブランブランさせて、相手の目眩ませておいて、意表付いて

いきなり飛び込んで、ブン回して殴り倒す、って戦法なんだけど、

石川君、凄いよ、すぐ見切って、右フック被せていくし、距離すぐ把握したし、

この子は、やっぱ普通じゃなくて、角海老期待のサウスポーの登場だね。

                                                         

2Rからは、全く、余裕の展開で、不用意な一発さえ喰らわなければ、って、

もう安心して見ていられて、一方の小松君、飛び込むきっかけなくしてしまって、

最後まで、石川君の出待ち、みたいなボクシングになってしまって、

セコンドから、ズーッと、前行け! 先に打て! 怒鳴られっ放しで、

それでも、怖いのか、全然行かなくて、6Rには、三回もマウスピース飛ばされて、

もう散々のまま、終了ゴング。

                                                          

で、60-54、60-55、58-57 っていうのは、納得いかないんだよね。

どのラウンドと、どのラウンド、石川君取られたのか、是非とも知りたいもんだな。

                                                        

石川君、4人兄弟で、試合の後、ちょっと話たんだけど、長男、地元で仕事、

次の双子の次男が、昇吾君で、三男がとっても素敵な犬の絵を描くアーティスト、

で、やっと雄策君って順番の四男坊なんだってさ、やっとハッキリしたよ。                                                        

彼、とっても頭良くて、いい性格してて、いっぺんにファンになるよ。

                                                         

どこか良くなかったとこないですか? って聞いてきたもんで、

それは、トレーナーと話すことだとは思ったんだけど、ちょっと言ってしまって、

前後の出入りの早さ、最高だったけど、左右に素早く動けてたら、

6Rまでいかなかったと思うよって、伝えたんだけどね。

                                                           

◆石川貴章君×佐藤洋輝君(ワタナベ)………SF 6R

4勝(2KO)1敗の20才・愛媛県と、デビュー戦戦の23才・岩手県。

                                                         

佐藤君、法政大アマ60戦のエリートで、体硬そうなんだけど、

軸シッカリして、内側から、小さいけど強いパンチ、連続して打てる、好ファイターで、

少し大き目に打つ、石川君のパンチ、やり過ごしざま、鋭い右打ち込んでくるし、

もう、スリル満点の展開で、石川君も、超負けず嫌いなもんで、行く、行く。

                                                       

2R、残り20秒ほどのところで、喧嘩ボクシングに火が付いた、石川君、

ちょっと引き気味になった佐藤君の顔面に、右ストレート、ブチ込んで、ダウンゲット。

                                                        

序盤に大きくポイントリードしたんだから、もっとユックリやればいいと思うんだけど、

石川君、男気ボクシングなもんで、打ち終わり、合わされそうになるんだけど、

まあ行くんだわあ、で、それが、彼の魅力なんだけどね。

                                                       

佐藤君、回復力凄くて、3R以降、息吹き返して、反撃に転じて、根性あるある。

5Rには、バッティングで石川君、右目上カット出血して、佐藤君、勢い増して、

石川君、益々大きい振り方していったもんで、危険度満々、ドキドキだったな。

                                                                             

でも、この日の石川君、最後の最後まで、ブンブン丸、通しきったな。

結局、59-54、58-55、58-56 の3-0で、石川君の完勝だったんだけど、

紙一重のパンチの交換だったとこあるもんで、一つ間違えば、逆の結果もアリで、

上に行くには、次の武器とか防備がいると思うな。

それにしても、面白かったなあ。

                                                         

◆田中稔大君×藤原陽介さん(ドリーム)………B 8R

6勝(2KO)3敗の25才・福岡県と、10勝(4KO)無敗のランク12位、23才・島根県。

                                                         

一転して、詰まんない試合になってしまったもんで、申し訳ない、ちょっと休憩。

                                                       

藤原さん、どうしちゃったの? ってくらい、そりゃあ、普段から動きいい方じゃないし、

華麗なボクシングではないんだけど、この日の彼、ホントどっか変で、

初めから、ドローンってしてて、パンチにキレないし、プレスも甘い、甘い。

                                                       

3R以降、接近戦に持ち込んで、何とかペース掴んだんだけど、決定力なくて、

田中君、左右に早い足、発揮できなかったから、助かったものの、

折角の再ランク、カッコいい髪の毛の切り込みラインのかいもなく、残念。

                                                          

