後楽園ホール・11月30日
ビートルズ、“Mr.Moonlight”
でも、今朝流れてきたのは、正規のレコードのじゃなくて、スタジオリハーサル版。
この曲、ジョン・レノンの “みすたあああ~、む~んらい~”
っていう伸ばしシャウトから始まるんだけど、
最後んとこで、ちょっと声乱れたもんで、ジョンが途中で止めてしまって、
“ゴメン、ちょっと喉、ひっかかってさあ” なんて言い訳かますのに対して、
ポール・マッカートニーが、“ホントかよお” って笑いながらかぶせるとこまで入ってて、
あいつら、この頃、一体感あって、もう絶好調だったんだよなあ。
その後すぐ、またイントロから始めるんだけど、二回目はうまくいって、
ところが、今度は、ジョージ・ハリスンがちょっとふざけて、自分のソロの時、
多分まだ手に入れたばっかりだったと思うんだけど、リッケンバッカーの12弦ギター、
普段ほとんどやらない、おちゃらけチョーキングなんかやってて、面白いんだわあ。
昨日の後楽園ホール、カードの割に結構、客満々に近くて、
だけど、それぞれ特定のボクサー目当てみたいで、
関係ない試合の時は、殆ど見てなくて、
周囲煩くて、時々席移動しないとシンドかったな。
第一試合、2敗と1勝5敗っていう戦いだったんだけどね、
そりゃあ、もうちょっとどうにかなんないかなあ、ってほど下手くそなんだけど、
それでも、気合満々、殴り倒してやるって気持ち溢れてて、もう一生懸命で、
前の日の世界戦なんかより、よっぽど面白かったよ。
試合もガチャガチャだったけど、40-36、40-37、39-39 って判定も、
訳分かんなくて、波乱を予想させるスタート。
次は、5敗対6敗っていう、初勝利をかけた一戦。
6敗の方は、34才だし、その成績、無理もないなあ、って動きなんだけど、
5敗の方は、何で勝てないかなあ、って程いいボクシングするもんで、驚いたなあ。
結局4R、5敗のTKO勝ち。
3試合目、4試合目は、1勝同士の戦いだったんだけど、その中でも、
横手太一君、ドリームジムのボクサーにしては、ちょっとスタイル変わってて、
相手に正対し過ぎるし、前傾も浅いんだけど、鋭く真面目なボクシング。
呑んでかかろうとする相手に対し、全くペース取られることなく、2RTKO勝ち。
一見、どこが強いのかって感じなんだけど、これで、2戦2勝2KO。
その次の2勝同士は、なかなか見応えあって、レベル高くて、
武田雄太君(ワタナベ)、体型もボクシングスタイルも、ジムの先輩、
冨山浩之介さんにそっくりなんだわ。
彼、長いリーチ活かして、ボディブロー、打てるようになれば強くなると思うなあ。
6試合目は、ウェルターの4回戦だったんだけど、
宮本亮佑君(渡嘉敷)、相撲取り体質になってしまいそうなのを、
ギリギリ踏ん張って、体作ってる感じなんだけど、これまで、2勝(2KO)。
いかにも関西風、亀田系の、上背で勝る相手に対し、
戦闘的な気持ち、飛び込みのいいフットワーク、驚異的な連打で圧倒して、
あとちょっとで倒すとこまでいっての、大差3-0勝ち。
この子、面白いよ。
ボクシングの試合で、常に、全く盛り上がらないのは、亀田二兄弟の試合で、
自分の中では、これはもう決定事項なんだけど、それと同じくらいシンドいのは、
B級レベルで、勝ち負け拮抗したボクサー同士の試合なんだよなあ。
殆ど場合、寝てしまうか、休憩タイムだもんなあ。
全部が全部そうだっていう訳じゃないけど、この日の7試合目、シンドかったわ。
この試合、ちょっと面白かったのは、負けてリングから降りてきたボクサーに、
花束上げてて、頑張って下さいじゃなくて、ご苦労さんみたいになってたことだな。
昨日は、竹中良君と池原繁尊さんを見に行ったんだけど、
この日の竹中君には、ちょっとガッカリだったな。
相手は、14勝(4KO)9敗2分の32才。
自分、好きでないスタイルの代表みたいなボクサーで、
ただひたすら、にじり寄って行って、ベトベト、ダルダルしたパンチ振るって、
セコンドも、頭下げてくっつけ!なんて、詰まんなくなる一方の指示してるし、
