後楽園ホール・12月16日
昨日から、また i-pod 、オールシャッフルに戻して、今朝流れてきたのは、
吉田拓郎の “今日まで、そして明日から”
ライブ盤のしゃがれた声も悪くないけど、これは、スタジオ録音のもので、
アコギ一本で淡々とやってる、一番最初のバージョン。
“私は、今日まで生きてみました” って始るんだけど、“生きてきました” じゃなくて、
“生きてみました” ってとこ、重くなくて、何かのついでみたいで、気に入ってんだわ。
衝撃の、灼熱の、入魂の、根性の、競争の、情熱の、生き方ってのも、
当然アリだと思うけど、たまには、“生きてみました” って感覚もいいかな、って。
この歌、最後は、“そして今、私は思うのです、明日からもこうして生きていくだろうと”
ってなるんだけど、力込めた生き方ばかり続けてると、容量の小さい自分なんかだと、
オーバーフローしてしまって、ドーンっと疲れてしまうもんで、この歌詞みたいに、
たまには、ダラーンとして、生まれてきただけラッキー、って思うようにしてるんだわ。
ただ、ここ何年かは、ずーっと、ダラーン、続いてるんだけどね。
昨日の後楽園ホール、4回戦が6試合、組まれてたんだけど、
いつものような、申し訳ないんだけど、何か、在庫一掃セールみたいなメンバー、
全く混じってなくて、デビュー6人、1勝0敗4人、1勝1敗1人、1分1人っていう、
ガンガンが目に浮かぶような、17才から26才までだったもんで、
リング上、なんか凄いもの、渦巻いてたよ。
1R、ダウン喰らったのに、その後取り戻して、引き分けに持ち込んだのとか、
体小さいのに、思いっきりデカイのにかかって行った子とか、
例え一戦でも、経験してるのって、やっぱ全然違うんだな、っていう子達とか、
色々面白かったんだけど、デビュー戦観戦者っていうのも、ホール慣れしてなくて、
だからもう、フラッシュたきまくりで、ボクサーと同じで舞い上がってるもんだから、
リングアナの注意なんか、勿論耳に入らなくて、
思いっ切り真正面からやられて、インスペクター、顔しかめてたもんね。
それから、応援に来てくれた友人達に、バンデージのまま挨拶廻りしてた子、
そういうのヤバイよ、って自分だけのジンクスなんだけど、やっぱり負けたな。
◆今瀬就治君(ドリーム)×土屋修平君(角海老)………SL 4R
1勝(1KO)の26才・東京都と、1勝(1KO)の23才・愛知県。
同じ戦績なんだけど、開始ゴング鳴った途端、もう全然違ってて、
今瀬君、明らかにビビってしまってて、一方の土屋君、全く普通で、
この子の一番凄いとこは、殴られるっていうことに、何の恐怖感も持ってないことで、
そりゃあ、殴られるの好きなヤツいるわけないから、嫌悪感はあるんだろうけど、
恐怖感持ってないから、力みもせず、普通の目付きで、普通に倒しに行くんだわ。
別に、1RKOにこだわってるわけではないんだろうけど、
この日も、普通にやって、1分秒過ぎに一度目のダウン喰らわせて、
その30秒後に、二度目のダウン奪って、あっと言う間のKO勝ち。
最初のダウン、リング中央で、3~4発のコンビネーションの中で、
確か、右ショートアッパーだったと思うんだけど、今瀬君、グニャって崩れて、
土屋君、ただの大振りフッカーじゃなくて、田中トレーナーからフットワークと、
距離の取り方教わって、早いパンチも打てるようになって、
4回戦クラスだと、敵皆無だと思うな。 ホント普通じゃないよ。
土屋君、この日、青コーナーだったんだけど、
あれええ、あれは、コーチ義人君のトランクスでしょ。
バルコニーにスペイン娘みたいな可愛い子、三人来てたんだけど、
誰の応援かなあ、って思ってたんだけど、
試合後の土屋君、三人とも引き連れて、どっか繰り出してったぞお。
◆池田一晴君(ワールドS)×小室裕一朗さん(新松戸高橋)……SF 6R
7勝(3KO)無敗の24才・福島県と、7勝18敗1分の29才・千葉県。
小室さんの戦績、エライことになってるように見えるけど、
彼、闘ってきたメンバー、半端じゃなくて、いっつもガチンコ大勝負で、何しろ、
河野公平さん、伊藤克憲さん、有永政幸さん、木村隼人さん、佐藤常二郎さん、
姫野崇史さん、今宮佑介さん、上間大貴さん、奈須勇樹さん達なんだからね。
それに、負け数沢山あるけど、KO負け、2~3回くらいしかなくて、タフなんだわ。
自分、昨日、この試合一番気になってて、池田君、ちゃんと治ってるかな?