結局最後まで、トロトロ見せ場も無くの、2~3ポイント差の判定勝ち。

田中君、岩みたいな相手に善戦したけど、左右への速い動きあったら、

番狂わせもあったと思うから、これも残念。

                                                          

◆工藤洋平君×船井龍一君(ワタナベ)………B 8R

6勝(3KO)1敗1分の28才・愛知県と、10勝(7KO)4敗の24才・東京都。

                                                         

移籍初戦の工藤君、初めて見るんだけど、船井君、自分のお気に入りなもんで、

彼、強いから、気を付けてね、って感じで……。

                                                       

工藤君、手足長くて、一見有利に見えるんだけど、全体の動きちょっとバラバラで、

両脇、体から離れること多くて、あれは危ないぞお、って思ってたら、

2R、1分半過ぎ、船井君の綺麗な右、まともに喰らってしまって、

レフェリー、カウント途中ストップのTKO決着。

やっぱり、船井君のKO率、64%ていうの、半端じゃないんだわ。

                                                        

◆杉崎由夜君×森田陽久さん(新日本仙台)………SFe 8R

10勝(4KO)5敗1分の22才・神奈川県と、

13勝(4KO)6敗2分のランク8位、34才・宮城県。

                                                        

自分、この日、一番気にかかってたの、この試合で、最後までバクバクだったんだわ。

                                                       

杉崎君が移籍してきたばかりの頃、小堀さん、田中トレーナー、ジムのエライさん達、

一緒に、焼き肉行ったことあって、初対面で、もっとプヨプヨしてて、優しそうな子で、

それが、グローブはめると、人が違って、鋭い、センスある動きするもんで、

すぐ好きになってしまって、彼、小堀さんと、いっつも一緒にいて、

ホント、いい組み合わせで、強くなるぞお、って思ってたんだけど、

ちょっと伸び悩んでて、ここんとこ二試合連続のKO負けだったし、

彼、ズルズルやるの好きじゃないし、今度負けたら、止めるって言ってたもんでね。

                                                         

この日、杉崎君、気合入ってて、1~4Rまで、全部ポイントゲットしてるって、

思ってだけど、森田さんのタイミングも合ってるし、飛び込んできてのガツガツ、

ああいうの、杉崎君嫌いだし、嫌気ささずにやれるかなあ、って心配だったんだけど、

杉崎君、気持ち維持し続けることできて、森田さん以上にタイミング良くなって、

ドスドス、カウンター打ち込んでいって、森田さんの顔、ドンドン腫れていったなあ。

あれ、ちょうど、矢代義光さんの時と同じだわ、彼、腫れやすい体質なんだね。

                                                         

5R頃になると、森田さんの大振りパンチ流れてルーズになっていたんだけど、

体寄せての、ボディ連打にはまだ十分活路、あったもんで、自分、ヒヤヒヤで、

いくら、直撃しても、顔は腫れるんだけど、倒れないし、我慢比べみたいで……。

                                                       

森田さん、打たれ強いっていうより、打たれ慣れてる、って感じのゾンビみたいで、

顔変形してんのに、全然下がらないし、あれはあれで、何か怖くて、

最後は、ポイント挽回不能ってわかってるもんで、一発大逆転にシフトして、

さすが、ランカーは半端じゃなくて、二人とも、最後はヘロヘロでゴング。

                                                       

80-72、78-75、77-75 の3-0で、杉崎君、見事ランク入り決めたんだけど、

フルマークも、2ポイント差も、絶対変で、なんでこんなに振れるのかって思ったな。

                                                         

それでも、あんまり、嬉しかったもんで、そーっと会いに行ったら、彼と小堀さん、

それとジムの女性しかいなくて、8R、もっとガンガンやらなくちゃ、

って小堀さん言って、だから、手伸ばしてタッチだって言ったでしょ、って杉崎君。

自分含めて、みんな幸福だったんだわ。

                                                       

◆藤井龍二さん×キューピー金沢君(青木)………SF 8R

7勝(4KO)1敗2分のランク6位、29才・福岡県と、

11勝(5KO)5敗の32才・宮城県。

                                                        

