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2009年3月

2009年3月31日 (火)

後楽園ホール・3月30日(新人王戦)

面白いのは、新人王トーナメントの時の後楽園ホール。

ボクシングの興行は、普通ファイナルに近付くほど客席が混んでくるもんだけど、

新人戦のときは、ファイナルが一番空いてるっていう状況になるね。

                                                        

それは、観客の90%以上が、出場ボクサーの個人的知り合いだからだろうね。

でね、試合が終了するたびに場内がザワツイて、入れ替え制みたいになるんだわ。

もう全く他の試合なんかに興味ないんだね。

知り合いの子のお稽古の発表会っていう雰囲気だね。

                                                       

以前も書いたけど、今年の新人戦は絶対面白いと思うよ。

去年もそこそこだったけど、確実にそれ以上だと思うな。

ただ、この日注目していたボクサー5人のうち、いきなり2人が初戦敗退してしまった。

勝ち進んだ3人も予想以上の苦戦で、いきなり混沌としてきてしまった。

苦戦した5人の相手は、全て6戦から何と10戦の経験があるんだけど、

せいぜいイーブンの成績か、中には1勝8敗とか2勝8敗とかの戦績なんだわ。

優勝候補に選んだボクサー達は、殆どが2~3戦をすべてKO勝ちしてきて、

その勢いを買ってるんだけど、この負け越しボクサー達がとっても頑張ったんだわ。

                                                        

☆伯耆良之君(ワタナベ)×間庭章文君(花形)

今年の東日本新人王トーナメントの第一試合。

二人とも戦う気持ちが前面に出てて、見てて気持ち良かったよ。

                                                        

だけど、間庭君、右ストレート一本の攻撃が相手に完璧に読まれてしまって、

単調で荒っぽい所が目立って、もうちょっとフック系とかボディブローが欲しかったね。

                                                         

伯耆君、3勝4敗でKO勝ちもないんだけど、ガサガサ来る間庭君を、

上手くあしらって、2-1だったけど見事だった思うな。

                                                       

☆田村友宏君(イマオカ)×播磨真輝君(新日本木村)

田村君、30才、3勝(2KO)3敗の倒したがり屋ファイター。

                                                         

播磨君は、とても大柄で、スーパーバンタムではちょっとキツそうな体格。

手も長い割には、小さく早い回転で連打を打てるっていう器用なところもあるんだけど、

その長い手を使ってのボディブローが見たかったなあ。

攻撃力が数段勝ってたもんで、2RTKO勝ちしたんだけど、

次はもう少し進化したところを、是非見せて欲しいな。

                                                         

☆古川真次君(厚木平野)×山方俊和君(渡嘉敷)

古川君、1勝8敗、30才。

あっという間に山方君にやられてしまうんじゃないかって予想してたら、

案の定、2Rにいきなりダウン喰らって、やっぱりなあ、って思った所からが凄かった。

                                                          

古川君、何だか違うスイッチが入って、別人のようになって、山方君に向かっていった。

ここからが、壮絶な打ち合いで、これが、この日のベストファイト!

30才同士の死力を尽くした戦いに、興奮したなあ。

結局、山方君の3-0勝ちなんだけど、だからボクシングはいいよなあ、って……。

                                                         

☆一場仁志君(角海老)×小澤高広君(レパード玉熊)

一場君の圧勝かと思ってたんだけど、だって相手の小澤君、32才、2勝8敗だよ。

一方の一場君、何てったって、角海老SFeのホープだと思ってるもんで、

問題は勝ち方だなって思ってたもんで、タマゲタなあ、1Rいきなりダウンだよ。

                                                        

一場君の打ち終わりを目がけた、小沢君のブン回しフックが直撃。

オイオイ、危ないぞ! 

その後も幾つも同じようなのを喰らって、クリンチに逃げる場面もあって、

正直、生きた心地がしなかったよ。

                                                         

一場君、気持ちを保って、しのぎにしのいで、1R終了のゴングまで持ちこたえた。

そこからが一場君エラかった。 やっぱり君は、タダ者じゃなかった。

                                                        

田中トレーナーのアドバイスなんだろうけど、猛烈なボディ攻撃に転じて挽回開始!

こんな時、田中さんはよく 「1ラウンドくらいくれてやれっ!」 って言うんだけど、

この場面もきっとそうだったんじゃないかな。

                                                        

小沢君も段々ボディが効いてきたのか、動きに迫力がなくなっていったんだけど、

一場君、その後も何回か打ち終わりを狙われて、ヒヤヒヤの場面もあったけど、

2~4Rの懸命なリカバリーで、1~2P差の見事な 3-0 逆転勝ち。

                                                        

彼がしぶとく頑張れるっていう、新しい面を見ることはできたんだけど、

一場君、もう少しディフェンスの事考えような。

左ジャブを出す時、君の右手は体から離れて、頭の上近くまでいってるよ。

                                                        

あと一人の優勝候補だった竹嶋丈君(レパード玉熊)、3戦3勝の18才なんだけど、

2勝4敗の池ノ内亘君(FI)に0-3の完璧負け。

                                                         

一日を振り返って思ったよ。

場数というか経験は、やっぱり間違いなくアドバンテージなんだな、

それと、30代も捨てたもんじゃないなあ……。

                                                         

この日の興行明細は……。

主催;デイリースポーツ社

協賛;ウィニング、ミズノ

運営;東日本新人王運営委員会

提供;東日本ボクシング協会

認定;日本ボクシングコミッション

                                                        

この場面で事故は絶対起こすまいって、ストップが間違いなく以前より早くなってたな。

                                                        

それからね、ホールに行く時、水道橋駅の階段で、福原力也さんとすれ違ったよ。

相変わらずカッコよかったなあ。 早く試合見たいなあ。

                                                        

2009年3月30日 (月)

’09 新人王トーナメントとか……。

昨日は初め、長嶋健吾さんとランディ・スイコの試合を見に行くつもりだったんだけど、

昼の興行だってこと忘れてて、日中は以前からの予定をずらせなかったもんで、

結局欠席。  3-0で健吾さんだってね。

                                                       

スイコは完璧落ち目だし、健吾さんも以前の威力が半減してしまったみたいだけど、

健吾さんと角海老ボクサー達の合宿でのこと聞いて、とても好感持ってるんだけどね。

                                                        

さあて、2009年の新人王トーナメントが今日から始まる。

年末までかけた長丁場の勝負の始まりってことで、

何だか正月競馬を迎えるような気分だな。

                                                         

競馬っていえば、周囲の人たちは、自分の奥さんも含めて、

年金に頼り切ることはできないので、これで生活費を稼ぐって決意を表明すると、

全員が半笑い状態になるんだけど、自分はしごく真面目なんだわ。

                                                        

統計と確率から割り出した理論が確立したもんで、数年分の赤字を一掃中だし、

一昨年、去年と通年連続プラスだし、今年も始まったばかりなのに、

これから2ヵ月半1レースも当たらなくてもチャラ、という成績を残してるんだもんね。

                                                        

競馬場には行ったことがないし、ウィンズにも行かず、ひたすらネット購入で、

レースも全く見ない、朝インプットした結果を夕方確認するっていう週末。

馬や騎手に何の思い入れもないし、見るのはデータだけ。

バクチと言うよりは、投資の域に達しつつある。

そのうち、周囲の半笑いの連中を膝まづかせてやる。

                                                         

さて、その新人王トーナメント。

今日は、5人の優勝候補者が出場する。

各クラス4~5名ほど選出したんだけど、勿論自分の独断。

SF…… 間庭章文君(花形)

SB……播磨真輝君(新日本木村)、山方俊和君(渡嘉敷)

SFe…  一場仁志君(角海老)、竹嶋丈君(レパード玉熊)

                                                        

ところでね、又聞きなんだけど、帝拳は今回の新人戦全員棄権するらしいよ。

で、ホームページ訪ねてみたら、暫く更新しないっていうメッセージもなくなって、

全部閉鎖してしまって、「長い間ありがとうございました。」 ってあるんだけど……。

ちょっと衝撃的で、異常な文章だなあ。

                                                        

帝拳って、この業界での自他ともに認める盟王って存在で、

そのことが、時にいろんな憶測と揶揄の対象になりがちなんだけど、

このジムの人達が、ボクシング興行の時、

「ヨオ、ご苦労さん!」 って片手上げてチケットも無しに関係者入口から入って来てた、

暴力団関係者を締め出すのに、一番尽力したのは事実なんだからね。

                                                         

盟王自覚のもと、会長が殿堂入りするっていうこのタイミングで、今回の事態が起きて、

ジムとしての対応に整理がつかないって感じで、混乱と困惑の最中だとは思うけど、

何とか立ち直って欲しいというのが、自分の正直な気持ちなんだ。

                                                        

元凶はコミッションにある。   

これが自分の信念。

                                                       

いくらジムと協会のパワーが強いからって言っても、思惑と利害のそとにあって、

安全で公平な試合の運営をしきるのは、まさにコミッションの役目だと思ってるんだ。

“Ring Generalship” が求められるのは、ボクサーだけじゃない。

まず、何か表明しなければいけないのは、コミッションだと思ってるんだけど……。

コミッションとしての強い自覚、これしかないんじゃないかって。

                                                        

もう、この事は書かないって言ったんだけど、あんまりショックだったもんでね。

                                                         

2009年3月29日 (日)

後楽園ホール・3月28日

昨日は、高室洋臣君と、細川バレンタイン君を見に行ったよ。

                                                        

☆兼丸善弘君(ワタナベ)×高室洋臣君(角海老)

高室君、去年の新人王トーナメントで、途中ケガ棄権してしまったんだけど、

なかなかいい動きと、戦闘的な姿勢が印象に残ってるボクサーなもんで……。                                                         

ところが、B級の壁はやっぱり厳しいのか、全くの空回りで終わってしまったな。

                                                        

相手の兼丸君、何年か前新人王トーナメントで杉田純一郎さんに負けてるんだけど、

これがね、掘り出し物っていう感じの、いいボクサーなんだわ。

2003年デビューでまだ8戦目っていうのは、どうしたのって感じなんだけど、

2006年は1試合しかやっておらず、2005年と2007年は全く試合してないんだ。

何してたんだろね。 仕事とか健康とか、いろいろあったんだろうね。

単にムラッ気な31才なのかも知れないね。   一度ジムの人に聞いてみようかな。

                                                                                                                

彼、攻守のバランスがとてもいいし、遠いのも近い距離もこなせるし、

特に3R以降にギアアップして、早く強くパンチを打つようになってからは、凄かった。

結局、3-0圧倒勝ち。

この後も見てみたいなあ。  

今度は続けてやって欲しいなあ。

                                                         

☆小倉健太郎(ビータイト)×細川バレンタイン(宮田)

果たして細川君は、日本ランカーになれるんだろうかってのが、テーマだったんだけど、

残念ながら、運よくいっても10位前後くらいがギリギリかなあ、って……。

細川君、この日はアフロじゃなくて、パイナップルヘアーで登場。

                                                         

プレスをかけるのが上手くて、打たれ強いってのが取り得の小倉君は、

一発当たればっていうKO屋なんだけど、そもそもパンチの出し方が良くなくて、

少し上位のボクサーなら比較的簡単に見切られてしまうんだよね。

                                                        

で、その細川君、6回戦になって以前より慎重なスタートを切ってたんだけど、

攻撃が全く単調で、パンチの当て勘も良くないし、コンビネーションも出来てないし、

見た目と違って、彼のパンチは、とても軽いんじゃないかって思うんだ。

8R、細川君がTKO勝ちしたんだけど、ちょっとガッカリの一戦だったなあ。

                                                        

ここまでで、6試合が終わったとこなんだけど、

この後2つもスパーリングがあるっていうし、二人のボクサーの引退式も組まれてるし、

何だかダレてしまったので、帰ることにしたよ。

                                                         

序盤の4試合は、全くどうにもならないようなのが多かったんだけど、

中に一つだけ全く期待してなかったのに、とても嬉しかった試合があったよ。

                                                         

☆斎藤志郎君(ワタナベ)×堀部優介君(小熊)

ミドル級のデビュー同士の試合なんて、普通見るに堪えないようなのが多いでしょ。

ところがこの二人、チャンとしてるんだ。 21才と20才。

                                                        

堀部さんの方が体格が10㎝ほど大きくて、見た目もいかにも乱暴そうなんだけど、

ストレートは押し気味だし、フックはオープン気味でちょっと残念。

                                                        

一方の齋藤君は、ガッチリ系のスキンヘッドに近い坊主頭のサウスポーで、

相手の長いリーチをかいぐぐって、飛び込み飛び込みしながら、上下を打ち分けてる。

二人の動きもミドルにしては俊敏で、もう見応え充分だったなあ。

                                                        

斎藤君の動き、いつも背の高い相手に飛びかかるように戦ってた、

あのマイク・タイソンをちょっと彷彿させたよ。

見事、2RTKO勝ち、また君を見たい!

                                                        

この日の収穫は、斎藤志郎君と、兼丸善弘君。

                                                        

それからね、兼丸君のパンチで高室君が目の上をカットしてドクターチェックしてた時、

「止めるなよー」 って声が場内に……。

ホールは、またいつもの状態に戻りつつあるみたいだったな。

                                                        

2009年3月28日 (土)

後楽園ホール・3月27日

あの日から初めてのホール。

何だか少し緊張気味で入場。

                                                         

24日にもボクシング興行があったんだけど、それには行かなかったので、

どんな感じだったかを、仲良しのホール係員の一人に聞いたら、

やっぱりコミッションの人達、みんなピリピリなんだってさ。

                                                        

この日も、見るからにみんな何となく顔が強張ってて、第一試合の4回戦のときから、

コミッション席には、いつもより二人も多く、背広組が座ってたな。

そして、ホールのそこここで、いろんなジムやマスコミ関係者がヒソヒソ立ち話してたな。

レフェリーは、いつもより声が大きいし、バッティングなどの注意が驚くほど早くて、

みんな、心に何かを秘めてるみたいだ。

                                                        

ただ、21日の例の試合のレフェリーを務めた審判員が、

平服でやって来て、審判員溜りで、普通に観戦してたのにはちょっと驚いたな。

別に謹慎処分じゃないから、問題ないんだろうけど、いい度胸してると思ったな。

                                                        

この日はヤマグチ土浦ジムの主催で、1年前より1人増えて、全部で6人が総出演、

の予定だったんだけど、第1試合のデビュー戦が相手の故障でキャンセルになった。

                                                         

ヤマグチジムは、所属6人のプロボクサーのうち3人がA級、そのうち二人が、

チャンピオンとランク1位っていうんだから異常に凄いよね。

あとB級一人にC級が二人いる。

                                                       

みんな勝率がとてもいいんだけど、じっくり見たのは初めての子が多かったんだけど、

正直言うと、勝率ほどの事は全くなくて、やっとボクシングらしくなったのは、

セミセミの中島さんと鈴木さんの試合からだったなあ。

                                                       

☆中島敏浩さん(久留米櫛間)×鈴木誠さん(野口)

ミニマム級の11位と9位の生き残り戦。

鈴木さん、37才だよ。 自分がこの年令の時、上の子10才だったよ。

                                                       

その鈴木さん、そんなに技は持ってません、カウンターも得意じゃないです、

っていう感じの愚直なまでの殴り屋で、自分の好きなボクサーなんだよね。

                                                         

中島さんのことは、殆ど知らないんだけど、24才のとってもいいファイター。

                                                        

1R先制したのは、中島さん。 鈴木さんも、2R以降取り戻していったんだけど、

5Rに中島さんの右フックをまともに喰らって、ダウン。

そこからさ、鈴木さんに火がついて、中島さんも倒しに行って、

壮絶な打ち合いが始まったのは……。 

                                                         

もう、コミッションの背広組も真っ青になるくらいの激闘で、6R、

早い回に鈴木さんのパンチで切れた中島さんの左目の上の傷が悪化して、

ドクターストップで、鈴木さんのTKO勝ち。                                                        

ストップは勿論妥当だったけど、もう少し見たかったなあ。

                                                                    

セミファイナルの井上庸さんと、なんちゃらいうタイ人との試合は、

なんちゃらタイ人が、倒れるきっかけを欲しがってるような展開で、お約束の2Rで終了。

それにしても、井上さんの頭はデカくて、なんちゃらタイ人の倍ほどあったな。

                                                         

☆黒木健孝さん×金田淳一朗さん(白井具志堅)……OPBFミニマムタイトル戦

具志堅会長、前日のTVで、思いっきりボケかまして笑いを取ってたけど、

さすがにマジ顔でセコンドやってたな。

                                                        

金田さんの入場曲は、最近ちょっと食傷気味の “It's My Life ”。

黒木さんの方は、お馴染みゴダイゴの “Monky Majic”。

この日、ヤマグチ土浦ジムのボクサー達の入場曲は、懐かしいのが多くて……。

ドゥービー・ブラザーズの “チャイナ・グルーブ”

ローリング・ストーンズの “サティスファクション”

チャック・ベリーの “ジョニー・B・グッド”

                                                        

その黒木さん、1R、金田さんがそれほど早くないもんで、全くの余裕のスタート。

斎藤直人さんとのスパーリングより、ユックリ動いてたけど、的確にパンチを当ててる。

金田さんの左右のフックを、ガードじゃなくて、体をそよがせてやり過ごしてた。

                                                        