自分の方からクリンチに行ってるのに、眉間にシワ寄せて、
自分でも、自分のボクシングに嫌気さしてんじゃないかって、見てて気持ち良くなくて、
そんな、身内しか楽しめないボクシング、延々続けるもんで、
早く何とかしてよって思ってんのに、
竹中君、やっぱりまだ4戦目の8回戦のせいか、ああいうの巧く処理できなくて、
たまに、素早く体入れ替えて、横から打ったりもしてるんだけど、
そこは、右フックじゃなくて、左ボディでしょ、それに、
体入れ替えるのは、相手の左側ばっかじゃなくて、右にもスペースあるでしょ、
それから、右アッパーもっと打つべきだし、
もう少しカウンターの意識も要るんじゃないのって、ストレスたまったんだわ。
結局、最終回までいってしまって、3-0大差勝ちなんだけど、反省点多いよなあ。
どうして? って感じのセミファイナルは、女子ボクシング。
1勝しただけなのに、WBC5位っていう、これまた訳分かんない別世界のスポーツ。
で、トイレタイムなんだけど、バカにすんなよなあ、って思うんだよね。
そして、いよいよ、やっとやっとのメインイベント。
◆山口真吾さん(渡嘉敷)×池原繁尊さん(横浜光)………50.0㎏ 8R
24勝(10KO)6敗2分のWBC14位、30才・東京都と、
18勝(14KO)1敗の日本ランク3位、27才・沖縄県。
この試合、内藤×亀田戦の2万倍は面白かったよ。
二人とも超好戦的で、正面切った男の殴り合いを見せてくれて、
ドローンとした動きとチョコチョコカウンターのやり取りとは、別の世界だったよ。
1R、初めからプレス掛けていくのは、やっぱり池原さんで、
この人の圧力半端じゃないし、彼を下がらせるボクサー、今いないね。
1敗は、須田和弥さんとの一戦だけで、この試合も1-2、全て1~2P差っていう、
実は微妙な判定だったの憶えてるけど、とにかく池原さんのプレスは凄い。
ただ、山口さんも、巧くしのぎながら、鋭い左ジャブ、とても良くて、池原さんも顔紅潮。
2R、池原さん、ブンブン振ってくもんで、それは一発でも直撃喰らったら、
お終いっていう、全てに力のこもったパンチなもんで、
少しでもビビったらそれで勝負ありって、感じなんだけど、
流石、山口さん、細かい対応のパンチの全部に魂入ってて、負けてないんだわ。
3R、池原さん、ただのビッグパンチャーだけじゃなくて、相手のパンチよく見てて、
交わしざま、打ち終わり目がけて、鋭い左右ブチ込んで、巧いんだよなあ。
1分半過ぎ辺り、池原さん、相変わらず攻勢かけ続けて、
南側ロープに近くに、山口さん、追い詰めるやいなや、
左右のフック連打から、超絶左ボディ、満身の力でブチ込むと、
山口さん、耐えきれずに、体左に傾けて、崩れるようにダウンしてしまったんだわ。
ワンワンボクサー・オブ・タイランドじゃあるまいし、
あのレベルのボクサーが、ボディブローで倒されるの、久し振りに、見たなあ。
まだ、時間十分にあったし、ボディ喰らってのダウンっていうのは、
殆ど回復しないから、もうKO負け、決まったようなもんだなって思ったんだけど、
山口さん、ダメージ大き過ぎるんだから、もうカウントアウトでもよかったのに、
もう、これ以上戦うのは無理でしょ、って感じだったんだけど、だけど、
山口さん、根性で立ち上がって、また池原さんに殴りかかっていったんだわ。
この時、場内大騒ぎだったんだけど、自分、結構、頭の中冷たくなってて、
山口さん、あんた凄いし、エライよ、ってシミジミ思ってたんだよね。
残り1分切ったとこで、再び池原さんの、鬼のような怒涛のラッシュ浴びて、
山口さん、顔、顔、腹、顔、腹、腹、顔、顔、って打ち込まれて、
最後、腹、腹、のとこで、レフェリーストップ。
倒れはしなかったんだけど、山口さん、ロープにもたれ込んでしまって、
完膚なきまでブチのめされてしまって、壮絶TKO負け。
池原さん、ホント凄いわ。
自分、前から思ってるんだけど、池原さん、亀田二兄弟より数段強い、ってね。
どお?
それと、山口さん、これで引退らしいね。
最後の奮闘、自分、シッカリ目に焼き付けておいたからね。