ちゃんとできるかな? って、ちょっとウザいオヤジみたいな感じになってて、
何しろ、彼の試合全部見てるし、奥さんと子供も知ってるし、
一年以上のブランクあっての、初の6ラウンドだし、
相手、歴戦の小室さんだし、何しろ、A級ボクサーだし、元日本ランカーだし、
もう、ドキドキで、リングサイドに安西政人さんもいて、声張り上げてなあ。
池田さんの方が、一回り体大きくて、長いリーチ生かした左ジャブ、絶好調で、
時々混ぜる、右アッパーも鋭くて、小室さん、なかなか中に入れない。
小室さんも好きだけど、今日のところは、勘弁、自分、モロ池田派でいく。
1Rの優勢の流れ、最後まで維持することできて、結局、
60-54×2、60-55の完璧フルマークの 3-0 勝ちで、嬉しかったなあ。
池田君、体勢崩しながらも、結構強いパンチ打つことできるし、
相手のタイミングずらせて、決めに近いパンチ出せるし、緩急も良かったし、
常にディフェンスの意識忘れてなかったし、久し振りにしては、グッドグッドだったけど、
でも自分、彼に対して、贅沢な要求持ってるもんで、敢えて言うけど、
下半身の安定度、今一つだったし、相手に素早く左右に動かれたら、
対応できたかっていう疑問も残ったよなあ。
それにしても、小室さん、相変わらず、踏ん張り強いよなあ。
今までの相手だったら、グラッてしてるパンチ、幾つも喰らってるってのに、
平気な顔して、ラウンド後半のラッシュに掛けてたもんなあ。
池田君、エラかったのは、最終ラウンド、小室さんの命懸けラッシュに対して、
ポイント、大巾リードにもかかわらず、それに応じて、殴り合ってたことだな。
ボクシング、大事なのは勝つことだけでなくて、どんなパフォーマンスするかだよね。
池田君、天笠尚さんみたいなボクサーになるといいなあ。
体形も似てるしなあ。
◆尹文鉉さん(ドリーム)×菊池廣隆君(角海老)………SL 6R
7勝(2KO)無敗のランク10位、26才・埼玉県と、
6勝(1KO)2敗2分の27才・宮城県。
尹さん、正直トップまで突き抜けるボクサーではないって思ってるもんで、
菊池君、もしかすると、って思ってたんだけど、やっぱ、ランカー甘くなくて、
見た通りの、59-54×2、59-55 の3-0 完敗。
菊池君、ちょっと見の強そうさでは、日本有数なんだけど、基本優しくて、
そんなに動き早くなくて、パンチ軽くて、打たれ弱いとか、一杯抱えてんだけど、
この日は、初めから積極的にプレスかけていって、鋭いのを振ってて、
可能性あるなって期待湧いて来たんだけど、2R、あと30秒ほどのことで、
尹さんの、タイミングのいい左右フックまともに喰らってしまってダウン。
結構なダメージだったもんで、早く終わってしまいそうだったんだけど、
そこから菊池君、とっても気持ち出して、踏ん張って、踏ん張って、最後までやって、
もう少しパンチ力さえあれば、ガツン一発大逆転、十分アリだったんだけど……。
自分、思うんだけど、この重さだと、やっぱりガツン一発、絶対要るよなあ。
一方の尹さんも、それほどのパンチ力ある方じゃないんだけど、
近い距離で、小さいのを力込めて、それも、まとめて打つの、凄く上手いんだわ。
やっぱり、ランカー張ってるボクサーってのは、生半可じゃなくて、
なにかしら、売り物持ってるなあ。
◆斉藤幸伸丸さん(輪島S)×春山正太君(西城)………W 6R
11勝(6KO)3敗1分のランク3位、30才・北海道と、
8勝(4KO)11敗の35才・東京都。
二人とも、ちょっと悪そうな坊主頭なんだけど、春山君、実は真面目ボクサーで、
もっと無茶すればいいのに、あんまりマトモなもんで、
すっかり斉藤さんに見切られてしまって、殆ど、やり放題されてたね。
それにしては、斉藤さん、ちょっと時間かかり過ぎで、一気に決められそうなとこで、
間置いたり、そおかあ、練習ラウンドにするつもりだったのかなあ、って思ったな。
でも、このクラスでの動きとしては、群抜いてるし、今ウェルター混沌としてるし、
彼、大いにチャンスあると思うな。
◆福原力也さん(ワタナベ)×円谷篤史君(アベ)………Fe 8R
22勝(17KO)3敗1分のランク3位、30才・東京都と、
13勝(6KO)8敗1分の30才・福島県。
福原さん、出てきただけで、客席から溜息だし、自分も、あんだけの風貌あったら、
人生変わってただろうなあ、って思うほどで、その上ボクサーだっていうんだから、
それも、強ーいボクサーだっていうんだから、天は結構不平等なことするんだわ。
で、自分、今日本で一番、カッコいいボクサーだって思ってるんだよね。
ランク3位だし、戦績見ただけで、そりゃあ、円谷君、ビビるわな。
で、普通にやってたら勝てる訳ないってことで、とにかく、突っ込んでって、
ガチャガチャにして、ブン回して、何か当たれってことになるんだけど、
この日の福原さんの足、尋常じゃないほど早く動くもんで、円谷さん、軽くいなされて、
その度に、福原さんの力こもった左右フック浴びてしまって、
それ、ガードの上からでも威力あって、あれで倒れるかあって右、引っかけられて、
最初のダウンで、後はもう、続けてキッチリ合計3回倒されて、エンド。
1R始ったばかりで、すぐ終わって、福原さん、一発も喰らってなくて、
格下は、こうやって始末します、ってとこ平然と見せつけて、
自分、早く帰れるし、福原さん、メインイベンターの鑑だね。
今日は、角海老ボクシング。
相手も含めて、14人全員、みんなよく知ってるもんで、昨日と同じで、
途中外出はないな。