体もリーチも黒木さんの方が勝ってるもんで、こっちも余裕を持って見てたんだけど、

2R、いきなり金田さんの思いっきりの右フックを顔面で受けてしまって、

腰が砕け、膝が折れてしまって、ダウン寸前。

                                                       

金田さん、勿論ここぞとばかり打ちかかって、ブンブンフックを振り回す。

あっ、また当たった、ヤバイぞ、黒木さんヘロヘロ気味だぞ。

                                                        

ちょっと精度が良くないもんで助かったけど、その後も幾つか喰らって、

黒木さんクリンチに逃げてる。  ホントにヤバイぞお。

                                                        

何とか逃げ切って、3R、気合いを入れ直して、黒木さん、得意の乱打戦に……。

あれっ、こんな展開以前にも見たことがあるぞ。

そうだ、最近黒木さん、こんなのが多いんだ。

序盤に相手を見切ってしまうと、極端に緩んで、そこつかれるんだよなあ……。

                                                       

でもこれで、試合としては面白くなってきた。

ところが直後、突っ込んで行った黒木さんの頭が、金田さんの左目上を直撃。  

結局、これが原因でストップがかかって、3Rドローさ。

いやあー、消化不良だわさ。 これからっていうとこだったからなあ。

                                                        

一試合流れたし、4R、6R、4R、6R、2R、3Rの計25ラウンドで終了したもんで、

ホールを出た時、まだ8時頃だったな。

                                                         

カットでストップになった試合が3試合もあったんだけど、

こんな時いつも、「続けろよー、できるよー」 って叫んでる老いぼれバカ常連も、

今日だけは静かにしてたな。

                                                        

こいつね、人が大出血したり、倒れたりするのを見るのが大好きらしくてね、

以前、どう見たって止めるべき試合なのに、さっきみたいな事、

すぐ後ろで大声でどなるもんで、30秒ほど睨みつけてやったことがあるんだけど、

あの血だらけの子が、お前の息子とか孫とかでも、言えるのか、ってね……。

                                                                                                                 

それにしても、黒木さん、試合前に観客席の支援者たちに挨拶回りしてたけど、

あれは、どうなのっていうのが自分のジンクスなんだよね。

ほら、やっぱり苦戦したじゃない。

                                                       

地方の中小ジムの場合、地元の後援者をないがしろにすることできなくて、

黒木さんメインホストだし、ニコニコあっちこっち頭下げてたけど、

試合前は集中させた方が、いいと思うんだけどなあ……。

                                                        

2009年3月27日 (金)

名 前 (2008.4.2)

固定客の方々にとっては、また旧作かよって感じなんだけど、

ある事情があって、古いのがあと7コほど再アップされるんだわ。

誠に申し訳ないっス。

                                                         

少し前までボクサーは、本名で出ていた場合も勿論多かったんだけど、

特別のリングネームを名乗ることも珍しくなかった。

                                                        

特に、姓の前にカタカナを付けるのが流行ってたみたいで、

“ピストン” “ファイティング” “バズソー” “アポロ” “ロイヤル” “ガッツ” “ムサシ”

“スパイダー” “セレス” “ピューマ” “レパード” “リック” “クラッシャー”などなど。

ほんのちょっと前までは、“プロスパー”と“トラッシュ”というのがあったけど、

最近のランカー以上では、“リッキー”だけかもしれない。

                                                        

現在のところでは、リングネームも本名そのままっていうのがほとんどみたいだね。

そして、流行の名前というか、彼らの両親が息子達に好んで付ける名前にも、

時代的な傾向が反映されてるのに気が付いた。

名前に使っている字で多いものを取り上げてみると、以下のようになる。

(すべて敬称略)

                                                       

【人】

本望信人、小林生人、外園隼人、瀬藤幹人、荒川仁人、斎藤直人、中村徳人、

有富康人、新井雅人、西尾彰人、大北正人

                                                        

【也・哉・弥】

福岡力也、鈴木哲也、木村哲也、ジャガー哲也、小路尚也、鎧塚真也、

坪内達哉、金城智哉、関根一哉、長瀬慎哉、須田拓弥

                                                         

【輔・助・介】

高橋良輔、山中大輔、丸山大輔、畑大輔、宇賀神大輔、

小堀佑介、秋葉慶介、今宮佑介、山中慎介、伊藤俊介、冨山浩之介、内藤大助

                                                        

【樹】

佐々木基樹、武本在樹、武本康樹、奈須勇樹、小川利樹、野中悠樹、澤永真佐樹、

今西秀樹、川端賢樹、佐野友樹

                                                        

【太】

真鍋圭太、寺畠章太、涼野康太、長井祐太、粟生竜太、中岸風太、関本純太

                                                         

【平】

河野公平、菊井徹平、田口雄平、玉腰強平、山本浩平、大場浩平、千木良恒平、

鳥海純平

                                                         

【大】

嶋田雄大、下川原雄大、木村勇大、阿倍展大、田中稔大

                                                         

それから、名前を見れば明らかに、そのボクサーが長男だとか次男だとかが

推測できる名付け方もあるね。

≪長男≫

謙一、賢一、淳一、誠一、清一、伸一、龍一、恵一、良一、

一久、一太郎、福太郎、純一郎、淳一郎

                                                         

≪次男≫

健二、健司、昭二、章司、啓二、幸治、康司、康治、幸司、貢治、好治、

祐司、祐治、宏治、栄治、大治、龍次、祐次郎、壮次郎、常二郎

                                                         

こうしてみると、次男名の方が多いことが分かるんだけど、

やっぱりボクサーは次男坊が多い! これってホント?

                                                        

それからね、名前の事をボーッと考えてたら、

ある特定の名前がそのジムの出世名になってることを発見したよ。

それは角海老宝石ジムの“ヒロユキ”っていう名前。

                                                        

現役では榎洋之さんになるんだけど、過去には阿部弘幸さん、前田宏行さん、

坂本博之さんがいて、みんなチャンピオンになってるんだ。

で、“ヒロユキ”っていう名前で、是非ともチャンピオンになりたいボクサーは、

角海老ジムに行くといいと思うな。

他のジムでも、もしかしたら、そのジム特有の出世名があるかも知れないな。

                                                        

それから、それから……。

今日本に2,500名以上のプロボクサーがいるんだけど、

その中で一番多い姓を調べてみたら、それは“高橋”で、29名もいたんだ。

それに続くのは、“斉藤”で22名、次に“鈴木”と“山口”が20名で、以下……、

“山本”19名、“伊藤”18名、“佐藤” “中村” “吉田”が各17名、

“佐々木” “橋本”が16名、“加藤” “木村” “田中”がそれぞれ14名、

最後は“小林”で12名。                         

ここまででベスト15なんだけど、その合計は255名にもなるから、

何と、ボクサー全体の10%強がカバーされることになる。

                                                        

ということはつまり、、ボクシングの興行で一日6~8試合があるとすれば、

その中に必ず一人は上記の名前を見かけることになるんだな。

                                                       

最後の最後。

そんなものが世の中にあるのかどうか知らないけど、

実は自分は生来の左右対称フェチで、何を見ても何となく物の重心や中心を探したり、

建物はおろか、漢字でも英字でも何でもすぐ半分に切ってみる癖があるんだ。

                                                        

そんな流れで、ボクサーの名前も縦書きにして、真中に線を引いてみて、

左右真半分に分かれる、つまり、

名前の全てが左右対称漢字からできているボクサーは何人いるかを調べてみた。

2,500名の中にたった8名しかいないことが分かったな。

ボクサー300人に一人ということで、それだけでとても貴重っていう感じ。

                                                       

“青空西田” “小出大貴” “立山昌幸” “山口亘” 

“三平大貴” “山田大介” “大木一真” “吉田真”  (あえて敬称略)

このうちランカーは吉田真さんだけ。

そしてこの吉田真さんには全く同姓同名のボクサーがもう一人いるんだけど、

残念ながら名前がかぶってしまってるせいか、“吉田アーミー真”って名乗ってる。

これらの中には、厳密に言うと左右対称とはいいにくいものもあるんだけど、

自分の中では、おおむねOKにしてる。

                                                         

今までに名刺を貰った中で左右対称名の人は3人いたけど、

どういう訳か、みんな大柄でいい人たちだったな。  田中、三木、本田。

                                                        

2009年3月26日 (木)

3月度ランキングと辻さん。

何だかここ2~3日、このコラムのアクセス数が激増してるんだけど、

やっぱり辻さんの事、みんな関心が強いんだ。

                                                         

思い込みの強い独断的なコラムなもんで、

この際何か言ってやろうと思う人も多いんだろうけど、

申し訳ないんだけど、コメントは控えて貰ってるんだ。

                                                        

この事は昔から読んでくれてる人は、了解してくれてるんだけど、

改めて言うとね、以前亀田一家の騒動の事書いたとき、もうエライ事になって、

悪意が悪意を生んでいくようなシンドイこと経験したもんで、残念なんだけど、

ホントは思い違いを直してもらったり、知らないことを教えてもらいたいんだけど、

諦めてるんだわ。 ホントは色々ボクシングの事話をしたいんだけどね……。

                                                        

今朝出勤の時、シャッフルしたアイポッドから最初に流れてきた曲は、

ボブ・ディランの“A Hard Rain Gonna Fall” だった。

日本名のタイトルは確か “今日も悲しい雨が” だったよね。   

辻さん、まだ俺に何か伝えたいことあるの?

                                                        

そう言えば1年前、うちの奥さんの父親が亡くなった際にも、車で駆け付ける途中、

突然通り雨が降ってきて、ほぼその時間に息を引き取った、ってことがあったな。

自分は確実に何か持ってるな。

                                                          

昨日辻さんの通夜があって、角海老ジムからは、斎藤直人さん、小川利樹さんと、

小堀佑介さん、それに田中トレーナーが行ったんだけど、

その事、直人さんがブログに書いてるんだけど、それがとっても良くてね、

今回の件に関する現役プロボクサーの心情の一端に触れることができたよ。

                                                       

ところで辻さん、俺明日ボクシング行ってくるよ。

俺は、これからもボクサー達を見つめ続けるからね。

明日は、黒木健孝さんと金田淳一郎さんのOPBFのタイトルマッチだよ。

                                                         

それからね、辻さん、3月度のランキング表が届いてね、

細かい事は今回止めておくけど、

笛木亮さんが、いきなりランク落ちしたのが一番驚いたよ。

それとね、当たり前なんだけど、あなたの名前はもうどこにも載ってないよ。

やっぱりまだ心に引っかかるというか、心残りなところもあるもんで、

2月度のランキング表、手元に置いとくね。

ミニマム級の12位が空位になってて、分かって下さいって感じがするよ。

                                                         

最後に言っておくけど、もう言わないけど、

背広組のボクシング関係者の大人達、ホントに何とかしてよね。

                                                         

国レベルでは、1日当たり100~130人も自殺者がいるってことの方が、

余程の大問題なんだろうけど、見も知らない人間が何万人死のうと、

正直それは、イラクの自爆テロのように他人事で、俺は博愛主義者ではないし、

そのレベルはそのレベルで解決法を考えてもらうってことで、

俺にとっては、顔見知りの人間が死んでしまう事の方が、ショックは大きいんだ。

                                                         

ボクシングで事故は不可避かも知れないけど、

ドコン一発でどうにもならないこともあるけど、こと今回の件に関しては、

結果的に未然に防げたかどうかは分からないけど、

防ぐ努力は何もなされなかったんだからね。 その事、絶対忘れないでね。

ジムサイドやセコンド、レフェリー個人に責任押し付けるのは、筋が違うからね。

嵐が去るまで首縮めてやり過ごそう、ってバックれたらホント許さないからね。

                                                        

辻さん、こんなもんでいいかな?                                                     

                                                         

2009年3月25日 (水)

辻昌建さん……。

昨日は朝から、録画しておいたWBAとWBCのヘビー級の、

実に、実につまらないタイトル戦を見て、次にタイソンとホリフィールドのこれまた、

実につまらないタイトル戦を見直して、WBC野球の決勝戦に突入!

                                                       

そうかあ、辻さん、あなたは日本中が歓喜で大騒ぎをしてたあの時間、

もう死んでたんだね。

3日間寝る前に、自分だけの神様に祈ってたんだけどね、残念……。

                                                         

帝拳がホームページ閉じて、所属選手が21日以降のブログを削除したって聞いてから、

実はこの事は十分予想してたんだけどね……。

                                                       

辻さん、白状するけど、実は俺ね、へタレなんだわ。

俺、中学の頃プロボクサーになりたかったし、

高校時代にはロックギタリストになりたかったのを全部諦めてしまったんだわ。

                                                       

いわゆる団塊の世代っていうやつで、周囲には競争相手が溢れていて、

将来食っていくのも大変って言われて、いい大学に入って、いい会社に就職する

ってのを社会的に半ば強制されて、それ以外に選択肢がないように思わされて、

晩婚の両親を説得する根性もなくて、要するに単なる日和見主義者に成り下がって、

そうさ結局、世間で言う一流大学を出て、一流企業に勤めてしまったへタレなんだわ。

俺ね、その事ずーっと引きずってて、最終的に引きずったまま死ぬんだろうな、って。

                                                       

そりゃあ30才は若過ぎるだろうし、家族や友人には辛過ぎるだろうけど、

辻さん、あなたやりたい事やり通せて良かったんじゃない?

こんな事言ってどうかと思うけど、俺羨ましいって気持ちもあるよ。

若い頃のジョン・レノンに会えるなら、死ぬのもそれほど悪くないなって俺思うからね。

あなたも今頃、会いたかった人に会えてるかも知れないね。

                                                       

以前にも書いたけど、プロボクサーって殆どバカなんだと思うよ。

いろんな損得計算したら、プロボクサーなんて選択有り得ないでしょ。

健康のこと、収入のこと、家族のこと、社会的キャリアのこと……。

だけど、そんなバカをやり通してしまうってとこに、日常を飛び越えてしまってるとこに、

俺は憧れと、尊敬と同時に俺の分身を感じてしまうんだ。

あんたに付いて行く女もおんなじなんだと思うけどね……。

                                                       

正直言うけど、辻さん、あなたそれほど強いボクサーじゃなかったよ、

そして上手いボクサーでもなかったよ。

下手で、強くもなくて、その上不細工で……でも一生懸命闘ってたよ。俺、知ってるよ。

                                                       

30才にして、初めてのタイトル挑戦で、最終回までリードしてて、

そりゃあ途中で止めたくはなかったよね。

昔一度勝ったことがあるけど、今の黒木健孝さんだったら、絶対かなわないから、

もうホント千載一遇、人生のハイライトだったんだからね。

俺、ずっと憶えてるからね。

ホント、辻さん、あなたは死ぬまで頑張ったんだからね。

                                                       

ボクシングの試合の最中、コーナーを取り囲んでいる人間達は、

殆どの場合、ジム関係者も、セコンドも、応援に来てるジム仲間も、

みんな試合してるボクサーと同化してしまってるので、一緒に闘ってるもんで、

そんな時に、彼らに多くを求めることはできないんじゃないかって思ってるんだ。

それは全く酷っていうもので、帝拳は今、今回の件について、どういう態度というか、

スタンスを取るべきかって、とても混乱してるんじゃないかって思うんだけど、

ボクサー達に愛情を持ってくれてるなら、俺はそれでいいんじゃないかって思ってる。

                                                       

それから、レフェリーの対応についてなんだけど、

ストップのタイミングに個人差があるというのは、厳然とした事実なんだから、

それを放置しないで、事故を未然に防ぐ努力をするべきだと普通に思うね。

そして、それは審判部に任せるのではなくて、JBC本体が率先して基準作りをすべきさ。

他の国じゃもっと厳格にやってるように見えるけどね。

                                                        

健康のリスクを負いながら、低収入に甘んじてリングに立ってるボクサーという

子供達のおかげで、あなた方はスーツにネクタイして、

他にバイトもせずに生活できてるっていうこと忘れないでよ。

ボクサーは消耗品じゃないんだからね。  子供は大人が守ってやるべきでしょ。

                                                       

だけどね、どんなにハードル上げても、またいつかボクサーは死ぬさ。

死亡事故は起こるだろうし、後遺症も残るだろう。

ボクシングって、そういうもんなんだって思うよ。

そして、それでもボクサーは俺の分身なんだわ。

辻さんも、金光さんも俺の分身なんだわ。

                                                       

辻さん、驚いたよ、俺の気持ちが通じたの?

今、突然雨降ってきたよ。

                                                       

2009年3月22日 (日)

後楽園ホール・3月21日

亀海さんは、スパーリングみたいな試合になるのが目に見えてたもんで、

松橋拓二さんの復活戦と、ミニマムのタイトル戦を見に行ったんだけど、

ヤボ用が長引いてしまって、7時52分にホールに着いた時には、

もうメインの4Rだっていうもんで驚いたなあ。

                                                        

松橋さん、試合ができなかった時でも、よく仲間の試合に出向いて来て、

思いっきりの応援が印象的だったもんで、是非試合見たかったんだけど、残念。

1Rいきなりダウン喰らったんだけど、2Rに大逆転KO勝ちなんだってねえ。

復活戦がいきなりランカー相手だったんだけど、やっぱり彼は凄いねえ。

今のランカー達だと、湯場忠志さんくらいしか、止められないんじゃないかって、

実は思ってるんだけどね。  とにかく、ヨカッタ、ヨカッタ。

                                                        

☆辻昌建さん×金光佑治さん(六島)……ミニマム・タイトルマッチ

4Rから見始めた時、既に二人は最終ラウンドみたいに打ち合っていて、

これで最後まで持つのかって思うほどで、KO率の高い金光さんに対して、

一つ一つのパンチの威力ではちょっと心もとない辻さんとしては、

この戦法しかないわけで、数えてみたら1ラウンド当たり190~210発も、

パンチを放っている計算で、10ラウンドまでやったら、約2,000発の勘定になって、

そりゃあ、一発一発はそんなに力を込められないんだけど、ホントに大丈夫かあ?