この試合、セミファイナルって感じの試合じゃなくて、二人とも、とても残念。

                                                        

藤井さん、リングインの時から、ちょっと変で、目に力こもってないし、

動きも何だか爺さんみたいで、頼りないったらありゃしなくて、

金沢さんも、体緩んでて、パンチもスローモーションみたいに遅くて、

そんなパンチ、ポコポコ当てられて、何で避けないの、って思ってて、

金沢さんのパンチ、全く、魂こもってなかったもんで、助かったけど、

普通だと、とっくに倒されてる、っていう展開だったよ。

                                                        

あんまり、情けなくなってしまったもんで、席外してしまったんだけど、

後で聞いたら、藤井さん、体調、絶不調だったんだってね。

気の毒だったとは思うけど、そこまで含めて、プロだと思うんだよね。

                                                         

何だか二人とも、グズグズだったんだから、こりゃあ再戦だな。

自分にとっては、大毅さんとデンカオセーンの再戦より、待たれるね。

                                                         

それにしても、この試合、自分、直接見てはいなかったんだけど、

7Rに、藤井君、ホールディングの反則で、減点喰らったらしいんだけど、

相手の方も、セコンドの暴言で、減点だってね、何言ったんだろね。

自分、そんな場面、めぐり合ったことないけどね。

                                                         

結局、76-74、76-75、75-75の2-0で、藤井君だったんだけど、

自分、スコア聞いてる時、実は、こりゃあ、相手の方に転ぶなって思ったんだよね。                                     

                                                     

◆高山樹延君×田中慎吾君(西城)………W 8R

9勝(3KO)無敗のランク11位、24才・秋田県と、

8勝(2KO)6敗5分の27才・東京都。

                                                                                                             

田中君、5分けっていうのは、決め手に欠ける試合、多いってことで、

何だか、いつもガチャガチャってなって、訳分かんなくなるんだよなあ。

                                                       

一方の高山君、最近になって、急にボクシングらしくなって、倒し方も分かってきて、

リング上、自信溢れるようになって、怖さ倍加してきてるんだわ。

                                                         

ファーストコンタクトで、田中君、こりゃ、まともにやったらヤバイって感じたのか、

徹底的に距離取って、打ったら逃げる、ひたすら逃げる、って出入り一本に賭けて、

でも、高山君、とにかく一発当てりゃあ、お仕舞いでしょ、って、

相手のパンチ受けても、殆ど無頓着で、徹底したブーン一振りにこだわってる。

                                                        

田中君のサークリング、リングサイドで見てたら、疲れると思うなあ。                                                       

グルグル回って、たまに飛び込んで、ストレートボディ打って、即逃げるか、

体くっつけてしまって、トコトコ、トコトコ連発して、どこまでポイントになるかなんだけど、

高山君の方も、なかなか捕まえられなくて、やたら空振りの山ばかりで、

何だか、噛み合わない試合で、田中君の試合、いつも何となくこんな感じで、

それでも田中君、結構打たれ強くて、4R、かなりダメージ受けたかなって思ったら、

すぐ回復して、また6R、丸太みたいな、高山君の右フック喰らっても、

コーナーに戻る時、小首傾げはしたけど、ホールディングしながら、

最後まで、踏ん張りとおして、途中高山君、あと一歩かなってとこまで行ったんだけど、

ズーッと続いた空振りの嵐で、エネルギー使い果たしてしまったのか、

当ててるパンチに、パワー無くなっていったし、相変わらず、田中さん、

トコトコ頑張ってるし、もう訳分かんなくなってしまって、エンド。

                                                        

78-74、77-76×2、で高山君の勝ちって聞いても、そんなもんかなあ、

ってくらいの感想しか出てこなくて、何か消化不良だったよなあ。

                                                        

田中慎吾君も、キューピー金沢さんも、ランク取りできなくて残念かもしれないけど、

確かに相手のランカー達、昨日は、今一だったんだけど、

ランカーの壁あると思うし、正直、あの程度の出来だと、ランク取りは難しいと思うな。

                                                        

チャンピオン・デシジョンとか、ランカー・デシジョンとか、おかしいという人もいるけど、

自分、あってもいいって思ってるんだわ。

それ乗り越えてこその、ランカー、チャンピオンだって思ってるんだよね。

                                                        

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