                                                        

金光さんの2敗は、奈須勇樹君(角海老)にKOされたのと、国重隆君(大阪帝拳)に

判定負けしたものなんだけど、KO率50%のハードパンチャー。

あの、エリベルト・ゲホンにも勝ってるんだ。

                                                        

一方辻さん、1敗は熊田和真さん(元オサム)に判定負けしたもので、

2分けは、斎藤直人さんと小川利樹さんの角海老勢だったな。

格上じゃないかって思ってた、堀川謙一さんや八重樫東さんにも勝ってるんだ。

                                                        

二人ともアシックスのシューズで、距離縮めた消耗戦のようになっていたんだけど、

こうなったら、チャンピオンになりたいっていう気持の強い方が勝つなって……。

威力はとても小さいって思ってた辻さんのパンチで、6R金光さんが右目上カット。

                                                        

ところが、ところが、気持ちも前に出ていたし、手数も圧倒してたので、

このままの流れで優勢勝ちかなって思ってた8R頃から、

辻さんの動きに緩慢が出てきて、インターバルを終わっての開始10秒前の笛に対し、

セコンドのリングアウトが段々遅くなっていって、周囲の笑顔が消えていって、

あれーっ、休ませたがってるぞ、2秒でも3秒でも余計に休ませたがってるぞ、って。

                                                         

9Rには、金光さんのほんのちょっとした、かすりパンチにも足がふらついてるし、

コーナーに戻るとき蛇行してるようにも見えた。

                                                        

そして、10R開始のゴングの時、チーフセコンドはまだ全身がリング内にあったし、

ボクサー仲間やスタッフ達が集まって来て、心配そうにしてたし、

セコンドの一人が、最後のラウンドに向かう辻さんの背中を、

場内に鳴り響くほど、パシーンって思いっきり叩いてた。

                                                         

あの時、実は既に辻さんの意識は飛んでいたんじゃないかって思うんだ。

普通の試合だったら、ジム側もレフェリーもあそこで止めてたかも知れない。

あと3分頑張れば、チャンピオンなんだから、なかなか止められないかなあ。

                                                         

そんなに強くもない金光さんの2~3発を喰らった途端、

辻さんは、赤コーナーまでフラフラ下がって、コーナーポストに座り込むようにした。

いわゆるロープダウン状態になったんだけど、ここでもストップはかからず、

結局10カウントアップで辻さんKO負けしたんだけど、

レフェリーに抱きかかえられるまで、辻さんは夢遊病者のように方向と距離を失って、

青コーナー付近のリングをさまよっていた。  ああいうのはヤバいなあ。

                                                       

ロープやマットに頭を強打しない限り、ドコン一発のダウンの方がずっとましなんだ、

ああいうパンチ蓄積型のモウロウ現象はホントにヤバいんだ。

終わった途端、ホールの係員が担架を持って駆け付けてた。

今朝の新聞では、急性硬膜下血腫で緊急手術受けたらしいね。

                                                         

クソッ!  手術上手くいけ! 元気になれ!  きっと大丈夫だ!

以前知り合いのボクサーが3回も開頭手術受けたことあるんだけど、

今は元気にしてるし……。

                                                         

それにしても、これでファイトマネーはいくらなんだ!

                                                         

2009年3月21日 (土)

有望株 (2008.3.22)

去年ボクシングを見に行ったのは、合計76回。 おととしは85回。

その前の年もほぼそのくらいだったから、去年は1割ほど減ってることになる。

何故減ったのか色々思い返してみたら、

新人王トーナメントを見に行くのが、とても少なかったのが大きな理由だって分かった。

時間があったにもかかわらず、東日本の決勝戦にも立ち会わなかったなあ。

                                                        

おととし、新人戦のレベルが急に低くなったような気がしたけど、

去年も、是非次の試合を見たいと思うようなボクサーがとても少なかった。

以前だと、これは将来ランカーだな、ってその後の成長が楽しみなボクサーもいたし、

それほど強くはないけど、何故か心が惹かれるボクサーも必ずいたんだけどね。

                                                       

それと去年は、途中で棄権してしまうケースが例年以上に多くて、

ちょっと期待を寄せてたボクサーが3回戦目を突然棄権してしまってからは、

一気に興味が薄れてしまったんだっけなあ。

                                                          

そんな中で、唯一今後楽しみなのは、古口学君(古口)だな。

他のランカーの事情や、彼自身の試合のタイミングなどで、残念ながら

今はランク落ちしてしまったんだけど、クラス慣れしたら、彼はきっと伸びると思うな。

                                                         

鳴り物入りでプロ転向するようなボクサーは、有力ジムに破格の処遇で迎えられ、

いきなりB級デビューするもんで、そもそも新人王トーナメントには縁がないし、

自分としては、原石のようなボクサーを発見するのが無上に嬉しくて、

異常なほど力を入れて、新人王トーナメントやデビュー戦を見てるんだ。

                                                         

実は今度の新人王トーナメントに向けて、今からとても楽しみにしている子がいる。

それは、藤原陽介君(ドリーム)。

彼、デビュー戦では、1Rの初めの1分半を一発のパンチも出さないで、

ただひたすらガードを固めて相手にプレスを掛けることだけに費やしていた。

ガードの上からとはいえ、それこそ打たれに打たれまくって、

それでも全く打ち返さないもんで、こいつは何なんだ、って……。

                                                         

三浦会長もプレスを掛けることの指示は出すんだけど、パンチについては

一言もアドバイスしないもんで、とても不思議に思ってたら、

ハーフタイムを過ぎる頃突然、「ヨーシ、行けえええー!」って怒鳴ったんだ。

その途端藤原君は、まるでドッグレースでゲートが開いた瞬間の弾け出た

グレイハウンドのように、ガガーッと打ちまくり、あっという間に相手を倒してしまった。

自分も驚いたけど、相手も相当タマゲタと思うな。

                                                        

デビュー戦がそんなんだったので、彼の2戦目を楽しみにしてたら、

今度の相手は初戦のボクサーとは比較にならないテクニシャンで、

アマチュア経験もありそうなファイターだった。

                                                        

今回も前回のような試合運びをするのかって注目してたら、

さすがにごく普通に戦ってたけど、

体の入れ替え方や手数、コンビネーションにも長けた相手に対して、

相変わらず厳しいプレスをかけることができて、

タイミングのいい鋭いパンチを叩き込んで、またもや見事に打倒してしまった。

この子は、楽しみだなあ。

                                                         

新人王トーナメントで思い出すのは、

残念ながら2年続けて無残な負け方をしてしまった弟の応援のため、

毎回会場を訪れ、必死の形相で喉が壊れるくらいの大声で声援を送ってた粟生さん。

それと、いかにもひ弱そうな新人に対して、床を踏み鳴らして気合いを入れてた、

クレージー・キムさん。

                                                        

自分は長いこと生きてきたけど、

身内も含めて人からあんなに熱っぽく応援されたことがないもんで、

見ていて胸が熱くなったな。                                                        

                                                        

2009年3月20日 (金)

後楽園ホール・3月19日

午前中近くのボクシング友達と昨日の反省会。

それからテレビでWBCの野球見物。  よし、6-2で韓国にリベンジ成功!

                                                                                                                  

昨日は今年3回目の角海老ジム興行。

移籍して初戦の松本良一君以外は、みんな良く知ってるボクサー達なので、

やっぱり普通の観戦の時より、胸のときめき回数が多いね。

で、ジンクスとして例の勝負便器使用で、かつ試合前には決して控室には行かない。

で、まずその松本良一君。

                                                         

☆松本良一君×中川健司君(花形)

松本君はデビューの頃、今は止めてしまった角海老の平野博規さんと連戦して、

1勝1敗だったっけなあ。 平野さん、いいボクサーだったよね。

一方の中川君は、内山卓也君(FI)に2連勝してる8勝3敗1分の大阪出身の子。

松本君は7勝6敗なもんで、実績的には中川君優位なんだけど、

二人共、特に得意技があるようには見えないし、よく似たプレイスタイルだし、

中盤以降はちょっとグズグズな展開になっていったんだけど、

松本君、移籍初戦だし、地元から沢山応援団来てるし、その分頑張って3-0勝ち。

                                                         

☆青山慶洋君×佐野司君(F赤羽)

青山君は、去年の新人王トーナメントの優勝候補にしてたんだけど、

引き分け敗者扱いで残念だったんだけど、綺麗でキビキビしたボクシングをするんだ。

この日もきちんとしたスタートが切れて、ビシビシジャブで圧倒していった。

                                                       

でも、相手がのけぞるような左ジャブは連発するんだけど、それはとてもいいんだけど、

それに続く右がまだまだ迫力不足なのと、左から右への繋がりにスムースさがないな。

なんか肩から上腕部の筋肉が上体の柔らかさをそいでいるような気がするんだよね。

きれいなカウンターが何度も入る割には相手のダメージが今一つだったからね。

それでも、距離をおいても接近戦でも、器用に対応して、3-0圧倒勝ち。

                                                       

☆青野弘志君×伊藤和貴君(三迫)

青野君、いっつも相手は本人より背が高くて、それも今日はリーチも長いサウスポー。

伊藤君、ワールドスポーツの池田一晴君に印象が良く似てるな。

                                                       

1R、その伊藤君の右ジャブがとてもよくて、青野君、今日は苦戦しそうだぞ。

それにこの日は、ちょっと体のキレが以前ほどではなくて、重そうで心配したよ。

                                                        

でも、ここまで7戦7勝の青野君、6勝5敗の相手と徐々に差が出てきたな。

実績がリングに出てくる典型的な展開になっていって、伊藤君攻めあぐんでいって、

試合進行の全てが青野君ペースになっていって、結局青野君余裕の3-0判定勝ち。

                                                        

☆青木幸治君×寺澤俊治君(横浜さくら)

自分的にはこの日の角海老勢の中でのベストパフォーマンスは、青木君だと思うな。

                                                         

相手の寺澤君は見た目、この日一番の荒くれ者なんだけど、

ボクシングになると、これが豹変と言うか、まるでガチガチのガードボクサーなんだ。

ちょっと前、内藤大助さんとやった時の亀田大毅君みたいで、

体をかがめながら両腕でガードを固めて相手に近付き、いきなり右フックっていう、

何とも言えないスタイルで、青木君の30発に対しての一発勝負っていう感じ。

                                                        

なかなか打ち込むと所がない中で、とにかく相手がガード専門ボクサーだもんで、

いらつかないか心配してたけど、青木君最後まで丁寧にていねいにやって、

相手のガードの隙間を根気よく突いていたのには、驚いたよ。

                                                        

5Rには左右の強打で相手の右瞼上のカットを呼び、一方的な展開に……。

最終的には5~7P差の圧倒3-0勝ち。  次のランカーは君か?

                                                        

☆大内淳雅さん×濱中優一君(国際)

8勝6敗くらいの相手だと、最近の大内さんは、殆ど安心して見ていられるな。

濱中君スタンス広過ぎの上、常に胸が正面向き過ぎの傾向があって、

だから両手が前で揃いがちになるので、パンチが手打ちになってしまってるな。

そして、攻撃のきっかけが、いつも左ジャブからなので、大内さんに読まれてたね。

                                                         

その大内さん、阿倍トレーナーと共にセコンドに、坂本博之さん、本望信人さんって、

超豪華メンバーで凄かったねえ。  この組み合わせは、これが初めてだな。

                                                         

大内さん、単調なワンツー攻撃になりがちなのが心配だったけど、

先々回くらいから、いろいろなバリエーションが出るようになってきて、もう大丈夫だね。

返しの左フックの距離感があまりよくなくて、ダウンには至らなかったんだけど、

フルマーク、7~8P差の大余裕のランカー勝ち。

                                                         

☆坂本大輔さん×方波見吉隆君(伴流)

予想通りの試合になってしまった。

方波見さんの試合は大体がこんな感じになる。

異種格闘技というか、自分には猫とカマキリの戦いに見えたな。

                                                        

中に入って早い回転でドコドコってやればいいんだけど、あいにくと坂本さんの体は、

そういう風には動かないもんで、方波見君の抱き付きいい子いい子作戦に凱歌。

後は、ノーモーションの左ストレートやアンダースローアッパーにいいようにやられたな。                                                        

どう見ても、何回見ても愛着の湧くボクシングではないんだけど、方波見君、

勝つにはあれしかないんだろうね、勝つための精一杯の戦法なんだろうね。

                                                        

坂本さん、まだ6戦目。

いろいろ技術的なことを、試合中にリング上で解決するのは無理なんだから、

ああなったら、ガムシャラムチャクチャ根性戦に持ち込むべきだったかもね。

序盤、ロープまで吹っ飛ばした時、もっともっと鬼のように突っ込んで行けたらね。

2P差が二人とイーブンの0-2負けなんだけど、もっと差がついてると思ったけどね。

                                                        

帰りに榎さん一家とすれ違って、ちょっと話をしたんだけど……。

皆は知ってたのかも知れないけど、この間の榎さんの復帰戦の時、

新しいトランクスで登場、って自分は書いたんだけど、

実はあれ、“無敗”の金刺繍を外しただけで、以前のものだったんだってさ。

                                                        

榎さん、やっぱりあのトランクスに思い入れあるんだね。

それでね、奥さんが言うには、初め“無敗”の上に“元”って入れようか、とか、

“無敗”の下に、“だった”って入れようか、って考えたんだってさ。

あの奥さん、頭良くて、きれいな上に、とっても面白いんだわ。

いずれにしても、ここに訂正しておきます。

                                                        

2009年3月19日 (木)

初めの一歩 (2008.2.8)

またまた、チャンピオンカーニバル出場者26名の分析。

今回はヤケにこだわってるけど、これが最後。

                                                           

前回は、彼らの標準的なプロフィールを浮かび上がらせてみたけど、

今回は彼らの初めの一歩というべき、デビュー後の4試合について調べてみた。

それはおよそ1年間の足跡に該当する。

                                                         

優秀な戦績順に並べてみると以下のようになる。

(階級の軽い順、カッコ内はKO勝ち負け数)

相澤国之さん………4(4)ー0      中森宏さん…………3(1)-0-1

粟生隆寛さん………4(4)-0      黒木健孝さん………3(2)-1

榎洋之さん…………4(4)-0      山中大輔さん………3(2)-1

石井一太郎さん……4(4)-0      湯場忠志さん………3(2)-1

松本健亮さん………4(4)-0      小堀佑介さん………3(2)-1(1)

川崎タツキさん…… 4(4)-0      松崎博保さん………3(1)-1(1)

三澤照夫さん………4(3)-0      清水智信さん………3(1)-1(1)

下田昭文さん………4(3)-0      国重隆さん…………3-1 

木村登勇さん………4(3)-0      河野公平さん………3-1

嘉陽宗嗣さん………4(2)-0      鈴木典史さん………2(2)-1(1)-1

大場浩平さん………4(2)-0      吉田健司さん………1(1)-3(2)

三谷将之さん………4(2)-0

江口啓二さん………4(2)-0

沼田康司さん………4(1)-0

石田順裕さん………4(1)-0

                                                        

以上のように、4戦全勝は15名いて、3勝が9名、その他2名となってる。

やっぱり、C.C出場者は初めから凄いんだ。

                                                       

そして、デビュー4戦で、およそ3勝1敗がガイドラインということになるな。

その点、黒木さん、河野さん、松崎さんの3名は、デビュー戦で負けたんだけど、

その後盛り返して3連勝してここまできたんだからエライ!

                                                         

それから、26名のうち、これまでの通算成績が全勝というのは粟生さんだけで、

無敗は、あと榎さんと大場さんがいるんだけど、

C.Cの結果次第では、その両方がいなくなってしまう可能性だってあるんだ。

                                                         

ど、ど、どうなるのかああーっ!

                                                         

2009年3月18日 (水)

3月と4月の後楽園ホール

【3月】

3月も、もう半ばだっていうのに、あと7回も後楽園ホールだな。

                                                         

19日……角海老ボクシング(坂本大輔さん、田中稔大君、青木幸治君、松本良一君、

                  青野弘志君、青山慶洋君)

21日……辻昌建さん×金光佑治さんのミニマムタイトル戦と亀海喜寛さん。

27日……黒木健孝さん×金田淳一朗さんのOPBFミニマムタイトル戦。

                           (その他ヤマグチ土浦総出の日)

28日……細川バレンタイン君、高室洋臣君。

29日……長嶋健吾さん×ランディ・スイコのOPBFライトタイトル戦。

30日……新人王トーナメント

31日……新人王トーナメント

                                                        

うわあーっ、月末5連投かあ。

                                                        

地方では、19日に中広大悟さん×三枝健二さんのタイトル戦と

22日に、野中悠樹さん×新井恵一さんのタイトル戦がある。

                                                        

【4月】

 2日……新人王トーナメント

 4日……木村登勇さん×小野寺洋介山さんのスーパーライトタイトル戦。

       石井一太郎さん×三垣龍次さんのライト級タイトル戦。

 6日……古口雅之さん、瀬川正義さん。

 7日……菊井徹平さん、古橋大輔さん

13日……嘉陽宗嗣さん×国重隆さん、 江藤3兄弟。

17日……新人王トーナメント

19日……清水智信さん×池原繁尊さん。

24日……斉藤司君と鬼ヶ島竜君がいきなり8回戦。

                                                                                                                     

あれっ? ワールドスポーツの安西政人君はどしたの……?

                                                         

地方ではあと、11日に名城信男さん×冨山浩之介さんの世界戦。

19日には、加治木了太君の移籍一戦目があるな。

それにしても、こんだけあると、どう仕事を調整するかだな。

最終的には、あとよろしくって、ことになんだろなあ……。

                                                         

2009年3月17日 (火)

エキサイトマッチ (3/16日放送)

海外のボクシング事情は、帝拳のサイトで、

後楽園ホール以外の地方の試合結果は、BOXINGEYEっていうのでチェックして、

それと角海老のホームページ以外、他の人が書いたブログは全く見ないもんで、

ああそうだ、拳論っていうのはたまに見るんだっけ……。

                                                        

その“BOXINGEYE”なんだけど、柏樹崇君と前堂真人君の試合結果を確認しようと

アクセスしたら、何だか止めちゃったか、休んでるんだかしてるんだわ。

あれだけの情報量と速報性を維持するのは、大変だろうなあって思ってたから、

仕事大丈夫なのかなあ、とも思ってたから、やっぱり手が回らなくなったのかな?

安いのなら有料でもいいって思ってたんだけどね……。

                                                         

①ネート・キャンベル×アリ・フネカ……WBO、IBF Lタイトルマッチ

二人とも黒のレイジェスにアディダスのシューズ。

おや? キャンベルのグローブにはグローブテープが巻いてないんじゃないの?

                                                        

キャンベル不手際で、体重1kg以上オーバーで、勝ってもベルト剥奪って状況で、

フネカは絞り込みに失敗した多分体調不良相手にラッキーな挑戦になった。

                                                        

キャンベル、ラウンドが進むにつれ段々顔が腫れてきて、

何だか宮田芳憲さんに似てきたんだけど、2Rと11Rにダウンを奪ったんだけど、

その間は殆どフネカにトコトコ、コツコツやられてたので、微妙だなって思ってたら、

2-0で何とか……。    フネカ、もっと行かなくちゃなあ……。

途中へタレてても、結局一発あるヤツが有利ってことだな。

12ラウンドは最後までの殴り合いになったもんで、ゴングは何と11回だったよ。

                                                         

②クリスチャン・ミハレス×ネオマール・セルメニョ……WBA B暫定タイトル戦

二人共がレイジェスのグリーンのグローブで珍しいよなあ。

ただこの試合に限っては黒じゃなくて良かったなあ、何しろ画面が暗かったからね。

観客の声援はよく聞こえるんだけど、リング上に向けた集音マイクがないのか、

パンチの当たる音が全く聞こえてこないもんで、こんなもんかメキシコは、って。

リングも普通より少し狭いようにも感じたけどね。

開始ゴングも終了ゴングも2回づつ、10秒前は間延びした板叩き2回だったな。

                                                        

セルメニョ、アマチュア240戦だって、なんじゃそりゃあ、って感じ。

アマチュアらしい綺麗なスタンディングから、バチバチ恐ろしく手数が多いんだけど、

それほど強くなくて、右パンチが思いっきりオープンだし、どうなのって感じなんだけど、

それでも、相手のやる気をなくすには十分で、ミハレスも徐々に顔が傷んでいった。

                                                        

ラウンドごとに攻守が交代するっていうか、そんな事はないんだろうけど、

お互いに頑張るラウンドを決めてるようにさえ見えたよ。

セルメニョのスタミナも驚異的ではあったんだけど、段々腕がゆるんでいって、

パンチに力が無くなっていって、一方ミハレスは、気合いだけは入ってたんだけど、

そして、一発の威力は上だったんだけど、その一発がなかなか当たらないもんで、

イライラしながら終了のゴング。

                                                        

結局、セルメニョの手数しか評価の対象がなかったっていうことで、2-1の勝ち。

初挑戦で、暫定だけどチャンピオン、やっぱ喜んでたねえ。

                                                         

パンチの音も聞こえてこないし、のめってしまうような解説がつらいので、

音声を消そうとも思ったんだけど、粟生さんの言葉が思いのほか核心ついてて、

素晴らしかったなあ。 現役ボクサーの話は、やっぱりとても面白いんだ。

ところで、WOWOWで、会場音声のみを選択することできるのかなあ。

                                                        

2009年3月16日 (月)

クラプトンとWBC

昨日の夜、昼間録画しておいた2月のエリック・クラプトンの武道館ライブを見た。

昔、長髪でヒゲ伸ばしてたヤードバーズ時代から、難しいフレーズをわざと簡単そうに

弾くところが、とってもカッコよくて、20年ほど前ジョージ・ハリスンと共演来日した時や、

10年前の来日ライブよりも、今回の方がずっと出来が良くて、いい2時間を過ごした。

                                                           

いつものように、ごく普通の格好で、今回はジーンズに白の布帛の半袖シャツ。

老眼鏡かけて、街で出会っても、学校の先生くらいにしか見えないと思うな。

                                                           

実は自分にとっては、リッチー・ブラックモアとジェフ・ベックが飛び抜けてて、

クラプトンは他のギタリスト達例えば、ヴァン・へイレン、ブライアン・メイ、ジミー・ペイジ、

ポール・コゾフ、ジョージ・ハリスン、ノーキー・エドワーズ、ディック・デイルなんかと、

ほぼ同列にあるんだけど、やっぱりブルースを弾かれると引き込まれてしまうね。

                                                       

今回はサイドメンたちがとても良くて、プロレスラーみたいなドラマー、

お爺さんみたいなキーボード、ちょっと見ビニー・マーチンみたいなベーシスト、

それにギッチョのサイドギタリストのみんながクラプトンのステージコンセプトを

理解してて、体の動きや顔の表情さえ押さえ気味にしていて、一体感あったな。

                                                       

驚いたのはギッチョのギタリスト。 ドイル・ブラムホールとかいうんだけど、

通常ギターは、上から太い順に弦を張るんだけど、彼は細い順に張ってるんだ。

ということはコードを引く際にとてもややこしくなるし、指運びも誰にも教えられない、

っていうことになるんだ。   あれ、完璧に独学なんだろうなあ、凄いよなあ。

ピッキングもアップストロークが主体になってるもんで、もう気になって、気になって…。

                                                       

クラプトンのギターの構え方は、ネックの角度といい、ストラップの長さといい、

全く、オーソドックスの極みみたいにカッコよくて、機材の上に“ヴォルビック”置いて、

一曲終わるたびに 「ドウモ、サンキュー」っていつもの甲高い声で……。

                                                       

ストラトキャスターは、ペパーミントブルーのやつと新しいブラッキーを使ってた。

“レイラ”のイントロが始まるや、アリーナの最前列のオバサン達は、当然のように

スタンディングなんだけど、どう見ても乗りが盆踊りだったのが、ちょっと悲しかったな。

                                                         

それにしても、ステージでクラプトンはいつも自分のとこだけカーペット敷いてて、

演奏中は他のメンバーも絶対その中に入って行かないんだけど、

近くに人がいるの嫌いなのかな。

                                                       

ジョージ・ハリスンは、バングラデッシュのチャリティーコンサートの時、

クラプトンを「old friend of mine」って紹介したんだっけなあ。

あの時の、ジョージとリンゴ・スターのパフォーマンスは鳥肌ものだったよなあ。

30年以上昔の話さ。

                                                       

WBC、翌日の朝5時から日本がキューバとやるって聞いてたけど、

クラプトンで夜更かししてしまったし、いくらなんでもねえ、って思ってたんだけど、

何と目覚ましもセットしてないのに、5時過ぎに起きてしまった。

そう言えば自分には、こんな風に、前の晩思いよぎったことが原因で、

翌朝その時間帯に目が覚めてしまう、っていう貧乏性みたいなところがあるんだ。

                                                       

だけど、結局全部見れて、よくやったよなあ、6-0勝ちだからね。

序盤に牽制で2度もアウトになるし、イチローや城島もファウルフライをエラーするし、

相手のピッチャーは、かの豪球チャップマンだし、ハラハラしながら見てたけど、

彼コントロールが全くダメで早めに退いて、その後のピッチャーがヘタレばかりで

助かったんだけど、でもやっぱ松坂でしょ。 彼キューバ相手に通算3連勝だってね。

                                                          

日本、金持ちのような点の取り方ではなかったけど、 

ピッチャーがシャンとしてれば、負けないってことだね。

だけど、今回のWBCは何か波乱が起きそうだね。

ドミニカが予選で敗退してるし、アメリカが本戦初戦でコールド負けしてしまうし、

何でも有りの世情を反映してるってか……。

それほど大げさな事でもないか……。

                                                       

2009年3月15日 (日)

プロフィール (2008.2.2)

前回は、今年のチャンピオンカーニバル(以下C.C)出場者26名の出身地について

触れたけど、今回は彼らの年令や戦績など個人的なデータについて調べてみた。

                                                         

今年のC.C出場ボクサーのうち最高年令は、SW級の川崎タツキさんで、35才。

一方、最も若いのは、B級の三谷将之さんと大場浩平さん、それに

SB級の下田昭文さん、Fe級の粟生隆寛さんとW級沼田康司さんの計5人の23才。

そして、26人の平均年令は、27.2才。

                                                        

これまで最も多くの試合数をこなしたのは、SL級の木村登勇さんで、39試合。

その次は、W級の湯場忠志さんの37試合。

逆に試合数が少ないのは、ミドル級を除外すれば、F級の清水智信さんの14試合、

相澤国之さん、沼田康司さんの16試合となってる。

で、平均試合数は、22戦という結果だった。

                   

次に、経験した試合数ではなくて、デビューからの年数を調べてみると、

一番キャリアを積んでるのは、やはり木村さんと湯場さんで、11年。

これに対し、最もキャリアが浅いのは、清水さんで3年、下田さん、粟生さん、

松崎博保さん、江口啓二さん達が、4年となっている。

全26人の平均キャリアは、6.5年という結果。

                                                         

年令と試合経験、戦績というポイントから、今回のC.Cの中で、

面白そうな試合を探してみると、まず三谷さんと大場さんの試合が上がって来る。

二人とも23才、試合数も23試合と21試合、勝率が91%と95%と拮抗してるし、

KO率も48%、50%とまるで示し合わせたかのようだ。

更に、二人のボクシングスタイルが全く違うので、これは面白くなるぞ。

                                                        

それから、高年令対決ならSW級の石田順裕さん32才と川崎さん35才の試合だな。

最も年令の離れた同士の組み合わせは、W級の湯場さんと沼田さんの試合。

31才と23才で年令差8。 プロ経験は11年と5年。 試合数は37と16。

湯場さんがデビューした時、沼田さんはまだ小学生だったんだぜ。 これも凄いね。

ただ、戦績を見ると、勝率84%と81%、KO率71%と62%と比較的近いものがある。

                                                        

26人のうち勝率100%は、粟生さんのみ。

引き分けを含む無敗というのは二人いて、大場さんと榎洋之さんで、

勝率はそれぞれ95%と96%。

今回その無敗同士がぶつかり合うのは、榎さんと粟生さんの試合。

榎さんは過去に、大之伸くまさん、金井昌聡さんという、

それまで無敗でランクアップしてきた相手をことごとくTKOで下してきた、

無敗キラーなんだけど……。

                                                         

他に勝率90%を超えてるのは、LF級の国重隆さん、三谷さん、下田さん、

SFe級の松崎さん、L級の中森宏さん、M級の江口さんの6人。

逆に通算勝率があまり良くないのは、F級の吉田健司さんの67%で、

MM級三澤照夫と石田さんの72%、SL級松本憲亮さんの77%が続く。

残りの13名は、全員勝率80~94%の範囲に収まってる。

ちなみに、26人の平均勝率は、86.4%だ。

                                                         

次に、KO率を見てみると、最も高いのはL級の石井一太郎さんの83%。

次にM級の鈴木典史さんの82%で、相澤さんの77%、川崎さんの76%、

MM級黒木健孝さんと松本さんの75%、榎さんの70%がこれに続いてる。

この中では、MM級の黒木さんのKO実績が特筆に値するな。

なお、平均KO率は、58%。

                                                         

逆にKO率が低いのは、国重さんの11%が低く突出していて、

石田さんの33%、SF級の河野公平さんの35%、三澤さんの39%、

吉田さん、清水さんの42%と続く。

また、負け数の平均は2、引き分け数の平均は1となってる。

                                                         

最後に、ここまでの雑多な数字を全部整理してみると、日本の頂点ボクサーである

C.C出場者の典型的なプロフィールが浮かんでくるし、

C.C出場への道筋がおのずとハッキリしてくるんじゃないかな。

                                                         

☆18~19才の時ジムに通い始める。(27.2-6.5-1~2(プロテスト合格までの期間))

☆20~21才でプロデビュー。(27.2-6.5)

☆その後の6年半で、年平均3~4試合を経験する。(22÷6.5)

☆22戦の通算成績;19勝(11KO)2敗1分け(勝率86.4%、KO率58%)

勿論例外は山ほどあるんだろうけど、とりあえずこの道筋を辿ることができれば、

君も27才の時には、C.C出場者になれるぞお!

(追)

1月19日現在、小堀さんは松崎さんに判定勝ち。

木村さんは松本さんに7回TKO勝ち。

                                                         

小堀さんは、最近相手に合わせた試合をしがちで、今回もちょっとタルイ内容だった。

ただ、相手に合わせた試合ができるということは、

世界のトップクラスとも対等にやれる可能性があるということだし、

彼はもっともっと上へ行けるポテンシャルを持ってると思うな。

                                                        

木村さんの方は、何と髪の毛を5色に染めて、突き抜けたようなド派手なイデタチ。

だけど、いつもの通りの堅実でマットーなボクシングを展開して、

動きとパンチの緩急で相手を翻弄したんだ。

ストップがかかった時、松本さんの人相が変わってしまっていた。

                                                         

2009年3月14日 (土)

後楽園ホール・3月13日

昨日は、塩野翼君と笛木亮さんを見に行った。

少し仕事が長引いて、ホールに着いたら第3試合で誰かがゴロンと倒れたとこだった。

身内と知り合いだけが、ハラハラ、ドキドキ盛り上がるような試合がいくつか続いて、

やっと笛木さんの番になった。

それにしても、このパンフレットは見にくいなあ。

                                                        

涼野康太君(五代)×笛木亮さん(ジャパンスポーツ)

涼野君は、もう10年選手でエライよなあ。 でもまだ28才。 

これまで14勝(3KO)10敗3分けなんだけど、A級になって強い連中と戦い続けて、

残念ながらことごとく負けてるので、なかなかランカーになれなくて……。

でも、ハードなメンバーとやってるよなあ。

塩谷悠さん、矢代義光さん、宮田芳憲さん、阿倍元一さん、

それから、渡邊一久さんと三浦数馬さんだぜ。

去年暮れまでに4連敗した後の再起でまたランカー相手だっていうんだから、

この子はホントいい根性してるな。 あくまで諦めない、ってか。

                                                                                                                 

笛木さんは、何と言っても、今は大阪のジムに転籍してしまった加治木了太君との

激闘の記憶が鮮烈で、初めKO勝ちして、1年後KOで負けたんだよなあ。

二人の決着はいつ見れるんだろうか。 

正直それ程タイトなメンバーとの対戦がないので、今一つ実力を計りきれないんだけど、

一瞬のキレの鋭さは上位でも十分通用するな、って思ってるフェザー級8位の25才。

                                                        

その笛木さん、この日は髪の毛ブリーチしてなくて、普通の黒髪で登場。

いつもの動きができていて、問題のない立ち上がりをしたんだけど、

1R残り1分近く、お互いに接近してガチャガチャってなった瞬間、

涼野君のガツンフックをまともに喰らって、思いっきりのダウン。

これは、ダメだぞっていうくらいの倒れ方で、やっぱりダメで、カウントアウト。

本人続けたいってダダこねたんだけど、コーナーに戻る足元があやしかったし、

リングを降りる際にも、両脇抱えられてたよなあ。

ショックだったなあ。

                                                        

油断してたんじゃないと思うんだけど、涼野君の挑戦根性が上回ったんだろうなあ。

涼野君、10年かかってのランカーだってさ、嬉しいだろうなあ。

諦めないって、大切なんだわ。

                                                        

笛木さん、頭がい骨の感じから見ると、そんなに打たれ強くはないと思うから、

もう少しガードを上げればいいと思うんだけどね。

                                                       

塩野翼君(角海老宝石)×近藤明広さん(日東)

塩野さん2年振りだっていうのに、あんなに応援団がいるんだ。 好かれてんだなあ。

練習見たけど、何かとても良くなったように感じてたから、期待してたんだ。

ボクシングに対する気持ちが違ってきているようだし……。

                                                        

過去に細川バレンタインさんに圧倒判定勝ちもしてるし、

全体の印象としては、そりゃあ近藤さんの方が、どうしたって怖そうに見えるし、

長期休み明けでもあって、塩野君スタミナ大丈夫? ってとこもあるし、

恐る恐るって感じで見てたんだけど、翼君結構頑張ったんだ。

                                                        

セコンドからのプレスの声をしっかり守って、最後まで押し気味だったのは、

翼君の方だったんだけど、元々色白なもんでパンチを受けた跡がすぐ赤くなるし、

いいのを貰った時に、大したことありませんよお、ってな感じのジェスチャーするし、

でもそれは、そこそこいいのを貰っちゃいましたって、

逆にアピールしてるようなもんなのに、この癖がとれないんだよなあ。

思うようにいかなかった時、ちょっと小首を傾げるのも良くないよ。

                                                        

翼君パンチの数はそこそこ多かったんだけど、見映えのいいのは先方だったし、

それでも近藤さんがやりにくそうにしてる間に、段々調子が上がって来て、

もしかしたら、これは行けるぞ、って思った矢先の6R、派手なバッティングで、

翼君大出血の負傷判定。 全て1P差の1-2で残念!

                                                         

あのまま続いてたら、近藤さんの一発ドカンにやられる可能性もあったけど、

彼の調子も今一だったから、勝てたかもしれないね、 あと一歩だったな。

翼君、なんか掴んだかい?

                                                        

メインイベントは、長瀬慎弥さん(F赤羽)と迫田大治君(横田スポーツ)。

長瀬さん、いつものボサボサチョンマゲを編み込みにして、

相変わらずスーパーライトにしては、チャカチャカ素早く動き回って、

細かいパンチを連発するんだけど、まあ、ホント精度が良くないんだわ。

                                                         

相手の迫田君は、階級通りの動きで、ブーン、ブーンってユックリフックが多いもんで、

やっぱりランク3位の貫録が早目に決着つけるぞ、って思ってたんだけど、

この日の長瀬さん、一人芝居してるみたいで、ほとんどいいのが当たらない。

二人の相性がいいんだか悪いんだか、まるでかみ合わない時間が過ぎていく。

                                                         

5Rくらいまで延々こういうのが続いたもんで、多分今日はこのままだろうな、って。

遠くで伊藤博文さん(相模原ヨネクラ)が見てたけど、どう思ったんだろうね。

とにかく自分は眠くなってしまったもんで、申し訳なかったけど、ここで帰ったんだ。

今日の新聞見たら、引き分けだったね。

                                                        

あんな感じじゃ、木村さんとか亀海さんは、しばらく安泰だなあ。

小野寺さん、荒川さん、伊藤さんのうちの誰が一角を崩すか、だな。

                                                       

今週もまた、ボクシングだらけの一週間が過ぎていく……。

                                                        

2009年3月13日 (金)

やっぱ、ボクシングはオモシレエ!

穂積さんと粟生さんの話に入る前に、ちょこっと残念だったこと。

11日は、ホントはホールで金子ジムの橋本建夫君を見に行くつもりだったんだけど、

前の日のボクシングで、ちょっと精神的に萎えてしまったもんで、行くのサボったら、

7RにTKO負けしちゃったんだ。

                                                        

相手の中釜兵武君(白井具志堅)は、KO率は高いんだけど、

基本的には2勝1敗ボクサーで、去年暮れ近くに池原繁尊さん(横浜光)に、

TKO負けした後の復帰戦なんだけど、これまで斉藤直人さんや清水智信さんとか、

ビッグネームには弱いってとこがあって、今一つ伸び悩んでるファイター。

                                                         

一方の橋本君も11月に金城智哉君(ワタナベ)にTKO負け後の再起戦。

勝つ時はKOなんだけど、ベースは3勝1敗っていう超ファイター。

彼、ごくごく目立たない戦績のボクサーなんだけど、妙に気になるんだよなあ。

体格的にハンデがあるもんで、いつも一生懸命工夫して精一杯やるんだな。

                                                       

で、負けてしまった時が、これがまたいいんだ。

とっても、スッキリしててね、相手に笑顔で挨拶して、

いやあ、かなわなかったッス、って感じなんだ。

あんな素敵な笑顔してる33才なんて、そういないよ。

ずーっと見ていたいから定年までやってよね。

                                                       

さあて、神戸と後楽園の二人のこと。

                                                        

長谷川穂積さん×ブシ・マリンガ(南アフリカ)……WBCバンタム級タイトル戦

二人ともグローブはウィニングで穂積さんは赤、マリンガは青。

                                                        

そのマリンガの右ジャブは、モセスみたいに早くて長くて、穂積さんの右顔面に

ドコドコって重そうに決まっていく。 1Rゴング直後から気持ち良くやってるぞ。

ヤバイぞ、こんなのが続いたら、次にはシュンって左アッパー飛んでくるぞ。

って思ってたら、ホントにヤバイって思ってた途端、穂積さんが飛び込んでいって、

左ストレートをズバンとブチ込んで、マリンガがリング半分ほど吹っ飛んでダウン。

                                                        

勝負はたった一発、ここで終わってて、マリンガ膝ガクガク。

あとは鬼のような速射砲ラッシュが続いて、2回目のダウンがすぐやってきて、

最後はもう堪忍して下さいって、マリンガ両手を上げながら、左へ傾いて、ゴロン。

                                                       

だけど、マリンガのジャブも凄かったんだってね。 

それをガードを固めてやり過ごようなことしてたら、相手のペースだったんだろね。

これではまずいって、瞬時に突っ込んで行く戦法を取ったところがホント天才だな。

穂積さん、中に入入るスピードが異常に早かったね。

                                                        

試合後穂積さん、あっという間に終わってしまったことを観客に詫びてたけど、

そりゃあ、久しぶりの地元のエースを見るのに、時間とカネを割いたのに、

ちょっと残念という気持ちも残ったかもしれないけど、

ああいう相手には、こういう戦法しかないんだろうね。

結局マリンガ、一発も得意のアッパー見せることもできなくて、タマゲタだろうね。

                                                        

小堀さんもあんな風にやれば良かったんだわ。 でも彼、フッカーだからなあ……。

                                                       

オスカー・ラりオス(メキシコ)×粟生隆寛さん……WBCフェザー級タイトルマッチ

二人とも黒のウィニング。

リングマットのスポンサーは、東西ともにKURE。

                                                       

ホントだ、粟生さん、なんかガッチリしてるわ。

あれえ、ラリオスだるそうだぞお。

                                                       

1Rから粟生さん、絶好調。 どっちの距離でもやるっていう気合が出てるぞ。

                                                        

ラリオス好きなんだけどなあ、でも今日の彼は、何だかユルユルのグズグズだなあ。

パンチ遅いし、たわんでるもんで、威力が全然感じられないし、

3Rにはもう顔真っ赤だし、4Rまでフルスコアでやられてるもんで、

5Rからは、揉み合い無茶振り大作戦に転換したんだけど、

粟生さんも今日は絶対引かないってぞ、って決めているようで、

ラリオス、ボディブローが極端に少なくて、粟生さんに顔面打たれるのを怖がってた。

でもなあ、ヘロヘロになってからのラりオスは怖いんだぞお、って……。

                                                        

ところが9Rまたもや、粟生さんの強いのがまともに当たって、ラリオス膝カックン。

ここだ、行けーっ! 倒せーっ!

                                                        

ちょっと不満だったのは、ここから10Rにかけてだったな。

あれは後先考えずに、そう穂積さんみたいに行って欲しかったなあ。

自分にも分かる待ち待ちカウンター作戦じゃなくて、捨てパンチや仕掛けパンチで

相手を誘うっていうか、流れの中のカウンターを見たかったなあ。

この辺が、アマチュア出身と言うか、慎重と言うか、彼の優しいところでもあるんだな。

おまけみたいな12Rのダウンは、ちょっとプッシュ気味だったんじゃない?

                                                        

いずれにしても、ほとんどフルスコア負けだぜ、ラりオスは……。

どうしたラりオス、もう止めるのか?

だけどね、彼の事だからしばらくは死んだふりして、またのっそり戻って来るな、多分。

                                                        

大画面アクオス地デジボクシングは、実に快適だな。

リアルタイムで地上波ボクシングが見れるなら、ホールへ通う回数も確実に減るな。

適当にトイレ行ったり、タバコ吸ったり、何か食べたり飲んだりもできるし、

第一細かいとこまでとてもよく見えるからね。

                                                        

だけど、いつも思うんだけどね、試合後のインタビュアーっていうのは、

どうしてどこのどいつもアホばかりなんだろね。 なんなのその質問?

個人的にはボクシングなんかまるで興味ないんだけどってのが、透けて見えるね。

                                                        

穂積さんと話したことないんだけど、彼プライベートではとても面白い人だと思うな。

粟生さんとの試合後のやり取り聞いててね……。

                                                        

2009年3月12日 (木)

「人間の覚悟」 五木寛之

五木寛之っていえば、自分の年代だと「さらばモスクワ愚連隊」なんだけど、

その五木さんが、もう77才だっていうから、どうりで自分も年を取る筈だなって……。

彼の書き下ろしエッセイが去年の暮出たんだけど、新潮新書で700円ほど。

ボクシング友達が薦めてくれたもんで読んでみたよ。

                                                       

全部が全部、その通りって訳じゃないし、二か所ほど前後の脈絡が繋がらないような

所もあったんだけど、これからの日本で暮らしていくにあたっての心構えというか、

生きていくにあたっての覚悟について書いてあって、なかなか考えさせられたな。

                                                       

これまで50年間日本は、国を挙げての躁(そう)状態の中にあって、

とにかく行け行けだったのが、今は国家レベルのウツ状態に入っているっていう事を、

まず認識しておくべきだって、彼は言うんだ。 

                                                         

政治も経済も正義が失なわれ、人の心も善意と均衡を失って暗黒が訪れ、

それがこれから50年以上続くかも知れないから、覚悟して生きるべきだって、

国が何とかしてくれるだろうなんて、決して思ってはいけない、

真面目に生きればウツにならざるを得ないような世の中になるって……。

                                                        

明るい話はまるでなくて、そんな中でも生きていかざるを得ない以上、

これからは自分の判断と責任で生きていくべきだって、言ってるんだけど、

この辺のところは、よく分かるな。

自分の立ってる場所を、キッチリ認識してないとダメだなって、以前から思ってたし、

流されてる時の自分を第三者的に見る目も必要だなって……。

                                                        

それから……、ボランティアに携わる場合の心構えとか、

他人を援助するときの心意気なんかにも触れていて、

褒められたいとか、目立ちたいっていう下心の恥ずかしさを改めて知らされたな。

                                                                                                                 

まさに後期高齢者世代に入ってて、自らも過去に3度もウツ病の経験がある人の

言葉なもんで、末法思想的な印象を残してしまうのは、仕方のない事だけど、

そういう角度からも、日本の行く末と自分の生き方をクールに考えておく必要があるな。

                                                        

本の中で引用されてる医学的な新事実なんだけど、

今のところ人間の死は、“脳死”をもって確定するって事に落ち着いてるんだけど、

だから、その時点での臓器移植が可能なわけなんだけど、

実は人間の体が持ってる免疫システムは、脳死の後でもまだ活動してるんだってね。

つまり、免疫システムは、脳の指令を無視するってこと、知ってた?

                                                        

そうなるとまたまた人間の死の判断がややこしくなるし、

人間を最終的に支配しているのは、脳ではなくて免疫システムっていうことになると、

ホモサピエンスだなんてふんぞり返ってもいられなくなって、

結局ただの生き物として、基本的にはその辺の草木・犬猫と同等っていうことで……。

                                                                                                                 

2009年3月11日 (水)

後楽園ホール・3月10日

ちょっと遅れ気味だったので、ぶっ飛んで行ったら、6時15分始まりだってさ。

全部で5試合、合計34ラウンドしかないせいか、第1試合と2試合目の間に、

訳分んないスパーリングを3R挟んで、ファイナルを見たい人の為の時間調整だな。

初めは行かないつもりだったけど、やっぱり赤穂さんが見たくて……。

                                                          

永安潤之介君(川島)と赤穂亮さん(横浜光)

赤穂さんは、デビューからずっと見てるんだけど、もう大分前になるけど、

ワタナベジムで今西秀樹君とのスパーリングを見せてもらう機会があったんだけど、

あれホントに凄かったねえ。 すぐランカーだなって思ってたら、すぐランカーになった。

                                                       

だけど、この日の赤穂さんは何なんだ?

あれ多分、前日のWOWOW見て、俺もダルチニャン目指そうって、思ったんだな。

力入り過ぎだし、でもダルほど早くないし、頭デカイし(関係ないか)、

正直もともと当て勘そんなに良くないし、フェザー級みたいなボクシングになってるし、

思い出したよ、渡邊一久さんそっくりなボクシングだったなあ。

                                                       

2Rで出血して、3Rはまあまあいい打ち合いをやったんだけど、その後はグズグズ。

途中から採点する気もなくなって、最後はならず者同士の殴り合いみたいになって、

結局、2-1の決着。

                                                       

相手は10勝5敗のノーランカーだって、なめてたのかな。

そう言えば試合前、余裕たっぷりでバンデージのまま客席に現れて、

友人達の前でシャドウなんか見せてたけど、ああいうのはどうなの? って……。

以前真鍋圭太さんがよくやってて、それはファンサービスだったんだろうけど、

結局、ドンドン負け込むようになっていったのを見てから、何だか不吉でね。

まあ自分だけのジンクスなんだけどね。

                                                       

だけど赤穂さん、このままだと、ちょっとイキのいいボクサーで終わってしまうよ。

上位ランカーはホント甘くないよ。 初めの頃思い出して欲しいよなあ。

                                                       

塩谷悠さん(川島)~柴田義正君(東海)

珍しいねえ、二人ともおんなじデザインのナイキのシューズを履いてるよ。

最近、ナイキ×ナイキっていう組み合わせは、殆ど見ないね。

                                                          

塩谷さんは、柴田さんより一回りデカイし、リーチも大分有利なんだけど、

柴田さん、9勝(1KO)17敗って、えらく分の悪い戦績でのランカー挑戦なんだけど、

よく頑張ったよなあ。 4試合目にしてやっとボクシングらしくなってきた。

                                                        

4Rには柴田さん、もうやられてしまうかって所まで追い詰められたんだけど、

振り放った右フックで塩谷さんにダウンを喰らわせたんだ。 1KOなのにね。

塩谷さん、油断だね。 もうKO寸前まで行ってたんだからね。

柴田さん、パンチ力の無さで詰め切れなかったんだけど、

結局0-3負けはしたんだけど、最後までよく踏ん張ったよね。

                                                         

塩谷さん、序盤はいい返しのパンチを連発してたんだけど、

5R以降パワーダウンしてしまって、あの相手にこれじゃあ問題大きいよなあ。                                                     

小林タカヤスさん(川島)~柳直大君(新田)

柳君、体硬いんだけど、ガッツのあるサラリーマンって感じ。

8勝7敗っていう成績は決め手を持ってないことの結果なんだけど、

常に前へ前へって、とにかく引かないんだわ。

                                                       

小林さんは、長谷川穂積さんと角海老ジムの藤井龍二君(知らない?)を足して、

2で割ったような風貌の、もう30才になるけど童顔のファイター。

                                                       

1R、いきなり小林さんがいいのを連続で当てて、あらあこれは早く終わるぞ、って。

ところが柳君、何か他人とは違う根性が入ってるのか、もう32才だっていうのに、

ここから踏ん張る、踏ん張る。  2、3Rは互角の展開に戻していった。

                                                       

ところが、4Rにまた小林君の切れのいい左フックを喰らって、今度はダウン。

もはやこれまでかって、いうところから何とまたまた根性むき出しで、この子は凄いね。

結局、3-0で小林君の判定勝ちなんだけど、7、8Rはちょっとヘロヘロだったもんね。

                                                         

小林さん、ちょっと相手のパンチ貰い過ぎだよね。

ダウンがなかったら、ほとんど引き分けみたいな採点だったし……。

                                                        

この日感じたことは……、

ランカーなのに3人とも情けねえ、って。

君達はプロボクサーの中の上位5%なんだよ、100人中のトップ5人なんだよ。

こういう日は、だからランカーの壁っていうものをドーンと見せてくれって、思うわけさ。                                                       

そして思ったね、下位ランカーと何十人もいる第13位のボクサー達の実力には

そんなに差が無いんだろうなあって……。

                                                       

この日、セミファイナルとファイナルの試合には、グラントのグローブを使ってたな。

グラントにはいろんな色の組み合わせがあるんだけど、

例えば、黒×金とか、赤×緑とか、親指部分にアクセントカラーが入るんだけど、

やっぱりアクセントカラーは白が一番カッコいいと思うな。 ファイナルがそうだったな。

小林さんが赤×白、柳さんは黒×白、見てるだけでいいよね。

                                                        

ウィニングはどちらかと言うと、パスン、パスンって軽いはじける様な音がするけど、

グラントは当たったとき、硬くて低いドスンって感じの音がするんだ。

柳君はトランクスもグラントできめてたね。

                                                        

それから、例の新しいタイムキーパーがゴングを叩くとこ、初めて見たんだけど、

終了ゴングが3回っていうのは、どうもなあ……。

ゆっくり3回だと、何か間延びするんだよなあ。

静かに終わったラウンドでも、やっぱり早めに4回っていうのがいいと思うけどなあ。

緊迫感が全然違うんだけどなあ。

                                                         

それとあのリングアナは相変わらず、うるさ過ぎ! 彼の時はいつも耳を塞ぐんだ。

マイクのボリューム下げるように誰か言ってくれないかなあ。

                                                          

昼間は上着が要らないほどの気温だったのが、夜に入って急に冷え込んで、

風もビュービュー吹くし、ボクシングも何だか冷たい隙間風のような展開だったし、

元気の出ない夜だったな。

                                                       

2009年3月10日 (火)

WOWOW

【WOWOW-1】 “幸せのちから” ウィル・スミス

先週録画取りしたうちから、“幸せのちから”を見た。

主人公、骨密度測定用の医療機器販売のセールスマン。

                                                        

初めに10~20台ほどを仕入れさせられて、担当地区で自力販売した分だけ、

自分の儲けになるっていう仕組みは、世の中によくある悪魔のシステムで、

当初は、上限の無い収入と豊かな生活だけが、自分の前に広がるんだけど、

案の定、そんなに売れるわけなくて、徐々にジリ貧になっていって、

ついには税金や家賃にも困るようになって、小さな子供を残して奥さんも出て行くし、

カネをねだって友達も失うし、売血までするようになるし、教会には並ぶし、

その教会では、説教と賛美歌聞かないと、寝床と食事が得られないって、

どこかで見たなって、思い出したよ、上野公園の炊き出し。

300人も並んで、“あなた方は救われました”って、まるで皮肉のような事言われて、

合間合間に“ハレルヤ”って、合いの手入れないと食事にありつけないんだ。

主人公、最後は駅のトイレで夜を過ごすとこまで落ちて、ツーッて涙を流すんだ。

バックには、“明日に架ける橋”が漂ってる。

                                                         

その落ちぶれていく様は身につまされるんだけど、

この主人公はまだまだ前向きで、子供のためにも頑張るって、

証券会社の見習いで実績上げて、20人の中の一人に選抜され本採用になって、

またしても明るい未来が見えてきて、

最後は子供と二人でスキップしながら街を歩いていって、THE END。

                                                        

でも、これはハッピーエンドなの? かって……。

要するに、売る物が医療機器から株や債権に置き換わっただけで、

また、同じようなフルコミッションのセールスマンなんでしょ。

今みたいな超証券不況だったら、以前よりもっと大変でしょ、って。

だけど彼、常にポジティブだから、また逞しく生き抜いていくんだろうなあ、とか、

何にしても生活していくのはシンドイってことだなあ、とか……。

                                                        

【WOWOW-エキサイトマッチ 3/9放送】

①アンドレア・コテル二クス~マルコス・マイダナ・・・WBA SLタイトルマッチ

                                                   

マイダナ、25勝24KOなんて成績のボクサーは、やっぱりあんな戦い方なんだ。

いやあ、嫌になっちゃうだろね、あんなに叩かれっぱなしだと。

ガードの上からであろうと、どこであろうと、打ってるうちに隙が出てくるだろうって、

もうとにかくマイダナ、手のひらとか拳の外側だとか、いろんなとこで殴ってたな。

それもあんまり早いもんで、レフェリーにも分かりにくいんじゃないかって……。

                                                        

以前木村登勇さんに判定勝ちしたコテル二クスは前半、もう我慢我慢。

ガード固めて、たまに隙間からストレート放つんだけど、打っちゃ隠れ隠れで、

その姿が、まるでインベーダーゲームみたいな攻撃だったな。

ただ、そのストレートがやっぱりチャンピオンだけのことがあって、生半可じゃない。

                                                         

結局、中盤以降マイダナも打ち疲れてしまって、2-1でコルテスの勝ち。

正直言うと、乱暴者がアマチュアエリートをブッ倒すとこ見たいと思ってたんだけど、

やっぱアマで鍛えたディフェンスも半端じゃなかったね。

                                                         

ドイツのリングだったもんで、マットには“adidas”の大きなロゴ。

ゴングの音が路面電車の合図みたいな音だったし、ラウンド終了10秒前の知らせが

トンカチで板でも叩いてるような音なのが面白かったな。

                                                       

②ビック・ダルチニャン~ホルヘ・アルセ…WBA、WBC、IBF SFタイトル戦

                                                  

ダルチニャンとマイダナが試合したら、どんなことになるんだろうかって……。

KO率75%と70%のSF級ってのは、やっぱり凄くて、あんなのは日本にはいない。

両方レイジェスだったんだけど、やっぱり黒の方が強そうに見えてしまう。

グローブテープは、まっ赤だったな。

                                                         

アメリカでの試合だったんだけど、ラウンド終了10秒前の合図が、

なんと “テン・セカンズ!”って、スタッフが怒鳴ってたのには驚いたなあ。

                                                        

ちょっとミハレスに似てる、っていうかメキシコ人はみんなミハレスみたいなんだけど、

そのアルセが、反狂乱のようなダルチニャンを持て余すっていう展開が続くんだけど、

途中からダルチニャンが、いきなりの左アッパーを多発するようになってからは、

あんまり怖くて、どうやっていいかの分からなくなってしまって、ビビってたな。

セコンドもギャアギャア怒鳴りっぱなしで、ただ混乱させてるだけみたいだったな。

                                                        

5R以降、アルセの動きが徐々に緩くなっていって、7Rにはもうバタバタ。

小堀さんにやられた時のアルファロみたいに、膝が突っ張ってカクカクしてたな。

結局11R終了後のギブアップで、ダルチニャンのTKO勝ち。

早くて強いパンチさえあれば、ガチャガチャでも勝てるっていうことだな。

                                                        

乱暴者を続けてたっぷり二試合見ると、ちょっと疲れるね。

                                                          

 

2009年3月 9日 (月)

沼田康司さん (2007.12.26)

沼田康司さんは、2006年までは沼田康司君だったんだけど、あれよあれよと言う間に

ランカーになって、今ではウェルター級の1位にまでなってしまった。

他のクラスに比べて若干人材層の薄い階級とは言え、

まさしく、龍の如く頂点に達しつつあるボクサーだな。

                                                        

彼はデビューから7連勝した後、1つの引き分けを挟んだ小野寺洋介山さんとの試合で

初めて負けたんだけど、これまでのどの試合もが、そりゃあ物凄かったんだ。

今、日本のボクサーの中で真のファイターと呼べる数少ないボクサーの一人だと思うな。

                                                       

まず目付きが凄い。 よく見かける薄っぺらな恐喝者のようなそれではなくて、

果たし試合に臨む武士のような、怒りと悲しみがこもった、

とても複雑な鋭い眼光を放ってる。

登場のとき、いつも少しばかり眉間にシワを寄せてテンションを高めるんだけど、

レフェリーを交えた試合前の挨拶の際には、必ず相手にキチッと礼をするし、

ゴングが鳴るとまず丁寧にグローブを合わせに行くんだ。

そして、誰が相手であろうと、決して打ち負けることのないクールなファイターになる。

                                                        

小野寺さんに判定負けした試合でも、小野寺さん独特のオープンブローまがいの

デンデン太鼓・パタパタ打法に対して、レフェリーが一度も注意を与えなかった中で、

自らのスタイルを崩すことなく、ドコン、ドコンとハンマーのようなパンチを決めていた。

                                                        

沼田さんの判定負けは、あと1回。

相手は今、スーパーウェルター6位の中川大資さんで、何とこの試合のジャッジにも

小野寺さんとの試合と同様、ウクリッド・サラサスが混じっていたんだ。

沼田さんの本当の弱点は、実はサラサスなのかも知れないな。

                                                         

12月4日の上石剛さんとの試合は、自分的には今年のベストマッチの一つに入るな。

上石剛さんは、名前のニュアンスが力石徹に似てるなって秘かに思ってるボクサーで、

2006年の夏、清田広大さんとの激闘が記憶に残る、坊主頭のファイターで、

負けも多いんだけど、KO率8割近い、独特のクラウチングスタイルのサウスポー。

                                                         

序盤、少し髪を伸ばした上石さんの左ストレートをまともに喰らって、いきなりダウン。

今夜が試練の日かな、って思ったんだけど、ところがその後トランクスに縫い込まれた

“なにくそ”魂が一気に大爆発して、大逆転のTKO勝利!

上石さんも本当に良く耐え通して、最後までマットに膝をつくことはなかったんだ。

二人ともホント凄かった。

                                                         

沼田さんは自らの職業を“植木屋”って軽く名乗って、“造園業”とは言わない。

そこのところも何だかとてもいい。

そして、必ずしも恵まれた子供時代を過ごしていない点と、

常に強引なまでに打ちかかるボクシングスタイルは、

あの坂本博之さんを彷彿させるところもある。

                                                        

今度のチャンピオンカーニバルでは、もう湯場忠志さんとのタイトル戦だけど、

機会があれば是非見ておくべきボクサーだと思うな。

マスコミの注目を浴びることはないけど、寡黙で控えめな態度の内に、

燃え上がるような闘争心を秘めた、真のファイターを見ることができるよ。

                                                         

2009年3月 8日 (日)

後楽園ホール・3月7日

開始直後のホールは、ホントにガラガラで、大丈夫かあ、って状況だったんだけど、

試合が進むにつれ、どんどん観客が増えていって、ファイナル前にはほぼ満員。

この日はWBC野球の日本対韓国戦と重なったもんで、帰りは大変だぞお、って…。

でも結局、14-2で日本のコールド勝ちで終わった時間が10時頃だったもんで、

もう余裕、余裕。

                                                       

角海老ボクシングだし、榎さんの復帰戦でもあったもんで、

現役のジムメイトは勿論、懐かしい面々を沢山見かけた。

中島吉兼さんもいた。 佐藤常二郎さん、寺畠章太さん、小川利樹さん……。

他人の試合にはめったに顔を出さない、小堀さんも来ていた。

                                                       

奈須勇樹君とリトル・ロスマン(インドネシア)

KO率7割を超える元日本ランカーっていうのは、相手が怖がって、

なかなか再ランクのチャンスが訪れにくくて……。 宮田芳憲さんもそうだったなあ。

                                                        

でも、その奈須さん、腐らないでいつも一生懸命に練習してる。

彼ほど実直なパフォーマンスをするボクサーは少ないよ。

礼儀正しく丁寧で、真面目で、常に前向きなボクシングを見せてくれるんだ。

                                                        

相手のこと、初めリトル・ロマンスって読んでしまって、おしゃれなヤツだなあって。

勝ち負けが拮抗しているボクサーなんだけど、

タイ人なんかよりは確実に真面目にボクシングに取り組んでいるし、

ガッチリした体躯をしていて、とてもガードがいい。

たまに繰り出す大きな右フックには要注意だぞ。 以前こんなんで1RKOされたし…。

                                                        

奈須君は、打ち所の少ない相手に対し、丁寧に打ち分け、グローブの上からでも

強いパンチを打ち込み続けた。 根負けすんなよお。

                                                         

結局4R、それまでの被弾が蓄積していった結果のTKO勝ち。

その少し前、ロスマンが2度ばかり口開いて、マウスピース剥き出したあたりから、

大分弱ってたんだな。 

                                                        

奈須君は、大阪から移ってきたボクサーだもんで、

場内が大盛り上がりっていう事は、なかったけど、自分は気持ち良かったなあ。

                                                         

斎藤直人さんと小野心君(花形)

直人さんが以前負けてる相手だし、大内淳雅さんの仇打ちもかかってたんだけど、

1Rから直人さん、やりにくそうだった。 小野君の右がジャマそうだった。

相手がサウスポーなもんで、いつもの左ストレートボディも打ちにくいもんで、

リズムが作りにくい状況の中、小野君の左を何度も喰らって、顔面が揺れてた。

全ラウンドを通じて、見栄えのいいパンチを放ったのは、小野君だったよなあ。

どうしてもやりにくい相手っていうのは、いるんだよなあ。

                                                       

結局、1-1の引き分けだったんだけど、自分の採点では、完璧の負け。

減量が思いの外上手くいき過ぎたのが、かえって良くなかったのかも知れないね。

                                                         

久永志則さんと福島学さん(花形)

34才なんだけど、福島さん、やっぱり上手いね。 

百戦錬磨っていうのはああいうのを言うんだね。 ポイントの取り方をよく知ってるわ。

                                                         

久永さん、以前からずっと思ってるんだけど、ガードが全くできてないんだよね。

これまで天性の勘の良さで交わしてたのが、やっぱりそれだけではダメ、

っていうことが分かって、勢いだけでブンブンKO率を上げてきたんだけど、

やっぱりランカーのレベルは半端じゃないなって、ことが分かればいいんだと思う。

                                                        

5R負傷判定で、3-0で負けたんだけど、最後までやってれば倒すチャンスが

来たかも知れないけど、ここで負けておいた方が良かったんじゃないかって……。

                                                         

榎洋之さんとアルディ・ディエゴ(インドネシア)

OPBFの3位だし、ちゃんとやるインドネシアン。

OPBFのタイトル戦のイメージで観戦。  FeとSFeの間くらいの契約ウェイトの戦い。

                                                        

祖国の英雄、クリス・ジョンと世界戦判定試合をした相手ということで、

ディエゴ、初めから飲まれてるっていうか、緊張して硬くなってたね。

テーマは、榎さんがどんな勝ち方をするかだな、って……。 自分も硬くなってる。

                                                                                               

今まで榎さんは、僕は僕のリズムとタイミングでやりますから、

貴方も貴方でどうぞ、って感じで我が道ボクシングを展開してたって思ってるんだけど、

だから、相手のパンチを意識的に避けようとする動きも比較的少なくて、

その相手の攻撃と防御の壁というか要塞を、ブルトーザーのように強引に

破壊していって勝利を掴むっていうイメージが自分の中にはあったんだけど、

ちょっと変わったね。  ロボコップⅢ・ニュータイプ。

                                                        

まず、ジャブをいろんな角度で出してたね。 

強く打ち出すことより、出すタイミングと角度に気を使っているみたいだったな。

それから、相手のパンチを交わしざまに打ち出すクロスの工夫もしてたし、

いきなりの大きな右フックも試してたね。

それと、頭の位置に気を使って、相手のパンチを避ける動きもしてた。

最後まで、殆どパンチを受けてないんじゃないかな。

自分的には、左のボディフックから返しの速い右フックも見たかったんだけど、

結局3R、その左のボディ一発で、KO終了。

1Rからボディ連発してたら、もっと早く終わってしまっただろうから、

色々見れたし、今日はこれで良かったのかもね。

12日の夜、“G+” で録画放送やるから、また一人だけの反省会だな。

                                                                                                                 

でも相変わらず、彼のプレスは凄いね。 あの眼で詰められたら、ホント怖いね。

安心した、安心した。

                                                        

実は自分としては、この日の榎さんのトランクスにも注目してたんだけど……、

以前のは“無敗”って縫い取りがあったもんで、

次からは“無”を“一”に縫い直せば、って冗談言ってたんだけど、

同じような黒の色調で、勿論新調してたな。 少し豪華になってた。

                                                                                                                                                                           

関係者入口のテーブルで、普通に絵を描いていたのが、榎さんのお嬢さんだよ。

あたしのパパはプロボクサー、なんてカッコいいよなあ。

                                                         

出場がないのに、帝拳のマネジャーが、飛びっきりのフォーマルスーツで来てた。

この日が“ダイナミック・グローブ”の最終回。  通算460回。                                                    

                                                         

2009年3月 7日 (土)

出身地 (2008.1.30)

今年のチャンピオンカーニバルは13階級フルエントリーで、

今からワクワクする試合がとても多いんだけど、

個人的には、バンタム、フェザー、スパーフェザー、ウェルターの4試合は、

仕事を飛ばしてでも駆けつけようと思ってるんだ。

だけどね、もう既に全部の試合の予想は立ててしまっているもんで、

結局最終的には毎年のように、全部見に行ってしまいそうだなあ。

                                                        

この間突然思い立って、この13階級・26人の日本の頂点的ボクサー達の出身地を

調べてみたんだ。

まず日本を大きく東日本と西日本に分けて、それぞれの出身者を数えてみたら、

偶然ちょうど13人づつになった。

                                                         

更にもうちょっと細かく見てみると、一番多いのはやっぱり関東地方で9名、

次は意外にも九州地方の7名、それに東北地方の4名、関西地方の3名が続き、

中部地方、北陸地方、山陽地方がそれぞれ1名づつとなっていた。

残念ながら、北海道、山陰地方、四国地方出身者は一人もいない。

で、現時点での日本の頂点的ボクサーの6割強は、

関東と九州の出身者ということになる。

                                                         

次に、都道府県別に分析してみると、全国47都道府県のうち、

今回のチャンピオンカーニバル出場者がいる都道府県は、19ヶ所あるんだけど、

残り28道府県には、現在のところ頂点的ボクサーを保有していないことになる。

                                                        

都道府県別の頂点ボクサーの分布は以下のようになってる。

東京に3名、それから埼玉、千葉、大阪、宮崎、宮城に各2名づつ。

あとは各1名で、北から青森、秋田、福井、山梨、神奈川、愛知、兵庫、広島、大分、

長崎、熊本、鹿児島、それに沖縄ってなってる。

次に、各頂点ボクサーが所属するジムの所在地を調べてみると、

半数の13名・9ジムが東京になってる。

つまり、聖地後楽園ホールを囲むようにしてジムが集中していて、

地方出身のボクサー達が、仕事とボクシングを求め、上京している姿が浮かんで来る。

                                                        

今回のC.Cに複数の頂点ボクサーを出場させているジムは、

帝拳の3名、それに角海老宝石と白井具志堅、横浜光が各2名となっていて、

相変わらず、ボクシングの首都圏一極集中が続いていると言える。

個人的には、北海道出身の頂点ボクサーの出現を心待ちにしている。

                                                         

2009年3月 6日 (金)

亀田和毅君

亀田家の上の二人の兄弟のボクシングスタイルは、あんまり好きではないので、

今週の二人の試合も全く見てないんだけど、

三男和毅君のパフォーマンスには前々から注目してるんだ。

                                                       

で、兄貴達の試合の応援のため、メキシコから一時帰国してる彼が、

角海老ジムでスパーリングするって聞いたもんで、駆けつけたさ、昨日。

                                                        

6時からっていうことだったけど、4時半には到着してしまって……。

おかげで、杉崎由夜君と松本良一君のスパーと、小林生人君と塩野翼君のスパーも

見ることができたし、青木幸治君のスパーもテーマが伝わってきて良かったよ。

杉崎君また上手くなってて、特に攻撃の緩急が素晴らしかったなあ。

生人君と塩野君は、4Rやったんだけど、3R目は凄かった。

トレーナーが笑い出すほど気合の入ったムチャクチャの殴り合いで、

ヤマ作るって、生人君言ってた通りで、終わった時、二人とも顔真っ赤だったなあ。

塩野君は、一度ジムから足が遠のいてたんだけど、また新規巻き直しで、

その初戦がランカーだっていうんだから、相変わらず角海老のマッチメークはキツイ。

でも、翼君今回妙に気合いが入ってて、何だかいけそうな気がする。

                                                        

和毅君のスパーは、6時を少し過ぎた頃から始まった。

人が集まり過ぎると困るっていうことで、地下リングでやったんだけど、

ジムにいる人達がどんどん集まって来て、1階はガラガラになってしまって、

この間のマルケスーディアスのVTRと、ラテン音楽が流れる中、ストレッチ。

                                                        

間近に見るのは初めてだったけど、足は細いし、頭は小さくて、

とてもバランスのいい体をしている。 それに、顔付も兄貴たちより格段にいい。

                                                         

相手は、初めは石川貴章君を含めて2人とやる予定だったんだけど、

和毅君サイドから4R一人とだけで、という依頼があって、石川君ガックリ。

                                                        

結局和毅君の相手は、あのK君が務めることになったんだ。

そう、以前(2/18) “嬉しい知らせ”で取り上げたあのK君。

1年のブランクがあって、まだ2週間のジムワークしかしてないもんで、

大丈夫?ってトレーナーに聞いたら、ボコボコにされたらいいんです、って答えた。

                                                         

和毅君、興毅さんのグローブはめてた。

その和毅君、リング上での立ち姿がとても綺麗だし、構え方も絵になってて、

動きも美しい、予想通りの17才。

                                                        

彼のいいところは、まずグローブの構え方がいつもキチッと一定していて、

外側に向き過ぎることもないし、その位置からスムースにパンチが出ることだな。

そして、パンチは人差し指の付け根を打ち込むように意識しているのかも知れない。

打ちだす時のヒッチも少ないので、どの種類のパンチを打つにしろ、

グローブが体から離れ過ぎることがないので、結果的にガードもいいんだ。

左のストレートジャブと、左ボディの打ち方なんか惚れ惚れするな。

その左ボディフックをダブルで打って、すぐ返しの右フックっていうのが、

この日のベストショットだったと思うんだけど、全体的なスピードも十分だったな。

                                                        

小さい頃からやってるにしては、当て勘が今一つ、っていう感じが残ったけど、

既に日本ランカーレベルにはあると思うな。 後楽園ホールで見たいよなあ。

                                                         

終わった後に、ちょっと話をしたんだけど、とても謙虚で礼儀正しい若者だったよ。

握手を頼んだ手を、両手で握ってくれて、まだまだ4回戦です、って答えてた。

                                                         

K君は、時間ギリギリに眠そうな顔をしながら、チャリンコでやってきた。

1年ぶりの挨拶と握手して、嬉しかったなあ。

                                                          

そのK君、相手は十分体もできていて、本人完璧な練習不足にしては、

とてもよくやって頑張って、才能の片鱗を見せてた。 この子はやっぱり凄い!

生人君は、時間経過を知らせてあげてたし、終わってからも皆K君のこと褒めてたな。

ラウンドインターバルの時の田中トレーナーとK君の話面白かったなあ。

田中さんは、まあまあだね、って言ってたけど、そりゃあ4Rで3Pは取られてたけど、

勿論ボコボコにはされなくて、自分は彼の未来にますますの光を感じたね。

あんな目つきの子は、そうはいないよ。

                                                         

1年くらい前、小堀さんが松崎博保さんとのちょっとへタレタ防衛戦をやった直後

通路のところで、ったく何やってんすかあ、って言ったのは、このK君だったんだ。

まだライセンスも持ってない17才の練習生にそんな事言われて、

小堀さんは、デへへって感じで照れていたな。 二人の関係も実はとても面白い。

                                                          

                                                        

2009年3月 5日 (木)

エピソード Ⅱ 黄色いグローブ (2008.6.1)

                                                                                                          

3Rに小堀さんが放った左のショートフックでアルファロがダウンしたんだけど、

見ていた場所からはタテ位置だったもんで、何だか突然倒れてしまったように見えた。

帰宅してから、よーし、ジックリ見てやるぞ、って録画したものを再生してみたら、

何とこれも同じタテ位置だったもんで、ひっくり返ってしまった。

違う角度からのリプレイもなくて、消化不良だったけど、

5月27日の再放送でやっと納得できた。

                                                        

小堀さんの左は、コンパクトに、だけどとても鋭くアルファロの顎を斜めに打ち抜いてた。

あれで、あれほどのダメージかあ、って改めて驚いてしまった。

パワーじゃなくて、タイミングだったんだ。

                                                         

SKY-Aの再放送は全く新たに編集し直してあって、小堀さんの会場入りの様子や、

試合直後のインタビューなども織り込まれていて、なかなか面白かった。

田中トレーナーがとても嬉しそうだったなあ。

                                                         

試合開始のゴングは、後楽園ホールのより鳴りが悪くて、少しこもったような音だった。

入場の際のスモークがまだ残っていて、リング上はアメリカの場末の酒場での

賭けボクシングのような様相を呈していた。

そう、まるでメジャーデビュー前のロッキー・バルボアの試合のようだった。

                                                         

リングに登場してからの小堀さんは、いつもと同じペースと手順で、

ルーティーンのストレッチをこなしてた。

ジムでスパーリングを始める時と全く同じ感じだった。

カメラを向けられるだけで、いきなり意識が飛んでしまうような彼が、

2000人近くがワーワー騒いでるこの場ではなんで平気なんだ?

どういう神経してるんだ?

                                                         

【1R】

オオッ! アルファロのコンビネーションがいいぞ。

ボディブローやらアッパーやら、色々持ってるとこ見せびらかしてるぞ。

リーチはアルファロの方が10㎝ほど長いってことだけど、

彼のジャブは数字以上に伸びてきて、小堀さんの顔面をビシッと刺してくる。

気を付けろ! 8オンスのレイジェスは効くぞ!

                                                        

アレッ! 小堀さんが珍しく相手のパンチを避けようとしてるぞ。

あんなにダギングやらウィービングをしてるのは見たことがないぞ。

そうか、アルファロのパンチが強いんだ。

                                                        

と、次の瞬間、ドヤーッって感じの小堀さんの右のロングフックが、

アルファロの顔面に叩き込まれた。

オオーッ、アルファロがよろめいたぞ。

カクカクした足運びだぞ。 そうか彼は、腰と膝の柔軟性がないんだ。

                                                          

二人とも、まず様子を見るって感じじゃない。

お互いに1Rから倒しに行ってるぞ。

とんでもない事になってるぞ。

小堀さん、そんなにブンブン振って大丈夫かあ。

どっちか先にクリーンヒットしたら、それでお終いだ。

みんな心臓バクバクだぞ。

                                                         

【2R】

アルファロに追い足がなかったもんで、助かったなあーっ。

一つ前の左は届いておらず、最後の右も浅かったので、

小堀さんと観客全員が命拾いした。

                                                          

相打ちのような展開の中で、アルファロの左が、ちょっとだけクリーンヒットしたもの。

KO率90%というのは、ダテじゃなかったんだ。

45秒経過時点での紙一重の行き違い。

                                                         

もはやこれまでかあ、やっぱ世界の壁は……。

小堀さんは、トーチャン、どうしよう、って感じで、

ニュートラルコーナーから田中トレーナーを見やった。

スタッフから、あと2分、あと2分だぞ! の声が上がる。

時間がありすぎるぞ。

                                                          

あの時、小堀さんは瞬間ヤバイって感じて、次には、

応援してくれた人に顔向けできなくなる、負けたら高トビしなくちゃ、って思ったそうだ。

そして、負けることがとても怖くなったんだってさ。

                                                        

案の定、アルファロはクールな面構えで決めに掛って来た。

                                                         

だけど、実はこの時、小堀さんはヘロヘロではなかったんだ。

そして、あの怒涛のような反撃が始まった。

ブンブン右を振っていく。

右ストレートからの左フックという、今日のテーマ“逆ワンツー”も忘れてない。

全く引かない。 手負いの鬼のようだ。 コボリー! お前は男ぞおー!

                                                         

俺のパンチが効いてないのか、ってアルファロが戸惑いながら打ち合ってた次の瞬間、

残り2分弱あたり、つまり試合再開10秒ほどのところで、

小堀さんの左がバスンと命中。

アルファロは、さっきと同じように、またカクカクってなった。

これは効いた。 間違いなく1Rのより効いた。

                                                         

アルファロの攻めが一段落した。

これで一息入れられる。 コボリー、休めー!って自分は怒鳴った。

ここでボカボカの殴り合いになったら、タイトに振ってくる相手の方に分があると思った。

                                                          

それぞれいいパンチを貰った者同士に、わずかばかりの休息の時間が過ぎていった。

                                                        

そして残り55秒、またしても小堀さん左が炸裂した。

この夜一番のパンチだったんじゃないかな。

ハッキリとしたダメージを受けて後ずさりし始めたアルファロを、

小堀さんは追いまくった。

形勢が一瞬で逆転して、もう場内大騒ぎ!

                                                        

アルファロは明らかにクリンチで休みたがってた。

小堀さんは、脱ぎにくいセーターを無理やり脱ぐように、

もがいてクリンチを解きたがってる。

チャンスだと思ってる証拠だ。 ガンガン行きたがってるんだ。

                                                        

試合後アルファロは、2Rにもっと攻め込むべきだった、って言ってたんだけど、

それは、違うと思うな。

小堀さんの左を喰らってからは、君はそれどころではなかったはずだよ。

                                                          

最後の10秒ほどは、二人とも鬼のようだった。

アルファロも、さすがに根性のあるところを見せていた。

                                                         

インターバルで小堀さんは、いつものように、頭を軽く左に傾けながら、

上目使いに田中トレーナーの話を聞いていた。

集音マイクが、“左”という言葉を拾ってた。

                                                         

一方アルファロの方は、右目の下が赤く腫れて、明らかにダメージを負っている。

左フックだ、小堀さんの左フックが効いてるんだ。

                                                         

この時点で既に、アルファロは相当まいっていたんじゃないかな。

3Rでは、小堀さんがエッ、君これくらいで倒れちゃうの?って感じだったからね。

                                                         

【3R】

アッ、アルファロがまたアッパー打って来た。 必死にペースを取り戻そうとしてるんだ。

                                                       

始まって30秒ほどのところで、出たっ!

小堀さんの例の、距離を測りながらの、グローブクルクル!

これは、調子のいい時や勝てそうな相手だなと感じた時の、彼独特のパフォーマンス。

                                                         

直後にワンツーが決まる。  オオーッ! これだー!

小堀さんが乗って来たぞ!  本当に倒すつもりだぞ!

                                                         

残り1分15秒。 来たーっ!

一つ前に薄く当てた左フックと同じ感覚で、もう一度、

右ストレートからの返しの左ショーツフックが、今度はまともに当たった。

流れの中で決まった。

みんな半狂乱!

                                                          

アルファロは左手を外側に捻りながら倒れた。 これは、物凄く効いてるって証拠。

ニュートラルコーナーで小堀さんは、二度田中トレーナーの指示を仰いだ。

トーチャン、行っていい?

田中トレーナーは多分、突き上げた親指を逆さまにして、

行けっ! ぶちのめせ! って、指示したに違いない。

                                                                    

カウントエイトで何とか立ち上がったアルファロは、胸の前で十字を切った。

神様、助けて!

                                                         

そこからの小堀さんの連打が凄かった。

何がって、今までなら、どれか当たれっ、って感じのブンブン大振り作戦だったのが、

小さく回転の速いフックとストレートを混ぜて、パンチの殆どを当ててたからね。

あんなこともできるんだ。 感動したなあ。

往時のファイティング原田さんを彷彿させるようなラッシュだった。

だけど、ライト級だぜえ。

                                                         

その間アルファロは、結局ただの一発のパンチも返すことができず、

ロープ際をよろけながら流れて行って、ついにはレフェリーに抱きかかえられた。

FINISH! FINE! THE END!

                                                          

【エピローグ】

2Rのインターバルの時までは、それほどでもなかったのに、

試合が終わった後の小堀さんの右目は、見たことないほど腫れ上がってた。

いつ腫れたの?

アルファロのパンチも半端じゃなかったんだ。文字通りの激闘だったんだ。

危なかったんだ。

                                                        

レフェリーがストップをかけた途端、リングサイドのカメラマン達が一斉にロープ際に

上がってしまったので、リング上がどうなってるのか全く見えなくなってしまった。

録画で見たら、中は中で大変な事になってたけど、場内はもっと大変だった。

本当に凄い事になっていった。

観客丸ごとが、異次元へ吹っ飛んで行ってしまったようだった。

自分も、こんなにハシャグことがあるんだ、って驚いてしまった。

                                                        

控え室に続く通路で、セミファイナルでモセスに負けたヤウゲン・クルーグリックが、

小堀さんに、コングラッチュレイションって声をかけて来た。

小堀さんは、丁寧に頭を下げていた。

                                                         

ニカラグアからやって来た記者が言ってた。

「今日貰ったパンチだったら、誰でも倒れる。」

                                                         

この試合で、チャンピオンは、ブルーのグローブを選び、小堀さんは黄色を選んだ。

黄色は手が長く見えて、パンチが伸びるように感じるからなんだってさ。なるほどね。

                                                           

狂乱の結末だったせいか、新チャンピオンのグローブを外すためのハサミが

紛失してしまって、それで小堀さんはズーッとその黄色いグローブをはめたままだった。

                                                         

そのせいで、ホントにそのせいで、何とその黄色いグローブに巻かれてあった

グローブテープをゲットすることができたんだ。

切断されなくて、きれいに巻き戻された後、二本をグジュグジュにして、

無造作に捨てられてあったのを、ツテを頼んで貰い受けたんだ。

グジュグジュの塊をほぐして、2本のヒモにするまでに30分以上かかったな。                                                         

今、自分の部屋に下がってるんだけど、その所々にオレンジのマジックで、

“WBA”ってサインされた痕跡がしっかりと残ってる。

見てると、今でもジーンと胸に来る。

これは一生の宝物。 死んだ時棺の中に入れて貰おうと思ってる。

                                                         

翌日からのあれこれで、23日に会った時、小堀さんはかなり参っている様子だった。

それでどうやら、しばらく一人旅に出るようだ。

どこかで見かけても、声は掛けない方がいいかも知れない。

多分小堀さんは、ボクサーじゃなくなっていると思うからね。

                                                         

2009年3月 4日 (水)

エピソード Ⅰ 別人からの励まし (2008.5.29)

大事な試合の前にチョロチョロするのはまずいと思ってだんだけど、

我慢できなくてジムへ行ってみたのが、5月15日。

                                                        

ちょうどホセ・アルファロやパウルス・モセス、それに何故かローマン・ゴンザレスもいた。

モセスは、延々縄跳びやってて、まるでマサイ族みたいだったな。                                                      

間近に見るアルファロは、中南米人特有の浅黒い肌をした、超の付くイケメンだった。

                                                         

だけど、驚いたなあ。

小堀さんは、まるで違う小堀さんになっていた。 まず、体の仕上がりが違ってた。

今までは、絞ればフェザーでもいけそうな、若干余裕のあるスーパーフェザーだったけど、

今は絞りきった上でのライト級の体になってた。

一日もサボらないで鍛えていたっていうのは、ホントだったんだ。

                                                         

既にスパーリングを切り上げている時期だったけど、

田中トレーナーとのミット打ちでのパンチが今までとはケタ違いだった。

体幹がしっかりしていて、リズミカルに軽く打ち放つ全てのパンチに、

恐ろしいほどのキレがあったし、目付きも普通じゃなかった。                                                         

これまでで最強だと感じた。 ホントにそう思ったから、

負けるわけがない、って彼に伝えたら、コクっと頷いて、自信になります、って答えた。

                                                         

小堀さんのことは、去年4月のコラムでほぼ言い尽したと思ってたけど、

小堀さんは、もっともっと画期的に進化していたんだ。

                                                        

彼は、2005年イーグルと高山勝成さんとのタイトル戦の前座で、

鈴木哲也君(当時、グリーンツダ)を倒したあたりから、突然強くなったんだ。

巷では真鍋圭太さんの方が圧倒的に優位だって言われてた日本タイトル戦も、

自分は小堀さんの勝利を全く疑ってなかった。

                                                         

相手の打ち出しを待ってのカウンターだけでなく、

小堀さんは、打ち合いのさなかでも、カウンターのチャンスを見つけるし、

次のカウンターを打つための捨てパンチも器用にこなすんだ。

その日、田中トレーナーは、左の使い方を何度も何度も指導していたな。

そして、その左で、二人は世界を獲った。

                                                         

実を言うと、世界戦はもう少し先の方がいいと思ってたんだ。

直近の二つの防衛戦は、後輩さえからも、何やってんですかあ、ってなじられるような、

正直少しへタレタ試合だったし、もう少し小堀さんを楽しみたいとも思ってたので、

負けたら引退っていうのは、ちょっとシンドイ気持ちだったからね。

                                                        

小堀さんが以前に言ったこと……。

次もいい試合ができるかわかりませんが……。

ひとつひとつコツコツと……。

彼の謙虚で真っ正直な人柄が表れた、自分の大好きな言葉だ。

                                                         

試合が近付くにつれ、ジムには取材陣を中心に多くの人達が訪れて来るもんで、

他のボクサー達の練習に支障をきたすような状況も起きたんだけど、

小堀さんは、その事をとても申し訳なく感じていて、

先輩の榎洋之さんにはちゃんと詫びてるんだ。

そこらへんがエラくてスゴイ、って榎さんが言ってたな。

                                                           

そういう性格は、ジムのスタッフ特に、女性陣からも愛されていて、

時には母親のごとく、時には姉のようなサポートを受けてたな。

今回の世界戦では、WBAの役員をはじめ、ジャッジ、リングアナ、アルファロ本人、

モセスと、その相手クルーグリックのそれぞれ御一行、それにかのドン・キング一家の

来日離日のスケジューリングやホテルの手配や、移動、食事の段取り、

試合の承認を受けるためのWBAやJBCに対する雑多な書類の往復など、

そりゃあ大変だったらしいよ。

                                                         

それから、“エビログ”の追っかけ記事も的確だったし、

田中トレーナーや、坂本博之さんのコメントもホットだったなあ。

この時期の角海老ジムのホームページは、小堀さんの世界戦に向けて、

一丸となってて、とても気持ちがこもってたなあ。

                                                              

そんな穏やかで愛すべき小堀さんが、ぶっ殺してやります、って言ったんだ。

彼の中で、何かが変わって、世界戦を前に徐々に別の人間になっていくようだった。

そして、その時同時に語った言葉が……。

僕のような人間でも、何かを成し遂げられるという事を見せたいと思います、と

ボクシング人生の全てを出すつもりで、全力で戦います、そして、

いつか励ます側になってみたいです、だった。

                                                        

2008年5月19日、あの日“ディファ有明”で、自分は何十年に一度かの試合を見た。

1700人の観客達も同じだったらしく、みんな興奮してなかなか帰らなかった。

泣いてる人もたくさんいた。 知らない人同士がハイタッチを繰り返し、

みんながその瞬間、小堀さんに励まされたのを感じたんだ。

何のために頑張るかを見つけ、頑張ると決めた時、人は変わるということか。

                                                         

この夜、小堀さんはまさしく励ます側にまわった。

思えば去年、すぐ近くの“有明コロシアム”で、

本望信人さんが激闘を繰り広げたのも、同じ5月。

あの晩の帰り道も足元がフワフワしてたっけ……。

                                                         

2009年3月 3日 (火)

エキサイトマッチ (3/2放送)

2月度ランクで、小松学さんの突然のランク落ちの理由が分からなかったんだけど、

確かめたら、やっぱり引退届を出したんだってさ、チョット残念だな。

和賀さんもそうだったけど、引退届を出すとすぐにランクから抹消されるんだ。

でも、止めたって表明しても、JBCに正式な引退届を出さない限り、

自然消滅するまでランキングは残っていく。

だから、クレージー・キムさんは、2月度でもOPBFスーパーミドルの3位にいる。

                                                        

それから……。

安西政人さんの次戦が4月19日に決まってるっていうのに、

池田一晴君の試合の話が全く聞こえてこないので、ジムに問い合わせてみたら、

あの時1ヶ月ほどで治るって見通しだったのが、意外に長引いてしまって、

3月から練習再開なんだってさ。 

こういう事をきっかけにして止めてしまう子も多いもんで、とりあえずヨカッタ、ヨカッタ。

                                                         

普通にしていると、3月は10回も後楽園ホールに行くことになってしまいそうなので、

さすがに、ちょっと調整しなくちゃね。 体と仕事がメチャメチャになりそう。

その上、月曜日はWOWOWなんだから……。

そのエキサイトマッチ。

                                                                                                      

クリス・ジョンとリカルド・ファレス……WBA Fe タイトルマッチ

何たってジャッジ3人ともが、114-114っていうのが凄いね。

お互いに目配せでもしたんじゃないの、っていう感じ。

自分はクリス・ジョンに2P上げたどね。

                                                         

二人とも黒のレイジェスがカッコよかったね。 レイジェスはやっぱり黒が最高!

ファレスを見てて驚いたんだけど、彼、榎洋之さんによく似てるね。

まず頭蓋骨の形がそっくりだし、構えた時に斜め後方から見るとまるで榎さんだったね。

そのファレスは、正直あんまり大したことなかったな。

もっとガサガサ行かなくっちゃね。 そこそこいいのが当たってるのに残念だったなあ。

終わった時、クリスジョンは榎さんの時ほど、顔が腫れてなかったし……。

                                                       

そう言えば、クリスジョンも、どうなのって感じだったなあ。

ファレスの出来の悪さに助けられたような所があって、

いつものような軟体ゴム人間みたいじゃなかった。

ただ5年間もチャンピオンを張ってるっていうのは、やっぱり生半可じゃなくて、

そんなにクリーンヒットはしてなくても、とりあえず攻撃的姿勢は印象付けようって、

最低、地元ディシジョン分くらいはカバーしておこう、って上手いよなあ。

                                                        

ファン・マヌエル・マルケスとファン・ディアス…WBA、WBOライト級タイトル戦

ファン、ファン対決。

もうマルケスが大好きなもんで……。

彼、“あしたのジョー”に出てきた、ホセ・メンドーサにそっくりでしょ。

それから、目の周辺が瀬藤幹人さんにも似てるでしょ。

ボクシングスタイルも大好きなんだよなあ。 あれで35才なんて、凄いよなあ。

                                                         

そのマルケスは黒のレイジェス、ディアスはブルーのエバーラスト。

レフェリーは、小堀さんとアルファロの時のラファエル・ラモス。

ディアスのグローブテープの巾が、マルケスのより随分長いのは何故?

                                                        

実はマルケス、中盤に幾度もいいの喰らって、見ててヒヤヒヤしてたんだ。

結局は、7割以上と5割ほどという二人のKO率の差が出たという感じ。

                                                        

でも、マルケス上手いよねえ。 パンチ強いよねえ。 いいアッパー打つよなあ。

それもいろんな角度で打ち込むもんで、ディアスもお手上げ状態に……。

                                                        

9R、差し込むように斜め下に打ち込んだ右ショートフックで、最初のダウン。

それまでにかなりダメージが溜ってた感じだけども、あの右は見事だったなあ。

何とか起き上ったところを最後は、右アッパーで決着。

それにしても、ライト級だっていうのに、1Rからのあの打ち合いには、タマゲルね。

カネの取れるボクシングっていうのは、ああいうのを言うんだね。

                                                                                                                 

(続) サウスポー (2007.12.17)

サウスポーに関しての続きだけど、更に更に特筆することがあるんだ。

それは帝拳ジムのこと。

                                                        

老舗の名門帝拳は、日本のトップボクサー193名の中に、

何と15名という大量のボクサーを送りこんでいるんだけど、

そのうちの6名がサウスポーなんだ。 これは40%に相当するわけで、

平均15%のサウスポー比率からすると、頭抜けた数値ということができる。

                                                         

本来の左利きばかりを集めているとも思えないので、ジムの方針として、

練習生を積極的にサウスポーに転換させているんじゃないかとも思えるし、

そもそもボクサーの親が、プロになる以前の息子を、

既にサウスポーに矯正しているとも考えられる。

優秀なアマチュアが多く集まる帝拳ならではの顕著な傾向のようだな。

                                                        

そう言えば、以前下田昭文さんにサインを貰った時、

彼は右手で書いてくれたよなあ。

                                                           

色々考えてみると、ボクシングにおいてサウスポーは、その希少性からして、

まず最初のアドバンテージと言っていいのかも知れないな。

それから、大きなパンチは利き腕による一撃が一番有効なのは簡単に分かるけど、

実はジャブも、本来の利き腕で早く、数多く、力を込めて打つスタイルが、

望まれつつあるのかも知れない。

                                                         

ならば、最後の疑問。

サウスポーのボクサー同士は、お互いにやりにくいのか?

                                                        

それも確認すべく、12月6日のウェルター級のタイトル戦を見に行った。

早いラウンドでの牛若丸あきべえさんのドカドカ攻撃をいなし切れたら、

3階級制覇の湯場忠志さんの経験の方が優位じゃないかって思ってだけど、

何と1R開始10秒ほどで、いきなり湯場さんがダウンを喰らってしまって、

もう場内大騒ぎ!

                                                         

やっぱり、若さと勢いが勝ったかと思ったけど、

湯場さんの足は思いのほかシッカリしていて、目に戸惑いの色もなく、

そこで改めてプライドと闘争心のスイッチを入れたようで、鬼のような反撃が始まった。

                                                        

あきべえさんも一気にカタをつけてしまおうと左右のフックをブン回す展開となり、

その分甘くなったガードをかいくぐって、湯場さんの強烈な左クロスが炸裂した。

まさに波動砲のごとく炸裂した。

                                                         

かろうじて立ちあがったあきべえさんだけど、

明らかに湯場さんよりダメージが大きくて、膝の柔軟性を失ってたな。

若さが前面に出過ぎてしまった結果だった。

                                                         

湯場さんは、全くいつもの冷静でかつ冷酷な狙撃手のように、あきべえさんを攻めた。

二人ともボディブローは一発も打たず、ひたすら相手の顔面を狙い続けた。

あきべえさんが段々ヘロヘロになっていった次の瞬間、2発目の波動砲が発射され、

あきべえさんはロープまで吹っ飛ばされて、万事が窮した。

                                                         

湯場さんは、ゆっくりニュートラルコーナーに歩を進める。

カウント8でも立ち上がれず、天井に向かって目を泳がせているあきべえさんに、

セコンドからタオルが投げ入れられた。

1R、1分半くらいまでの出来事だった。

                                                         

金平会長の2個分もある、デカ頭をした大巨人、ワルーエフが見に来ていたな。

                                                           

結局、サウスポー同士はやりにくいのかっていう疑問には、何の回答も得られず、

そんなの関係ねえっていうのが、この日の結論だったな。

                                                       

2009年3月 2日 (月)

サウスポー (2007.12.17)

世の中の殆どの道具や機械は、実は右利きの人向けに作られている。

ハサミ、自販機のコイン投入口、縦書きの書物、電卓やパソコンのキーボード、

パチンコ台のハンドル、ドア、エレベーターのボタン、洋服のファスナー、

キッチンのレイアウト等々枚挙にいとまがない。                                                        

今は知らないけど、自分が子供の頃、野球の左利き用のグローブは、

右利きの物よりかなり割高だったんだ。

                                                        

事ほど左様に、左利きの人はマイノリティであるがゆえに、長い間冷遇されてきたんだ。

だから親たちは、自分の子供に左利きの兆候が現れると、

懸命になって右利きに矯正しようと努めたもんなんだ。

                                                         

ところが、ことスポーツの世界ともなると、この一般生活上ではハンデとされている

左利きが、希少性とその種目のグラウンド構造上の利点更には、

利き腕を、押す力より引っ張る力に利用させた方が有利だと判断される、

などの場合において、右利きより優位に立つケースがある。

そんな場面では、だから意図的にサウスポーに転換させるということも多い。

野球で言うと、イチローや松井秀喜だな。

                                                         

現在、日本にはA級のプロボクサーが約500名いるんだけど、

そのうちチャンピオンを含めた日本ランカーが全13階級で157名いるんだ。

そして、世界とOPBFのチャンプ、それに15位以内の世界ランカーが別に36名いる。

(11月末現在、重複分は除外)

                                                         

それで、これらを合わせた日本のトップボクサー計193名の中に、

何人のサウスポーがいるのか調べてみたんだけど、29名だった。

これは数値的には15%ということになるんだけど、

実は何と、ボクサーの7人に1人がサウスポーだということなんだ。

通常人の左利き比率を考えると、これがいかに大きな数値かが分かるな。

                                                         

更に詳しくみてみると、前掲のチャンピオンを含めた日本ランカー157名の中には、

25名のサウスポーがいるんだけど、面白いのは、

ミニマムからスーパーバンタムまでの6階級74名の中には7名しかいないのに、

フェザー以上の83名には、18名ものサウスポーがいることだな。

何と22%、5人に1人以上がサウスポーなのだ。

                                                        

そして、フェザー級以上の7名のチャンピオンのうち、5名がサウスポーで、

オーソドックスのチャンプは、小堀佑介さんと、石田順裕さんの二人しかいない。

それに比べて、バンタム級以下にはサウスポーのチャンピオンは一人もいない。

                                                        

今、中量級以下はオーソドックスが主流で、それより重いクラスは、

サウスポーの天下と言うことができるってか。

                                                        

2009年3月 1日 (日)

言い訳 (2007.12.10)

亀田家の次男坊が、また訳の分からない会見をしたなあ。

JBCは、大変だぞお。

                                                        

ところで、このコラムの事で、何だか誤解している人もいるようなので、

この際少し説明しておくけど、

そもそも自分は角海老宝石ジムの人間ではないんだ。

自分でも呆れるほどボクサーに憧れているだけの、普通のオッサンに過ぎない。

                                                        

ひょんな事からジムのお偉いさんと面識ができて、

何か書かない?みたいなことになって、これを書いているんだ。

ジムに関することに限定しないし、勿論他のジムのボクサーのことも書いていいし、

とにかく、勝手にしていいっていう超太っ腹のシステムなので、

それこそ類を見ないほど身勝手な独白、独善コラムになってるんだ。

                                                         

何について書くか、いつ書くかなどの決まりは一切なくて、事前の原稿確認さえない。

自分としては、ジムのイベントに隙間があった時などの穴埋めくらいになって、

かつ自分自身のボクシング観の整理みたいなものになればいいと思ってる。

“村木田一歩”とは勿論ペンネームで、ご推察の通り、国木田独歩をもじったもの。

                                                        

だから、自分が書いた内容は、ジムとっては、全くあずかり知らないことなので、

先般の“亀田家騒動”が、ジムの思惑を反映しているなんてことは有り得ないし、

ほぼ同時期に田中トレーナーのコメントが出たことにも何の他意もない。

連携なんか全くしてないんだからね。

言いたくなった時期が、たまたま重なっただけのこと。

                                                         

そもそも、この件に関してジムが積極的に発言する気など初めからないのは、

他のどのジムも同じだと思うし、元々ジムとしての見解を統一することさえ無理な話。

                                                          

それと、角海老ジムは所帯は大きくなったけど、決して老舗ジムではないし、

その老舗ジムにしても、世論を喚起するなんてこと絶対しないと思うよ。

                                                         

業界関係者の多くは、今回の事件を含め、業界に内在する複雑な事情が絡んだ、

数々の矛盾の打開策について、それぞれが苦悩し、静かに考えているんだと思う。

それこそ、もっとオープンに議論しなければならない問題も多くあると思う。

                                                        

結局、田中さんも自分もごく個人的な感想をチョロッと言っただけで、

後だしも先だしもないし、そもそもこのコラムに関しては、深読み、裏読みの類は、

一切無用であって、もっと肩の力を抜いて読んでくれれば有り難い。

ただ、自分が書いたものが人の悪意を呼び覚まし、

それが連鎖するのを見るのはシンドイというか、情けなくなってくるので、

今後はワイドショーネネタに手を出すのは止めようと反省してる。

                                                       

それから、ジムのホームページの中で書かせて貰ってる関係上、

ジムに迷惑がかかるようになったら、すぐ身を引こうって決めている。

それまでは、後楽園ホールで、あれ結構オモシレーよなって言ってくれたボクサーと、

自分のためにこれを続けようって思ってる。

                                                       

これでちょうどA4一枚。今後も今風の改行はしないけどヨロシク!

                                                        

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